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【魔の召使い】
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1:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
冬も深まり始めた12月の事だった。友人のトモキが自殺した。原因はいじめ…。トモキとは幼い頃からの友人であり、よきライバルだった。だがいじめの事については一言も相談してくれなかった。トモキは俺に心配をかけないように自分一人で抱え込んでいたのだ。 《ちくしょう!!トモキの奴いじめなんかに負けやがって!なんで俺に相談してくれへんかったんや?力になってあげる事もできたかもしらんのに…》 疑問ばかりが頭の中をかけめぐる。考えても考えても答えなどでるはずもない。そうして俺が考えている間に形式だけの葬式は終わりを迎えようとしていた。火葬場に迎う前に最後にトモキの顔を見る事ができた。 マネキンのように無表情で生気のない顔だったが俺にはトモキがとても悔しがっているように見えた。
2006-04-10 22:36:00 -
46:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その日はトモキがいなくなってから今までで一番ゆっくり寝ることができた。……ジリリリリリ……ジリリリリリ………目覚ましで目が覚める。重いからだを無理矢理起こした。机の方を見るとしもべが俺の方を見つめていた。「おはようございます。よくお眠りになられたようでなによりでございます。」丁寧な言葉遣いでしもべからの挨拶をうけた。 『おはよ。なんかゆっくり寝れたわ。今から用意するからちょっと待ってな。』俺は服を着替え洗面代へ向かった。しもべはチョコチョコと俺の後ろをついてくる。《なんかペットみたいやな。》顔を洗いリビングに向かう。机の上には朝ご飯の支度がしてありオカンはベランダで洗濯をしていた。俺が起きてきたのに気付き 『遅刻しなや?アンタ遅刻ばっかなんやから!』 と言い洗濯の続きに戻る。『わかってるわ。』 俺はご飯を駆け込み家を出た。
2006-04-13 21:13:00 -
47:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
いつもと変わらない朝だったが今日はいつもとは違う!《今日やっとトモキの仇を取れるんや。》少しウキウキしながら学校に向かった。俺は学校に着くと昨日と同じようにシンイチとヒロを探した。だが今日もシンイチとヒロは学校に来ていなかった。《はぁ。アイツ等またさぼりかぁ。まぁいいや、学校終わったら駅前のゲーセンに行こ。今日も絶対おるはずや。》そして放課後駅前のゲーセンに行くと予想通りにシンイチとヒロはゲーセンにいた!俺は肩に乗せているガイコツに小声で話し掛ける。 『しもべ。あっこに茶髪の二人おるやろ?あいつらを殺してほしいねん!』 「かしこまりました。あの二人組でございますね?」
2006-04-13 21:23:00 -
48:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
するとしもべは俺の肩の上で立ち上がり鎌を両手でしっかり握った。次の瞬間しもべは俺の肩の上から飛び出し一直線にシンイチとヒロに向かって飛んでいく!シンイチとヒロの近くまで来た時しもべは大きく鎌を振りかぶり、シンイチとヒロを切った!!《うわっ!》俺は思わず目を背ける!《アイツこんな人の多い所で堂々と何してんねん!》(きっとこの後駅前は大騒ぎになるだろう。コイツの姿は人には見えない。二人の男が突然血を流し倒れるのだ…。)俺がそんな事を考えていると… 「どうかなされましたかご主人さま?お体の具合でも悪くおなりですか?」 肩の所にガイコツが戻ってきていた。シンイチとヒロの方をみると何もなかったように二人はゲーセンでナンパをしている。おかしい…。
2006-04-13 21:43:00 -
50:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『どういう事?今お前確かにシンイチとヒロを鎌で切り付けたよな?なんでアイツ等なんもなってないん?普通死ぬはずちゃうん?』 俺はテンパりながらガイコツに聞く。 『はい。確かにご主人さまがおっしゃる通り私はあの二人をこの鎌で切り付けました。でもこれは昨日お話しした魔法のような物でございます。私は今ご主人さまの望みどおりにあの二人に魔法をかけました。もう少ししたら効果が現われるでしょう。」 《そう言えば昨日そんな事を言ってたな。》そう思ったその時だった!ナンパをしているシンイチとヒロの方を見ると何かもめている!!どうやらシンイチとヒロがナンパをしていた相手の彼氏が現われたみたいだ。相当な数の仲間を連れていたみたいでシンイチとヒロはあっという間に囲まれ身動きが取れなくなっていた。シンイチとヒロは男達にどこかに連れていかれた。『アイツ等どうなるん?』「もちろんご主人さまのお望み通りの結果になるのでございます。二人は命を落とす事になるでしょう。」寒気が走った。
2006-04-13 22:08:00 -
51:
名無しさん
アゲ??
