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3Ldkの城・?

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  • 1:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    ?は、↓です。
    http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1132987687/-5

    2005-12-19 14:05:00
  • 80:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    そう言って、彼はトントンと階段を降りりていく。
    去っていく陽平の背中を眺め、花は唇を噛んだ。
    「いや?」
    うつむく彼女の顔をのぞき込み、問いかける千草。

    2005-12-21 18:16:00
  • 81:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    恐る恐る返事を待つ‥千草の顔。
    花は、彼を見て‥小さく微笑んだ。
    「‥うん。しよっか」
    いい加減、陽平のことを想うのは‥やめにしよう。
    花は、前に進みたい一心で‥彼を受け入れた。

    2005-12-21 18:20:00
  • 82:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    みるみると嬉しさを顔に表し、「やった!」と言って‥拳を作る彼。
    花は、喜ぶ彼を眺め‥小さく笑った。

    ‥陽平、あたし‥ちゃんと諦めるから。

    2005-12-21 18:23:00
  • 83:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    約束を交わし、花は彼を見送った。
    「常盤千草と松浦さんって、付き合ってるんですかぁ?」
    千草に手を振る彼女の隣に並び、リンリンがひそひそと問いかけてくる。
    花は、彼女に優しく微笑んだ。

    2005-12-21 18:27:00
  • 84:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「‥どうやろな」
    曖昧に答える彼女。
    リンリンは、その返事に興奮し‥冷やかしてくる。
    バケツの中にモップを入れて、花は彼女の言葉にケラケラと笑っていた。

    2005-12-21 18:31:00
  • 85:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    あたし、いつから‥嘘の笑顔を覚えたんやろ。
    嬉しくないのに、笑顔が作れる。
    本音を隠した顔。

    花は、頭の中にいる陽平の顔をもみ消すかのように‥笑みを振りまいていた。

    2005-12-21 18:35:00
  • 86:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    【つづく】

    2005-12-21 18:36:00
  • 87:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「飯食う前に、行きたいとこあるねん」
    夕方‥駅で待っていると、千草は嬉しいそうに片手を上げて現れた。隣にいる陽平と離れて、花の元へ駆けつける。
    花は後ろめたさを感じ、陽平の目を見ることが出来なかった。
    2人で街に繰り出すと、千草は照れた様子で声をかけてくる。

    2005-12-22 11:22:00
  • 88:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    何かを秘めているかのような彼の言葉に、花は頭の上にハテナを浮かべる。
    そして、彼に連れて行かれたのは‥華やかな光を放つ宝石店。
    千草は、マフラーをまき直し‥店内へと入っていく。
    「2人で買ったネックな‥陽平が渡したから、俺の手で何か渡したいねん」

    2005-12-22 11:27:00
  • 89:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    ケースの中を覗きながら、千草は口を尖らせて‥呟いた。
    花は、慌てて遠慮をする。だが、彼は口を“への字”に曲げて‥身を引かない。
    周りを見渡せば、白い店内には‥肩を並べて寄り添うカップルがチラホラといる。
    そして、ケースの中を見る。そこには、“0”が沢山書かれた数字ばかり。

    2005-12-22 11:31:00
  • 90:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「ちょっ‥、ちゃんと貰ったから‥もういいって!」
    花は、困った顔で彼の腕を引く。
    すると、千草の目は一点に集中した。
    「これ、いいやん」

    2005-12-22 11:34:00
  • 91:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    そう言って、彼はケースに人差し指を当てた。
    花は、冷や汗をかいたまま‥指が差す先に目を向ける。
    目に映ったのは、ネックレスと同じ“ダイヤの花”の指輪とピアス。
    その隣には、今‥首にかけているものがあったかのように、スペースが空いていた。

