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1:
雪 ◆69.0kY8lhQ
―ピリリリ…ッッピリリ…ピッ
夕方5時。
携帯のアラームでダルそうに起きる女━…
雪。18歳…キャバクラ嬢。2006-03-24 09:03:00 -
2:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「ゔ…ん。。煙草…」
これでもかとストーンが乗せられた派手ネイルの指先で煙草を一本取り出す。
全身鏡に目をやると、昨夜シャワーも浴びずに寝てしまった為、髪の毛ボサボサ。大量のスプレーでガチガチ。。
「最悪…。。ふぅ〜…」煙草の煙を吐き出して、今日も一日の始まりです。2006-03-24 09:10:00 -
3:
雪 ◆69.0kY8lhQ
―カチカチカチ…
ど派手な指先に似合わないシンプルな携帯をいじる。
「……今日も連絡無し…か。」2006-03-24 09:14:00 -
4:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪には付き合って半年ちょっとの彼氏がいる。
名前は祐樹━。。
まぁ、彼氏と言える程の
付き合いはしてないけど。2006-03-24 09:18:00 -
5:
雪 ◆69.0kY8lhQ
連絡がこなくなって1週間。
だからって自分から連絡できる程可愛い女じゃありません。
本当は声聞きたいけど?
女の意地ってあるやん?笑2006-03-24 09:22:00 -
6:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「まぁええや…。」
適当に、お客にメールを打ってまた煙草に火をつける。
「おはよ〜?今起きたよ?爆睡しちゃった?〇〇さんはお仕事中かな?頑張ってね??また返事待ってるねぇ?」
客になら可愛いメ-ル打てるのに。自分でも呆れる。
いつからあたしは素直じゃなくなったんやろか…2006-03-24 09:27:00 -
7:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「風呂入ろかな…」
煙草を雑に灰皿に押しつけ頭をボリボリかきながら風呂場に向かう。
━30分後。。
湯気だつ体をタオルで拭き、毛玉だらけのスウェットに着替える―。。2006-03-24 09:34:00 -
8:
雪 ◆69.0kY8lhQ
冷蔵庫からキンキンに冷えたポカリスエットを取り出し、ゴクリ。
携帯を開くと
着信1件━
メール3件━2006-03-24 09:38:00 -
9:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「着信…!!祐樹かな…!?」
そこには?祐樹?の文字はなく、担当ボーイの名前。
「チッッ?」と舌打ちをし、客からのメールを返し化粧を始める―…2006-03-24 09:42:00 -
10:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪は化粧が好き。
みるみる化ける自分を見ていくのが大好き。
ブラウンのアイシャドウ塗ってアイラインひいてマスカラでひじき睫毛にして。。ふさふさのつけ睫毛つけて…
眉毛描いてファンデを塗り塗り…♪2006-03-24 09:45:00 -
11:
雪 ◆69.0kY8lhQ
読んでくれてる人いるかなぁ??とりあえず睡魔がきたんで、今日はここで中断します?
>>1-10までです?
また書きますね〜2006-03-24 09:48:00 -
12:
雪 ◆69.0kY8lhQ
…と思ったけど、家賃を払いに外出たら目が覚めたので更新します???
2006-03-24 10:23:00 -
14:
雪 ◆69.0kY8lhQ
ベットの上に置きっぱなしにしていた携帯から、聞き慣れた指定着信音が鳴り響く
着信>>>?祐樹?
