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いつもアンタは…

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  • 1:

    あゆみ

    なぁ…知ってる??…

    あたしら人間が     この世に生まれて    死ぬまでの間…
    どれだけ涙を流すんか…

    2006-01-07 16:29:00
  • 200:

    あゆみ

    その《今度》は思ったよりも早かった。
    真麻が連れてきたのは…
    明らかなホスト。
    「こんばんわ初めまして〜」ん‥?もしかして…
    名前は藤咲裕也。…そう。彼は私の店の2コ1、優の指名ホストだった。

    2006-01-30 00:06:00
  • 201:

    あゆみ

    「自分裕也くんちゃん?」
    私がそう言うと裕也は驚いた顔で「そうですケド…」と答えた。
    「いらっしゃい?あゆみやん!」私は自分を指さしてそう言った。
    「ほら優と前店行った事あんねんけどな?」
    裕也は少し考え込んでようやく私をわかってくれた。「せやけど…なんで。…え?自分らどういう関係?」知らんくて当たり前。私と真麻が実の姉妹って事は涼ぐらいしか知らんからな…

    2006-01-30 00:13:00
  • 202:

    あゆみ

    別に隠す理由もないし。
    「あゆみら実の姉妹やで!」「え?!‥‥うそ…」裕也は異様に驚いてた。
    「まぁとりあえず上がりや」と真麻が言った。
    「それにしても似てないなぁ。」余計なお世話じゃ!

    2006-01-30 00:21:00
  • 203:

    あゆみ

    って感じの雰囲気で色々と話していた。
    じゃあ突然裕也が言った。「涼さんとどうなんすか?」真麻の前で涼の話を出してほしくなかった。…
    「まぁボチボチやで。」と適当に答え、話を流そうとした。
    状況を知ってるわけもない裕也は、涼の話を引っ張る引っ張る…
    とどめには前あった事の話まで持ち出した。…

    2006-01-30 00:30:00
  • 204:

    あゆみ

    裕也が、ほぼ一人で喋っているような感じになり私と真麻の間は気まずくなった。
    裕也は明るいし顔も男前。例えて言えば、吉本所属のジャニーズみたいな感じ?
    そこそこ人気もあるし個人的には好きなキャラやけど…。
    場の空気をイマイチ読まれへんってゆうか‥。

    2006-01-30 00:36:00
  • 205:

    あゆみ

    「涼さん、毎日あゆみちゃんの話してたから店の子はみんなあゆみちゃん知ってますよ」とか…
    「代表になれたのもあゆみちゃんのおかげっすよ!」とか…
    そういえば2号店のオープンイベントの時、私が知らない子にまで名前呼ばれてたような‥。とか私なにを考えてんねん。…
    真麻は不満げな顔やしこれ以上空気悪くなったらたまらんわ。…

    2006-01-30 00:46:00
  • 206:

    あゆみ

    ちなみに裕也はNo.2。
    涼が代表になって店を変わったから一応No.1とも言えるんかな?…

    2006-01-30 00:50:00
  • 207:

    あゆみ

    真麻はマイコではなくこの裕也の家で寝泊りしていたそうだった。

    のちにこの二人が私の悪魔になるなんて…。
    私は内心ホッとした。ついこないだ「タイプは涼みたいな人」発言をしたから、ここ何日間かその事ばっか考えてしまっていた。
    でももう裕也がおるしな…

    2006-01-30 01:59:00
  • 208:

    あゆみ

    でもそれは私の大きな勘違いだった。
    真麻は、涼を諦めてなんかいなかった。…
    あいかわらず私は涼と愛し愛されの毎日で幸せな日々を送っていた。
    そして涼から同棲の話が出た。でも私の脳裏には真麻。…真麻がいるのに同棲なんて…無理無理。

    2006-01-30 02:05:00
  • 209:

    あゆみ

    でもそうは言っても実際、家はほとんど空き状態。
    真麻もだんだん家に帰ってくる回数が減って、それは私も同じだった。
    二人の間に明らかなすき間が出来始めた時、ある日突然真麻に言われた。
    「裕也が二人で住む家、借りてくれた」

    2006-01-30 02:10:00
  • 210:

    あゆみ

    私も涼との同棲の話、断ってばっかじゃなくて真剣に考えようと思ってた。
    本間は一分一秒でも、涼と同棲したかったけど…

    でも真麻を思う気持ちにはどぅしても勝たれんかった。
    それやのにそんな私の気持ちも知らんと平気な顔で言う真麻になんとなく苛立った。…

    2006-01-30 02:16:00
  • 211:

    あゆみ

    だけど何年もずっと心で引っかかっていた家族。
    やっと会えたのに、もしかしたらこのまま又会えなくなってしまいそうで恐かった…
    見失ってしまう事が恐かった…
    でも真麻との二人暮しは、半年ももたなかった。

    2006-01-30 02:21:00
  • 212:

    あゆみ

    一度埋まりかけた姉と妹の十数年の空白の時間…
    これが地獄の始まりだった。
    もし《運命》というものが存在するならどうして神様は私と真麻を姉妹にしたのですか?…
    もし《奇跡》というものが存在するならどうして神様は涼ではなく真麻に微笑んだのですか?…

    2006-01-30 02:26:00
  • 213:

    あゆみ

    そして、二度と埋まる事のない十数年の空白の時間。
    たとえ、この命が尽きたとしても…
    未来がわかっていればきっと私はアンタとは出会わなかった。…
    私の大切な人を奪ったアンタとは‥

    2006-01-30 02:33:00
  • 214:

    あゆみ

    真麻とは一緒に暮らさなくなっても連絡はまめに取っていたし時々会っていた。真麻は裕也と同棲…
    そして私は涼と同棲…
    すべてがうまくいくと思ってた。
    私‥幸せになったらあかんのかな??…

    2006-01-30 23:52:00
  • 215:

    あゆみ

    気付かなかった。…
    真麻と裕也に愛なんてなかった事。…
    すべてが私と涼への嫉妬心だった事。
    神様は何をしたら私に幸せをくれますか??
    もう一度生まれ変わって、《幸せ》が手に入るなら…間違いなく私は今ここにいないだろう。

    2006-01-30 23:57:00
  • 216:

    あゆみ

    突然現れた女の子…
    それが小さい頃、母と共に突然消えてしまった《妹》だとわかった時…
    《奇跡》やと思った。
    二人で生活をし始めてからも時々、「あゆ姉っ!」って呼ぶ真麻の声とか目の前の笑顔が夢やと思ってしまう事もあった。

    2006-01-31 00:10:00
  • 217:

    あゆみ

    夢なわけがない‥!

    私はたった一人しかいない妹の為に出来る限りの事は姉として全部した。
    ちょっとでも美味しいご飯を食べさしてあげたかったから忙しい中でも料理本を片手によく作ったなぁ…
    洗濯もなにもかも私がしていた。でも全然苦痛なんかじゃなかった。真麻の笑顔を見るたび、私が守ったらな…ぐらいの勢いで毎日、頑張った。

    2006-01-31 00:19:00
  • 218:

    あゆみ

    私、結局いいお姉ちゃんになられへんかったんかなぁ…
    それから悲劇は起きた。
    休みの日、涼とご飯を食べに行った。
    途中で涼の携帯に急に、客から電話。
    私といるのに電話にでた涼…仕事なんわかってるのになんかイライラしてしまった私。

    2006-01-31 13:10:00
  • 219:

    あゆみ

    (ふざけんな!誰やねん!前に私おんのに電話でる?普通…)
    涼はその客と楽しそうに、笑いながら話している。
    私は気分が悪くて寝たフリをした。
    「ごめんあゆみ!!この子さみしがりやねん…」
    はぁ…??もぅえぇわ…
    帰ろかな…

    2006-01-31 13:14:00
  • 220:

    あゆみ

    ★略
    はぁ…??もぅえぇわ…
    帰ろかな…

    2006-01-31 13:16:00
  • 221:

    あゆみ

    私は寝たフリをし続けた。(涼…困ってるかな??)
    何も言わない涼。ちょっと気になってゆっくりと顔を上げてみた。…
    (プッ)
    涼も一緒になって寝たフリしてる。笑
    その可愛さずるいわ…

    2006-01-31 13:33:00
  • 222:

    あゆみ

    さっきまでの苛立ちが一瞬で笑いに変わった私。
    思わず涼の頭をなでてあげたくなったけどぐっと我慢した。
    スネる私。
    涼は顔をあげて、八重歯の可愛い笑顔を見せる。
    幸せやなぁ…こんな些細な事でもそう思えた。

    2006-02-01 01:00:00
  • 223:

    あゆみ

    涼の携帯の着信履歴から、わかった事……     
    【真麻】…

    そう。あの時の着信は真麻からやった。
    確かにあの日、あの時間。…

    2006-02-01 01:13:00
  • 224:

    あゆみ

    私は涼の言っていた言葉を思い出した。
    「さみしがりや」…
    涼はわかってたん?‥
    真麻の気持ち。
    なんで笑ってられるん?

    2006-02-01 01:16:00
  • 225:

    あゆみ

    この日私達はそのまま遅くまで外で遊んでいた。
    いろいろと忙しかった涼はここ2ヵ月ぐらいまともな休みがなかった。
    久しぶりの長い二人だけの時間。
    涼といると時間なんてすぐ過ぎていく。…
    いっそ止まってしまぇ…!

    2006-02-01 01:23:00
  • 226:

    名無しさん

    2006-02-01 01:54:00
  • 227:

    名無しさん

    2006-02-01 01:55:00
  • 228:

    あゆみ

    なぁ…あたし…なんか悪い事したかなぁ。

    小さい頃、家族のだれにも相手してもらえなかった。《幸せ》なんて言葉、私には必要ないと思ってた‥
    生まれてきた中ではじめて心から愛した人を失う事がこれほどにつらいなんて。

    2006-02-01 02:05:00
  • 229:

    あゆみ

    忘れもしない11月11日。
    冬を目前にしてヒンヤリ肌寒い雨上がりの日だった…
    普段と何の変わりもなく、全部いつも通り‥。
    二人でご飯を作って食べてお風呂に入る
    「早く帰ってきてな?」と軽く手をつないで涼を仕事に出した。

    2006-02-01 02:18:00
  • 230:

    名無しさん

    2006-02-01 02:19:00
  • 231:

    名無しさん

    2006-02-01 02:24:00
  • 232:

    あゆみ

    大体夜中の1〜2時ぐらいは基本的に客足は少ない。
    こういう時はかならずメールか電話をしてきてくれる涼。
    この日もメールがきた。
    「あゆ?今なにしてる?(みりあ)と(ひゅう)?」
    将来の子供の名前を考えていたらしいメール。涼らしい‥

    2006-02-01 02:41:00
  • 233:

    あゆみ

    メールの返事は忙しくなったら返ってこなくなるけど、暇な時間帯って大体、毎日あるみたい。
    明け方にはまたメールの続きが返ってくる…
    パッと時間を見ると、もう朝の七時ごろだった。
    新着メール0件
    (あれ?‥今日はお店忙しいんかな?)

