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1:
結愛
これは、私の現在に至るまでの実話です。
どこにでも溢れている、だけどかけがえのない、たった一つの自分だけのストーリー。2006-05-30 14:07:00 -
2:
結愛
本名、彩花。17歳。
いわゆる“ミテコ”と呼ばれていた頃。そんな言葉の意味すら知らずに、夜の世界に飛び込んだ。
理由は…お金の為。
ミナミの街を歩いていた時にスカウトに声をかけられたのがきっかけだった。2006-05-30 14:13:00 -
3:
結愛
私が幼い頃に両親は離婚した。原因が何だったのかなんて知らない。
私は母に、妹と弟は父に引き取られ、父方の祖母と四人で暮らしていた。
離婚して二年程経った頃、母が再婚した。義理の父は頑固で、酒を飲むと私に殴りかかり、母も見て見ぬふりをする、そんな生活が何年も続いた頃―――……。2006-05-30 14:19:00 -
4:
結愛
父方の祖母が亡くなった。元々あまり体が丈夫ではなかった祖母は、風邪から肺炎を引き起こし、そのままあっけなく逝ってしまった。
悪い事は続くもので、祖母の死から約一年後。ずっと投薬治療を続けていた父が治療のかいも虚しく、癌で亡くなった。父は余程我慢していたのだろう。倒れた頃にはもう手遅れだった。2006-05-30 14:26:00 -
5:
結愛
『お母さん、あの子らどうするん?引き取らんの?』「あの子らがお父さんに付いて行くってゆってんからお母さんは知らん。施設にでも預けよか?うちもお金ないしな。」
『はぁ!?何ゆってんの?あんたあの子らの親やろ?お父さんのお葬式にも行かんと、子供も私は知らんって無責任すぎちゃうん?』2006-05-30 14:35:00 -
6:
結愛
母は女として生きる事を選んだ。
しかし母の言う事も一利ある。若干17歳の私が、二人も育てて行ける自信なんてどこにもなかった。
もしかしたら施設に入れた方が生活も安定していて、幸せかもしれない。でも施設に入る事を誰よりも嫌がったのは妹達だった。やるだけやろう、そう決心した。2006-05-30 14:45:00 -
7:
結愛
家は祖母の持ち家で、家賃はいらない。私は妹達に手伝ってもらい自分の荷物を全て運びだした。
あとは仕事を探すだけ。
三人が生活出来るぐらいのお金を稼げる方法…
ふと、“風俗”の文字が頭に浮かんだ。2006-05-30 14:49:00 -
8:
結愛
でも、母に“やっぱり”と思われるのが嫌だった。
私だって体を売るのは出来れば避けたい。
“風俗は最終手段にしよ”そう思いながら就職情報誌を見ても、まだ幼い私が稼げる仕事なんてなかった。2006-05-30 14:52:00 -
9:
結愛
「なーにしてんのっ?」
誰かにポンっと肩を叩かれた。びくっとして振り返ると、そこには金髪のスーツを着た一人の男。にんまりと笑った口からは、八重歯がにょきっと顔をだしていた。
“この人水商売の人や…”夜の世界の事など、微塵も知らない私でもその男のオーラが昼の人間とは大きく違う事は感じ取れた。2006-05-30 15:04:00 -
10:
結愛
『しっ…仕事探してて!』「はははっ!!何でそんな緊張してんの?自分水商売した事ないやろ?ってかミテコ?」
『ミテコって?』
「あっそっか…普通の子はミテコ何て言葉知らんもんな。自分純粋そうやし、こんなとこ自分がおるとこちゃうで。駅まで送ったるからはよ帰り。なっ?」2006-05-30 15:09:00 -
11:
結愛
『…仕事探すまでは帰らん。』
「何か訳ありっぽいな。良かったら話聞くで。そこの喫茶店入ろか。おごるし」以前の私だったら、こんな怪しい男に絶対ついて行かない。でも笑顔が優しくて、喫茶店だったら大丈夫だろうと、話を聞いてもらう事にした。今考えてみると、その男は少し父に似ていた気がする…――………。2006-05-30 15:15:00 -
12:
結愛
「あっ俺、アイスコーヒーね。お嬢様は?」
『お嬢様って…オレンジジュース。』
「ははっ!オレンジジュースってやっぱまだ子供やなぁ。」『好きやねんもん。』
「可愛くていいと思うで」そんな事をさらりと言ってのけるあたりが、大人だなぁと感じた。2006-05-30 15:20:00 -
13:
結愛
「んで…さっそくで悪いけど。何で仕事探してんの?」マルボロの煙を吐き出しながら、男が尋ねた。
『実は…』
私は全てを正直に話した。さっき出逢ったばかりの人には重すぎる、そんな話をするあの頃の私には…背負っているものが自分が思うよりも大きすぎて、誰かに聞いてもらわないと潰れてしまいそうだったのかもしれない。2006-05-30 15:26:00 -
14:
結愛
「ふぅん…なる程ね。まぁ夜の世界にはそんな事情を抱えた子らはいっぱいおるわ。遊び半分でやってる奴も多いけどな。でも…給料がいいのは何でかわかるか?」