――まじで(・∀・)…2006-03-24 10:32:00 -
15:
雪 ◆69.0kY8lhQ
ドキドキドキドキ……
「落ち着け…落ち着け…」
ピッッ…「はい?」
何でこんな可愛げないのあたし(゚∀。)?2006-03-24 10:36:00 -
16:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「もっし〜ダーリン?元気?」とか、もっと可愛い電話の出方があるでしょうな。
「雪??おはよう。何してん?」2006-03-24 10:38:00 -
17:
雪 ◆69.0kY8lhQ
1週間ぶりに聞く祐樹の声は、相変わらず中途半端に低い声。
声を聞いただけで泣きそうになる。
あぁ…ほんまに祐樹の事好きやなぁ…2006-03-24 10:42:00 -
18:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「仕事行く用意してた!!祐樹は?元気…?」
「おぅ。連絡できんくてゴメンな。仕事忙しくて…」
「うん。。いいけど…」2006-03-24 10:45:00 -
19:
雪 ◆69.0kY8lhQ
……シーン…。。
電話で沈黙かよ。。
「明日は??出勤??」
沈黙を破ったのは祐樹。
「休みやで☆」2006-03-24 10:47:00 -
20:
雪 ◆69.0kY8lhQ
今日は土曜日で、明日はお店の定休日。
「そっか。分かった。明日逢えたら逢おっか。また電話するし」
「うん!!ほな明日空けとくわなぁ。夕方には起きるし祐樹の仕事終わったら連絡ちょうだい。じゃあまた明日ね〜」……ピッ…。2006-03-24 10:51:00 -
21:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「フゥ…明日…か…。。」
こんな風に約束をしても、当日には祐樹の携帯が繋がらない。なんて事は今までに何回もある。その度にあたしは一人で泣いてた。
もういい加減慣れたし、変な期待はしてません。
祐樹はなかなかあたしを振り回してくれる男だ―。。2006-03-24 10:56:00 -
22:
雪 ◆69.0kY8lhQ
それでも別れることはできない。。情…?いや、違う。
なんやろね。
祐樹が好き。ただそれだけ。2006-03-24 11:00:00 -
23:
雪 ◆69.0kY8lhQ
………。。
「あ゙!!髪の毛?!!」
モヤモヤする気持ちを振り払いカーラーをくるくると巻き付けていく。
巻き髪も手慣れたもの。2006-03-24 11:03:00 -
24:
雪 ◆69.0kY8lhQ
その間に煙草に火をつけ
営業メールと営業電話。
「はぁ…頭痛ッッ」2006-03-24 11:06:00 -
25:
雪 ◆69.0kY8lhQ
カーラーをはずし逆毛をわっさわっさと立てて、鳥の巣頭の完成。
鏡を見て「…上出来♪」
でっかい頭を揺らしながらクローゼットから服を取り出す。2006-03-24 11:14:00 -
26:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「…これでいっか」
適当に取出した服に身を包み、お気に入りの黒のロングコートを羽織って、最近買ったシャネルのグラサンにシャネルの鞄。
玄関で黒のレザーブーツを履き部屋を出る。どっからどう見ても水商売の姉ちゃん。
2006-03-24 11:18:00 -
27:
雪 ◆69.0kY8lhQ
季節は冬―。。
あたしは冬が好き。寒いのも好き。名前の通り冬生まれ。寒そうに、背中を丸めながら歩く人たちを見るのも大好き。ただ、なんとなく淋しい気持ちになる季節。2006-03-24 11:22:00 -
28:
雪 ◆69.0kY8lhQ
駅前のタクシーに乗り込み―…
「梅田まで」
「はいよ♪姉ちゃんアメあげるわ!!食べや〜」
やけに愛想のいいおっちゃんに愛想笑いをし、煙草に火をつけ窓の外を見る。2006-03-24 11:26:00 -
29:
雪 ◆69.0kY8lhQ
あたしが水商売を始めたのは1年ちょっと前。17歳の時から歳を誤魔化し働いていた。一人暮らしがしたくて実家も出た。
お金に困る事はなかった。
でも純粋さはちょっとずつ消えていった。ついでに言うとお腹の肉はついた。
そりゃ毎日毎日お酒飲んでたらねぇ…(・∀・)笑2006-03-24 11:30:00 -
30:
雪 ◆69.0kY8lhQ
無我夢中に働いた。失っていくものにも気付かずに、ひたすら働いた。お酒の飲み過ぎで血を吐こうが、ストレスで神経痛になろうが休むことなく働いた。
そして今現在―…そんなあたしにも心の余裕はできた2006-03-24 11:36:00 -
31:
雪 ◆69.0kY8lhQ
―…祐樹に出会った。2006-03-24 11:37:00 -
32:
雪 ◆69.0kY8lhQ
あたし達の始まりは簡単。
まぁ…成り行き??ッてやつ。
雪17歳
祐樹25歳2006-03-24 11:41:00 -
33:
雪 ◆69.0kY8lhQ
付き合い始めた季節はあたしが大嫌いな夏だった。
それから半年、季節は冬に入り誕生日を迎えて18歳になった。
真剣に恋をしていた。2006-03-24 11:45:00 -
34:
雪 ◆69.0kY8lhQ
中断します?
