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夏の香り
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1:
なみこ
―みなさんは今―
―恋をしてますか―。
誰にでも忘れられない恋、思い出、喜び、涙、があるはずです。季節が巡るたびに思い出す、そんな切ない私の実話を書いていきたいと思います。2006-04-27 16:44:00 -
6:
なみこ
最初は乗り気ではなかった私だが一週間程して海の家のアルバイトは私には天職だと思えた。
何より楽しい。従業員と仲良くなれたし休憩時間にはビーチで遊んだり体を焼いたりした。2006-04-28 04:16:00 -
7:
なみこ
焼けた肌、潮風になびく金色の髪、ヘソピアス、腰に刻まれた薔薇のタトゥ。ギャルだった私にはナンパは絶えなかった。当時かなり束縛の激しい彼と別れたばかりだったので、異性と話ができる事が嬉しくて仕方なかった。
2006-04-28 04:21:00 -
8:
なみこ
見た目と違って私は決して軽くはなかったのでその場でついていく事は絶対なかった。
『自分、海の家の子やんなぁ?俺ここ一週間ちょくちょく遊びに来てんやけど知ってる?』
『知らん〜』
『番号教えて〜』
2006-04-28 04:27:00 -
9:
なみこ
話をしているうちに意気投合する事もあって、番号を交換した人も何人かいた。毎日が楽しかった。
番号を交換した人がたまに海の家に遊びに来てくれた。2006-04-28 04:31:00 -
10:
なみこ
そして私は《佑介》という人に出会った。バイトの休憩中、佑介が声をかけてきたのがきっかけだった。
最初は気にもしていなかったが何度も顔を合わし、話をしてるうちに私の方が佑介に曳かれていった。2006-04-29 01:06:00 -
11:
なみこ
佑介は私の3つ上でかなり男前だった。なにより日に焼けた体にいたずらっぽく笑う笑顔が愛しくて仕方なかった。二人が付き合うまで時間はかからなかった。毎日のようにバイトが終われば佑介が迎えに来てくれた。
2006-04-29 01:17:00 -
12:
なみこ
知り合ってっまだほんの数週間しか経ってないのに私は完全に佑介に惚れこんでいた。休みの日には佑介が色んな場所に連れていってくれた。幸せだった。
2006-04-29 01:21:00 -
13:
なみこ
佑介は私に愛してると何度も言った。こんな短期間でここまで人を好きになるなんて。自分でも信じられなかった。7月の末―。
衝撃的な出来事があった。2006-04-29 01:26:00 -
14:
なみこ
祝日ということもあっていつもより混むビーチ。海の家もすさまじい人込みで少し遅いお昼の休憩に入る時ちょうど佑介から着信があった。『今日は夜勤入ったから夜会うの無理やわ』
2006-05-01 10:35:00 -
15:
なみこ
そう。今日は佑介と付き合ってちょうど1ヵ月を迎える日だった。夜景の見えるレストランで食事をしてお洒落なバーに行くプランまで二人でたてたのに。私は無性に腹が立った。
2006-05-01 10:42:00