2006-04-13 23:35:00 -
52:
名無しさん
アゲ
2006-04-14 01:14:00 -
53:
名無しさん
ずもーん
2006-04-14 11:05:00 -
54:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺は早足で家に帰った。怖くなりシンイチとヒロがこの後どうなるかなんて見る気がしなかった…。自分の部屋に戻ってきた時には軽く息切れをしていた。俺はベットに寝転がりガイコツの方を見る。ガイコツは俺の机の上でちょこんと座りながらこっちを見ている。どうやら俺の机の上をえらく気にいったみたいだ。 『なぁ、あの二人ってほんまに死んでしまうんか?』一応ガイコツに聞いてみた「もちろんでございますよ。私の鎌からは逃れられません!なぜですか?」 『なんかあっけないなぁって…。いまいちピンとこえへんやん。あれだけで人間が死んでしまうなんて。』「死なんてそんなものですよ。明日になればもっと実感が湧く事でしょう。」 ガイコツは当たり前のようにこう話した。《コイツもあっけないよなぁ。まぁ人の命の重みなんかわからんよな。》
2006-04-14 20:06:00 -
55:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『あのさ、その鎌って人を切る事ってできひんの?』コイツはさっき俺の目の前でシンイチとヒロを確かに切った!だがシンイチとヒロはまったく気付いていないし怪我もしていなかった。まぁコイツは俺以外には見えないから気付くはずはないけど…。「ご主人さま。この鎌は人間を傷つけたりする事はできません。そもそもこの鎌は私が魔法をかけるための物でございますから…。」《ふーん。そーなんや。》
2006-04-14 20:14:00 -
56:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その日の夜俺は夢を見た。夢の中で俺は真っ白な空間で立っていた。向こうのほうから誰か歩いてくる。じっと見ているとそれはトモキだった。トモキは俺の目の前で立ち止まり、俺ににっこりと笑いかけ『ありがとう。』と言うと反対を向いて歩きだした。「ちょっと待ってくれ!」俺はトモキにそう言ったがトモキには声は聞こえてないみたいで振り返らない。俺がトモキの後を追い掛けようとしたその時………ジリリリリリ……ジリリリリリ…目覚ましの音で目が覚めた。
2006-04-14 20:23:00 -
57:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《不思議な夢やったなぁ。いや、アレは夢じゃない!天国のトモキが俺に礼を言いにきたんだ!》俺は目覚ましを止めそう思った。 『なぁガイコツ!俺すごい夢見た!トモキが夢に出てきて俺に《ありがとう》って言ってくれてん。』 「さようでございますか。きっとご主人さまに一言だけでもお礼をいいたかったのでございましょう。」 《やっぱり契約してよかったなぁ。》そう思いながら服を着替え俺はいつも通りリビングに向かった。
2006-04-14 20:31:00 -
58:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
リビングに着くといつもこの時間は洗濯物に追われているオカンがソファーの上で熱心に新聞を読んでいる。《めずらしい事もあるもんやなぁ。》オカンは普段新聞などまったく読まない。読んだとしてもテレビ欄ぐらいの物だ。俺は朝ご飯を食べるためにイスに座った。その時オカンが俺に気付き 『ちょおアンタこれアンタの学校の子ちゃうの?ミナミシンイチって子とスガワラヒロって子。』俺はその言葉にびくっとし「そぉやけどどうしたん?あの二人なんかしたん?」と聞く。大体は解っていたがあえて俺は知らないふりをした。ここで変に《死んだんやろ?》とか言ってもおかしいと思ったからだ。『すごい事になってるわよ!集団で暴行を受け意識不明の重体って!!ひどい事をするものね。アンタも気つけや?』
2006-04-14 21:31:00 -
59:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《はぁ?なんで死んでないねん!》俺はガイコツに聞きたかったが当然オカンの目の前で話かける訳にはいかない!オカンにはガイコツは見えていないからだ。俺は朝ご飯を急いで食べ、家を出た。家を出てすぐ俺の肩に乗っているガイコツに話掛ける。 『どういう事なん?あの二人死んでないやん!』 ガイコツは余裕たっぷりに答えた。 「問題ございませんよ。私の魔法の力は絶対でございますから。今は死んでいなくても、すぐに死ぬ事でしょう。逃れる事など不可能でございますからね。」 余裕たっぷりで答える。《ほんまかなぁ?まぁもし死なんかっても、もう一回やらしたらいいか。》そう思っている間に学校に着いた。
2006-04-14 21:54:00 -
60:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
学校に着き教室に入るとみんなは騒がしく話をしていた。《シンイチとヒロの事やろーな。》俺は席に付きいつも通りに授業の用意をしていると 『なぁなぁノブユキ今日の新聞見た?なんかシンイチとヒロやばいらしいで!!昨日駅前でしばかれて意識不明の重体やって!みんなその話ばっかしてるで!』 とツヨシが話かけてきた。ツヨシとは普段あまり話をしない俺にとってはどーでもいいような奴だ。だが話相手がほしかったのかめずらしく俺に話かけてくる。 「知ってるで!朝オカンが新聞見て言ってたから。まぁアイツ等ナンパばっかしてたからトラブルに巻き込まれたんちゃう?」 俺は冷たく言った。その時だった。急に放送が入る。『臨時集会を行いますので全校生徒は行動に集まりなさい。』
2006-04-14 22:15:00 -
61:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
全校集会の内容はシンイチとヒロの事だった。《別にあんな奴らのためにこんなんせんでいいやん!めんどくさい。》と思い俺はめんどくさそうにしていた。すると俺が目立っていたのか生活指導の山田が俺に近づいてきた。コイツは熱血バカで凄いうっとおしい!山田は俺の横にくるなり大声で 『こら!お前だけやぞ!そんなにダラダラしてるん!今校長先生が大事な話をしてるのにちゃんと聞け!』 と言い俺の頭をバシッと殴った!みんながこっちを見て笑いを堪えている。 「痛いなぁ!殴らんでもええんちゃうんか!コイツほんまにうっとおしいわ。」おもわず自然と言葉が出てしまった。
2006-04-14 22:31:00 -
62:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《しまった!》そう思った時はすでに遅かった。みるみる内に山田の顔が真っ赤になり血管が浮き上がる。『お前後で呼び出すからな!ちゃんと来いよ?』 そう言うと山田は去っていった。最悪だ。山田を怒らしてしまった。山田は怒ると生活指導と称して体罰を始める。その内容がエグイ!柔道場でひたすら投げ飛ばされたり、グラウンドを延々と走らされたり気を失う奴も出るぐらいに徹底的に生徒をいたぶる。《ついてないなぁ。》と思った時、肩に乗っているガイコツが目に入った。《そーや!山田も殺そう!山田は他の生徒からも色々恨み買ってるやろーし、こんな体罰教師おらん方がいいやん。》
2006-04-14 22:42:00 -
64:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
全校集会が終わると俺はすぐに講堂の裏に行った。念のために周りを確認した。みんな教室に戻ったためもちろん誰もいない! 『ガイコツ!さっき俺を殴った教師おるやろ?あいつも殺してくれへん?』 俺は肩に乗っているガイコツに小声で言った。 「かしこまりました。つい先程ご主人さまに手を挙げた人物でございますね?」そう言うとガイコツはまた俺の肩から飛び出して行った。《行っちゃった。まぁ教室戻ってても大丈夫やろ。》授業が始まるといけないので俺はガイコツの帰りをまたずに教室に戻った。
2006-04-15 06:09:00 -
65:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
教室に戻ると授業が始まる直前だった。急いで席に着く。俺の大嫌いな英語の授業だ。一応ノートを広げ授業を受けているふりをする。何を言ってるかまったくわからないので英語の授業は大嫌い。授業が始まり、しばらくするとガイコツが戻ってきた。 『完了いたしました。』 俺は小さくうなずいた。
2006-04-15 06:31:00 -
66:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《山田どういう風に死ぬんやろ?できれば呼び出しの前に死んでくれたらいいのにな。》英語の授業中俺はそんな事ばかり考えていた。チャイムが鳴り授業が終わる。考え事をしていたせいか授業は早く終わった気がした。英語の教師が教室から出ていった後、トイレに行きたかったので俺は席を離れた。トイレは校舎の端の階段のすぐそばにある。その階段で事件は起こった。
2006-04-15 06:40:00 -
67:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺が用を足しトイレから出てくると階段の周りに人だかりができていた。《何事やろ?》少し気になり覗き込む。すると俺達の学年で一番たちが悪いと言われてるソラと山田がもめていた。ソラはめったに学校にこない。ソラの見た目は今ではめずらしいクールアッシュのロン毛。左耳には三連ピアス。サーフィンをしているらしく、体の色は真っ黒に日焼けしていて細い割りには引き締まっている。《あーぁ。ひさびさに学校来たのに山田にみつかって最悪やな。》『おい!お前久々に学校着たと思ったらなんやその頭髪とピアス!ここは遊びにくる所ちゃうぞ?もっとまともな格好でこれんか?』いつも通り顔を真っ赤にし血管を浮かび上がらせながら山田がどなる。 「うるさい!ほっとけ!」ソラは怖いものしらずだ。一度キレれば例え教師でも平気で殴る。依然ソラを怒らした生活指導は前歯を折られていた。二人の争いは続く。
2006-04-15 07:02:00 -
68:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『なんやその態度!!お前それが教師に取る態度か!』「教師?お前教師やったん?全然知らんかったわ。ただのおっさん思てたわ。」ソラは山田を挑発する。単純バカな山田はその挑発に耐えれなくなった! 『ただのおっさんやと!もっぺん言ってみろ!!』 山田はソラの襟首を掴みどなった。周囲のギャラリーは固唾を飲みそれを見守る。「息くっさいわぁ!頼むからそんなに近寄らんとって!臭くてしんでまうわ。」ソラがそう言った瞬間だった。バキッ!!山田が握りこぶしでソラの顔を殴った!
2006-04-15 07:13:00 -
70:
名無しさん
ハマりました!!!書いて下さい☆
2006-04-15 16:01:00 -
71:
名無しさん
アゲ
2006-04-15 19:14:00 -
72:
名無しさん
http://pr3.cgiboy.com/S/4634318
2006-04-15 19:23:00 -
73:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
応援やアンカーありがとう!非常にうれしいです。一つお願いがあります。【魔の召使】感想、意見のスレってのを立てているので、面倒臭いと思いますが感想などはそちらにお願いします。アンカーはあると便利なのでたまに程度ならいいと思います。個人的な意見で申し訳ないですが、小説を読みやすいと思いますので…
2006-04-15 21:39:00 -
74:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『痛いの!このクソジジイ!』次の瞬間ソラは怒り山田に殴りかかった!!……バキッ…山田はソラのパンチをまともにアゴに食らい、ふらふらとよろけた。けっこう効いたみたいだ!その様子を見たソラは追い打ちをかける!『オラ!死ねやクソジジイ!』 容赦ないソラの攻撃に山田はただ小さくなりガードするしかできなかった。《いけ!ソラ!山田なんかしばいてしまえ!!》周りの奴らはここぞとばかりにソラをあおる!みんな山田に多少なり恨みを持っていたみたいだ。俺もその中の一員だった。「調子に乗るなガキが!」周りの声が聞こえたのか、急に山田はガードを辞めソラに襲い掛かった!! 『甘いねん!とどめや!』だがソラはそれを読んでいた!体を逆に反転させ回しげりを山田のタックルに合わす。バキッ!見事にタイミングが合った。山田はソラの回しげりを見事に食らい吹っ飛ぶ!《危ない!!》俺がそう思った瞬間だった…。 『うわぁぁぁ!!!』 山田は階段を転げ落ちて行った…。
2006-04-15 22:04:00 -
75:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
