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愛 o r 恋

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  • 1:

    あんたと初めて逢ったのは、ほんのり夏の香りが漂い始める6月の終わり。

    2006-03-24 19:54:00
  • 2:

    「次いつ逢う?」

    「あ‐…また暇な日連絡してや。あけるわ」

    あたしの部屋のあたしのベッドでタバコをプカプカふかす男に、だるそうに答えた。

    2006-03-24 19:57:00
  • 3:

    「んぢゃ帰るわ」
    「ちょぉ待って!!今から美容院行くし、ついでに乗せてってや」
    「はいはい、お姫さま」
    ちなみに、この男は彼氏ではない。ただの友達。
    ―いや、セフレといったほうが正しいだろう。素早く下着をつけて、TシャツとGパンに身を包んだ。

    2006-03-24 20:02:00
  • 4:

    マンションの前に止めてあるBMWに乗り込んで、3月にOPENしたばかりの美容院へと向かった。

    「そこ左な、あ、ここでいいわ」
    「お洒落な店やん。華菜の行きつけ?」
    「いや、初めて。店長が男前って友達に聞いてん。」

    2006-03-24 20:06:00
  • 5:

    「おまえソレばっかりやな!!(笑)まぁまた連絡するわ」

    無言で降りたあたしを置いて、黒のBMは颯爽と走り去っていった。

    2006-03-24 20:08:00
  • 6:

    さっきちょこっと書いたが、この美容院に足を運んだのは、本当に噂を確かめる為だけだった。男にうるさいマナが、男前だと絶賛していたから。
    そもそもあたしは2週間前に、カットもカラーもエクステも別の美容院ですませていた。
    ウッドを基調とした店内に入りカウンターで受け付けをすませて、大きな赤いソファーに深く座ってタバコに火をつけた。

    2006-03-24 20:14:00
  • 7:

    すかさず店員が灰皿をもってきてくれた。笑顔が眩しいくらい可愛い女の人で、初めて入った美容院でまずタバコを吸う自分がちょっと汚く思えたのを覚えている。
    3分くらいすると、奥から一際お洒落な男の人が出てきて、あたしの前に座った。

    それが、弘樹。

    2006-03-24 20:18:00
  • 8:

    確かに男前だったけど、そんなゆう程かっこよくないってのが第一印象だった。
    「え‐と、今日はトリートメントですね。奥のシャンプー台にどうぞ」

    トリートメントを塗る間や、シャンプーしてもらう間中ずっと喋っていた。
    話せば話す程、弘樹から出ているオーラがあたしを引き付けていった。

    2006-03-24 20:22:00
  • 9:

    「彼氏とかおるん?」
    「おらんなぁ。てか今いらんなぁ。」
    「なんやそれ(笑)ほな明日から東京一緒行こか☆」
    「なんやそれ(笑)仕方ないから行ったるわ☆」
    「ほな明日電話するわ‐♪(笑)」

    2006-03-24 20:28:00
  • 10:

    あたしは当たり前に冗談だと思っていて、トリートメントを終えて髪をセットしてもらったあと、そのまま仕事に向かった。
    当時16歳だったあたしは地元の小さなスナックで毎日働いていた。休みは定休日のみ。その日も飲んで騒いで疲れて、くたくたで帰宅して死んだように眠った。

    2006-03-24 20:31:00
  • 11:

    目を覚ますと時計は昼の2時をまわっていて、怠い体を一生懸命に起こしてキッチンへ向かった。その日は月曜日で、店は定休日。
    キッチンでは学校をずる休みした妹がTVを見ていた。
    「お姉、携帯鳴ってたで」
    「え、ほんま?いつ?」
    「なんや知らんけど、えらい早い時間から鳴ってたで。うちソレで起こされたしな!!マナーにしろや」

    2006-03-24 20:35:00
  • 12:

    「朝からうるさいねん!!おまえはオカンか!!」
    「妹ですけど?しかも今もう昼すぎてますけど?」
    うちの妹はほんまふてこい。ブツブツ言いながら携帯を取りに部屋に戻った。
    着信履歴を表示すると、知らない番号から2件鳴っていた。

    2006-03-24 20:38:00
  • 13:

    名無しさん

    おもしろそう?????完結頑張れ??