『…大変やから?』
「そう、正解。」
『でも…そんな大変そうに見えへん…』2006-05-30 15:32:00 -
15:
結愛
「そんな考えなんやったら辞めとき。汚いもんは大人になれば自然と見なあかん。若い内から汚いもんを見る必要はないねん。残念やけど、施設に預けてお嬢ちゃんはお母さんとこ戻り」『…嫌やっ!!何が大変なん!?教えてやっ!!』
この頃の私は無知で、純粋で…水商売を少し馬鹿にしていたように思う。2006-05-30 15:37:00 -
16:
結愛
はぁ…っとため息をついた男は、煙草に再び火をつけ少し考えてから話しだした。
「俺もな、昼働いてる時は夜を馬鹿にしてたわ。でも楽な仕事なんか一つもないねん。肉体的にも、精神的にも辛い。人の欲は綺麗なもんじゃない。給料がいい分、それ相応の仕事が求められる。誰でも稼げる世界ちゃう。昼がえらい、夜がえらい。そんな次元の話をしてるんちゃうねん。確かに胸はってゆえる仕事じゃないかもしれん。でもな、こればっかりは働いてみなわからんと思う。なめてかかったら痛い目あうって事はわかっとき。」2006-05-30 15:46:00 -
17:
結愛
『……わかった。』
「よっしゃ!えらいな。んで、どうする?17でも働こうと思ったら働けるけどな。」
『働く。絶対稼いだる。』「そっか…俺から一つだけお願いや。風俗は辞めてくれ。」2006-05-30 15:49:00 -
18:
結愛
話し合った結果、私はあるキャバクラで働く事になった。遅い自己紹介を済まし、彼は大樹、21歳だと言う事が判明した。
「俺紹介出来るけど、今日から働くか?金いるやろ」『うん!!』2006-05-30 15:57:00 -
19:
結愛
『ちょっ…私お金ない…』「今日一日金の心配すんな。わかった?」
『はい…。』
大樹の笑顔を見ると、何も言い返せなくなる。
「まっちゃん!まいど!!この子可愛くしたって。」2006-05-30 16:03:00 -
20:
結愛
大樹がまっちゃんと呼ぶその人は、見るからに今風の美容師さん。
「大樹くんが女の子連れてくるなんか珍しいなぁ。」『そうなんですか?みんなにしてると思ってた…』
「ううん、あの子ここは俺のお気に入りやから誰にも教えへんってゆってたで」ただの営業トークかもしれない。でも素直に嬉しかったのを覚えている。2006-05-30 16:06:00 -
21:
結愛
……―数時間後―……
「終わったよ〜!!」
鏡に映る自分にびっくりした。明るい茶色に染められ、エクステをつけ、メイクもしてもらった。
『…すごい…自分じゃないみたい。』
「お〜彩花かわいなったやん!さっ行くで。」2006-05-30 16:12:00 -
22:
結愛
美容師さんにお礼を言い、次に向かった先は…セットサロン。中にはキャバ嬢風の人たちがいっぱい居て、みんな綺麗で輝いて見えた。
「彩花どんな髪型がいい?」
『ん〜わからんから大樹決めてほしい。』
最近はストレートや揺る巻きが流行ってたりするけど、当時は鳥の巣頭みたいなのが流行っていた。2006-05-30 16:17:00 -
23:
結愛
私は丸顔で、少し幼い顔立ちをしている。そんな私を見て、大樹はカールアップを選んだ。
出来上がった髪を触ってみると、スプレーをふりまくっているせいかパリパリで自分の髪じゃないみたいだった。2006-05-30 16:20:00 -
24:
結愛
『絶対いつか返すから!』大樹にそう言い、私はドレスを選び出した。
…でも、中々決まらない。どれも自分には似合わない気がして、決めれなかった。そんな私に、大樹は一着のドレスを持ってきた。
「彩花はなぁ大人っぽいやつよりこうゆう可愛い感じの方が似合うと思うねん。色気はまだないしな笑」
『うるさいなっ!…着てみていい?』2006-05-30 16:28:00 -
25:
結愛
「もちろんやで。今まで何百人て女の子を見てきた俺がゆうねんから間違いないわ!!」
ドキドキしながら試着室に入り着替えた…が。
胸がパカパカする。胸が小さすぎるのか、パットが大きすぎるのか…前のめりになると胸が丸見えだった。多分原因は前者だろう。2006-05-30 16:33:00 -
26:
結愛
『あの…た…いき…』
「ん?終わったかぁ?」
『あんな…胸小さすぎて丸見えなる…裾も引きずるし』
「………はははははは!笑お前ちっちゃいもんな!!おばちゃん、これすぐ寸法直し出来る?」2006-05-30 16:36:00 -
27:
結愛
「そやねぇ…今日は暇やし、急ぎの直しも入ってないからいけると思うよ。」
「じゃあ頼んでいい?俺ら飯喰ってくるわ!!彩花行こか?」
ドレスを店員さんに預け、店を後にした。自分の子供くささが恥ずかしくて、しばらく俯いて歩いた。2006-05-30 16:40:00 -
28:
名無しさん
頑張れ!!!!みてます ?