一瞬にして周りの空気が凍り付いた。ソラは魂が抜けたようにその場に立ち尽くしている。階段から転げ落ちた山田はまったく動かない。頭からは血が流れ、見る見る内に赤い水溜まりができていく。ギャラリー共がヒソヒソと〈ちょお、あれってやばくねぇ?死んだんちゃう?〉などと会話をする。『きゃぁぁぁ!山田先生!大丈夫ですか?』 山田の声を聞き付けたのか英語の女教師が駆け付けてきた!その瞬間ぞろぞろと他の教師も駆け付け 「救急車を呼べ!」「誰がやったんだ!」「お前等、見てないで教室に戻れ。」と大騒ぎになった。ソラを見ると、ソラは座り込みガクガクと震えている。自分がしてしまった事の重大さを噛み締めていたみたいだ。そのまま俺たちは教室に押し戻された。教室に戻る途中に肩に乗っているガイコツが俺に囁いた。 『ご主人さま。これで私の鎌の力を信用して頂けましたか?』
2006-04-15 22:19:00 -
76:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その後学校に警察や救急車が到着し捜査のため俺等は帰宅する事になった。ソラは警察に傷害の罪で現行犯逮捕されたらしい。おそらくこの後殺人に罪が切り替わるのだろう。《ソラに悪い事したなぁ。俺がガイコツに命令せーへんかったら…》帰り道で俺の頭に後悔の念がよぎる。 『なぁ。死に方って俺が選ぶ事ってできひんの?例えば今日のんだって山田が階段から落ちて死ぬとか。』やっぱり知ってる奴とかを巻き込むのが嫌だった俺はガイコツに言った。だが、「ご主人さまそれは不可能でございます。私の力は小さな火種を無理矢理死に繋げるやり方ですので。」 『じゃあそのやり方を変えるんはできひんの?』 「申し訳ございませんが、私のような者ではとてもとてもやり方を変える事などできません。お恥ずかしい限りでございますが、まだまだ未熟者ですので…。」《こんな凄い力を持ってるくせに…。》そう思いながら歩いているといつのまにか家に着いていた。
2006-04-15 22:45:00 -
77:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
家に着くとオカンは出かけていた。俺は部屋に入りいつも通りベットに横になる。《暇やなぁ。》トモキが死んでから俺は仇を取ろうとその事ばかりを考えていたが仇を取ってしまった今、する事が無くなってしまった。《なんかいい事ないかなぁ。彼女でもおったらいいのになぁ…。》 『なぁ、お前って俺の望み叶えてくれるんやんな?彼女って作れるん?』 無理とは思ったが一応聞いてみた。結果は以外にも…「もちろん可能でございますよ!相手を操る事は不可能でございますが、恋愛感情を抱かせる事は可能でございます。」 との事だ!基本的にはなんでもできるらしい。《じゃあ、暇やし彼女探しにでも行こっかな。》俺は急いで私服に着替え、家を出た。
2006-04-15 23:02:00 -
78:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
駅前に到着した。俺はさっそく好みの女を探す。まだ昼過ぎと言うこともあり、人通りもまばらだ。《とりあえずゲーセンにでも行ってみるか。》ゲーセンの中に入ると昼過ぎなのけっこう人が多かった。シンイチとヒロが学校をサボりここに入り浸っていた理由がよくわかる。とりあえずプリクラコーナーを覗いてみたが好みのタイプはいなかった。特にゲームなどに興味がなかった俺は音がうるさかったために外に出た。《まだ時間が早いしもうちょい待つか!》少し時間を潰そうと近くのスターバックスに入った。窓際の席に座り外を眺め好みの女を探していた時にカップルが入ってきた。女を見ると完璧な俺のタイプだった。 『あの男が連れてる女がいい!』 小声でガイコツに囁いた。「かしこまりました。」
2006-04-15 23:16:00 -
80:
名無しさん
ぱくり
2006-04-16 23:26:00 -
81:
名無しさん
ぱくり
2006-04-16 23:26:00 -
82:
名無しさん
ぱくり
2006-04-16 23:26:00 -
83:
名無しさん
↑しつこい。
2006-04-17 01:42:00 -
84:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《人を殺すんと恋愛感情を持たすんって方法違うんかな?》そんな事を考えながら俺はガイコツを目で追っていた。ガイコツが女の後ろに近づく!そして大きく鎌を振りかぶり、女を切った!《まったく一緒やん。》すこしがっかりした。ガイコツは魔法を終え俺の元に戻る。そして耳元で 『完了いたしました。』 とつぶやき俺の肩の上に戻った。《まぁ、いっか。》俺はそう思い、効果が現われるのを待った。…だがしばらく待っても何も起こらない。カップルはケンカもしないし、俺の近くに来る事もない。普通に何もなく帰ってしまった。《バカらしいわ!帰ってしまったし。》俺はイライラし、店を出た。