    2006-03-24 20:39:00
  • 14:

    「誰やコレ。客かな?そういや昨日新規おったな」
    独り言を言いながら通話ボタンを押した。
    3回程コールしたあと、聞き慣れない声が聞こえた。
    「おまえ電話でぇへんやん」
    「え?ごめんけど誰?」

    2006-03-24 20:41:00
  • 15:

    名無しサン?
    うわ‐?初カキコありがとう?頑張ります?

    2006-03-24 20:43:00
  • 16:

    「弘樹やし!!」
    「あああ!!わかった!!え?なんで番号知ってるん?」
    「昨日受け付けカードに携帯書いたやろ?あれ見てかけてん。てかもう東京ついたしな!!」
    どうやら、彼は本気でゆうてたらしい。

    2006-03-24 20:48:00
  • 17:

    ?

    読みゃすぃ?
    頑張って-ッ??
    期待してマス?・?・)ノ

    2006-03-24 20:49:00
  • 18:

    「ああ、華菜寝てたわ。死んだように。」
    「行く気0やん!!なんやそれ!!(笑)」
    なんかわからないけど、本当にかけてきた事にビックリした反面、無性に嬉しくてテンション上がった。

    2006-03-24 20:52:00
  • 19:

    他愛ない話をして、アドレスも交換したりして、
    「お土産よろしくな☆」で話をくくった。

    テンションが上がったあたしは、そのまま用意して買い物に行った(笑)

    2006-03-24 20:54:00
  • 20:

    買い物を終えてカフェで一人でお茶していると、けたたましくトランスが鳴った。トランスは、男友達からの指定着信音だった。
    「もォし?」
    「今どこおる?暇?」
    「暇っちゃ暇やけど」
    「遊ぼや♪」

    2006-03-24 20:57:00
  • 21:

    こいつもセフレの一人だ。あたしはSEXが好き。誰と関係を持とうが、他人に迷惑かけないならOK、みたいな考えだったから、セフレはたくさんいた。
    ヤろや♪の間違いちゃうか?と思いながらも、現在地を伝え迎えに来させた。

    エルグランドで現れた彼は20歳、大学生。

    2006-03-24 21:01:00
  • 22:

    本気で恋愛したこともある。でも、本気の恋愛は痛くて辛くて苦しい。
    駆け引きも苦しさもいらない《セフレ》とゆう関係が楽で、16歳のあたしは《中途半端》にドップリはまっていた。

    ヤツは、大学生をしながらパチンコ屋でバイトしていた。次の日は朝からバイトだったらしく、朝あたしが目を覚ますと鍵を置いて消えていた。

    2006-03-24 21:09:00
  • 23:

    「帰りバスかよ!!仕事あるなら昨日ゆえや〜…」
    一言文句をゆってやろうと携帯に目をやると、不在着信3件と新着メール1件の文字が。
    まず着歴を開くと、客2人と弘樹からだった。メールを見るとやっぱり弘樹だった。『まだ寝てるん?はよ起き〜?』

    2006-03-24 21:13:00
  • 24:

    客2人の着信は見ないフリをして弘樹にかけた。
    「起きたぁ〜?」
    彼は電話に出るとき、もしもしとゆわないらしい。
    「起きたぁ♪なんかメールにハート入ってたし、ときめいたからかけた☆」
    冗談で茶化してゆうと、「子悪魔や!!おっちゃん恐いわぁ」と笑った。

    2006-03-24 21:17:00
  • 25:

    そう、彼は26歳。あたしは次17歳だから、9歳離れていた。
    今思えば、彼の持つ独特のオーラは、《大人》のオーラだったのかもしれない。20歳そこらの男にはない、甘い仕草や落ち着き。
    16歳のあたしは、ズルズル引かれるように、弘樹の魅力にとりつかれていった。

    2006-03-24 21:21:00
  • 26:

    連絡を頻繁にとるようになり、美容院にも1週間に1度といった頻度で足を運ぶようになった。
    美容院で見る弘樹は電話やメールとは違って少しそっけなかったけど、たまに見せる笑顔や、メールで話した二人しか知らない会話を店でしているとき、変な優越感に浸っている自分がいて、弘樹にハマっていることが自分でもわかるようになった。

    2006-03-24 21:25:00
  • 27:

    でも、あたしは水商売、弘樹は昼職。定休日は同じだったけど、2人で遊んだりプライベートで逢う事はないまま、季節は秋になっていた。

    その日は少し肌寒くて、店でベロベロに酔っ払ったあたしは、送りの車を断って酔いをさます為マンションまでの道をトボトボ歩いて帰っていた。

    2006-03-24 21:29:00
  • 28:

    ヨロヨロ歩くあたしの横に車が止まったかと思うと、運転席から見慣れた顔が覗いた。
    「お姉さん、今帰り?」
    ナンパみたいに声をかけてきたのは、弘樹だった。

    2006-03-24 21:33:00
  • 29:

    「今帰りやけど、ナンパはお断わりやし」
    すかしてゆってみた。
    「ほんまに?ほな送りはいらんなぁ」
    「うそやん!!お邪魔しま〜す☆」
    酔ってたのと嬉しいのとで、あたしはすぐさま助手席に滑り込んだ。

    2006-03-24 21:35:00
  • 30:

    「遊びに行く?今から店の子らとビリヤード行くんやん☆」
    「え、華菜も行っていいん?いいなら行きたい!!」
    公認やん!!なんて思いながら、車内で流れるレゲェに合わせて鼻歌を歌っていた。
    弘樹に電話がかかってきた。「はっ?無理なん?もう向かってんのに!!‥ああ、まぁ仕方ないなぁ…」
    どうやら無理になったらしいm(__)m

    2006-03-24 21:40:00
  • 31:

    >>1-31
    休憩します?

    2006-03-24 21:41:00
  • 32:

    名無しさん

    あたしも自分の好きな人の一番になりたいよう…(((;Д\)))主さん頑張って??

    2006-03-25 00:23:00
  • 33:

    名無しサン?
    1番になるのッて普通の事なのに、難しいですよね?片思い中なのかな?頑張るのでよろしくです?

    2006-03-25 02:17:00
  • 34:

    「どおしたん?無理なったん?」
    「うん、なんや都合悪なったみたい。みんな彼氏彼女おるしなぁ(笑)」
    「弘くんは作らんの?」
    「ん‐…今は仕事も軌道のってきたし、女おってもなぁ…。ずっと美容師やりたくて、やっと自分の店持てたんやん。今は店だけでいっぱいいっぱいやわ」
    ふぅんって返事したけど、なんとなく寂しかった。

    2006-03-25 02:25:00
  • 35:

    「これからどうする?飯でも行くか?」
    「華菜あんまりお腹すいてない…」
    「ほなウチ来るか?」
    「へっ?」
    いきなりの提案にびっくりして、アホみたいな顔で弘樹を見つめた。

    2006-03-25 02:27:00
  • 36:

    「いや、やらしい意味ちゃうくて(笑)実は片付けたい書類があんねん。」
    少し考えたけど、あたしは弘樹に確実にハマっていた。もっと一緒にいたい。これを逃がしたら次いつ逢えるかわからない。
    変な焦りもあって、「行きたい」と返事をした。
    Hするんかな…とか、そんなハレンチな事を悶々考えているうちにすぐ家についた。

    2006-03-25 02:32:00
  • 37:

    弘樹は実家に住んでいたけど、なかなか立派なお家で、弘樹の部屋は離れにあった。
    駐車場も別になっていたし、家族と鉢合わせ‥なんて事は万に一つもなさそうだった。
    26歳の弘樹の部屋はしっとりした部屋だった。
    広めの部屋にフカフカの絨毯、オシャレな照明にセミダブル。ほんのり匂うアロマが心地よかった。

    2006-03-25 02:37:00
  • 38:

    部屋につくなり弘樹はおもむろに服を脱ぎだして、マジで焦った。部屋着に着替えただけなんやけど(笑)
    暗めの照明に照らされた弘樹の背中はゴツくて、20歳そこらの男にはない変な色気があって、なんか恥ずかしくて目をそらした。
    「何みてるん?H(笑)」
    「見てないわ!!」
    キョドりながらも絨毯の上に腰をおろした。

    2006-03-25 02:42:00
  • 39:

    片付けたい書類ってのは嘘じゃなかったらしく、部屋着に着替えるなり弘樹は部屋の隅にあるパソコンの前に座ったまま動かなくなってしまった。
    しばらくはその辺に転がってある雑誌をパラパラ読んでいたけど、酔いと活字のせいで眠たくなった。
    クッションに頭をもたげながらウトウトしていたら弘樹がそれに気付いたらしく、「ベッド使っていいで。帰り起こしたるから」と言ってくれた。

    2006-03-25 02:47:00
  • 40:

    ?さん?お返事見逃してました?わざとじゃないのでこれからも見て下さい?
    読みやすいとか嬉しいです?ありがとです?