読んでくれてるんかな?笑
感想・指摘等あれば書き込みお願いします?2006-03-24 11:53:00 -
35:
名無しさん
あげ
2006-03-25 09:01:00 -
37:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「梅田着いたよ〜…」
2006-03-27 04:59:00 -
38:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「…!!あぁ、ありがと。いくら?」
「1500円やで。ありがとうございました〜。」
――バタンッッ。。2006-03-27 05:01:00 -
39:
名無しさん
頑張ってなぁ?
2006-03-27 05:07:00 -
40:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「はぁ…ッッ寒ッ!!」
場所は梅田。白い息を吐きながら、早歩き。
今日も梅田は騒がしい。2006-03-27 05:09:00 -
42:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪はキャッチを無視しながら、お店の近くのカフェに入る。
出勤前はここで熱いブラックコーヒーを飲みながら一服。
これが毎日の日課。2006-03-27 05:13:00 -
43:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「……はぁ。」
ため息ひとつ。最近ため息ばっかりやなぁ。まだ18歳やのに(*_*)笑
――ヴーッヴーッッ
マナーモードにしていた携帯が、灰皿の横で震える。2006-03-27 05:16:00 -
44:
雪 ◆69.0kY8lhQ
着信>>山ちゃん
担当ボーイだ。
んな心配せんでも飛んだりしーひんから笑
「はい〜?もし??」2006-03-27 05:18:00 -
45:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「あッ!!もし!?おはよ。愛華ちゃん今どこ?」
愛華とは、源氏名。
「おはよ〜。いつものカフェでまったりしてるよ(´∀`)」2006-03-27 05:20:00 -
46:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「そか?。てかさっき着信入れたのに!!心配するやん」
「すんませんなぁ。バタバタしてて。ちゃんと9時に店入るから」2006-03-27 05:22:00 -
47:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「まぁいつもの事やしな。んなら気ぃつけて〜。今日も頼みますよ〜」
「はいはい。お疲れ〜…」
――ピッッ。2006-03-27 05:24:00 -
48:
雪 ◆69.0kY8lhQ
ここで、このお話の説明をしますね??
名前などはもちろん仮名ですが、現在進行形の実話です??働いてるのも梅田です。店名はふせて頂きますが?あたしのありきたりな恋愛・仕事などの日常生活を、ちょっとアレンジして書いていきます?日記風にならない様に気を付けます。
末長くお付き合いお願いします?では、>>47の続きから更新しま?す(?^?^)?2006-03-27 05:49:00 -
49:
雪 ◆69.0kY8lhQ
―ゴクッ。
熱くて苦いコーヒーを一口。
この、何も考えなくていい時間が好き。このまま時間が止まったらいいのに〜…なんてボーッとしてると―
―「……あれ!?!?雪やん!!」2006-03-27 05:54:00 -
50:
雪 ◆69.0kY8lhQ
(チッッ。なんやねん人がゆっくりしてるのに!!)
