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明日への後悔

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  • 1:

    柚子

    あの日、後悔をしたから今がある
    貴方も私も、あの日はもぅ無いけど今がある
    沢山の人に囲まれて思い出す過去はどれもこれも綺麗すぎて、悲しい
    後悔が明日へ繋がる様に、そう信じて悲しい過去を思い出してみる

    2006-01-29 00:24:00
  • 200:

    柚子

    午前8:13
    満喫を出て、俺はゆなのマンションの下に来ていた。
    いい加減寒い。朝はこれまた寒い。
    「俺が連絡するって言ったンだっけ?」

    2006-02-02 16:39:00
  • 201:

    柚子

    色々と思考をフル回転させても、テンションMAX時だった為かどーにも思い出せない。
    「もーちょい待ってみるか…」
    そう独り言を言い、マンションの前の閑散としたロビーが見える植え込みの端
    そこに腰を降ろし、両手をポッケトにつっこんだ。

    2006-02-02 16:41:00
  • 202:

    柚子

    「あっ」

    ガラス張りのロビー、自動ドアのこっち側。
    先に俺を見付け、勝ち誇った顔のすばるがいた

    2006-02-02 16:41:00
  • 203:

    柚子

    やけにその顔が腹立たしくて、先手必勝と言わんばかりに座ったまま声をかけた。
    「まだ居たの」
    「お前がな」
    間髪入れず帰ってきたそのすばるのセリフは余裕綽々

    2006-02-02 16:43:00
  • 204:

    柚子

    すばるはゆなの部屋を見上げて言った。
    「アイツまだ服着てないから、部屋入れないんじゃない?」
    ―座っていて良かった
    そう思った。立っていたら少しヨロけていたかもしれない

    2006-02-02 16:44:00
  • 205:

    柚子

    「仲直りしたから」
    そう言って、すばるは俺の前に立ちはだかり、次の言葉を待っている
    「なんじゃそりゃ…(笑」
    負け犬なのは分かってる。ただそう言うのが精一杯だった

    2006-02-02 16:45:00
  • 206:

    名無しさん

    2006-02-02 17:23:00
  • 207:

    柚子

    ━そーだよな、アイツが好きなんだしな…。
    俺が期待してるだけなんやし…
    すばるがニタニタと笑いながら立ち去った後、そう自分を慰めた

    2006-02-02 19:26:00
  • 208:

    柚子

    午前8:35
    ゆなからの電話は、それから30分以上過ぎた後にかかってきた。
    「今から、行ってもいーですかぁ?」
    彼女の第一声を聞き終えてから、部屋を見上げて言った。

    2006-02-02 19:28:00
  • 209:

    柚子

    「明日も仕事だし、もう寝ようと思ってて…ごめんね?」
    ―俺が今、下に居ると言えば彼女は会ってくれたんだろうか?
    そんな考えを打ち消したのはすばるの言葉

    2006-02-02 19:30:00
  • 210:

    柚子


    ―アイツまだ服着てないから、部屋入れないんじゃない?―

    2006-02-02 19:31:00
  • 211:

    柚子

    ―午前9:52
    胸くそ悪い、そんな気持ちで家路に着いていた。
    ―なんだよ…寝て仲直りかよ。
    あの部屋で、どんな風にゆなはアイツを受け入れたんだろう?

    2006-02-02 19:34:00
  • 212:

    柚子

    あまりに虚しい想像に思考を止め、ベランダに目を移す
    いつ干したかも覚えていない洗濯物がズラリと並んでいた

    取り入れようと立ったその時、ジャケットに入れっぱなしの携帯が鳴った

    2006-02-02 19:42:00
  • 213:

    柚子

    ディスプレイを見てうんざりした。点滅する『るぅ』の文字
    ―そもそもお前がわるいんだろ
    携帯を乱暴に開き、通話ボタンを押す
    「なんやねん」

    2006-02-02 19:48:00
  • 214:

    柚子

    「今日はスイマセンデシタッ!」
    「ほんまになぁ」
    ―そーだ、お前が悪いんだ。
    「ゆなちゃんに、セータローさんに謝れって言われて…」

    2006-02-02 19:50:00
  • 215:

    柚子

    ―だから謝ってんのかよ。ゆなに言われなくてもあやまっ…ゆな?
    「アイツに会ったの?」
    俺は、るぅに慌てて聞き返した
    「9時半くらい?に店の近くで…」

    2006-02-02 19:51:00
  • 216:

    柚子

    本当は寝ていないんだろうとは思ってはいたが、出歩いているとは意外だった。
    「あのー、ゆなちゃんに会いました?よね?」
    「会ったよ、何?」
    「あれ…セータローさんでは無いですよね?」

    2006-02-02 19:53:00
  • 217:

    柚子

    ―何言ってんだ、コイツ
    「はっ?あれって何よ」
    「じゃぁ、やっぱすば君なんだぁ…。いや、セイタローさんを疑った訳じゃないんですよ!だだねッ…」
    「だから何がッ?」

    2006-02-02 19:57:00
  • 218:

    柚子

    「ゆなちゃんの顔のアザ…って、えっ?見ましたよね?あれって…」

    俺はその時、るぅの軽口に初めて感謝した

    2006-02-02 19:59:00
  • 219:

    柚子

    ━シンデレラの夢━

    あみちゃんからのメールで目が覚めた。
    やっぱりと言うか…相変わらずと言うか…そのメールには反省の色が全く無くて、さすがに私でも苦笑いになった

    2006-02-02 20:02:00
  • 220:

    柚子

    まぁ本人がいいならいいかと、そう思うことにした。
    ―今日は仕事休むねッ(≧人≦)―
    あみちゃんにそうメールをしたら、あみも休むと返ってきてラリーは終了となった

    2006-02-02 20:07:00
  • 221:

    柚子

    顔の腫れは引いたけど、押し倒された時に出来た足と腕の傷が少し青くなっていた。
    せっかく消えた前のアザ。
    もう喧嘩の原因さえ思い出せない
    どーせくだらない事だったんだろうと、そんな思いをクローゼットに仕舞込んだ

    2006-02-02 20:13:00
  • 222:

    柚子

    このアザはすばるの愛の証だと…
    信じて生きた日があった。
    自分を騙した日があった。
    なのに今日はどーして?

    2006-02-02 20:19:00
  • 223:

    名無しさん

    2006-02-02 20:45:00
  • 224:

    柚子

    すばるの笑顔を何度思い出しても、体のアザがズキズキ痛む。
    食器棚の中の並ぶティーカップが、一人ぼっちになってしまったからなのか
    「誠汰朗が救ってくれる」
    どこかでそう信じていたからなのか、その理由は分からなかった

    2006-02-02 21:08:00
  • 225:

    待ってるね?

    2006-02-03 01:45:00
  • 226:

    柚子

    >>らいむサン
    ぁりがとーござぃます?
    ぉ待たせして大変恐縮です?引き続き、らいむサンもゆなと誠汰朗を応援してゃって下さいね (*^ー^)ノ?

    2006-02-03 11:36:00
  • 227:

    柚子

    午後5:00
    昼夜逆転の日々は休みの日も同じ。
    コンビニで朝ご飯と称しパンとジュースを買って部屋に戻り、今日は大人しく家でゴロゴロしていようと決めていた。
    そんな予定をブチ壊しに誠汰朗はやってきた

    2006-02-03 11:38:00
  • 228:

    柚子

    「何やってんのよ」
    たかが、20分程度の隙に誠汰朗は部屋に入り込んでいた。
    「管理人さんにね!弟にしよーか、兄貴にしよーか迷ったんだけど、父親で入れてもらった」
    そう言って笑っていた。

    2006-02-03 11:39:00
  • 229:

    柚子

    まさかそんなハズもなく、部屋の鍵をかけていなかった私の落ち度だった。
    「オートロックの意味が無い」
    「所詮機械よ」
    私が落胆しながら言うと誠汰朗はそう笑う。

    2006-02-03 11:41:00
  • 230:

    柚子

    ―なんで私、驚いてないんだろう?
    あまりに彼が自然に答えるので、ビックリするのを忘れていた。
    「あらら、ジャージ姿もかわいいじゃない?」
    そう誠汰朗に言われ、コートを脱いだ自分の格好に気付いた

    2006-02-03 11:44:00
  • 231:

    柚子

    着替えてくる、慌ててそう言って彼に背を向けた
    「そのままでお願いします」
    耳元から聞こえた声に抱き締められていた。
    ―あったかい

    2006-02-03 11:45:00
  • 232:

    柚子


    ってそーじゃない。誰の家ですか?ここ…

    2006-02-03 11:47:00
  • 233:

    柚子

    優しい手、優しい声。
    『コイツは一体何者なんだ』
    そう思った事はどーでもよかった。
    1050円の薄っぺらいラブソングで泣ける程、私は弱っていて、愛しても愛しても愛しては貰えない、そんな自分が嫌いだった。

    2006-02-03 11:48:00
  • 234:

    柚子

    すばるにはきっと愛する誰かが居ると気付いてからも、見切りの付けられない未練がましい女。
    思いは届くと教えられたあの頃から、1年、2年と過ぎてゆき、シンデレラも白雪姫も居ない事を知った。

    自分はもっと強いんだと信じていたのに

    2006-02-03 11:49:00
  • 235:

    柚子

    久しぶりの幸せな夢の中で目を覚ました。
    「ゆーなッッ」
    「ああ、何?」
    寝呆けながらそんな事を考えいて、隣の誠汰朗をウッカリ忘れていた

    2006-02-03 11:52:00
  • 236:

    柚子

    「うわっ、何そのそっけない返事!やり捨てする気やろ!?」
    そう言い、私の頭の下で枕になっていた腕をグッと引き寄せて、怒った顔を作って見せた。
    「あー元気やねぇ」
    低血圧なんだ、と言わんばかりにテンション低くそう言い、ガシガシと乱暴に誠汰朗の頭を撫でた

    2006-02-03 11:53:00
  • 237:

    柚子

    誠汰朗はグシャグシャになった髪の毛を直しながら
    「二重人格なん?…やだ、あんなに激しかったのに…(笑」
    とまた、くだらない事を言う

    2006-02-03 11:57:00
  • 238:

    柚子

    「お疲れサン」
    延々と続きそうなバカを放っておいて、誠汰朗の腕をすり抜け私は服を着てゆく。
    「アンタ酔ってる方が可愛いね」
    捨て台詞の様にボソッと、Τシャツに腕を通した私の背中につぶやいた

    2006-02-03 12:00:00
  • 239:

    柚子

    「帰りたいの?」
    少し振り返ってそう言った。
    泊まってもいいよ。ひねくれ者の私は、そう素直には言わない。
    目の端で捕らえた誠汰朗はニッコリ笑っていて、出会った時のかわいい男の子に戻っていた

    2006-02-03 12:02:00
  • 240:

    柚子

    ━あの子に届け━

    何度チャィムを押しても出てこない。
    しびれを切らた俺は、銀色に光るドアノブを回した

    2006-02-03 12:04:00
  • 241:

    柚子

    ―怒られるかな?