    2006-02-01 02:49:00
  • 234:

    あゆみ

    メールが返ってこなくたって然程、気にしない。
    同棲をし始めて今まで家に帰ってこなかった事なんてなかったし…
    (まぁもうちょっとしたら電話でもかかってくるやろ?)
    そう思い睡魔も襲ってきていたけどなんとか目をショボショボして待ち続けていた。

    2006-02-01 02:55:00
  • 235:

    名無しさん

    2006-02-01 04:28:00
  • 236:

    名無しさん

    2006-02-01 04:56:00
  • 237:

    あゆみ

    10分が30分…30分が1時間…
    涼から電話がかかってくる気配はない。
    電話をかけても繋がらないしメールは途絶えたまま…。
    だんだん心配になってきたそんな時一本の電話がかかってきた…
    着信 涼

    2006-02-01 12:11:00
  • 238:

    あゆみ

    画面を見てホッと安心した。
    (めずらしく飲みすぎて潰れとったんカナ?) …
    「はいはぁい??もしもし?何時帰ってくる??」
    「…あ…ゆみちゃん?」「‥え……誰??…」
    確かに着信は涼からやのに電話の向こうは涼じゃない‥

    2006-02-01 13:38:00
  • 239:

    あゆみ

    なんかどっかで聞いた事のある声。
    でもそれが誰なのかまではわからない。

    その子は息が切れ、やたらと焦りながら喋っていた。
    「誰なん?人の携帯、勝手に‥‥さ」「…ハァハァた、大変なんです!涼さん…涼さん…」

    2006-02-01 13:58:00
  • 240:

    あゆみ

    「涼さん…ハア、か、帰ってこんかって…そ、それで俺がたまたま…ハアハア」「ちょっとそこどこなん?」
    「み、店出てまっすぐの、宗衛……」ブチッ
    涼になんかあったんや…
    説明も最後まで聞かんと、一方的にきって急いで家をとびだした。

    2006-02-01 14:11:00
  • 241:

    ぃぃちこ

    しおり?マヂ楽しみ?

    2006-02-01 23:52:00
  • 242:

    ゆりあ

    今一気に読みました?めっちゃ早く続きが読みたぃです?

    2006-02-02 02:38:00
  • 243:

    あゆみ

    私の心臓は飛び出るぐらいバクバクしていた。
    タクシーを拾って涼のいる場所へ向かう途中の時間が私をおかしくする。
    あの子の電話の焦った口調は普通じゃなかった。
    あんな事が起きてるなんて…。

    2006-02-02 12:39:00
  • 244:

    名無しさん

    2006-02-02 12:41:00
  • 245:

    あゆみ

    その場へ着くと、スーツを着た3、4人のホストがいて世話しなく走り回ったり、誰かに電話をかけたりしていた。
    私は急いでタクシーから降りてかけよった。
    かけよった先には涼がいる…
    私は唖然とした。

    2006-02-02 12:43:00
  • 246:

    あゆみ

    血まみれの服を着た涼…
    …「涼!!!…」
    ぐったりしている涼を思いっきり揺らした。
    意識はもうろうとしていたけど、涙でグチャグチャな私の顔を見て頭をなでてくれた。

    2006-02-02 12:47:00
  • 247:

    あゆみ

    意味わからんねん…待ってや……何があったん?…
    私は何が起きたのか、全くわからんかった。
    ただ目の前には血まみれの涼がいて、パニックになってる従業員であろう子たち。
    一人の子が言った。「あゆみちゃんゴメン‥」

    2006-02-02 12:53:00
  • 248:

    あゆみ

    涼……死んじゃうん?
    「あんたら早く救急車呼んでぇや!!」
    私は泣き叫んだ。
    涼がだんだん弱っていくのが目に見えて、わかった。昨日はあんなに笑ってたのに何でなん…???

    2006-02-02 12:56:00
  • 249:

    あゆみ

    すぐ救急車が到着して、涼は運ばれていった。
    私はすぐ後を追って病院にむかった。
    涼は、直ぐ様緊急手術…
    長時間に渡る、危険な手術だった…

    2006-02-02 13:05:00
  • 250:

    あゆみ

    手術室の前のベンチで祈るように涼の無事を願ってた…
    もしもなんて考えない。
    涼は絶対大丈夫や!!って自分で自分を言い聞かせて涙をこらえて手術室があくのを待っていた。
    「すいません」…一人のスーツの男の人が私に近づいて頭を下げた。

    2006-02-02 13:10:00
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