2006-04-17 23:09:00 -
85:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その後ゲーセンを覗いてみたり駅前をぶらぶらしてみたが、俺好みの女は結局見つからなかった。《日も暮れて少し肌寒くなってきたし帰ろっかな。》真冬なので日が暮れるのが早い。やる気を失くしていた俺は家までの道を歩きだした。人気が無くなってきた所でガイコツに話かける。 『どーなってるん?何もなかったやん!失敗か?』 ガイコツは自信満々に 「失敗など致しておりません。必ずあの女性はご主人さまの物になるでしょう。ご心配には及びません。」と言う。《まぁコイツがこんだけ言うんやから心配ないやろ。》少し安心し家までの道程を歩く。
2006-04-17 23:19:00 -
86:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
もう少しで家に着く時だった。道端に何か四角い物が落ちている。妙に目に付いたので近づいて行くとそれは財布だった。《ラッキー!!財布拾った。》さっそく中を覗いてみると財布の中には二万円と少しの小銭とカード類が入っていた。《これ、免許証ちゃうん?どんな奴が落としたんやろ?》免許証の写真を確認してみると、なんとスターバックスでいたカップルの女だった!《すげー偶然やん!!》一瞬そう思ったがよく考えるとガイコツの魔法のおかげだと言う事はすぐわかった。本来なら中身だけネコババするのだが、俺は財布を警察に届ける事にした。
2006-04-17 23:32:00 -
87:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺はそのままその足で警察署に向かった。もしかしたら今日に会えるんちゃうかな?と思ったからだ。だが俺の予想は見事にはずれ、結局落とし物のだるい手続きをして帰るはめになった。《そううまくはいかんか。まぁでも、きっかけはできたな。》帰る途中に 『ガイコツ。ありがと。』とガイコツに礼を言った。「お礼など結構でございますよ。これが私の仕事でございますから…。」 少し照れ臭そうにしながらガイコツは言った。
2006-04-17 23:41:00 -
88:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『ただいまぁ〜。』 警察に寄り道をしていたので家に着いた時は夜の8時を回っていた。声を聞きなぜかオカンが玄関まで来た。《どうしてんやろ?》普段まったくそんな事などないので、俺は不思議に思っていた。一瞬の間がありオカンは興奮しながら話しだす。「アンタ遅くまでどこいってたん?今日学校で事件あったんやろ?生徒が教師殴ったって。そんな日にうろつくなんて何考えてるん?」いきなりの猛反撃に少しイラッとした俺は反撃に出る。 『うるさいなぁ!ちょっと遊びに行っただけん!それに俺その事となんも関係ないんやからほっとけや!』
2006-04-17 23:53:00 -
89:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『関係ない事ないやろ!アンタの学校最近事件続きやないの!そういう時ぐらいちゃんとしようと思わん?』「ちゃんとしようと思わん?俺は事件になんも関係ないのになんでそんなん言われなアカンの?」 しばらくそんなやりとりが続いた。アカンも引けへんし、俺も引かない。話のケリがつかないのでオトンがでてきた。『もうええやんけ!お前ら言い合いしても話つけへんやろ?もういいやんけ。』その一言でオカンはリビングへと戻って行った。
2006-04-19 06:36:00 -
90:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《くそっ!うっとおしいわ!何であんなん言われなあかんねん!》部屋に戻ると余計にいらだちが増してくる。《あーぁ。あんなオカンいらんわ。殺してもらおっかな。…でもオカン死んだら色々とめんどくさいやろーしな。てか腹減った。》もう8時すぎ、いつもならばとっくに夕食を食べ終わっている時間なのでいい加減腹も減った。《うっとおしいけどしゃーないか。》リビングに向かった。
2006-04-19 06:46:00