と思いながら声のする方に顔を向けると―…
はい。お約束。
元彼ぢゃんッッ(・∀・)2006-03-27 05:57:00 -
51:
雪 ◆69.0kY8lhQ
そこには、真っ黒のスーツを着てセクシーさを強調してるのか胸元のボタンをはずし、明るい髪の毛を小綺麗にセットしたイケメンが立っている。
そう、ホスティ。
「あぁ…あきら!!久しぶりやぁん(≧∀≦*)♪」2006-03-27 06:02:00 -
52:
雪 ◆69.0kY8lhQ
相手がニコニコするならあたしもヘラヘラしてやろうじゃん。
約1年ぶりに会う、元彼のあきらは、心なしか少し痩せていた。
(まだホスト続けてたんや…てか痩せたよなぁ。まぁ関係ないけど…)
「―……き!?オィ!!雪!?」2006-03-27 06:07:00 -
53:
雪 ◆69.0kY8lhQ
―…はッ!!
「あぁゴメン?☆見とれてもたやん☆男前なったなぁ」
…なんて嘘じゃぼけ!!
「まじで!!照れるやん。お前はなんかふけたよな??プッ」2006-03-27 06:10:00 -
54:
雪 ◆69.0kY8lhQ
―…相変わらず。相変わらずだこいつは。
雪「うるさい!!ッてかまだホストなんや。もう夜あがったと思ってたわ」
晃「おぅ。やっぱ夜は辞められへんしな。お前は??まだ前の店で働いてんの?」2006-03-27 06:13:00 -
55:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪「…いゃ飛んだ。今はここの近くの店やでぇ」
晃「ふ〜ん。。男はできた?」2006-03-27 06:15:00 -
56:
雪 ◆69.0kY8lhQ
イライライラ…何やねんな。はよどっか行けって…イライラ…
なんて思いながら、満面の笑みで
「当たり前やぁん!!あたしを放っとく男がおったら見てみたいわな(・∀・)」2006-03-27 06:23:00 -
57:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「…ははッ。お前も相変わらずよなぁその性格」
……ん??晃が一瞬淋しそうな顔したのは気のせい…よなぁ。。まぁえっか。2006-03-27 06:26:00 -
58:
雪 ◆69.0kY8lhQ
当たり前のように同じ席に腰掛けて、付き合っていた時から吸っていたマイルドセブンを吸い出す晃。
雪「あんた、なんか痩せたよなぁ?気のせいですか??」2006-03-27 06:28:00 -
59:
雪 ◆69.0kY8lhQ
晃「あぁ。確かに体重減ったかもなぁ。お前はちょっと太ったなぁ!!幸せ太りかいや、この雪だるまめ(・∀・)」
―…雪だるま(゚∀。)??
うまい事言うやんこいつ。さすがホストやなぁ。2006-03-27 06:32:00 -
60:
雪 ◆69.0kY8lhQ
晃「…コホッッ。まぁ、付き合ってた時はガリガリやったもんなお前。俺のせいか。。そんぐらいが丁度いいし、可愛いよ。なッ!!」
と言いながらさりげなくあたしの手を握ってくる。
あたしはわざと煙草の箱とライターに手をのばして、晃の手を避けた。2006-03-27 06:36:00 -
61:
雪 ◆69.0kY8lhQ
晃「チッほんま可愛げないなぁお前は。んで?今の男とは幸せなんかぁ??」
煙草の煙をはきながら晃は問い掛ける。マイルドセブンの匂いが、付き合ってた頃を思い出させる。
「…ん!?幸せかって??そんなん当たり前やん!!もうラブラブバカップルやでな〜」2006-03-27 06:50:00 -
62:
雪 ◆69.0kY8lhQ
嘘ついちゃった(・∀・)ラブラブバカップルなわけがない。
でも元彼に相談する程みじめな女になりたくない。
晃「そか?。まぁ良かったやん。ッて俺が言うなってな。」
またや…。淋しそうな笑顔。2006-03-27 06:59:00 -
63:
雪 ◆69.0kY8lhQ
晃「ほな…俺そろそろ出勤するわ。お前も今から出勤やろ??頑張れなぁ。たまには俺の店飲みにこいよ!!ほんじゃ〜ね〜ん♪♪」
あたしの頭を軽く撫でながら、晃は手を振りカフェを出て行った。
時計を見ると8時30分。
慌てて鞄を持ち、あたしも店に向かった。2006-03-27 07:03:00 -
66:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪が働いてるお店は、さっきのカフェから歩いて2分程。
「おはよ〜ございます」
店前のボーイに挨拶し、階段を降りて店に入る。2006-03-28 06:05:00 -
67:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「愛華!!おはよ〜」
「店長。おはよ〜ン♪♪」
「お客さん入って来てるから、はよ着替えてな〜」2006-03-28 06:08:00 -
68:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪「はいよッッ♪」
担当ボーイに客予定を告げ、更衣室に入る。
雪は女の子の溜り場、更衣室が嫌い。口を開いたと思えば男の愚痴やノロケ話。
…頭痛いぜ(・∀・)!!2006-03-28 06:10:00 -
69:
雪 ◆69.0kY8lhQ
略}}…頭痛いぜ(・∀・)!!