    2006-03-25 19:20:00
  • 41:

    「うん、ごめんな」と言ってベッドに潜りこんだ。
    あたしの部屋のベッドは安物のシングルだから、弘樹の部屋のフカフカのセミダブルはやたら寝心地がよくて、すごく大きく感じた。
    無意識に片方に寄ってしまう自分に気が付いて、真ん中に寝直した。

    誰にでも股を開く女だって事を弘樹に知られたくない反面、大きな背中を見ていると抱き締めてもらいたくて仕方なかった。

    2006-03-25 19:25:00
  • 42:

    でも簡単に誘うなんて出来ないし、なんて考えていると、酔いも手伝ってまたウトウト眠たくなってきた。
    目を閉じたら、フカフカの布団から弘樹の香水の匂いがしてきて、あたしはすっかり寝入ってしまった。

    2006-03-25 19:28:00
  • 43:

    しばらくして、誰かがベッドにあがってくる気配で目を覚ました。

    眠たくて自然に閉じてしまう瞼を頑張って開くと、弘樹が横に寝転んでニコニコしながらあたしを見ていた。

    2006-03-25 19:30:00
  • 44:

    あたしはヨダレを垂らしていた(笑)。
    しかも弘樹の枕に。
    「ヨダレ出てんで(笑)」
    「もぉ〜…なんで見てるん(笑)だって布団気持ち良すぎやぁ(>ロ

    2006-03-25 19:32:00
  • 45:

    布団を鼻までかぶって、自分的に可愛く照れて見せたけど、内心『やべぇ!!ヨダレとかありえへん!!華菜キショ!!』とか焦っていた(笑)
    弘樹はニコニコしながらあたしを見ている。
    「見過ぎ!!」
    「可愛いなぁと思って」
    いきなりゆわれたから、焦りが一気に吹き飛んだ。

    2006-03-26 00:36:00
  • 46:

    柄にもなくドキドキして、急に緊張してきた。
    「なんか華菜って猫っぽいよな。わがままそう」
    「なんやそれ(笑)猫っぽいか?にゃ〜(笑)」
    布団から手だけだして冗談で笑いながら猫ポーズをしてみた。
    弘樹の手があたしの頭をヨシヨシなでてきた。

    2006-03-26 00:41:00
  • 47:

    女の子として、あたしを見ているのがわかった。
    弘樹の手は大きくてあったかくて、緊張はMAXに達しそうになっていた。
    あたしがHする男はどれも《ヤれたらイイ》みたいな感じで、それは日常のいろんな場面で感じ取れた。
    キスして、乳揉まれて、フェラを強要されて、簡単な前戯のあと即挿入。適当に喘いで腰ふってイッて終わり。
    セフレに甘える気なんてサラサラないから、終わったら処理してタバコを吸って軽く会話してバイバイ。

    2006-03-26 00:46:00
  • 48:

    男の子達はみんなそれなりに優しいけど、それはあたしを【SEXの相手】としか見ていないから。
    あたしもそう思っているから、深入りしない。それ以上の感情は抱かない。

    普通の女の子として優しくしてもらう事がなくなってたのかもしれない。中途半端にハマっているフリをして、本当はこうやって誰かを愛しいと思ったり思われたかったのしれない。

    2006-03-26 00:50:00
  • 49:


    「なんかハマりそう」

    ―この弘樹の一言で、あたしは完璧に落ちた。

    2006-03-26 03:23:00
  • 50:

    なんて単純な、と思う人もいるかもしれない。
    実際自分でも単純だと思ったし。優しくされることにこんなに弱かったなんて、あたし自身気がついていなかったんだと思う。

    弘樹の顔があたしに近付いてきたときに、あたしは拒む事が出来なかった。
    「またセフレになるかも」とゆう不安も吹き飛んでしまったくらい、そのときは嬉しさでいっぱいだった。

    2006-03-26 03:27:00
  • 51:

    弘樹とのSEXは、今まで感じたことないくらい気持ちイイものだった。
    年の功ってやつかな?と思う程、丁寧で優しくて、でも激しいものだった。

    16歳も終わりに近付く肌寒い秋、あたしと弘樹の関係は始まった。

    2006-03-26 03:31:00
  • 52:

    「好き」「付き合おう」
    そんな言葉は何もない。
    あたしはまた《ハンパ女》になってしまっていた。

    「今は女おってもなぁ…」弘樹の言葉があたしの頭の中をグルグル回っていて、関係を続けたいが為に、あたしは弘樹の前で【物分かりのイイ女】を演じるようになってしまっていた。

    2006-03-26 03:35:00
  • 53:

    弘樹はマメに連絡をくれたし、週に2、3度は必ず時間を開けてくれていたから、「寂しい」と感じた事はあまりなかった。
    休みの日に一緒にご飯を食べに行ったり、服を買いに行ったり、街を歩くときは普通のカップルみたいだったからむしろ幸せだった。

    でも付き合ってない。
    だから我儘は言えない。

    2006-03-26 03:40:00
  • 54:

    思えば、あたしは弘樹の事を何も知らなかった。
    あたしの目に映る弘樹は寛大で大人で、でも二人でいるときは子供みたいに甘えたで、怒りも泣きもしなかった。
    いつも穏やかに微笑んで、小さい子をあやすみたいにあたしと会話する。
    あたしは我儘も嫉妬も何にも表面にだしていなかったのに。

    2006-03-26 03:43:00
  • 55:

    不安はたくさんあった。
    電話に出てくれない夜、「何してるんやろ?違う女の子と遊んでるんかも」。
    「何で付き合おとか言うてくれへんのかな。やっぱり華菜はただのセフレなんかな」。
    寂しいと感じた事はなくても、不安で泣いた夜もあった。逢いたくて仕方ない夜もあった。

    2006-03-26 03:48:00
  • 56:

    でも、「これやからガキは嫌や」と思われるのが恐くて、あたしは精一杯大人のフリをした。
    ガッツいてると思われるのも嫌で、何回も何回も電話したりしなかった。
    いまいち弘樹の前で16歳の女の子になれなかった。

    もっと逢いたい。もっと話したい。もっと知りたい。好きで仕方ないって伝えたい。―独り占めしたい。

    2006-03-26 03:52:00
  • 57:

    17歳になったある日、酔ったあたしは最大の過ちを犯す。過ちだったのかは今でもよくわからないけど。

    2006-03-26 03:54:00
  • 58:

    「弘くん何してるん♪」
    その日も例によってベロベロになったあたしは、ご機嫌で弘樹に電話をかけた。
    「また酔ってんのかい(笑)ほんま華菜は可愛いなあ」「華菜、弘くん大好きやぁ」「はいはい(笑)俺も華菜スキやで」

    「なら付き合ってや!!」

    2006-03-26 03:58:00
  • 59:

    『しまった』と思ったときには遅かった。
    笑って冗談でかわすだろうと思って軽く言ったのに、電話の向こうの弘樹は明らかに困惑して黙り込んでしまった。
    酔いは一気に冷めた。
    「や、や、弘くん、今のナシや!!言ってみただけ」
    「ハッキリさせなアカンとは前から思うてた。今のが華菜の本音やんな?」

    2006-03-26 04:04:00
  • 60:

    「違うねん!!今のは…」
    「華菜の事は確かにスキやで。でもな、まだ華菜の事なんも知らんし、付き合うとかは早いと思う。俺からしたら年の差もあるし‥。」
    「年とか関係ないやん!!」
    いつのまにかあたしもムキになって反論していた。

    2006-03-26 04:08:00
  • 61:

    「俺からしたら17歳って年令はめっちゃ若いねん。華菜にも俺の事もっと知ってほしいし。華菜は俺の事まだあんまり知らんやろ」この一言であたしは何も言えなくなってしまった。

    「…ちょっと考えさせて」

    それから1ヵ月、弘樹から連絡はなかった。

    2006-03-26 04:12:00
  • 62:

    >>32-62
    なんか読みにくいうえにおもんない?文才なくてすいません?てか読んでくれてる人いるんかな?
    今日わ終わりです?