    2005-12-22 11:38:00
  • 92:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「金なら、気にせんでいいから。‥俺、自分の手でプレゼント渡したいねん」
    彼女の頭に軽く手を置いて、彼は満面の笑顔を見せてくる。
    店員がケースから出したのは、指輪とピアス。
    千草は、そこから指輪を手に取り‥花の右手に手を伸ばす。

    2005-12-22 11:48:00
  • 93:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「左手は嫌やろ?だから、右手」
    そう言いながら、千草は指輪を指に通していく。
    ‥ひんやりと冷たい感覚が、指先から伝わってくる。
    「マ‥マジでいいから!指輪とかっ」
    唇をきつく噛み、花は声を張り上げた。

    2005-12-22 11:53:00
  • 94:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    静かな店内に、彼女の声が響きわたる。
    同時に、指輪を持つ‥千草の手がピタリと動きを止めた。
    花は、困った表情でうつむいている。

    2005-12-22 11:56:00
  • 95:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    ‥きつく言い過ぎた?
    花は、すまなさそうな顔で彼を見上げた。
    「じゃあ‥ピアス」
    千草は、苦笑いで指輪を元の場所へ戻した。

    2005-12-22 11:58:00
  • 96:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「ピアスやったら安いし、いいやろ?」
    耳に飾るピアスを眺め、千草は口元をクイッと動かした。
    鏡に映る‥小さな耳。耳たぶには、ネックレスと同じ‥ダイヤの花ビラ。
    チラッと隣を見れば、千草は寂しそうな笑顔で見つめてくる。
    花は、コクリと頷き‥礼を言った。

    2005-12-22 12:06:00
  • 97:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    きっと‥さっきの言葉に傷ついてる。
    宝石店を出て‥街を歩く彼を横目に、花はため息をついた。
    ‥気持ちは嬉しいけど、指輪って‥なんか特別な気がするから。
    だから、指の根元まで‥通されたくはなかった。

    2005-12-22 12:11:00
  • 98:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「何食いたい?」
    “何も気にしていない”と言うかのように、彼は明るく笑いかけてくる。
    我に返り、花は慌てて考える。
    千草は、そんな彼女を見下ろし‥クスクスと笑った。

    2005-12-22 12:14:00
  • 99:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「えっ、なんで笑っ‥」
    自分を見て笑い出す彼に、花はポカンとした顔で問いかけようとした。
    すると、目の前に黒い色が広がる。
    彼は、ふわりと首にマフラーを巻きつけた。

    2005-12-22 12:19:00
  • 100:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「強引なことして‥ごめんな。俺、なんか‥張り切りすぎたっ」
    自分のマフラーを彼女の首に通して、彼は恥ずかしそうに目を伏せた。
    毛糸に残っている‥わずかな体温。
    花は、髪の毛をかきあげ‥彼にピアスを見せた。

    2005-12-22 12:28:00
  • 101:

    ?チャン?

    今初めヵラ一気に読んだょッッ??この小説めたスチなったァ???頑張ってねぇ?完結までずっとぉ供しますぅ?

    2005-12-22 15:34:00
  • 102:
    2005-12-22 19:42:00
  • 103:

    名無しさん

    2005-12-22 22:54:00
  • 104:

    名無しさん

    2005-12-22 23:01:00
  • 105:

    密子

    初めまして☆友達からこのサイトを教えてもらって今、読み終わりました。あまり長い感想はここでは好ましくないみたいですが、本当に面白かったので言わずにいられなくて書いちゃいました(>_

    2005-12-23 01:50:00
  • 106:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    チャンさん、密子さん、あと読んでくれてる方。本当にありがとうございます。

    2005-12-23 15:38:00
  • 107:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    花と千草が街でデートをしている頃、陽平は家に帰ってきた。暗い表情のまま、タンスの前に立つ。
    カタン‥。
    引き出しの奥を見て、彼は唇に力を入れた。
    ‥手元にある写真は、この1枚だけ。
    離婚して、自分に残されたものは‥孤独と屈辱感。

    2005-12-23 15:52:00
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