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幸せの色。

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  • 1:

    ◆ObanGQEW7M

    10月―ミナミ
    寒い、昨日までとは打って変わって寒い。
    アキは自転車で店まで向かっていた。
    アキの家から、アキがレギュラーで勤めているキャバまでは自転車で10分くらいだった。

    2005-11-02 04:59:00
  • 2:

    ◆ObanGQEW7M

    「おはよございます。」
    アキは無愛想な挨拶をして足早にロッカーへ向かう。
    正直、店にはうんざりしていた。
    レギュラーだが学生のアキにとって、プライベートも仕事の様なキャバという職種は気が滅入りそうだった。

    2005-11-02 05:04:00
  • 3:

    ◆ObanGQEW7M

    いくら学生でも、負けず嫌いのアキは「客が呼べない」事が苦痛だった。
    「今日も予定なしか…」
    携帯をボンヤリ見ながらドレスを着る。
    「胃が痛い…はぁ」

    2005-11-02 05:08:00
  • 4:

    ◆ObanGQEW7M

    「おはよっす。なんでもないケド、テンション上がらへんわぁ……」
    アキはピンクの瓶の香水をふりながら答えた。
    「アタシもよぉ。なぁ、今日飲みに行こか」
    ヒカリサンはニンマリして言った。

    2005-11-02 05:29:00
  • 5:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンは楽しい事を何でも教えてくれるから、アキは好きだった。
    「バーですかぁ?」
    アキもニンマリして言った。

    2005-11-02 05:34:00
  • 6:

    ◆ObanGQEW7M

    「ううん、クラブ行こ!テンション上がんでぇ〜」
    「クラブ!?実は私、クラブ行った事ないねんケド…」
    「大丈夫!ヒカリもちょっとしかないねんケド楽しいでぇ!!」
    ヒカリサンはそう言うと同伴待たせてるとか何とか行って、先に行ってしまった。

    2005-11-02 05:37:00
  • 7:

    名無しさん

    作者のトリップ オバンごえw7メートル 

    2005-11-02 05:59:00
  • 8:

    ◆ObanGQEW7M

    「クラブかぁ…。」
    ちょっと不安やけど楽しそう!
    アキはワクワクしながら彼氏のカズヤにメールを打った。
    [今日アフターっぽいから遅くなるね〜]

    2005-11-02 06:31:00
  • 9:

    ◆ObanGQEW7M

    >>8サン
    ホンマや!おばん声?越え?7?って!?

    2005-11-02 06:33:00
  • 10:

    ◆ObanGQEW7M

    アキとカズヤは付き合って1年弱。同棲している。
    もともとアキとカズヤは同じ店のホステスとボーイだったが付き合いだして2人して店を辞めた。
    その後アキは昼職の後、また今のキャバで働きだし、
    カズヤはボーイを転々とし今は固定給のスカウトをしている。

    2005-11-02 06:36:00
  • 11:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは20歳でカズヤは26歳。
    付き合いだして2人の価値観が結構違う事をアキは知った。
    例えば…
    「お店終わってから、お店の子とクラブ行く」なんてカズヤが知ったら怒って止めるだろう。

    2005-11-02 06:39:00
  • 12:

    ◆ObanGQEW7M

    彼氏の嫌がる事はしない方が良い。
    って事くらいアキも分かってる。
    だけど楽しい事はしたい。飲みに行くのも好きだしクラブなんて今しか楽しめない気がする。

    2005-11-02 06:41:00
  • 13:

    ◆ObanGQEW7M

    ここ最近アキの中でカズヤとの毎日はウンザリする事が多かった。
    カズヤと家にいるくらいならヒカリサンと遊んでる方が楽しい。
    だからと言って別れたくもない。
    それがアキの我儘である事くらいアキも分かっていた。

    2005-11-02 06:43:00
  • 14:

    ◆ObanGQEW7M


    お店が終わる頃、カズヤから電話がかかってきた。
    「もっし〜?」
    [あぁ、アキ?今日アフター?オレ、スカウト仲間に誘われてキャバ飲みに行かなあかんネンケド帰る時間同じくらいなら一緒に帰ろぉ]
    「分かった。終わったら連絡するし、そっちが先なら連絡して☆」

    2005-11-02 06:47:00
  • 15:

    ◆ObanGQEW7M

    電話を切った後、アキは少しイラっとした。
    わざわざキャバ行くなんて言わなくて良いのに…。
    これがアキの考えだった。
    相手が心配したり不快に思う事なら言わない方が良い。

    2005-11-02 06:49:00
  • 16:

    ◆ObanGQEW7M


    クラブで飲んでいる時、ヒカリサンにその話をしたら、ちょっと変な顔をされた。
    「まぁアキチャンの言う事も分かんネンケドなぁ〜…」

    5時を過ぎたくらいにカズヤから着信があった。
    今からが一番楽しいのに、というヒカリサンを背中に私は先に帰る事にした。

    2005-11-02 06:51:00
  • 17:

    ◆ObanGQEW7M

    略部
    今からが一番楽しいのに、というヒカリサンを背中に私は先に帰る事にした。

    2005-11-02 06:53:00
  • 18:

    ◆ObanGQEW7M

    私だって、ラストまでいたいよ…
    そう思いながらカズヤの待つ筋まで戻った。

    2005-11-02 06:54:00
  • 19:

    ◆ObanGQEW7M

    「お疲れ〜」
    カズヤは先に待っていた。
    「お腹すいた〜吉牛行けへん?」
    カズヤは自転車の鍵を開けながら言った。
    「そぉやなぁ〜」
    アキは荷台にまたがった。

    2005-11-02 06:56:00
  • 20:

    ◆ObanGQEW7M

    略部
    アキは荷台にまたがった。

    2005-11-02 06:57:00
  • 21:

    ◆ObanGQEW7M

    「重ッ!アキ太った?」
    カズヤは自転車をこぎながらアキに言った。
    「はぁ?そんなん言うなら吉牛止めよぉや?」
    「えぇ〜それは無理!」
    たわいもない会話をしながら2人は吉牛に向かった。

    2005-11-02 07:00:00
  • 22:

    ◆ObanGQEW7M

    こんなたわいもない会話も最近は少し疲れるな…
    アキはふと思った。

    吉牛を食べ終わって店を出る時、当たり前の様にアキが支払った。

    2005-11-02 07:02:00
  • 23:

    ◆ObanGQEW7M

    前の店を辞めてから、カズヤは職を転々としていた為、まともな給料がなかった。
    もちろん、とんで辞めた時は給料なんてない。
    だから、吉牛の支払いから家賃、電気代、2人の携帯代までアキが出していた。

    2005-11-02 07:05:00
  • 24:

    ◆ObanGQEW7M

    昔からそうではなかった。
    前の店でちゃんと給料をもらっていた時はカズヤがおごってくれる時が多かった。
    だからアキも、この状況をうるさくは言わない。
    不快に思っていても。

    2005-11-02 07:07:00
  • 25:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは専門学生だが、厳しい学校ではない為、レギュラーでキャバをしていた。
    専門に行きたいのと地元にいたくない理由で、地元の4大を親の反対を無視して中退した。
    親は諦め、専門の学費と仕送りはしないから好きにしろと言った。

    2005-11-02 07:12:00
  • 26:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは給料を2人の生活にまわし、余った分を貯金して、学費を作っていた。
    本当はカズヤの給料で生活して給料は学費にまわして、早く夜を辞めたい。と思っている。
    だけどそんな事くらいカズヤも分かってると思うし、わざわざ言いたくないと思っていた。

    2005-11-02 07:17:00
  • 27:

    ◆ObanGQEW7M

    そんな話をヒカリサンに言った事がある。
    ヒカリサンは「しんどぉない!?アキチャンが良いなら良いケドさぁ〜」とだけ言っていた。
    しんどくないワケない……

    2005-11-02 07:19:00
  • 28:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤがスカウトをしようとした時、アキは嫌だと言った。
    カズヤのスカウトは生真面目でナンパじみた声掛けやスカウトを喰うなんて事は絶対にない。
    だけどスカウトって、ある程度は女と関わるから嫌だった。
    しかしアキもキャバで働いてるから強くは言えなかった。

    2005-11-02 07:24:00
  • 29:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤは家に着くなり、疲れたと言い寝てしまった。
    アキはメイクを落としながら、ため息をつく。
    脱いだ服も洗濯物も脱ぎっぱなし。飼ってる猫の世話もしない。
    住んでる部屋は狭いので、ちょっとちらかすと余計汚く見える。

    2005-11-02 07:28:00
  • 30:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはウンザリしながら、カズヤの服を片付け、洗濯物を籠に入れ、猫砂を変えて、猫のエサを入れた。
    おかげで猫はすっかりアキになついている。
    「…しんどい」

    2005-11-02 07:30:00
  • 31:

    ◆ObanGQEW7M

    アキにとって、最近の毎日は仕事に行って帰って、猫とカズヤ、2人の世話ばかりに感じていた。
    働いたお金も使えない、遊びに行く時間もない。
    そんな毎日だった。

    2005-11-02 07:34:00
  • 32:

    ◆ObanGQEW7M

    「う〜ん、彼氏サンと別れたいとかは思わないの?」
    ヒカリサンはアキに言った。アキは少し間をおいて、答えた
    「別れよっかな……でもカズヤ今別れたら生活できひんやろな」

    2005-11-02 07:36:00
  • 33:

    ◆ObanGQEW7M

    「ん〜アキチャン。それってどぉなん?好きなん?」
    ヒカリサンは少し苦笑いをしながら明るく聞いた。
    「好きっすよ!好きやねんケド〜…」
    アキはそれ以上言葉が浮かばなくて詰まってしまった。

    2005-11-02 07:38:00
  • 34:

    ◆ObanGQEW7M

    だけど、別れる気はしない。
    今まで何度か、ケンカして別れる事になったケド、いつもアキが辛くて悲しくて、泣きながら引き止めた。
    だからきっとカズヤの事は好き。
    アキはそう思っていた

    2005-11-02 07:39:00
  • 35:

    ◆ObanGQEW7M

    いつもはカズヤの仕事の終わる時間とアキの仕事の終わる時間は同じくらいだったが、その日はカズヤの方が早く、先に帰っていた。
    「ただいま…」

    2005-11-02 07:42:00
  • 36:

    ◆ObanGQEW7M

    「ん…」
    最近カズヤはあまり口をきかない。仕事が大変らしい。アキも仕事のプレッシャーやストレスからイライラする事が多かったから、あまりしゃべらない。
    カズヤは布団を顔まで覆っていた。

    2005-11-02 07:44:00
  • 37:

    ◆ObanGQEW7M

    「なぁ」
    カズヤが暗く声をかけてきた。
    「何?」
    アキはメイクを落としながら答えた。
    「オレ近いうちに部屋出てくな。……そしたら別れよう」

    2005-11-02 07:46:00
  • 38:

    ◆ObanGQEW7M

    略部
    空白

    2005-11-02 07:47:00
  • 39:

    ◆ObanGQEW7M

    「…なんで?」
    「いや、もぉ理由聞かんといて。話したくない。」
    カズヤは怒ってるみたいだった。
    「は!なんでなん?」

    2005-11-02 07:49:00
  • 40:

    ◆ObanGQEW7M

    「いや、もぉほんま話したくないから。自分でわかるやろ。」
    ふとアキの目に、アキが最近機種変した前の携帯が見えた。
    「携帯見たん?」

    2005-11-02 07:50:00
  • 41:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは浮気などはしていなかった。
    ただ、飲みに行くのをアフターと言ったり、同伴をカズヤに言わずに行ったりしていた。
    心配したり不快に思う事を言うくらいならと嘘をついていた。

    2005-11-02 07:53:00
  • 42:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤが嘘を嫌いなのもアキは分かっていた。
    だけどアキはカズヤが心配したり、それで機嫌悪くなったりするのが嫌だった。
    「ほんま嘘つくとかありえん。まじで冷めたわ」

    2005-11-02 07:55:00
  • 43:

    ◆ObanGQEW7M

    今まで別れ話の時は決まってアキが泣き叫んで止めていた。
    だけど今回は違った。
    「わかった。私が悪いもんな。とりあえず今日気まずいし、私外に出るわ。」

    2005-11-02 07:57:00
  • 44:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは外に出て、真っ先にヒカリサンに電話をした。
    「はいはぁい?どないしたぁ?」
    ヒカリサンは酔っていた。でもその明るい声を聞いたら急にアキは泣きだしてしまった。
    「ヒカリさぁん……別れたぁ」

    2005-11-02 07:59:00
  • 45:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンは酔っている様だがハッキリした口調で
    「とりあえずこっちおいで」
    とアキを呼んだ。
    ヒカリサンがどこにいるかはすぐ分かった。

    2005-11-02 23:46:00
  • 46:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはすぐタクシーを拾った。
    「北新地まで…」

    2005-11-02 23:48:00
  • 47:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンと飲みに行くようになるまでアキは北新地に来る事はなかった。
    今でも北新地のニオイはドキドキする。
    慣れたミナミとは全然違うニオイ。
    なんだか違う自分になれるニオイ。

    2005-11-02 23:50:00
  • 48:

    ◆ObanGQEW7M

    タクシーの窓から午前3時過ぎの街を見る。
    アキは鼻をすすりながら、カズヤな事をちょっと考えた。
    こういう運命だったのかな。
    あんなに好きだったカズヤなのに、今はホッとする気持ちもある。

    2005-11-02 23:55:00
  • 49:

    ◆ObanGQEW7M

    「1300円です」
    タクシーを降りて、知っている道を小走りで過ぎる。
    角を曲がるとヒカリサンとマサキがいた。
    「アキチャン!!」

    2005-11-02 23:57:00
  • 50:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンはアキを見つけると走ってアキに近づいた。
    「だぁいじょうぶぅ??」
    心配しながらも明るく言った。
    ヒカリサンはいつも明るい。そんなヒカリサンを見たら、とまっていたアキの涙はまた溢れだした。

    2005-11-02 23:59:00
  • 51:

    ◆ObanGQEW7M

    「とりあえず中入ろうや。」
    マサキがアキとヒカリサンの間に入って2人の背中を押した。
    マサキはグロウの雇われ店長サン。アキと会うのは、これで2回目。
    まだ若いのに、落ち着いていて言う事はいつも力強い。

    2005-11-03 00:02:00
  • 52:

    ◆ObanGQEW7M

    グロウはヒカリサンの彼氏がオーナーで開店したばかりのバーだ。
    店内は広くないケド暗くてなんだか落ち着く。まるで何年も通っているバーみたいに、しっくりくる。
    店内に入ったらマサキはアキを見て爆笑した。

    2005-11-03 00:05:00
  • 53:

    ◆ObanGQEW7M

    「お前なんやねん!その顔!」
    アキのセットしていた頭はボサボサで、スッピンの上に涙で目が赤く腫れていた。
    「だぁってぇ〜」
    アキは顔をふくらましながらカウンターのヒカリサンの隣に座った。

    2005-11-03 00:08:00
  • 54:

    ◆ObanGQEW7M

    「ハイハイ、とりあえず、どぉしたん?」
    2人のやりとりを苦笑いしながら見ていたヒカリサンはアキの頭をなでながら優しく言った。
    「なんか…アキが悪いねんケド、なんていうか、もう2人はダメだったと思う」

    2005-11-03 00:10:00
  • 55:

    ◆ObanGQEW7M

    最近ウンザリするのが多かった事。金銭的に重荷になってた事。家の事。2人が冷めきってた事。
    アキは酔いに任せて思いつく事を片っ端から話した。
    「でもな、そんなんじゃなくて、アキが…嘘をついたから…あんかったんよ」

    2005-11-03 00:17:00
  • 56:

    ◆ObanGQEW7M

    「嘘…?」
    マサキはカウンター越しにアキをじっと見た。
    その時グロウの黒いドアーが開いた。
    「いらっしゃいませ〜」
    マサキの意識はアキから、入ってきた客に変わった。

    2005-11-03 00:19:00
  • 57:

    ◆ObanGQEW7M

    入ってきた客は、27歳くらいのスーツを着た男性と25歳くらいの新地っぽい女性だった。
    2人は新規ではないようで楽しそうにマサキと話している。
    アキはおもちゃをとられた子供みたいに、ふくれた。

    2005-11-03 00:22:00
  • 58:

    ◆ObanGQEW7M

    「マサキぃ〜!」
    これじゃまるでホストで酔って絡む痛客だ。
    マサキは優しく、ハイハイと言ってアキの方へ戻ってきた。
    「で、おまえがついた嘘って?」

    2005-11-03 00:24:00
  • 59:

    ◆ObanGQEW7M

    風邪をひいていたのと泣いていたのでアキの鼻はグズグズだった。
    何度も鼻をかんでいたせいで、さっきの2人もアキに何かあった事に気付いていた。
    「アキは心配かけたり、それで不安にさせるくらいなら、と思って……」

    2005-11-03 00:27:00
  • 60:

    ◆ObanGQEW7M

    「内緒で同伴したり…アフターって言ってクラブ行ったりした」
    話終えてアキが鼻をかもうとしたら、カウンターの3席隣にいた、さっきの女性が急に言った。
    「え〜!でもさぁ、彼女に嘘を言わせる状況を作った彼氏も彼氏じゃん!!」

    2005-11-03 00:31:00
  • 61:

    ◆ObanGQEW7M

    「オレもそれはあると思うな。」
    マサキもうなづいた。
    「しかも携帯見たんでしょぉ〜!?水商売で携帯なんて見ちゃだめって事くらい暗黙の了解じゃん!」
    彼女は独特の話し方で、まくしたてるように早口で言った。

    2005-11-03 00:34:00
  • 62:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキもヒカリサンも、うんうんと納得している。
    「そっかぁ〜…なんか目からウロコ。」
    アキの一言にマサキが笑った。
    「落ち着いた?」

    2005-11-03 00:36:00
  • 63:

    ◆ObanGQEW7M

    「うん…ありがとう……でも、アキ結局カレシの事傷つけてばっかで…すごいごめんねって気持ちで…次付き合う人には、絶対同じ事しちゃだめやなって思うし…」
    「アキチャン、切り替わり早いなぁ〜!次の人の事まで考えてるって、やっぱカレシに冷めてたんちゃうん。」
    ヒカリサンはすかさずアキにつっこんだ。

    2005-11-03 00:41:00
  • 64:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンの一言で皆が笑った。
    アキもヒカリサンもマサキも、結構酔っていた。
    後から来た2人はユキサンとダイチといって、ダイチはグロウの隣のバーの店長らしい。ユキサンは新地のホステスでダイチの彼女。

    2005-11-03 00:44:00
  • 65:

    ◆ObanGQEW7M

    アキが驚いたのは、ヒカリサンとマサキとユキサンが同い年で、アキとダイチが同い年だという事。
    「絶対見えない!!」
    と力を込めて失礼な事を言うアキに対してもダイチは嫌な顔ひとつせず笑った。マサキより、落ち着いてるかも。

    2005-11-03 00:46:00
  • 66:

    ◆ObanGQEW7M

    5人はグロウで、そうとう飲んだ。マサキがグロウの閉店時間だと言ったらユキサンはダイチの所で飲もうと言ってくれた。
    ダイチの所はグロウとは全然違って白く、カラオケもある。
    「アキチャンの為にワイン開けちゃう〜♪」

    2005-11-03 00:49:00
  • 67:

    ◆ObanGQEW7M

    ユキサンは上機嫌で白ワインを開けた。
    お酒好きなアキにとってワインは苦手な方だが、もうお酒の味も分からないのか2、3杯一気した後、カラオケをしながら焼酎も何杯か一気した。
    30分くらいダイチの所で飲んだ後、失恋パーティはお開きになった。

    2005-11-03 00:52:00
  • 68:

    ◆ObanGQEW7M

    アキとヒカリサンとマサキは、またグロウに戻った。
    カウンターではなくソファに座り、飲み過ぎただのどうだの話していた。
    アキは黒いレザーのソファに横になった…瞬間
    「ねぇねぇ、ごめん2人とも!…吐きそう。」

    2005-11-03 00:55:00
  • 69:

    ◆ObanGQEW7M

    ダイチの所では気持ち悪さなんて全然なかったはずなのに、グロウに戻った瞬間、アキのアルコール分解量はピークに達していた。
    ヒカリサンとマサキは慌てて袋を用意したりテイッシュを用意したり…

    2005-11-03 00:57:00
  • 70:

    ◆ObanGQEW7M

    一通り吐いた後、アキは朦朧とする意識の中で、カズヤの話をした。
    こんな時に思い出してしまうのは、どんな時も一緒にいてくれたカズヤ…。
    ふっきれたと思っていたのに、アキの頭のなかにカズヤが溢れてくる。

    2005-11-03 00:59:00
  • 71:

    ◆ObanGQEW7M

    春先も、真夏も、秋空も、冬の寒い時も、カズヤと一緒だった。先なんて考えた事なかったケド、漠然とずっと一緒だと思っていた。

    2005-11-03 02:17:00
  • 72:

    名無しさん

    2005-11-03 04:27:00
  • 73:

    ◆ObanGQEW7M

    アキが感傷にひたっていると、いつのまにかヒカリサンが店前にタクシーを用意していた。
    ヒカリサンとマサキが何か話した後、マサキはアキを抱え上げた。
    「大丈夫か?タクシー乗ってヒカリんち行こか」

    2005-11-06 15:30:00
  • 74:

    ◆ObanGQEW7M

    持ち上げられた瞬間、アキは叫んだ
    「やだやだ!吐いちゃう!」
    マサキは慌ててアキをソファに下ろした。
    「まだ吐けそぉか?トイレ行く?」

    2005-11-06 15:33:00
  • 75:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは首を横に振った。
    「吐けない…」
    「はぁ!?」
    「動かされると吐きそうに気持ち悪い。今すっごく寝れそうやで寝る。」
    「寝るってお前、ヒカリは?」

    2005-11-06 15:35:00
  • 76:

    ◆ObanGQEW7M

    「寝て起きたらスッキリするから、起きたら自分で帰ります。」
    「帰ります、ってお前…どこ帰んねん。」
    「……。」

    2005-11-06 15:37:00
  • 77:

    ◆ObanGQEW7M

    「…分かったよ。ここで寝とき。」
    マサキはアキの頭を軽くなでて、ヒカリサンを送りに行った。
    「じゃあ、お昼頃にまた来るね。一応アキチャンも女の子だし2人きりにするのは心配だけど、あの状態なら何もないでしょ…」
    ヒカリサンは待たせていたタクシーに乗って帰った。

    2005-11-06 15:40:00
  • 78:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンを見送ったマサキは店の中に戻ってくると、ガラステーブルをアキの寝ていたソファの隣にくっつけて、横になった。
    「えっ…寝にくくない?てゆうか別に隣こなくて良いし。」

    2005-11-06 15:44:00
  • 79:

    ◆ObanGQEW7M

    「お前冷たいなぁ」
    マサキは低く言いながらアキに腕枕しようとした。
    「ちょ、良いってば。」
    アキがそれを避けて起き上がった。
    「なんやねんッッ」

    2005-11-06 15:47:00
  • 80:

    ◆ObanGQEW7M

    アキが冗談っぽくキツく怒った。
    「なんやねんじゃなく。こっちおいで。」
    アキにはマサキの行動の意味が良く分からなかったが、強く言われたのと寂しさも手伝い、素直に言葉に従った。

    2005-11-06 15:49:00
  • 81:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはマサキと向かい合わせになるように寝転がった。
    「あったかい…。腕枕なんて、どんくらいぶりやろ…。」
    アキがぽつりぽつりと話すと、アキの背中にまわされてたマサキの腕にキュウっと力が入った。

    2005-11-06 15:56:00
  • 82:

    ◆ObanGQEW7M

    「ん〜…?」
    アキは眠れそうなままの、うつろな意識でマサキを見上げた。
    マサキと目が合う。
    1秒、
    2秒、
    3秒、

    2005-11-06 15:58:00
  • 83:

    ◆ObanGQEW7M



    3秒、

    2005-11-06 15:59:00
  • 84:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキは何も言わずアキにキスした。
    アキの背中にまわされてた手は、いつのまにかアキの頭を押さえていて、キスは深くなっていく。
    「ちょッッ!」
    アキがマサキの顔を手で押した。

    2005-11-06 16:02:00
  • 85:

    ◆ObanGQEW7M

    アキがマサキを避けようと起き上がった。
    「…。」
    マサキも何も言わず起き上がり、またアキにキスをしようとした。
    「いや、ほんまに何やねん。」

    2005-11-06 16:04:00
  • 86:

    ◆ObanGQEW7M

    アキが顔を背けるとマサキは無言のまま、アキを抱き締めた。
    店内に無言の重い空気が流れる。
    「…イヤ?」
    先にしゃべったのはマサキだった。

    2005-11-06 16:06:00
  • 87:

    ◆ObanGQEW7M

    「いや、イヤとかじゃなく…」
    「じゃあ何?」
    まだお酒の抜けない頭で一生懸命マサキを理解しようとしたがアキには、この流れが良くない流れという事しか理解できなかった。

    2005-11-06 16:08:00
  • 88:

    ◆ObanGQEW7M

    「イヤってゆうか、ダメ。」
    「ダメ?」
    「ダメ!」
    「ダメ…」
    駄目と言う言葉を知らないハズがないのにマサキはダメと言うアキを無視してソファにアキを抱き締めたまま倒れこんだ。

    2005-11-06 16:11:00
  • 89:

    ◆ObanGQEW7M

    「イヤなん?」
    「イヤじゃないけど…」
    「イヤじゃないんや」
    マサキはアキを押さえてキスを続けた。
    「イヤじゃないけどダメ!」

    2005-11-06 16:14:00
  • 90:

    ◆ObanGQEW7M

    アキがいくら力を込めてマサキをどかそうとしても、マサキの力には勝てなかった。
    マサキのキスはエスカレートしていき、マサキの手はアキのスカートの中に入っていった。

    2005-11-06 16:17:00
  • 91:

    ◆ObanGQEW7M

    「ちょッッ、ほんまに……」
    「イヤじゃないんやろ?」
    マサキはアキの胸元にキスしながら言った。
    カズヤともご無沙汰だったアキの体は正直に反応して、アキは力が入らなくなった。

    2005-11-06 16:20:00
  • 92:

    ◆ObanGQEW7M

    「ダメ…ほんまに止めてッッ」
    アキが何を言ってもマサキは止めようとしなかった。
    アキは流されて、マサキとヤッてしまった。

    2005-11-06 16:23:00
  • 93:

    ◆ObanGQEW7M

    「最悪や…」
    アキはタバコに火を点けてつぶやいた。
    「何が最悪なん?」
    マサキもアキの隣でタバコに火を点けた。

    2005-11-06 16:24:00
  • 94:

    ◆ObanGQEW7M

    「最悪やん…彼氏と別れて酔った勢いで、こんな事して…」
    アキはため息をついた。
    「…オレは愛のないセックスはせぇへんで!」
    マサキは明るく言って水を飲んだ。

    2005-11-06 16:27:00
  • 95:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはフッと笑って
    「愛って。会って2回目でウチらのどこに愛があんねん。」
    とつぶやいた。
    マサキはちょっと不機嫌な顔をした。

    2005-11-06 16:29:00
  • 96:

    ◆ObanGQEW7M

    「そぉやけど。スキじゃなかったら立つモンも立てへんし、そもそもゲロ臭いのにチュー出来ひんで。」
    「…じゃあアキの事スキなん?」
    「…それはまだ分からへんけど」

    2005-11-06 16:31:00
  • 97:

    ◆ObanGQEW7M

    「スキじゃないんやん…」
    アキはちょっとガッカリした。マサキの事は嫌いじゃないし、むしろ性格的に合うし好きだ。
    でも傷心の酔っている子とノリでヤッてしまう様な人はやっぱり嫌。

    2005-11-06 16:35:00
  • 98:

    ◆ObanGQEW7M

    「目ぇ覚めたし、帰るわ。」
    アキは、ごめんね、と言い帰った。

    2005-11-06 16:36:00
  • 99:

    ◆ObanGQEW7M

    すでに昼の12時をすぎていて、カズヤは仕事に行っていた。
    部屋に戻ると、猫が甘えてきた。
    猫砂も変えてあるし、エサも足してある。

    2005-11-06 16:38:00
  • 100:

    ◆ObanGQEW7M

    「普通に出来るじゃん」
    アキは着替えて布団に潜った。
    マサキにメールをしとこう。
    アキは携帯をとった。

    2005-11-06 16:40:00
  • 101:

    ◆ObanGQEW7M

    瞬間、携帯が鳴る。

    ━カズヤ━

    「はい?」

    2005-11-06 16:41:00
  • 102:

    ◆ObanGQEW7M

    「あーもしもし?部屋なんやけどさぁ、オレすぐに寮入れんし、しばらくそこ住みたいねんけど。」
    この部屋は一応アキ名義だ。
    「いいけど…。」

    2005-11-06 16:43:00
  • 103:

    ◆ObanGQEW7M

    「アキ、新しい男とかいてないの?」
    「えっ?いてないけど…」
    「え〜、じゃあどうする?オレと住むのは無理やろ?」
    「えっ、うん…考えとく」

    2005-11-06 16:45:00
  • 104:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤは別人の様に冷たく用件だけ告げ電話を切った。
    もう、今は何も考えたくない……。
    ともかく、マサキにメールしよう。

    2005-11-06 16:47:00
  • 105:

    ◆ObanGQEW7M

    でも何を打って良いか…
    アキが悩んでいると、メールがきた。
    マサキからだった。
    [さっきは何かごめん。]

    2005-11-06 16:49:00
  • 106:

    ◆ObanGQEW7M

    [こっちこそごめん。ただ、傷心だからとか、酔った勢いとかでエッチするのは嫌やったから…]
    アキは思った事をそのまま打った。

    2005-11-06 16:54:00
  • 107:

    名無しさん

    ?

    2005-11-08 22:24:00
  • 108:

    名無しさん

    2005-11-09 05:24:00
  • 109:

    名無しさん

    かかんの?

    2005-11-11 10:27:00
  • 110:

    名無しさん

    もう書くん止めたん?

    2005-11-12 18:44:00
  • 111:

    ◆ObanGQEW7M

    あげてくれてありがとうございますッッ?
    バタバタしてて書けませんでした??
    読んでる人がいるなんてビックリです?

    2005-11-13 01:22:00
  • 112:

    ◆ObanGQEW7M

    『さっきも言ったけどオレはそんなんじゃエッチせぇへんから……』
    マサキからはすぐ返事が来た。
    アキから見て、マサキは一般的に言う男前なんやろなって感じだ。

    2005-11-13 05:57:00
  • 113:

    ◆ObanGQEW7M

    だからこそ『愛がある』なんて言うなら、お酒が入ってる時にエッチなんてしたくなかった。
    そんな人じゃないと言われても、そんな人に見えてしまう。

    2005-11-13 06:03:00
  • 114:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは、その話をヒカリサンには話せなかった。
    ヒカリサンに軽い子だと思われたくなかったから。
    マサキの事は好きになっちゃダメだ…。

    2005-11-13 06:05:00
  • 115:

    ◆ObanGQEW7M

    その日、アキは店を休んだ。
    怠くてダルくて、客も呼べないしフリーで愛想笑いも出来ない。
    部屋で、ボーっとしていると携帯が鳴った。

    2005-11-13 06:08:00
  • 116:

    ◆ObanGQEW7M

    ━━マサキ━━
    着信はマサキだった。
    「なんやろ…」
    慌てて出る。
    『おはよ。』

    2005-11-13 06:10:00
  • 117:

    ◆ObanGQEW7M

    「おはよ。どしたん?」
    『別に…何してるん?』
    「引きこもり。笑」
    『カビ生えんでぇ〜!出てきぃや。』

    2005-11-13 06:11:00
  • 118:

    ◆ObanGQEW7M

    「えっ…?」
    『出てきぃや。暇やねん。このまま部屋おっても彼氏帰ってくるんやろ?』
    「あっ、うん……」

    2005-11-13 06:13:00
  • 119:

    ◆ObanGQEW7M

    なんだかよく分からないまま、アキは気付いたらマサキの店に来ていた。
    見慣れた店内に入ると、昨日の事がフラッシュバックして、ちょっと恥ずかしい。

    2005-11-13 06:15:00
  • 120:

    ◆ObanGQEW7M

    「今日はベッピンやん」
    バチバチにメイクをしているアキを見て、マサキは無邪気に笑った。
    店内にはアキ以外に客はいなかった。
    「ほんまに暇そぉやな。」

    2005-11-13 06:17:00
  • 121:

    ◆ObanGQEW7M

    「彼氏とどぉなったん?」
    アキは、お昼にカズヤがしてきた部屋の話をした。
    「最低やなぁ、ってか……アキはそれで良いん?」

    2005-11-13 06:19:00
  • 122:

    ◆ObanGQEW7M

    「良くないけど…可哀相かなって。アキが満喫とかで時間潰そっかなぁ…」
    「はぁ?アキの部屋なのに?」
    「だってあっちお金ないし…」

    2005-11-13 06:21:00
  • 123:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキは不思議なものを見るような顔でアキを見ていた。
    その時、アキの携帯がアキを呼んだ。
    着信はカズヤだった。

    2005-11-13 06:22:00
  • 124:

    ◆ObanGQEW7M

    電話出たくないな…。
    幸いマナーモードだったのでバッグの中に入れたまま、ほぉっておいた。
    10分、20分。

    2005-11-13 06:23:00
  • 125:

    ◆ObanGQEW7M

    携帯は、着信の度に、すぐ留守番電話になるので、すぐに切れたが10分たっても20分たっても一定の感覚でバイブし続けていた。
    「しつこ…」

    2005-11-13 06:25:00
  • 126:

    ◆ObanGQEW7M

    携帯を見ると、
    不在着信━23件
    新着メール ━8件
    「!?」
    慌てて携帯を確認する。

    2005-11-13 06:27:00
  • 127:

    ◆ObanGQEW7M

    着信、メール全てカズヤだった。
    しかもメールの内容からすると、電話に出ない事に怒っている。
    アキは怖くなって、店内を出てカズヤにコールバックした。

    2005-11-13 06:28:00
  • 128:

    名無しさん

    2005-11-13 07:37:00
  • 129:

    名無しさん

    しおり?読んでまぁす?

    2005-11-13 07:57:00
  • 130:

    ◆ObanGQEW7M

    >>131サン
    ありがとうッッ(≧ω≦)b下手っぴですが頑張ります☆
    今日は夜に更新します(^3^)/

    2005-11-13 12:24:00
  • 131:

    ???

    頑張って?

    2005-11-13 14:00:00
  • 132:

    ◆ObanGQEW7M

    ???サン
    ありがとぉ????今から更新しますネッ??

    2005-11-13 18:21:00
  • 133:

    ◆ObanGQEW7M

    『どこにいるん!?』
    電話にでたと同時にカズヤは言った。
    「え…なんでなん…」
    『言えんの?』
    「関係ないやん…もう。」

    2005-11-13 18:23:00
  • 134:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは消えそうな声で言った。
    少し間があって、カズヤは
    「手紙に書いてある事、アキがほんまに思ってるなら、やり直せると思って。」

    2005-11-13 18:26:00
  • 135:

    ◆ObanGQEW7M

    と言った。
    手紙…。今日、アキが部屋を出る前に、カズヤに手紙を書いたのだ。

    2005-11-13 18:27:00
  • 136:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはカズヤに対して1つ、心から謝りたい事があって、それをどうしても伝えたかったから手紙を書いたのだった。

    2005-11-13 18:29:00
  • 137:

    ◆ObanGQEW7M

    アキと付き合う前にカズヤが付き合った子は、アキと同じ状況で、カズヤがその時働いていたキャバのホステスだった。
    歳もアキと同じで、ミナという名前らしい。

    2005-11-13 18:33:00
  • 138:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤとミナは同棲していた時、カズヤは仕事をしていなくてミナの収入で生活していたらしい。
    ミナの気持ちは分からないが、だんだん家に帰らなくなり、怪しんだカズヤがミナの携帯を見たら、ミナの浮気が発覚した。

    だから、カズヤは嘘が嫌い。

    2005-11-13 18:38:00
  • 139:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤにはミナの事はかなりのトラウマになっていた。
    それをアキは知っていたから、同じ状況になっても、ミナの様な行動はとならいでおこうて思っていた。
    だけど結果同じ様な行動をとってしまった事。

    2005-11-13 18:42:00
  • 140:

    ◆ObanGQEW7M

    同じ様にカズヤを失望させてしまった事は、後悔している。
    という様な内容の手紙を書いていた。

    2005-11-13 18:43:00
  • 141:

    ◆ObanGQEW7M

    『ほんまにアキが思ってんなら、やり直せるんちゃうん?』
    カズヤはもう1度聞いてきた。
    「う、ん…」

    2005-11-13 18:44:00
  • 142:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは曖昧な返事をした。
    アキにとって、あの手紙はヨリを戻す為に書いたのではない。けじめをつけたくて、書いたつもりだった。

    2005-11-13 18:46:00
  • 143:

    ◆ObanGQEW7M

    アキが素直にそう伝えるとカズヤは『わかった』とだけ言い電話は切れた。

    アキは店内に戻ると焼酎ロックを一気した。

    2005-11-13 18:48:00
  • 144:

    ◆ObanGQEW7M

    「おいおい、どないしたん」マサキが苦笑いで言う。
    アキは、カズヤとの電話の内容をマサキに話した。
    「そっか…」

    2005-11-13 18:52:00
  • 145:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキは新しい焼酎を注ぎながら言った。
    「なぁ、アキ…ほんまは彼氏と別れたくないん?」
    「えっ?なんで…?」
    「だって寂しそうに話すやん。」

    2005-11-13 18:54:00
  • 146:

    ???