    2006-03-26 04:14:00
  • 63:

    なんであんなんゆってしまったんだろう。
    口にださないとゆう事は、そうなりたくなかっただけなんだ。弘樹はあたしと付き合う気なんてなかったんだ。

    なんだ。舞い上がって、バカみたい。

    2006-03-27 15:43:00
  • 64:

    1ヵ月の間、あたしはただ黙っておとなしく生活しているわけでもなく、それなりに遊んでいたしSEXもしていた。
    遊びたい欲求もヤリたい欲求も、別に0になったわけではなかったし。

    ただ、今まで以上に夜は仕事に熱中した。お酒をたんまり飲んで酔っ払えば、心にあった小さな隙間を埋める事は簡単だったから。

    2006-04-18 13:17:00
  • 65:

    ―そして、1ヵ月と半月程たった頃、あたしはある男と出会う。

    2006-04-18 17:38:00
  • 66:

    〜♪♪♪♪〜

    水戸黄門の着メロで目を覚ました。

    この着メロは、絵里だ。

    2006-04-18 17:41:00
  • 67:

    絵里とは4年の付き合い。態度も体もでかい絵里。
    サバサバした男勝りな性格とキャラがおもしろくて、自己中な絵里にたまにムカつきながらも仲良しだ。

    今どき着メロって感じだけど、着うた探してもなかっただけm(__)m
    けっこう波瀾万丈な人生を生きてきた絵里とあたしは、お互いの着メロを水戸黄門で揃えている。

    2006-04-18 17:45:00
  • 68:

    二日酔いでまだ重たい体を起こして電話に出た。
    「なんや」
    「なんやッてなんや!!(笑)電話でるときは『もしもし』てゆうんぢゃ!!てか寝てた?ごめんやで」
    「ええけど、どうした?」
    「華菜今日休みやんな?」

    2006-04-18 17:49:00
  • 69:

    眠たい目をこすりながらカレンダーに目をやると、今日は月曜日だった。
    「ほんまや。定休日やわ」
    「覚えとけや(笑)あんな〜今日、絵里の男とかと遊ぶんやん。で、あっち3人おるゆうし由香も呼んだんやけど、華菜もけぇへん?」
    「え、華菜オマケかよ(笑)男前おるん?」
    「絵里もあとの2人知らん子らやねん。彼氏いわく男前らしいで」

    2006-04-18 17:55:00
  • 70:

    「マジで♪行く行く♪」
    「早いな!!(笑)なんし起きたばっかやろ?こっちも合流するん夜やし、ゆっくり用意しいや☆出来たら迎え行ったるし電話して♪」
    「らじゃ〜(′-∀-)」

    電話をきり時計に目をやると、まだ昼の3時。今から用意しても早すぎるしツタヤにDVD借りに行くことにした。

    2006-04-18 18:00:00
  • 71:

    スウェットにダウンを羽織って、家から徒歩5分のツタヤへ歩く。
    駐車場につくと、見慣れた車が止まっているのが見えた。
    心臓が早まるのがわかる。

    ―今日は月曜日。美容院も定休日だ。

    2006-04-18 18:03:00
  • 72:

    さりげなく横を通り過ぎて車内をチラ見したけど、中には誰もいなかった。
    おそらくまだ店内にいるんだろう。

    確かに同じ市内に住んではいるものの、この1ヵ月半、心のどこかで期待していた《偶然》は、全くおこらなかった。
    逢ったら何てゆお?

    2006-04-18 18:07:00
  • 73:

    『久しぶり〜♪』って、何もなかったように声かける?何もゆわんと素無視する?いや、もしかしたら逢わないかも…。

    何パターンもの考えが一気に頭を駆け巡る。
    あたしを見たとき、弘樹はどんな顔するだろう。
    困る?驚く?笑う?

    2006-04-18 18:10:00
  • 74:

    弘樹の微笑んだ顔ばかりが頭に浮かぶ。
    あたしは意を決して店内に足を踏み入れた。
    ツタヤに入るのにこんなに緊張することなんて、きっとコレっきりだろう。

    まずぐるりと店内を見渡したが、弘樹らしい姿を確認する事は出来なかった。

    2006-04-18 18:14:00
  • 75:

    人生そんな思い通りにいくわけないわな、と軽くため息をついた。どこかホッとした自分もいたけど。

    見たかった新作映画を探しに、最新コーナーにトボトボと向かう。
    遠目に、見たかったDVDが見えた。
    その正面に居た男女の背中も。

    2006-04-18 18:18:00
  • 76:

    あたしはドラマや漫画みたいに、ピタッと足を止めた。

    後ろ姿でもすぐわかる。

    ―あれは弘樹だ。

    2006-04-18 18:20:00
  • 77:

    人は、見たくないモノに遭遇したとき「目を反らす」ってゆうけど。
    DVDを選びながら彼の隣で楽しそうに笑う彼女から、あたしは目が離せなかった。

    心臓の音は、段々ゆっくりになって、ありえないはずの光景をどこか客観的に眺めていた。

    2006-04-18 18:28:00
  • 78:

    話し掛ける気もさらさらなくなっていたのに、足だけはやっぱり動かない。

    DVDを選び終わったのか、彼女が先に振り向いた。
    全然知らない人だった。
    細くて、女らしい服装をした、タレ目の可愛い女の人。

    2006-04-18 18:32:00
  • 79:

    彼は、新作の棚から1本DVDを抜いて、振り返った。

    彼女はもうあたしをかなり通り過ぎていた。

    「ユリ〜、俺やっぱりコッチも観たい…」

    2006-04-18 18:34:00
  • 80:

    その瞬間、あたしと弘樹は確かに目が合った。

    弘樹は、あたしが予想した《困る、笑う、驚く》のどれでもなく、何の反応も示さなかった。

    「なんて〜?」と振り向く彼女一人だけに視点を変え、あたしのすぐ横をスタスタと通り過ぎていった。

    2006-04-18 18:40:00
  • 81:

    弘樹が通り過ぎたと同時に、あたしの足も動いた。
    客観的にみていた心臓も、またバクバクと騒音をたてていく。

    「…ははッ」
    誰にも気付かれないような声で少しだけ笑って、あたしは何もなかったようにDVDを借りて店を出た。

    2006-04-18 18:43:00
  • 82:

    寒い冬の始まりに、
    あたしと弘樹の関係は
    終わりを告げた。

    風の噂で、彼は1年半付き合っていた元彼女とヨリを戻したと聞いた。

    2006-04-18 18:45:00
  • 83:


    ―それから半年。

    季節は寒い冬を通り過ぎ、春を越え、6月に入ろうとしていた。

    2006-04-18 18:47:00
  • 84:

    「お前ほんま用意すんの遅い!!たかが化粧にどんだけ時間かけてんねん!!」
    「うっさい!!華菜が仮面ないと外歩かれへんの知ってるやろ!!あんたスッピンの華菜つれて外歩ける!?」
    「そら無理や!!(笑)」
    「しばくぞ。」

    2006-04-18 18:52:00
  • 85:

    あたしは18歳になっていた。彼氏は雅也。同い年。
    なにを隠そう例のあの日、絵里の紹介で出会った男の内の一人だ。

    なんとなく付き合い始めてもう半年。
    男前ではないが、底抜けに優しくて、あたしを1番に考えてくれる雅也を好きになるのに時間はかからなかった。

    2006-04-18 18:56:00
  • 86:

    ?>>65-87
    ひそかに再開です?
    読んでる人いないみたいなんで、ゆッくり更新(笑)

    2006-04-18 18:58:00
  • 87:

    逢ったその日にいい感じに仲良くなり、あろうことかヤッちゃった二人。
    あたしはただヤリたかっただけ。雅也も最初はそうだったらしい。
    ヤッてみると、あらビックリ、相性抜群(゚д゚)!!

    付き合う事になって、そのまま2週間のプチ同棲へと突入し、今に至る。

    2006-04-18 20:15:00
  • 88:

    弘樹の事件?から、本当にすごいスピードで付き合った。一人でいたくなくて、でも一人で考えていたくて…。最初の内は辛いのを忘れるために雅也を利用していたんだと思う。

    それでもずっと心の隅に刺さっている《あの》光景。

    …考えるな。あたしは今、「雅也の彼女」なんやから。雅也の1番やん。あたしの1番欲しかった、あたしだけの居場所。あたしは雅也を愛してる。

    2006-04-24 23:56:00
  • 89:

    日曜日のショッピングモールは、カップルや家族連れで賑わっていた。
    「プリクラ撮ろや♪」
    あたしの手を引く雅也は、子供みたいにはしゃいでいる。ゲーセンコーナーに行くと、案の定すごい人。
    プリクラなんてマジで信じられないくらい長蛇の列を作っていた。
    「…これ並ぶん?多分軽く30分は待たなアカンで」

    2006-04-25 00:00:00
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