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店内恋愛

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  • 1:

    結愛

    これは、私の現在に至るまでの実話です。
    どこにでも溢れている、だけどかけがえのない、たった一つの自分だけのストーリー。

    2006-05-30 14:07:00
  • 36:

    結愛

    私が売れれば、その何割かはスカウトマンである大樹に入ってくるんだろう。それぐらいは知っていた。でも…さっき出逢ったばかりの私にここまでしてくれる大樹の行為を、“仕事”だなんて思いたくなかった。
    『ありがとう…』
    そう言うと、涙が溢れてきた。思えば、祖母が亡くなってからずっと涙を流していなかった。父が亡くなった時も…泣いてしまえば全てが壊れていってしまいそうで…恐かった。

    2006-05-30 17:47:00
  • 37:

    結愛

    「泣くなや!俺が泣かしてるみたいやん!!」
    慌てて辺りを見渡しナプキンを差し出す大樹を見て、少し笑ってしまった。
    「お前の源氏名考えななぁ」
    『彩花のまんまじゃあかんの?』

    2006-05-30 17:50:00
  • 38:

    結愛

    「今日行く店な、彩花って子もうおんねん。名前被んのはタブーやからな。あっそや!!いいの思いついた」スーツの胸ポケットからペンを取り出すと、手帳を一枚破って何かを書き出した。
    「はいっ!!今日からお前は、愛を結ぶって書いてユアや!!」

    2006-05-30 17:55:00
  • 39:

    結愛

    『愛を結ぶやったら愛結でアユじゃないん?』
    「そこはあえて逆にすんのがセンスってもんやで!それに席ついてアユです〜ってゆったらみんな浜崎あゆみを思い浮べるやろ?お前目はでかいけどあゆには似ても似つかんから客にボロカスゆわれるだけやで笑」

    2006-05-30 17:58:00
  • 40:

    結愛

    『似てなくて悪かったね』少しむすっとしながらそう答えたけど、私は“結愛”と言う名前がすごく気に入った。
    「ほなら飯も来た事やし仕事に備えて食べまくろかぁ」
    『うん!!』

    2006-05-30 18:06:00
  • 41:

    結愛

    お好み焼きも食べ終え、ドレスを受け取りにさっきの店に向かった。
    「おばちゃん出来てる?」「あぁ出来てんで!!」
    「彩花、着てみぃ。」
    そう言われ試着室でドレスに袖を通した。

    2006-05-30 18:10:00
  • 42:

    結愛

    さっきとは違い、胸囲も裾の長さもぴったりだった。大樹が選んでくれたドレスは真っ白で、フワっとしたまるでウェディングドレス見たいだった。
    少し緊張しながらカーテンを開ける。
    『どっ…どう!?』

    2006-05-30 18:12:00
  • 43:

    結愛

    「うわ…めっちゃ可愛い…これでキャバデビューは完璧や!!」
    「今日初めてなん?じゃあおばちゃんから花の髪飾りプレゼントしたげるわ。」
    おばちゃんが頭につけてくれた髪飾りは、大きな白い花でドレスによく合った。
    『ほんまにありがとうございます…』
    今にも泣きだしそうなのを必死にこらえ、深く頭をさげた。

    2006-05-30 18:18:00
  • 44:

    結愛

    「あっ香水買うん忘れたなぁ…もうあんまり時間ないし…でもお好み焼きの匂いついとったらあかんからな。俺のふっとき!!」
    大樹の香水は、名前は忘れたけど女物で優しい香りがした。

    2006-05-30 18:21:00
  • 45:

    結愛

    結局ドレスも大樹が支払ってくれた。
    『ほんまに今日は色々ありがとう…お礼なんぼゆっても足りひんわ…』
    「えぇってゆってるやん!時間ないからドレス着たまま行こか。」
    『ええ!?無理無理!!』

    2006-05-30 18:24:00
  • 46:

    結愛

    「大丈夫やって!この辺り飲み屋街やし、ドレス着てる子なんかうじゃうじゃおんで。はい、行こ!!」
    無理やり大樹に手を引かれ、ミナミの街を歩いた。
    …視線が痛い。前を見れない。

    2006-05-30 18:26:00
  • 47:

    結愛

    「彩花、前みろ。」
    『むっ無理やって…』
    「無理じゃない。見られる事に慣れろ。女は見られたらどんどん綺麗になる。」『わかった…』
    勇気を振り絞って、前を見据えた。

    2006-05-30 18:33:00
  • 48:

    結愛

    「えらいべっぴんな姉ちゃんやなぁ。」
    どっかの酔っ払いのおじさんが、私を見てそう呟いた。酔っ払いの言う事なんて当てにならないかもしれない。でもこの言葉は私に少しの自信をつけさせた。
    「なっ?可愛いねんから自信もち。」
    大樹はにっこりと微笑んだ。

    2006-05-30 18:41:00
  • 49:

    結愛

    「あっそれとな、今から行く店ほんまは18歳未満はあかんねん。お前以外は絶対18以上や。俺オーナーさんと仲いいから特別に許してもらえてんか。だから店の女と仲良くなっても絶対ゆうなよ。店長から上の人間はほんまの年知ってると思うから、何かあったら俺かそいつらに相談し。わかった?」
    『うん、わかった!!』
    「よろしい笑」

    2006-05-30 18:46:00
  • 50:

    結愛

    今日はここまでです。また時間があったら更新します?
    今回更新分>>36-55
    トータル更新分>>1-55

    2006-05-30 18:48:00
  • 51:

    名無しさん

    頑張れ?読んでまつ?

    2006-05-30 23:03:00
  • 52:

    名無しさん

    今はぢめてよんだけどおもしろい♪がんばってなぁ

    2006-05-30 23:16:00
  • 53:

    名無しさん

    期待?

    2006-05-30 23:19:00
  • 54:

    結愛

    「着いたで。」
    『えっこんなすごいとこなん!?』
    「稼ぎたいんやろ?ここはでかいし女もいっぱいおる。正直初めてやったらしんどいと思うわ。でも俺がちゃんとやったるから頑張り。お前やったらいけるわ」その店は、自分の想像以上の広さだった。まさか水商売初めての、若干17歳の私がこんな店で働けるなんて思わなかった。

    2006-05-31 08:27:00
  • 55:

    結愛

    「入るで。」
    扉を開け中を覗くと、広い店内にはあちらこちらに花が飾られ、綺麗なシャンデリアまであった。まさに“夢の世界”。
    お客さんはもうかなり入っていて、店内は賑わっている。どこを見渡しても、綺麗なお姉さんばかりだった。

    2006-05-31 08:30:00
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