    書いて?

    2005-11-13 20:39:00
  • 147:

    ◆ObanGQEW7M

    ???サン
    遅くなってすいません??今からちょっと書きます?

    2005-11-14 11:03:00
  • 148:

    ◆ObanGQEW7M

    アキの中でカズヤと別れる事は決まっていたので、マサキに寂しそうと言われて少し戸惑った。
    寂しくない、と言えば嘘になる。
    1年半、笑ったり泣いたり一緒にいたのだから。だけど最近は一緒にいるのが苦痛だった。

    2005-11-14 11:07:00
  • 149:

    ◆ObanGQEW7M

    これで良かった、と思うしかない。
    マサキにそう言うと、マサキはちょっと笑いながら、「そう。良かった」と意味深な事を言った。

    2005-11-14 11:09:00
  • 150:

    ◆ObanGQEW7M

    「あのさぁ、それってどーゆー意味で言ってるワケ?」
    アキは少しドキドキしながら聞いた。
    このドキドキはなんだろぉ……

    2005-11-14 11:10:00
  • 151:

    ◆ObanGQEW7M

    「だからオレは愛のないセックスはせぇへんって言ったやん。」
    マサキはさらっと答える。さらっとしすぎて…
    「なんか嘘っぽいんですけど」と、アキは笑った。

    2005-11-14 11:13:00
  • 152:

    ◆ObanGQEW7M

    「そぉやねん。オレ嘘っぽいってよぉ言われんねん。」マサキも笑って言った。
    そぉか。マサキの意味深な発言は、アキを好きとかそんなレベルじゃなくて、アキを和ませてくれる1つの手段なんや。

    2005-11-14 11:15:00
  • 153:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは1人で納得した。
    水商売独特のグレーゾーンみたいな…営業としての意味深な発言なんや。
    そうじゃなかったら、マサキが本気でアキにそんな事言うはずないやん…。

    2005-11-14 11:17:00
  • 154:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは携帯をふと見ると、いつの間にかメールが来ていた。
    だれやろ??
    ━新着メール カズヤ━
    カズヤ??

    2005-11-14 11:19:00
  • 155:

    ◆ObanGQEW7M

    『アキは流されてしまったんやね?』
    こいつも意味深な……
    アキはうなだれた。

    2005-11-14 11:21:00
  • 156:

    ◆ObanGQEW7M

    「ちょっと、電話してくる」アキは携帯をプラプラふりながらグロウの外へ出た。
    カズヤに発信すると大塚愛のプラネタリウムが流れた。
    ボーっと聴いていたら『はい』とカズヤの暗い声に変わった。

    2005-11-14 11:24:00
  • 157:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤに発信してるのだから当たり前なのだが、大塚愛に聴き入ってしまってたアキは、びっくりしてきょどってしまった。
    「あっ、あっ、あのさぁ」
    カズヤから返事はない。

    2005-11-14 11:26:00
  • 158:

    名無しさん

    2005-11-14 11:28:00
  • 159:

    ◆ObanGQEW7M

    「流されてしまった、ってどういう意味なん?」
    『そのまんまやて。それすらも分からんくなったん?』
    カズヤはよくこういう言い方をする。嫌いな所。

    2005-11-14 11:28:00
  • 160:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはイライラしながら言った。
    「分からんから聞いてるんやん。何?」
    『アキさぁ、実家帰った方が良いで。』

    2005-11-14 11:30:00
  • 161:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキはイライラしながらアキの飲みかけの焼酎ロックを眺めていた。
    オレの言い方が悪いのか…?なんでアキはなんだかんだ言って彼氏をかまうか分からへん……。今もメールを見て電話をしに行ったけど、あれは彼氏やろ……。あかん、気になる!
    マサキもグロウを出てアキが電話している所に来た。

    2005-11-14 11:35:00
  • 162:

    ◆ObanGQEW7M

    丸まりながら電話しているアキの背中は小さい。
    マサキはアキの顔を覗き込んだ。
    「…!?」
    アキはマサキと目が合うと、すぐに視線をそらし電話口に小さく返事をしながら泣いていた。

    2005-11-14 11:37:00
  • 163:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキはアキの頭を2回ほど撫で、グロウにティッシュを取りに行った。
    戻って来たら同じ場所にアキはいなかった。
    なんでやねん……。
    ティッシュ片手にマサキはうなだれた。

    2005-11-14 11:39:00
  • 164:

    ◆ObanGQEW7M

    アキに初めて会った時、マサキは元カノを思い出した。
    名前もアキ。背が小さく、気が強く、ワガママだけど素直。アキにそっくりな性格。雰囲気も似ていた。唯一結婚を考えたオンナ。
    他人と分かっていても気になる。

    2005-11-14 11:44:00
  • 165:

    ◆ObanGQEW7M

    彼氏がいてるって聞いた時はショックだったが、今は別れたと言っている。
    とゆうか、別れて欲しい。
    だけど当のアキはウジウジしてるしオレの事もどう思ってるのか……

    2005-11-14 11:47:00
  • 166:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキが1人考え込んでいると、アキが戻ってきた。
    「彼氏なんて?」
    マサキは聞かずにはいられなかった。

    2005-11-14 11:49:00
  • 167:

    ◆ObanGQEW7M

    エラーが多くなって来たのでまた夕方書きます??

    2005-11-14 11:50:00
  • 168:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは「流されてしまった」という話をマサキに話しだした。
    アキは夢があって大阪に出てきた。その貯金の為に1度辞めたキャバをまた始めた。でもキャバ嬢生活で学校に行かなくなった事、貯金して余ったお金で夜遊びばっか始めた事…カズヤが言いたかったのは、アキがまわりに流されてキャバ嬢生活満喫しているという事らしい。

    2005-11-14 12:52:00
  • 169:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはそのカズヤの話を聞いて「目からウロコが飛び出た」と言った。
    「こんなにアキの事考えてると思ってなかった」と。

    2005-11-14 12:55:00
  • 170:

    ◆ObanGQEW7M

    イラつく……。マサキはそんな表情をしていた。だがアキは続けた。
    「なんかそれ聞いたら、涙出てきて…そこまでアキの事考えててくれたのに、アキはそんな気持ち気付いてあげれんかったんやなって。」

    2005-11-14 12:58:00
  • 171:

    ◆ObanGQEW7M

    「で、ヨリ戻すん?」
    マサキは冷たく言った。
    アキは何も言わず、首を横に振った。
    「戻さんの?」
    「戻しても無理やと思う」

    2005-11-14 13:00:00
  • 172:

    ◆ObanGQEW7M

    「だって、アキ、続ける自信ない…」
    ないケド、カズヤの事が頭から離れない…。電話の時カズヤは別れる事を納得してくれた。結局、アキが頑張って働いてもカズヤが腑甲斐ない所為でカズヤの生活まで支えさていた事やカズヤが寂しい思いをさせたから夜遊びするようになってしまった事、全てカズヤが悪かったと、カズヤ自身が納得してくれた。

    2005-11-14 13:07:00
  • 173:

    ◆ObanGQEW7M

    だけど本当にそれだけ?カズヤの所為にしてるだけじゃない?アキの頭の中にはグルグルと考えがよぎる。
    カズヤの為にアキがしてあげれる事ってそんなんじゃなかったんじゃない?

    2005-11-14 13:09:00
  • 174:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは浮かんでくる後悔がアルコールと一緒に頭の中を反芻してるのが分かった。
    カズヤに会わなきゃ…
    「帰る。」
    アキはぼそっとマサキに言った。

    2005-11-14 13:11:00
  • 175:

    ◆ObanGQEW7M

    「はぁ!?帰るって!?どこに!?」
    マサキが驚いた様子でアキの近くに来た。
    「自分の家だよ。」
    「自分の家って彼氏いてるんやろ!?」

    2005-11-14 13:13:00
  • 176:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは何も言わずバッグを手に取り出口に向かった。
    マサキがアキの手をつかむ。

    2005-11-14 13:14:00
  • 177:

    ◆ObanGQEW7M

    「離して。」アキはマサキを見ずに穏やかに言う。
    「いや。」
    意味が分かんない。マサキが止める必要なんてないやん。アキは思ったが言わずにマサキの方を見た。

    2005-11-14 13:16:00
  • 178:

    ◆ObanGQEW7M

    「離して!」マサキをニラんで、今度はキツく言ってみる。
    マサキは何も言わずアキを抱き締めた。
    「何のドラマやねん。」アキはわざと茶化してマサキから離れようとした。

    2005-11-14 13:18:00
  • 179:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキは茶化すアキなど無視してキスしてきた。
    この人はいつも……いつも乱暴や。
    昨日と言い今日と言い、マサキのキスは強引で乱暴。でもアキは嫌いじゃない。

    2005-11-14 13:20:00
  • 180:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキから離れながら宥めた。
    「はいはい、なんやねん。なんでチューすんねん。」
    「行って欲しくない。彼氏んとこに」
    「なんで?」

    2005-11-14 13:21:00
  • 181:

    ◆ObanGQEW7M

    「………」
    マサキは答えなかった。
    やっぱり。別にマサキはアキが好きとかじゃない。グレーゾーンやなぁ。
    アキは何も言わないマサキを置いて、グロウを出た。

    2005-11-14 13:23:00
  • 182:

    ◆ObanGQEW7M

    すぐにタクシーを捕まえ、新地を後にする。
    追い掛けてきたりしないよね、やっぱり。
    アキには、マサキの行動は、ただの仕事の一貫にしか思えなかった。

    2005-11-14 13:24:00
  • 183:

    ◆ObanGQEW7M

    グロウはホストじゃない。でもマサキは元ホストで、その2年間はずっと?1だったらしい。営業のかけ方なんてナンボでも知ってる。例えバーでもマサキに恋愛感情がある人はマサキに会いに飲みに行く。失恋したり寂しい女の子がいれば、そうなる様にマサキだって仕込める。

    2005-11-14 13:27:00
  • 184:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはタクシーの中で、そんな事を考えながらタバコに火をつけた。

    マサキはソファに座って考えていた。

    2005-11-14 13:30:00
  • 185:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはどうして彼氏のとこに…??てゆうかオレはどうしたいん…??アキの事好きかなんて分からん。けどほっとかれへん。彼氏がどんなヤツか知らんけど、明らかヒモやん。なんでアキは…

    2005-11-14 13:34:00
  • 186:

    ◆ObanGQEW7M

    タクシーは10分程でアキのマンションに着いた。さすが早朝。
    アキは急ぐ気持ちを押さえながら部屋に急ぐ。
    部屋ではカズヤがスヤスヤと寝ていた。

    2005-11-14 13:36:00
  • 187:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはその隣に座りこんで、カズヤを見ていた。スヤスヤと寝ているカズヤを見ていたら涙が溢れてきた。
    「ごめんね……」
    鼻をすする声でカズヤが目を覚ます。

    2005-11-14 13:38:00
  • 188:

    ◆ObanGQEW7M

    「……アキ?」
    「カズヤ、ごめんね」
    カズヤの手は寝呆けているのかアキを探している。アキがその手に触れるとカズヤは強い力でアキを引き寄せた。

    2005-11-14 13:41:00
  • 189:

    ◆ObanGQEW7M

    「カズヤ……」
    やっぱりカズヤにはアキがいなきゃダメなんや…。
    アキはそんな事を思いながらカズヤの胸の中で眠った。

    2005-11-14 13:42:00
  • 190:

    ◆ObanGQEW7M

    朝になり、いつもの時間にカズヤが仕事に向かった。いつもと違うのは、すごくアキを大事にしてくれる所。いつものキツい言い方なんてしない。仕事中も出来る限りアキに電話してくる。

    2005-11-14 13:44:00
  • 191:

    ◆ObanGQEW7M

    アキにとって、アキの事大切に思ってくれてんやなぁって直に伝わって嬉しかった。
    だけど…何か物足りなかった。
    ふとした時に考えてしまう。マサキの事……。

    2005-11-14 13:46:00
  • 192:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキの行動は営業の一貫、と思ってもどこかで考えてしまう。好きになっちゃダメって思ったのに……自分が分からない。
    カズヤも大切、だけどマサキの事ばかり考えている。

    2005-11-14 13:50:00
  • 193:

    ◆ObanGQEW7M

    夕方になってマサキから電話がかかってきた。
    「どうなったん?」
    「よぉ、わからん。」
    「とりあえず、来いよ」

    2005-11-14 13:51:00
  • 194:

    ◆ObanGQEW7M

    やっぱり、店に呼ぶんや。
    そう思いながらもアキはタクシーに乗っていた。
    グロウにつくと、ヒカリサンがいた。

    2005-11-14 13:53:00
  • 195:

    ◆ObanGQEW7M

    「アキチャン店休んでるケド大丈夫?」
    大丈夫じゃない。だけど出勤する気もせぇへんし、何よりこの時間はグロウについつい来てしまう。
    「無欠やからヤバイっすよね〜」

    2005-11-14 13:55:00
  • 196:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは苦笑いを浮かべた。
    「彼氏サンとどうなったの?」ヒカリサンは直球で聞いてきた。マサキは何も言わず洗い物をしたりグラスを拭いたり…客は相変わらずいない。

    2005-11-14 13:57:00
  • 197:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは昨日の話をとりあえず簡潔に話した。マサキへの気持ちは言わないでおいた。
    「アキの事考えてくれてるし、彼氏にもアキがいなきゃダメなんやと思って……でも一緒にいると、前とは違うシンドさがあるんです」

    2005-11-14 14:00:00
  • 198:

    ◆ObanGQEW7M

    「そっか。やっぱりそれって情なんじゃない?」
    「情、ですか?」
    「恋愛で何かをしてあげたい、とかも大事やと思うけど、してあげなきゃ、いてあげなきゃってのは、違うと思うねん」

    2005-11-14 14:02:00
  • 199:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンは続けた。
    「アキチャンがそれで幸せなら良いねん。でもシンドイんやろ?はっきり言って、今のアキチャンには彼氏サンを支え続ける器の大きさはないと思う。」

    2005-11-14 14:06:00
  • 200:

    ◆ObanGQEW7M

    「器の大きさ…?」
    「彼氏サンがもう少し甲斐性のある人なら話は別やけど、このまま続けてもまた同じコトの繰り返しやで?」
    黙っていたマサキが付け加えて言う。
    「どっちかが変わらんと」

    2005-11-14 14:08:00
  • 201:

    ◆ObanGQEW7M

    アキはマサキに言った。
    「彼氏は変わろうとしてんねん。明らかに態度違うし…優しいし。」
    「アホやなぁ、そんなんすぐ元に戻るで。取り繕ってるだけやん。」

    2005-11-14 14:10:00
  • 202:

    ◆ObanGQEW7M

    確かに…。アキが思ったらヒカリサンはまた話し始めた。
    「アキチャンがそうやって、すぐ彼氏サンのとこに戻ったら、意味がないと思う。」

    2005-11-14 14:15:00
  • 203:

    ◆ObanGQEW7M

    「好き同士でも別れなアカン時はあんねんって事や」
    マサキがぽつりと言った。その時アキの携帯がブルった。
    ━着信 カズヤ━

    2005-11-14 14:18:00
  • 204:

    ◆ObanGQEW7M

    「あ…で、電話してくる」
    アキは慌てて携帯を握り締めグロウを出た。
    「は、はい」
    「アキ?何しとん?帰ってこんの?」

    2005-11-14 15:37:00
  • 205:

    ◆ObanGQEW7M

    「…カズヤ!ごめん、やぱ無理…」
    「はぁッッ!?」
    「カズヤは大切やけど、やぱ2人でいたらアカンねん。2人の為に……」

    2005-11-14 15:38:00
  • 206:

    ◆ObanGQEW7M

    「なんでなん?オレ仕事頑張るって言ったやん。あと2ヵ月もすれば、給料もまともに出るようになるって。そうすればアキもキャバ続ける必要ないし、学校中心でやってける。2人の為ならそれが良いやん。」
    「でも…アカンねん。」

    2005-11-14 15:41:00
  • 207:

    ◆ObanGQEW7M

    「ごめんな!」
    それだけ言ってアキは電話を切った。電源も切った。
    さよならカズヤ。

    2005-11-14 15:42:00
  • 208:

    ◆ObanGQEW7M

    グロウに戻ったアキは、また飲んだ。飲んで飲んで、気付いたらヒカリサンは帰っていた。マサキが部屋に帰れないなら漫喫行こうと誘ってきたので一緒に漫喫に行くことにした。

    2005-11-14 15:45:00
  • 209:

    ◆ObanGQEW7M

    外に出ると平日の朝7時は慌ただしかった。
    「この、朝の雰囲気って、夜の人間からしたら、なんか申し訳ないよね〜」
    とあっけらかんと言うアキに、マサキは真面目な顔で答えた。

    2005-11-14 15:46:00
  • 210:

    ◆ObanGQEW7M

    「アキ、好きや」
    「はっ?すき屋?行きたいの?」大真面目で答えた。
    「ばか。オレ、多分アキが好きやねん」

    2005-11-14 15:48:00
  • 211:

    ◆ObanGQEW7M

    アキは難しい顔をした。
    「多分、じゃ嫌や。でも会って数回で絶対も嘘くさい。」
    うん、うん、とマサキは小さく返事をする。

    2005-11-14 15:49:00
  • 212:

    ◆ObanGQEW7M

    「てゆうか、別れたからって、こんなすぐ誰かと付き合うのも…マサキはぶっちゃけ好きやけど、そんな好きじゃないかもしれん。付き合ってから、何か違うとか言いたくないし。」
    「オレは、そんな風に思わせん。何か違うなんて思わせんようにする!」

    2005-11-14 15:52:00
  • 213:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキのそうゆう、強引っぽいトコ好き。だけどそんな簡単に言わんといてよ。
    アキは言わなかった。何も返事もせず、話を変えた。漫喫に入り2人でDVDを見て、カズヤが出勤したであろう時間を見計らって部屋に戻った。

    2005-11-14 15:54:00
  • 214:

    ◆ObanGQEW7M

    見慣れた部屋に入ると、何か嫌な予感。
    白い靴がある……まさか。
    すっかり昼下がりだと言うのにカズヤ爆睡。

    2005-11-15 12:23:00
  • 215:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤはもともと寝坊すけ。アキが起こさないと起きれない。
    「ちょ〜カズヤ〜遅刻やで〜」
    呆れながらカズヤの体を揺すろうとする……ん!?