    そう思いながらも、あっさり開いてしまった扉に戸惑いもせず、俺は彼女の部屋へ忍び込んだ

    2006-02-03 12:05:00
  • 242:

    柚子

    るぅから聞いた顔のアザ
    ―ゆなはまたすばるサンに殴られたんだろう。
    その話を聞いた時「仲直り」は、彼女が望んだ物ではなかったんだと確信した。
    思い上がりかもしれない、だけどゆなは助けを求めといると信じて、この部屋まで来てしまった

    2006-02-03 12:08:00
  • 243:

    柚子

    追い帰される事を考え、オートロックは他の住人の後について入った。
    部屋の前まで行ってしまえばコッチのモノだとやらしい事を考えていた。

    ゆなの部屋を見渡すと、前に来た時も感じた、アイツの匂いがした

    2006-02-03 12:09:00
  • 244:

    柚子

    二種類の煙草、二つづつの食器、彼女には大きすぎるΤシャツ
    そんな物に嫉妬を覚えた。
    なんて言われるだろう?
    いくら鍵が開いていたと言っても、勝手に入ってきた奴に「いらっしゃい」なんて言ってはくれないだろう。

    2006-02-03 12:11:00
  • 245:

    柚子

    ―ガチャ…

    扉が開く音、閉まる音、彼女の…足音。
    ―さぁ、なんて言おうか…

    2006-02-03 12:11:00
  • 246:

    柚子

    「何してんのよ」
    随分あっさりとゆなにそう言われて、少し驚いた。
    「オートロックの意味がない」
    と言う彼女を、俺は笑って誤魔化す

    2006-02-03 12:12:00
  • 247:

    柚子

    ―どうやって部屋に入ったのか、まぁゆなも気付いているんだろう
    彼女がコートを脱ぐと、下は紺のジャージだった。
    意外な姿がかわいくて、思わず抱き締めたい衝動にかられた

    2006-02-03 12:14:00
  • 248:

    柚子

    「そのままでお願いします」
    そんな間抜けな言葉で抱き締めた俺は、腕の中にスッポリと納まった彼女の体が冷たくて小さくて
    その衝動を止められなくなってしまっていた。
    彼女が拒否しなかったのは、意外だった

    2006-02-03 12:17:00
  • 249:

    柚子

    甘く、小さく、消えそうな声で鳴くアンタを何度も確かめずにはいられなくて
    全てを奪って自分の物してしまいたい。
    そう思ってた。
    「愛している」が最上級の言葉だと信じて疑わなかった俺は、なんて馬鹿なんだろう

    2006-02-03 12:19:00
  • 250:

    柚子

    ―ねぇ、アンタはアイツに抱かれてる時もそうやって鳴いてるの?
    ―もう、アイツとは会わないで
    ―シンデレラだって、白雪姫だってもう一度信じさせてあげるから… そんな声を何度も押し殺しながら君を抱いていたんだ

    2006-02-03 12:23:00
  • 251:

    柚子

    「好きだ」と呪文の様に呟き
    ―今のゆなには伝わらない。
    そう分かっていても、言わずにはいられない

    2006-02-03 12:25:00
  • 252:

    柚子

    寝呆けている彼女に声をかける
    「ああ、何?」
    ―冷たッ!びっくりするわ。
    無かった事になんてしてやらないから…

    2006-02-03 12:27:00
  • 253:

    柚子

    そう決意し何度か絡んでみるもののあっさりとかわされ、あげくに彼女は
    「お疲れサン」
    と冷たく締め括り、俺の腕枕をスルリと抜け出した。
    彼女の背中に投げ掛けた捨て台詞。怒られるのを覚悟でつぶやいた

    2006-02-03 12:31:00
  • 254:

    柚子

    ―「帰りたいの?」

    帰らなくていいの?
    そう聞きたくて…でも聞いたら怒られるんだろーなと思いながらも、我慢しきれずニヤついてしまった

    2006-02-03 12:32:00
  • 255:

    柚子

    ━幸せの理由━
    午後8:47
    「で、仕事は?」
    私は振り返らずに聞く

    2006-02-03 14:51:00
  • 256:

    柚子

    「行きたくなぁーい」
    そう言って、ゴロンとベットに転がった誠汰朗。
    その姿は冬の朝の小学生を私に連想させた。
    「いやいや、行けよ」

    2006-02-03 14:54:00
  • 257:

    柚子

    相変わらず私は素直じゃない。
    「ぜっってぇー休むしッ!」
    ムキになって言う誠汰朗。
    ―すばるなら…きっとこんな反応はしないな

    2006-02-03 14:56:00
  • 258:

    柚子

    「アザ…やっぱチョット残ってるねぇ」
    誠汰朗が誰に言うでもなくそう囁いた
    すばるの影を彼に重ねていた私の心搏数が、少し速度を上げるのが分かった

    2006-02-03 15:09:00
  • 259:

    柚子

    ―知ってたの?いつから?
    そう言いかけてブレーキをかける。
    「そーかな」
    それだけ答えて話を終わらし冷蔵庫を開けた。

    2006-02-03 15:12:00
  • 260:

    柚子

    水中の風船のように、すばるの影は沈めても沈めても浮かび上がってきていた。
    忘れたいとそう思うたび…
    冷蔵庫には何も入っていなくて、コンビニでついさっき買ってきたミルクティーとカフェオレのペットボトルを持ち誠汰朗の前にぶら下げた
    「どっち?」

    2006-02-03 15:27:00
  • 261:

    柚子

    ベットに寝転んだままの彼は
    「こっちぃー」
    そう言ってペットボトルを二つ持ったままの私を抱き寄せた

    2006-02-03 15:29:00
  • 262:

    柚子

    午後10:31

    「じゃー電話してくんね」
    そう言って携帯を握り、誠汰朗は上半身は裸のままベットを立った

    2006-02-03 15:33:00
  • 263:

    柚子

    「いいの?休んで…」
    今度は私がベットに寝ころんだままだった
    仕事を休むと言う誠汰朗にそう聞いたのは、重荷に思われたくなかったから。
    私はね、いつもそう…

    2006-02-03 15:37:00
  • 264:

    柚子

    負担になりたくない。
    うっとうしいと思われたくない。

    そんな事ばかりを考えながら、誰かと過ごす

    2006-02-03 15:38:00
  • 265:

    柚子

    「俺ってば、権力者よ?」
    そう笑って電話を掛けだした
    「もしもしー?俺…うん、今日休むから。…いいやんかぁ。…まぢで!!お願い!ねっ?ねぇー?…はいー頼んますぅ」

    2006-02-03 15:40:00
  • 266:

    柚子

    「権力者の割には、休むのに一苦労やね」
    電話を切った誠汰朗に笑いながら話し掛けた
    「同時に、重要人物でも在る訳よ」

    2006-02-03 15:41:00
  • 267:

    柚子

    「けど休むんだ?」
    「権力者だからね」
    話が終わらない…。
    こんな他愛のない会話が幸せで仕方がなかった

    2006-02-03 15:43:00
  • 268:

    柚子

    すばるは私の為になんか、たったの一度も休んではくれなかったな。

    またすばる…どーして離れられないの?

    2006-02-03 15:43:00
  • 269:

    柚子

    何も問い詰めたりはしない誠汰朗の優しさが、余計に私を苦しめた。
    肩や腕に付けたアザで私を縛るすばる
    ―愛せない人がいて
    ―こんなにも想う人がいる

    2006-02-03 15:46:00
  • 270:

    柚子

    ただそこに居た時は「不幸だ」と思っていた。
    ズルズルとひきずられるままに過去を捨て、希望も捨て、未来も捨てたから

    拭っても拭っても零れてくる涙を、誠汰朗から必死に隠した

    2006-02-03 15:48:00
  • 271:

    柚子

    ―今日が明日もあります様に、すばるが隣に座っている今日が…。
    ただそれだけの為に、涙とお金を使い果たした3年間があった
    私の体に染み付いたそんな月日が、優しい誠汰朗を拒んでいる。
    その時はもう、そう分かってた

    2006-02-03 15:55:00
  • 272:

    名無しさん

    柚子チャン頑張って下さい?
    やっぱ文章うまいっす?