2006-03-28 06:11:00 -
70:
雪 ◆69.0kY8lhQ
「愛華たぁぁん♪おはよ!!」
声をかけてきたのは、この店のNO.2の蘭ちゃん。一つ年上だがとても人懐こく、可愛らしい。雪によく絡んできて一番の仲良し。
「蘭ちゃん☆おはよん!!」2006-03-28 06:15:00 -
71:
雪 ◆69.0kY8lhQ
蘭「今日も相変わらず頭でかいなぁ。上出来?♪♪」
雪「蘭もグルグル巻きやん♪」
蘭「へへんッ♪…てか愛華。なんかあった??顔疲れてるでぇ?」2006-03-28 06:18:00 -
72:
雪 ◆69.0kY8lhQ
…するどい(*_*)!!蘭ちゃんは人の気分を瞬時に読み取るのが得意。これも人気者の否決なんやろなぁ。
ちなみにあたしは鳴かず飛ばずのNO.3。微妙ッ(・∀・)2006-03-28 06:20:00 -
73:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪「…あ〜。分かる?実はさっき、いつものカフェでお茶してたら元彼に会ってなぁ。何か言われたワケちゃうけど微妙な空気やったもんでなぁ。何か疲れたわ」
蘭「ほ〜。。あの1年前に付き合ってたホスト君??詳しくは聞いてないけど、変な別れ方やったもんなぁ。」2006-03-28 06:24:00 -
74:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪「…うん。変な別れ方…やったなぁ…」
―――1年前。
あたしと晃は、おままごとみたいな恋愛をしていた。。2006-03-28 06:27:00 -
75:
雪 ◆69.0kY8lhQ
――1年前。
晃「お前ほんまダルい!!客と遊びに行くんも営業やねん!!彼女ならそんぐらい理解せぇや。ほんましばくぞ」
雪「…ッッ嫌やぁッ!!あたしの傍おってやぁッ…頼むわ…」2006-03-28 06:30:00 -
76:
雪 ◆69.0kY8lhQ
あたしと晃は付き合ってすぐに同棲を始めた。それが間違いやったんかな。付き合い始めた頃の晃は、仕事が終わるとすぐに帰って来てくれていた。あたしは晃の腕枕で寝るのが当たり前になっていた。
2006-03-28 06:32:00 -
77:
雪 ◆69.0kY8lhQ
だけど、恋愛にボケていた晃はだんだんと成績が落ちてしまい、ストレスが溜りあたしに八つ当り。しまいには暴力を奮われていた。
それでも好きだった。
晃から離れることはできなかったんだ。2006-03-28 06:35:00 -
78:
雪 ◆69.0kY8lhQ
―…あたしが守らな。
しかし、嫉妬深いあたしは晃を必要以上に束縛してしまい、余計に晃を苦しめてしまっていた。
2006-03-28 06:38:00 -
79:
雪 ◆69.0kY8lhQ
毎日続く激しい口論。
晃「もういい!!別れよ」
雪「嫌やぁッ。そんなん言わんといてやぁッ…」2006-03-28 06:42:00 -
80:
雪 ◆69.0kY8lhQ
その繰り返し。
次第に、お互いがお互いに依存してしまっていた。
―それでも幸せだった。2006-03-28 06:43:00 -
81:
雪 ◆69.0kY8lhQ
だけど、あたしが晃を裏切ってしまった。
晃の心に深い傷をつけてしまった。
あたし達は、気付かずに隙間ができていた。いや、あたしが隙間を作っていた。2006-03-28 06:45:00 -
82:
雪 ◆69.0kY8lhQ
晃はあたしを愛してくれていた。充分すぎるぐらいに。
だけどあたしは疲れきってしまい、淋しさを晃じゃない男に求めていた。
―その男が、今の彼氏。2006-03-28 06:47:00 -
83:
雪 ◆69.0kY8lhQ
――祐樹だ。
晃と違い、広い心を持った祐樹に少しずつひかれていった。
晃と付き合っている時に、一度だけ祐樹と遊んだ。2006-03-28 06:52:00 -
84:
雪 ◆69.0kY8lhQ
祐樹と遊んでいる間、晃のことを考える事もなかったし久しぶりに本気で笑えた気がした。
好きになるのも時間の問題だった。あたしは晃に、
「好きな人ができた」と別れを告げた。2006-03-28 06:54:00 -
85:
雪 ◆69.0kY8lhQ
今日はここまで?