2006-05-30 16:44:00 -
30:
名無しさん
ゆっくりかいていき?毎日みよるから?
2006-05-30 17:15:00 -
31:
結愛
名無しさん、すごく嬉しいです?出来るだけ早く更新出来るように頑張るんで、またのぞいて下さいね?
2006-05-30 17:26:00 -
32:
結愛
「そんな恥ずかしがらんでも大丈夫やって!!これから成長するわ笑」
『自分があんな幼児体型やと思わんかった…』
「まぁそれは否定出来ひんわ笑。何食べたい?」
『ん〜っとなぁお好み焼き!!』2006-05-30 17:29:00 -
33:
結愛
私はお好み焼きが大好きだった。まだ小さい頃、両親と食べに行ったお好み焼きが忘れられなかった。
道頓堀にあるお好み焼き屋に入ると、周りの人たちは一斉に私たちを見て何か話して笑っている。
無理もない――………私もまだ“向こう側”にいた頃は、こんなでっかい頭をしている水商売丸出しの人をよくジロジロ見ていたから。2006-05-30 17:33:00 -
34:
結愛
「何食べる?」
大樹はもう慣れっこなんだろう。周りを気にする事なく、平気な顔をしていた。『イカ玉!!』
「じゃあ俺はぶたモダンにしよ〜。」
注文を終えてもまだ周りを気にして俯いている私に、大樹は一言「かわいいで」って言ってくれた。2006-05-30 17:37:00 -
35:
結愛
「そや!彩花にいいもんやるわ。」
そう言って手渡されたのは綺麗に包装された化粧品だった。ファンデーションやマスカラ、グロスやチーク…
『これ…』
「さっきの美容院でな、一通り包んでもらってん。まずは化粧上手ならなな」2006-05-30 17:40:00 -
36:
結愛
私が売れれば、その何割かはスカウトマンである大樹に入ってくるんだろう。それぐらいは知っていた。でも…さっき出逢ったばかりの私にここまでしてくれる大樹の行為を、“仕事”だなんて思いたくなかった。
『ありがとう…』
そう言うと、涙が溢れてきた。思えば、祖母が亡くなってからずっと涙を流していなかった。父が亡くなった時も…泣いてしまえば全てが壊れていってしまいそうで…恐かった。2006-05-30 17:47:00 -
37:
結愛
「泣くなや!俺が泣かしてるみたいやん!!」
慌てて辺りを見渡しナプキンを差し出す大樹を見て、少し笑ってしまった。
「お前の源氏名考えななぁ」
『彩花のまんまじゃあかんの?』2006-05-30 17:50:00 -
38:
結愛
「今日行く店な、彩花って子もうおんねん。名前被んのはタブーやからな。あっそや!!いいの思いついた」スーツの胸ポケットからペンを取り出すと、手帳を一枚破って何かを書き出した。
「はいっ!!今日からお前は、愛を結ぶって書いてユアや!!」2006-05-30 17:55:00 -
39:
結愛
『愛を結ぶやったら愛結でアユじゃないん?』
「そこはあえて逆にすんのがセンスってもんやで!それに席ついてアユです〜ってゆったらみんな浜崎あゆみを思い浮べるやろ?お前目はでかいけどあゆには似ても似つかんから客にボロカスゆわれるだけやで笑」2006-05-30 17:58:00 -
40:
結愛
『似てなくて悪かったね』少しむすっとしながらそう答えたけど、私は“結愛”と言う名前がすごく気に入った。
「ほなら飯も来た事やし仕事に備えて食べまくろかぁ」
『うん!!』2006-05-30 18:06:00 -
41:
結愛
お好み焼きも食べ終え、ドレスを受け取りにさっきの店に向かった。
「おばちゃん出来てる?」「あぁ出来てんで!!」
「彩花、着てみぃ。」
そう言われ試着室でドレスに袖を通した。2006-05-30 18:10:00 -