    2005-11-15 12:25:00
  • 216:

    ◆ObanGQEW7M

    寝相が悪いのは前からだけど、にしては寝方が変…。揺すっても返事なし。
    ある予感がアキの頭を過り、アキはぱっと周りを見渡した。
    ━━予感的中Σ( ̄□ ̄;

    2005-11-15 12:28:00
  • 217:

    ◆ObanGQEW7M

    アキの目には、無造作に置かれている薬のゴミが映った。
    それがあの薬だという事も、なぜかすぐ分かった。
    あの薬……カズヤが最近スカウト仲間からもらった、眠剤だった。

    2005-11-15 12:30:00
  • 218:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤはもともとハルシオンを常用していた。もうハルシオンくらいの眠剤じゃ寝れなくなっていた。アキと付き合う前の話。
    ちょっとヤンチャなカズヤのスカウト仲間は、普通じゃ手に入らないよな強さの眠剤を持っていて、それでヤンチャをしていたらしい。
    カズヤが寝付けない話を聞いてハルシオンより強い、その眠剤をくれたってワケ。

    2005-11-15 12:37:00
  • 219:

    ◆ObanGQEW7M

    でもその薬、眠剤慣れしてないアキが半錠飲んだだけで、記憶とびましたよね〜。笑
    眠剤慣れしてるカズヤは一体何錠飲んだんですか〜?
    なんて悠長な事考えてる場合じゃないかも……

    2005-11-15 12:40:00
  • 220:

    ◆ObanGQEW7M

    なんだかよく分からないアキは、とりあえずカズヤをかなり揺すって、寝呆けているカズヤにお茶を飲ませた。
    「おはよー。何時ぃー?」

    2005-11-15 12:41:00
  • 221:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤは、ちょっと頭の悪い子みたいな話し方になっている。
    「自分、あきらか遅刻やで!」
    いつもなら慌てる遅刻という言葉にも動じない。

    2005-11-15 12:42:00
  • 222:

    ◆ObanGQEW7M

    「あ〜そぉ〜……」
    ってまた寝るんかい!カズヤがここにいたらアキが寝れないっしょ!早く出勤して!!
    そんな事を考えながらアキは、寝ようとするカズヤの体を支え、揺らし続ける。

    2005-11-15 12:44:00
  • 223:

    ◆ObanGQEW7M

    「起きて起きて起きて」
    「あ、あ、わ、か、た、か、ら。」
    揺らされながらカズヤは返事をした。
    なんとか立ち上がったが、壁にぶつかった。

    2005-11-15 12:46:00
  • 224:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤはびっくりするぐらいフラフラだった。
    こりゃあ〜砕いて少量をお酒に混ぜたら、なんぼでもヤンチャ出来るなぁ。
    「で、何錠飲んだん?」

    2005-11-15 12:48:00
  • 225:

    ◆ObanGQEW7M

    「!?」
    アキにバレてないと思ったのかカズヤは狼狽して、ゴミ箱みたの?とかワケの分からない返事をしてきた。
    「何錠?」
    アキがもう1度尋ねる。

    2005-11-15 12:50:00
  • 226:

    ◆ObanGQEW7M

    「全部。」
    バツが悪そうにカズヤは答える。
    はぁ〜!?いくら眠剤慣れしてるって言っても、強いですから最初は1錠にしてくださいねってスカウト仲間が言ってたって言ったやん!
    「意味わからんわ……」

    2005-11-15 12:52:00
  • 227:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤはフラフラしながらも頑張って着替えている。
    ハァァ〜……
    カズヤを責めるのはやめよう。こんな事させたのは誰でもないアキ自身なんやし。カズヤのメンタルが弱いのは分かってた事なんやで。

    2005-11-15 12:55:00
  • 228:

    ◆ObanGQEW7M

    アキがボーっとカズヤを眺めていると、カズヤはフラッと倒れそうになった。
    アキは慌ててカズヤを支えた。
    「あ〜ごめ〜ん。もぉ大丈夫〜。」

    2005-11-15 12:57:00
  • 229:

    ◆ObanGQEW7M

    「大丈夫じゃないやんッッ」
    アキはなんだかカズヤが愛しくなって、そのままキュゥッと抱き締めた。
    カズヤは何も言わないで、そのままアキにもたれている。

    2005-11-15 12:58:00
  • 230:

    ◆ObanGQEW7M

    わかんない。
    ヒカリサンやマサキが言うように、これがただの情だとしても、離れる事がほんまに2人の為なのかな……?

    2005-11-15 12:59:00
  • 231:

    ◆ObanGQEW7M

    カズヤが出勤してからも、アキは眠れなかった。
    ヒカリサンにはマサキとの事は言えない。マサキにはカズヤへの気持ち、上手く説明出来ない。カズヤにも…言いたくない。
    カズヤへの気持ち自体がよぉ分からんけど、ヒカリサンやマサキは別れた方が良いって言う…マサキへの気持ちもよぉ分からんけど、アキに後悔させへんて言ってくれる。

    2005-11-15 13:05:00
  • 232:

    名無しさん

    2005-11-15 16:43:00
  • 233:

    ???

    頑張れ?

    2005-11-15 20:02:00
  • 234:

    ◆ObanGQEW7M

    ???サマ ありがとぉこざいマス???

    2005-11-16 12:03:00
  • 235:

    ◆ObanGQEW7M

    夕方になり、アキがウトウトしていると…携帯がバイブる。
    あぁ、マナーのままやった。
    着信はヒカリサンだ。

    2005-11-16 12:05:00
  • 236:

    ◆ObanGQEW7M

    「…ざいまぁす。」
    寝呆けながら電話にでると
    「おぁよ〜」
    ヒカリサンも寝呆けている。

    2005-11-16 12:06:00
  • 237:

    ◆ObanGQEW7M

    他愛もない会話を少しした後、ヒカリサンはカズヤの事を聞いてきた。
    アキはカズヤが眠剤を飲んだから、昼に会ってしまった話をした。
    「それで、実際会ったら、やっぱり苦しいんです。胸が。」

    2005-11-16 12:08:00
  • 238:

    ◆ObanGQEW7M

    「そりゃあ、人間誰だって別れる時は辛いよ。特に別れを言う方は。」
    カズヤとのゴタゴタで、ヒカリサンは本当にアキの親身になってくれていた。アキにはそれが嬉しかった。

    2005-11-16 12:10:00
  • 239:

    ◆ObanGQEW7M

    「とりあえず、今日グロウ集合で。いける?」
    「あ、はい…。」
    カズヤの事がふと頭に浮かんだ。それに気付いたのか、ヒカリサンは言った。
    「だめだめ、アキチャン情にもろいから。彼氏サンに会ったら流されちゃうよ。」

    2005-11-16 12:12:00
  • 240:

    ◆ObanGQEW7M

    まただ。『流される』って言われた。カズヤもアキの事そんな風に言っていた。
    アキ自身の考えはないの?アキ自身はどうしたいの?
    分からない……。

    2005-11-16 12:14:00
  • 241:

    ◆ObanGQEW7M

    「いらっしゃいませ」
    ヒカリサンはまだ来ていなかった。
    相変わらず暇な店内にマサキとアキの2人だけ。
    「何飲む?」「あぁ、いつもの。…ってアキ常連っぽいし!」
    マサキは笑いながら焼酎ロックな?と言った。

    2005-11-16 12:22:00
  • 242:

    ぉまめ ◆X/l2UzVPhE

    ヒヒヒ発見(。´∀`。)ノしぉり☆

    2005-11-16 12:25:00
  • 243:

    ◆ObanGQEW7M

    「…で?彼氏とどぉなったん??」
    マサキはロックグラスをアキの前に置いて聞いてきた。
    「どぉもなってへんよ…ただ、ちょっと心配やねん。」
    心配?マサキは鸚鵡返しした。
    アキは、今日のお昼あった話をした。

    2005-11-16 12:26:00
  • 244:

    アキ ◆ObanGQEW7M

    ぉまめサマッッ?ぁりがとぉござぃマスッッ??そろそろマチコサマ登場かしらぁ?????