2006-03-28 06:56:00 -
86:
名無しさん
頑張って?
2006-03-28 16:36:00 -
88:
雪 ◆69.0kY8lhQ
別れを告げた後の晃は…そりゃもう大変。殴るわ暴れるわ…しまいには泣き喚く始末。
(晃ってこんなんだっけ…)とか殴られながらも冷静な雪。まさに地獄絵図(・Д・)2006-03-29 00:58:00 -
89:
雪 ◆69.0kY8lhQ
なんとか晃を落ち着かせ、話し合う。
晃「別れるとか嫌やしッ…お前しかおらんねんッ…」
雪「…もう無理やねんて。分かってや…」2006-03-29 01:07:00 -
90:
雪 ◆69.0kY8lhQ
なんかあたし等、前と立場逆転してますよヾ(。・ω・)
雪「な?分かって?とりあえず、もう一緒には住まれへんから。荷物まとめて鍵も置いていって?」
一緒に住んでいた部屋は、元は雪が一人暮らししていた部屋。そこに晃が転がりこんだってわけ。2006-03-29 01:11:00 -
91:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪「いつでも連絡してきていいから。。電話も出るしメ-ルも返すしな。」
晃「分かった…。連絡だけはとれるようにしといてな?携帯変えるとか無しやで?あと…最後に聞きたいことがあるねん…」2006-03-29 01:15:00 -
92:
雪 ◆69.0kY8lhQ
雪「うん…。なに?」
晃「俺のこと…好きか?」
泣いて、震える声で静かに問い掛ける晃。いつでもどこでも自信満々で俺様な奴やった。でも誰よりも弱くて、誰よりもあたしを愛してくれていた。それに気付かなかったのは、あたし。2006-03-29 01:20:00 -
93:
雪 ◆69.0kY8lhQ
略部分}}
泣いて、震える声で静かに問い掛ける晃。いつでもどこでも自信満々で俺様な奴やった。でも誰よりも弱くて、誰よりもあたしを愛してくれていた。それに気付かなかったのは、あたし。2006-03-29 01:23:00 -
94:
雪 ◆69.0kY8lhQ
晃「…ッッなぁ?答えて?…俺のこと…好きか??」
雪「……好きやったよ。」
晃「ははッ。。好きやったって…過去形かよ…」2006-03-29 01:25:00 -
95:
雪 ◆69.0kY8lhQ
力なく笑う晃は、あたしがいつも追い掛けていた晃じゃなかった。自信に満ちあふれていた背中が、小さく見えたんだ。
本当の晃はどっちなんだろうか―。。あたしにはそれさえも分からない。2006-03-29 01:29:00 -
96:
雪 ◆69.0kY8lhQ
晃「俺…お前が戻ってくるまで待つしな。。」
雪「………」
晃「ははッ。なんか言えよ」2006-03-29 01:31:00 -
97:
雪 ◆69.0kY8lhQ
晃も分かってたやろ?あたしはもう戻ることはないって事を。それでも、そんな事言ってくれるんやね。
―ありがとう晃。
大好きやったよ。愛してた。2006-03-29 01:34:00 -
98:
雪 ◆69.0kY8lhQ
晃は、あたしの頭を優しく撫でて、荷物をまとめ始めていた。
あたしはその姿を見つめていた。あたしは、優しく頭を撫でてくれる晃の手が好きやった。2006-03-29 01:36:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
晃「…よしッ。荷物はこんなもんかな。こんな荷物持って電車乗るんは恥ずかしいし、タクシーで実家帰るわ。あ、あとこれ…鍵な。」
ヴィトンのキーケースから、部屋の鍵をはずしテーブルの上に置く。
晃「なー?なんか淋しいし煙草吸ってから行っていいか?お前横におって?」2006-03-29 01:41:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