42:
結愛
さっきとは違い、胸囲も裾の長さもぴったりだった。大樹が選んでくれたドレスは真っ白で、フワっとしたまるでウェディングドレス見たいだった。
少し緊張しながらカーテンを開ける。
『どっ…どう!?』2006-05-30 18:12:00 -
43:
結愛
「うわ…めっちゃ可愛い…これでキャバデビューは完璧や!!」
「今日初めてなん?じゃあおばちゃんから花の髪飾りプレゼントしたげるわ。」
おばちゃんが頭につけてくれた髪飾りは、大きな白い花でドレスによく合った。
『ほんまにありがとうございます…』
今にも泣きだしそうなのを必死にこらえ、深く頭をさげた。2006-05-30 18:18:00 -
44:
結愛
「あっ香水買うん忘れたなぁ…もうあんまり時間ないし…でもお好み焼きの匂いついとったらあかんからな。俺のふっとき!!」
大樹の香水は、名前は忘れたけど女物で優しい香りがした。2006-05-30 18:21:00 -
45:
結愛
結局ドレスも大樹が支払ってくれた。
『ほんまに今日は色々ありがとう…お礼なんぼゆっても足りひんわ…』
「えぇってゆってるやん!時間ないからドレス着たまま行こか。」
『ええ!?無理無理!!』2006-05-30 18:24:00 -
46:
結愛
「大丈夫やって!この辺り飲み屋街やし、ドレス着てる子なんかうじゃうじゃおんで。はい、行こ!!」
無理やり大樹に手を引かれ、ミナミの街を歩いた。
…視線が痛い。前を見れない。2006-05-30 18:26:00 -
47:
結愛
「彩花、前みろ。」
『むっ無理やって…』
「無理じゃない。見られる事に慣れろ。女は見られたらどんどん綺麗になる。」『わかった…』
勇気を振り絞って、前を見据えた。2006-05-30 18:33:00 -
48:
結愛
「えらいべっぴんな姉ちゃんやなぁ。」
どっかの酔っ払いのおじさんが、私を見てそう呟いた。酔っ払いの言う事なんて当てにならないかもしれない。でもこの言葉は私に少しの自信をつけさせた。
「なっ?可愛いねんから自信もち。」
大樹はにっこりと微笑んだ。2006-05-30 18:41:00 -
49:
結愛
「あっそれとな、今から行く店ほんまは18歳未満はあかんねん。お前以外は絶対18以上や。俺オーナーさんと仲いいから特別に許してもらえてんか。だから店の女と仲良くなっても絶対ゆうなよ。店長から上の人間はほんまの年知ってると思うから、何かあったら俺かそいつらに相談し。わかった?」
『うん、わかった!!』
「よろしい笑」2006-05-30 18:46:00 -
51:
名無しさん
頑張れ?読んでまつ?
2006-05-30 23:03:00 -
52:
名無しさん
今はぢめてよんだけどおもしろい♪がんばってなぁ
2006-05-30 23:16:00 -
53:
名無しさん
期待?
2006-05-30 23:19:00 -
54:
結愛
「着いたで。」
『えっこんなすごいとこなん!?』
「稼ぎたいんやろ?ここはでかいし女もいっぱいおる。正直初めてやったらしんどいと思うわ。でも俺がちゃんとやったるから頑張り。お前やったらいけるわ」その店は、自分の想像以上の広さだった。まさか水商売初めての、若干17歳の私がこんな店で働けるなんて思わなかった。2006-05-31 08:27:00 -
55:
結愛
「入るで。」
扉を開け中を覗くと、広い店内にはあちらこちらに花が飾られ、綺麗なシャンデリアまであった。まさに“夢の世界”。
お客さんはもうかなり入っていて、店内は賑わっている。どこを見渡しても、綺麗なお姉さんばかりだった。2006-05-31 08:30:00