    2005-11-16 12:28:00
  • 245:

    ◆ObanGQEW7M

    「ふ〜ん…でアキは心配やから、彼氏とヨリ戻すってワケ?」
    「そぉじゃないよ……でも自分の気持ちが分からへん…。」
    アキは本当に考えるのが苦痛になっていた。カズヤの事だけじゃない。マサキの事も…。
    知らない間にマサキへの気持ちが大きくなっていた。

    2005-11-16 12:36:00
  • 246:

    ◆ObanGQEW7M

    その時ヒカリサンがヒョコッと入ってきた。
    「お疲れッス〜」
    「アキチャンもぉ来てたんやぁ。何飲もっかな〜」
    ヒカリサンはアキの隣に座って、『とりあえずいつもの』を頼んだ。

    2005-11-16 12:58:00
  • 247:

    ◆ObanGQEW7M

    お疲れの乾杯をして、議題はカズヤの眠剤事件について。
    「別に死のうとかじゃなく、ヤケになっただけやと思う…」アキはチビチビ焼酎を体に流し込む。
    「う〜ん…」
    「てゆうか死ぬ気はないやろ。ただアキに心配さしたかっただけやって。」マサキはペットボトルの烏龍茶を飲む。
    「う〜ん……」

    2005-11-16 13:02:00
  • 248:

    ◆ObanGQEW7M

    ヒカリサンは『う〜ん』と相槌をうつのみ。一人で難しい顔をしている。
    「何か飲んだら?」「あ、いただきます。」アキとマサキが関係ない話をしていると……
    「眠剤を飲んだ理由は何でも良いネンッッ!これからアキチャンがどうしたいかよ!」とヒカリサンが急に大声を出した。

    2005-11-16 13:07:00
  • 249:

    ◆ObanGQEW7M

    「そうやな。」マサキはベーリーズロックを飲みながら答えた。
    そうやねんな。分かってんねん。でも…どうしたいかが分からんから悩んでんねん。
    アキはボーっと甘くて重い焼酎の味を確かめた。

    2005-11-16 13:10:00
  • 250:

    ◆ObanGQEW7M

    「このままアルコールと一緒に溶けてしまえば良いのに。」
    アキの意味不明な発言にマサキとヒカリサンは顔を見合わせた。
    「そーときてるな。」
    マサキは小さくつぶやいた。

    2005-11-16 13:12:00
  • 251:

    ◆ObanGQEW7M

    「まぁ、溶けてしまうのは無理やから考えよか。これからの事。」
    ヒカリサンは変に赤黒い液体をぐいっと飲んでおかわりをした。
    「別れるとしても、しばらくは一緒に住まなあかん。貸してたお金もあるし、家具もほとんど彼氏のやし。別れるって決めても会ったら揺らぐねん。」

    2005-11-16 13:16:00
  • 252:

    ◆ObanGQEW7M

    「でもさぁ、今別れんと意味ないねんで?」マサキが言う。
    「そうやで。ヒカリは、ヒカリの体験から言うと、今のアキチャンはヨリ戻しても同じコト繰り返すだけやと思う。で、ずっと別れれんくてズルズルするだけ。」ヒカリサンが言う。
    「そんなん嫌や……」アキは俯いて言う。

    2005-11-16 13:19:00
  • 253:

    ◆ObanGQEW7M

    「じゃあさぁ、今なら勢いついてるんやし、別れるんなら今じゃね〜の?」マサキはお酒が入ると、ちょっと口が悪くなる。
    「そうやで。例え、別れて3ヵ月後に後悔したとしても、別れんくて3ヵ月間、後悔してるよりマシやと思う。3ヵ月後に後悔したら、その時にまた気持ち伝えれば良いやん。その時だめでも、それはそれやで。アキチャンの成長になるよ。彼氏の成長にもなるし。」ヒカリサンは淡々と話した。

    2005-11-16 13:24:00
  • 254:

    ◆ObanGQEW7M

    そぉだよなぁ…。
    2人の言ってる事は客観的で、すごく当たり前な事に思える。
    その時、またしてもタイミングよく携帯が呼ぶ。
    カズヤに違いない。

    2005-11-16 13:27:00
  • 255:

    ◆ObanGQEW7M

    ━━着信 カズヤ━━

    「ちょ、電話。」
    アキはそそくさとグロウの外に出た。
    「はい?」
    『アキ?今どこ?』

    2005-11-16 13:30:00
  • 256:

    ◆ObanGQEW7M

    「あ〜、飲んでる。」
    『また!?ヒカリサン?』
    カズヤ、ちょっと不機嫌になった。めんどくさ。
    「うん…」
    『で、今日帰ってきてくれるんやんな?』
    何その言い方。アキの部屋やねんで。
    「…………」

    2005-11-16 13:33:00
  • 257:

    ◆ObanGQEW7M

    ↑略

    何その言い方。アキの部屋やねんで。
    「…………」

    2005-11-16 13:35:00
  • 258:

    ◆ObanGQEW7M

    『ねぇっ、アキ!?』
    「ごめん、カズヤ。もう無理。ばいばい」
    『はぁ!?なんなん!?』キレた…。

    2005-11-16 13:37:00
  • 259:

    ◆ObanGQEW7M

    「怒らんといてぇや。」
    『なんなん!?別れるって言ったり、今日の朝は抱き締めるし。なんなん!?』
    あらら、今度は半泣き…

    2005-11-16 13:40:00
  • 260:

    ◆ObanGQEW7M

    「そぉやけど。なんか別れようと思うのに会ったら好きやなぁって思ったりするねん。アキも分からんねん!」
    『…でも、とりあえず帰って来てや…オレ、また寝れんやん…昨日みたいに…ずっとご飯も食べてないねんで…?なぁ、アキ……』

    2005-11-16 13:42:00
  • 261:

    ◆ObanGQEW7M

    あーあーあー。声が消えそうなってる……。でもそう言われると断れない…。
    「わかった。帰るわ。」
    納得したのかカズヤは電話を切った。

    2005-11-16 13:44:00
  • 262:

    ◆ObanGQEW7M

    グロウに戻るとヒカリサンのカレシ兼グロウのオーナーのタクチャンが来ていた。
    「あ〜!タクチャン久しぶり!」
    タクチャンはアキが働いていた店で何回か会った事があった。

    2005-11-16 13:46:00
  • 263:

    桃香

    (・∀・)っゎかるかな?笑 今全部ヨンダー???楽しみにしとるょ

    2005-11-16 13:47:00
  • 264:

    ◆ObanGQEW7M

    「アキチャン♪久しぶりやなぁ〜!って、あれ?もぉ帰るん?」
    バッグを手にとり、お財布を出そうとするアキにタクチャンは言った。
    「ん〜、会ったばっかやけど、今日は。また来るね」

    2005-11-16 13:48:00
  • 265:

    ◆ObanGQEW7M

    それを聞いたマサキがビックリしたように近づいてきた。
    「なん?アキ帰るん?って帰るってどこに帰るん?」
    マサキはいつのまにか酔っていた。

    2005-11-16 13:50:00
  • 266:

    ◆ObanGQEW7M

    「酒クサッッ!」
    「なんなん〜?あかんって!帰ったらアカン!」
    マサキは子供のようにアキに言った。
    「ん〜帰りマス。」

    2005-11-16 13:52:00
  • 267:

    ◆ObanGQEW7M

    よそよそしいアキに気付いたのかマサキは真剣な顔で「ちょっと来い。」とグロウの外に引っ張っていった。
    「ちょ、マサキ、痛いし」アキはグロウの外でマサキの手を振り払った。

    2005-11-16 13:54:00
  • 268:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキはイラッとした顔でアキを見た。
    「……。」
    マサキはまたしても強引にアキを抱き締める。

    2005-11-16 13:55:00
  • 269:

    ◆ObanGQEW7M

    「帰るなよ。」
    「マサキ、ごめん。」
    「彼氏、部屋にいてるんやろ?」
    「うん…。」

    2005-11-16 13:56:00
  • 270:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキは強引にキスをしてきた。無理矢理アキの口の中にマサキの舌がからむ。
    「んッッ……」
    マサキの力は強い。けど、何故かキスは優しく感じる。

    2005-11-16 13:59:00
  • 271:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキの口が一瞬離れて、またキスをしようとしてきた。その隙をみて、アキはマサキの口の前に手をおいた。
    「ごめんね。」
    「オレがスキなん、知ってるやろ?」

    2005-11-16 14:00:00
  • 272:

    ◆ObanGQEW7M

    「いや、知らんけど…」とアキは苦笑いをした。
    「言ったやん。」
    でも、アナタのスキは、仕事としてじゃないの?
    「………」言えなかった。

    2005-11-16 14:02:00
  • 273:

    ◆ObanGQEW7M

    なんだかんだ言って、アキはグロウに来てお酒を飲んでいる。それがある限り、マサキは店長、アキは客。
    そうじゃなかったら、マサキみたいな人がアキを好きになるわけないよ……。

    2005-11-16 14:04:00
  • 274:

    ◆ObanGQEW7M

    「アキはオレの事どぉ思ってんの?」
    「………。」
    分からんないよ。
    「…じゃぁ、オレと一緒にいるの、嫌?」

    2005-11-16 14:07:00
  • 275:

    ◆ObanGQEW7M

    「嫌じゃないよ…?てか一緒にいたいよ…。」
    って何言ってんのアキ!?それじゃあ好きって言ってるよぉなもんやん。
    てか……好きなん?

    2005-11-16 14:09:00
  • 276:

    ◆ObanGQEW7M

    その時、またまた携帯がブルった。
    あ〜まただ。時間的に、アキが帰って来なくてしびれをきらしたカズヤかなぁ〜。
    ちらっと手にもっていた携帯を見た。予感的中。

    2005-11-16 14:12:00
  • 277:

    ◆ObanGQEW7M

    でも雰囲気的に電話をとれないでいた。4回くらい、切れてはまたかかってきていた。
    「電話、彼氏ちゃうん?とりや。」
    マサキは低いトーンで言うとグロウではない、どこかへ行った。

    2005-11-16 14:14:00
  • 278:

    ◆ObanGQEW7M

    マサキとは違う方へ向かいながら携帯をみると、すでに7件の不在があった。
    全てカズヤだった。
    しんどいな…。もう考えるのすら嫌になってきた。
    マサキの事、好きなんかな?マサキの事、好きになったら楽なんかな?

    2005-11-16 14:22:00
  • 279:

    名無しさん

    2005-11-16 16:38:00
  • 280:

    名無しさん

    2005-11-16 19:05:00
  • 281:

    ◆ObanGQEW7M

    >>266 桃タァン???レス気付くの遅くてゴメンッッ((((;゚д゚)))ガクガクブルブル レスぁりがとぉッッ???

    2005-11-16 19:08:00
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