くしゃくしゃになったマイルドセブンの箱から一本取出し、晃は手招きをする。
あたしは静かに晃の横に座り、晃のマイルドセブンを一本貰って火をつけた。
―…普段メンソールの煙草を吸うあたしにとって、やっぱり、マイルドセブンは苦手。
なぜかあたしの目から涙が流れる―…。2006-03-29 01:47:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
晃「…!!え??なに…お前泣いて…」
雪「ッッ泣いてへんしな!!煙草の煙が目に入ったの!!」
苦しい言い訳。だけど晃は、「そっか…」とだけ言って、静かに煙をはいた。涙が止まらない…。2006-03-29 01:51:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
雪「…ヒックッ…晃ぁ…ごめんな。。ありがとう…」
晃は何も応えず、あたしの頭をポンポンッと軽くたたいて、煙草を灰皿に押しつける。それを見たあたしも、吸っていた煙草を消して涙を拭いて立ち上がった。2006-03-29 01:55:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
雪「へへッ。…行こっか。下まで送るわ。」
鼻声なのに、必死に明るく振る舞い、晃の荷物を持った。
晃「いや、玄関まででいい。」2006-03-29 01:58:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
晃は残りの荷物を手にとりあたしに優しくほほ笑み、玄関まで歩きだした。あたしは晃の後ろについて歩きだす。
晃「……じゃあ。お前今日は仕事休みやろ?ゆっくり休みなぁ。」と言いながらあたしが持っていた荷物を手に取り靴を履く。2006-03-29 02:01:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
また軽くあたしの頭を撫でて、優しく微笑む。
晃「じゃあ…な。また連絡するし☆ぶちんなよー笑」
雪「ぶちらへんよ!!…ほな、気ぃつけて。またね!!」2006-03-29 02:03:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
――バタンッッ…コツコツコツ。。
ドアが閉まる音と、晃の革靴の音が小さく響く。
―…これで良かったんや。もう泣かへん…。2006-03-29 02:05:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
心なしか、広く感じる部屋を見渡して大きく息を吸う
晃がつけていたブルガリの香水の香りだけが部屋に残っている。2006-03-29 02:08:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
―それから数か月後。
あたしは祐樹と付き合いだした。あたしの片思いかと思っていたが、祐樹も想いを寄せてくれていた。
晃からはマメにメ-ルが来ていた。最後にきたメ-ルは「雪、元気か?俺、ホスト辞めるかもしらん。やっぱりお前がおらな頑張る気しやんしなぁ?笑?」あたしはそのメ-ルの返事を返さなかった。その頃には祐樹との恋愛でいっぱいいっぱいだった。晃には、祐樹と付き合ってる事は言ってない。ただ、片思いだ―…と嘘をついていた。2006-03-29 02:14:00 -
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雪 ◆69.0kY8lhQ
それからは晃からの連絡は無くなり、あたしは祐樹との付き合いも順調で、仕事も順調で。晃のことも忘れかけていた――。
――…そして今現在。
カフェで偶然、晃に再会した。2006-03-29 02:17:00