    2006-02-03 16:28:00
  • 273:

    名無しさん

    2006-02-03 17:13:00
  • 274:

    柚子

    >>273サン
    ぁりがとぅござぃます?
    ぃゃ?、駄文で申し訳なぃです?
    もぅちょぃなんで、続きも読んで?さぃね?

    2006-02-04 10:11:00
  • 275:

    柚子

    ━彼女の闇━

    メルマガと呼ばれるホストからのメールは、決して誰宛でもない、行き先の無い手紙。
    フワフワと電波の狭間を彷徨って、愛に飢えた女に届く。

    2006-02-04 10:14:00
  • 276:

    柚子

    優しい嘘と偽りの愛で作り上げられたこの世界は
    本物の優しい手を
    偽りではない愛を
    、時々見えなくさる

    2006-02-04 10:17:00
  • 277:

    柚子

    午前3:00
    「暇だねぇ」
    煙草が充満したその部屋、店の待機室は、女達が群れをなして慰め合い、けなし合う場所
    「で?セータローとはどーなん?あっ、ストレートフラッシュ!!」

    2006-02-04 10:17:00
  • 278:

    柚子

    あみチャンはカードを置きながらそう叫ぶ
    「どぅーでしょ、ってマタ負けやん!」
    私はツーペアのカードを置いて笑った。
    もう3時間もこうしている

    2006-02-04 10:19:00
  • 279:

    柚子

    「さぁーあがるかぁ?」
    話をごまかした私にあみチャンはすかさず突っ込む

    「で?セータローは(笑?」

    2006-02-04 10:20:00
  • 280:

    柚子

    あれから2ヵ月が過ぎ、季節はもう春先
    誠汰朗とは週に2、3回会っている。
    どちらかの部屋でダラダラと半日を過ごしセックスをする
    ―ヤリ友?趣味彼?

    2006-02-04 10:21:00
  • 281:

    柚子

    ハッキリしない関係‥
    ハッキリさすのが恐い関係‥
    「すばるに会うな」
    そう彼が言った事が一度だけあった。スグ嘘だと言って笑った

    2006-02-04 10:22:00
  • 282:

    柚子

    すばるとも…同じ時間にメールが来て、呼ばれれば店へ行く元通りの生活に戻っていた

    そんな都合のイイ自分が恥ずかしくて、何にもない。と嘘をついた

    2006-02-04 10:23:00
  • 283:

    柚子

    「あれー?ゆなぁ、あがりぃ?」
    給料を受け取っていたあみチャンが振り返り、明らさまに嫌な顔をした
    「あー暇やから…」
    あみちゃんの後ろにいたはずの私が、ヒョコリと顔を出して答える

    2006-02-04 10:24:00
  • 284:

    柚子

    「マジで?南も上がるし、一緒に遊びにいかん?」

    ―ほら来た。
    あみちゃんを見たら、そう言う目をしていた

    2006-02-04 10:25:00
  • 285:

    柚子

    彼女は同じ店の南
    ホスクラ通いの帝王で、もちろん彼女の言う遊びは…ホスクラ。
    「今日お金ないし…」
    おそるおそるそう答えた

    2006-02-04 10:26:00
  • 286:

    柚子

    「安いトコ見つけてンってば!」
    南はそう言って、私達が後ろ手に持っていた薄い給料袋に目を落とした
    隣からため息が聞こえた

    2006-02-04 10:27:00
  • 287:

    柚子

    午前4:10

    「何で断らないかなぁ」
    カツカツと夜道にブーツの音を響かせながら、あみチャンは小く言った
    「あみチャン断ってよ」

    2006-02-04 10:31:00
  • 288:

    柚子

    私も小さく答える

    南を先頭に、全員で6人。
    行き先は南のお薦めホスクラ

    2006-02-04 10:31:00
  • 289:

    柚子

    結局断りきれず、1時間の約束で付いて行く事になった。

    「ここ!!」
    そう言って指を差した先は、誠汰朗の店だった

    2006-02-04 10:32:00
  • 290:

    柚子

    「オッサン、帰るわ(笑」
    そう言い、後退りをする私を捕まえ
    「さぁー皆様行きますよー!」
    と元気よく先陣を切ったのは、あみチャンだった

    2006-02-04 10:33:00
  • 291:

    柚子

    ―裏切り者…
    あみチャンをそう罵ったものの、お構いなしに私は腕を捕まれ店に引きずり込まれた

    「いらっしゃいませー」

    2006-02-04 10:35:00
  • 292:

    柚子

    扉を開けた途端にそう響く声の中にきっと誠汰朗がいる

    新規6名様は2席に分けられ着席。私、あみチャン、南。最悪のテーブル

    2006-02-04 10:37:00
  • 293:

    名無しさん

    2006-02-04 10:40:00
  • 294:

    柚子

    「ゆなチャンはセータローさんやんな?」
    あみチャンの横でるぅ君が笑う。
    ―いつの間に…
    永久指名制度なんてクソくらえ。そう思ったのは初めてだった

    2006-02-04 10:41:00
  • 295:

    柚子

    「ココ来た事あったんだぁー?あっ、誠汰朗カッコイイよねー」
    南が満面の笑みで私の肩を叩く
    できればコイツを深い地底に埋めて欲しいと願った

    2006-02-04 10:41:00
  • 296:

    柚子

    「おーあみサン!久しぶりッ」
    そう言って誠汰朗が業務用笑顔を振りまきながらやってきた
    「どーもぉ」
    と誠汰朗は私にも笑いかけた

    2006-02-04 10:43:00
  • 297:

    柚子

    ―恐ろしく気まずい…こりゃぁ気まずいよ
    南が大きな声で彼の名を呼んでいた
    そんな南の隣で私は大きな、大きな後悔をしていた

    2006-02-04 10:53:00
  • 298:

    柚子

    「何で来たん?」
    ―歩きです―
    そんなギャグを飛ばせる余裕はなかった
    笑顔のままの誠汰朗が恐い

    2006-02-04 10:54:00
  • 299:

    名無しさん

    さんびゃく?

    2006-02-04 12:00:00
  • 300:

    柚子

    誠汰朗とそんなこんなな関係になってから店には出入りしていなくて、彼も「来るな」とも「来い」とも言わなかった

    ホストっぽい社交辞令を交え乾杯をしたら、各組世界に入る
    あみちゃんと南の笑い声がなんだか遠い

    2006-02-04 14:25:00
  • 301:

    柚子

    「今、客きてるから…」
    そう言った誠汰朗は、もしかして別人じゃないかと思う程無表情に席をたった。
    はす向かいの席に移った彼が、女の子に優しく「ただいま」と言ったのを見て少しヤキモチをやいた

    2006-02-04 14:27:00
  • 302:

    柚子

    「あれぇ?セータローは放置なーん?」
    たったの30分で酔っ払いに変身したあみチャンと南が私に絡む
    「ココは若い皆様で…」
    そう笑いトイレと言って席を立った

    2006-02-04 14:31:00
  • 303:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 304:

    柚子

    一人暮らしを始めた日から化粧も、金の数え方も、多分世渡りも上手くなった。
    ―誠汰朗と出会って、きっと恋だってちゃんと出来てる。
    バカみたいにそう自惚れる自分が、ホスクラの鏡にうつっていた

    2006-02-04 14:47:00
  • 305:

    柚子

    トイレから出ると、誠汰朗がオシボリを手に待ち構えていた。
    「お客さん待ってるよ?私いいから…戻れば?」
    私の視線は誠汰朗を通り抜け、フロアーに突き刺さった。
    そして、その言葉をキッカケに歯車は狂い始める…

    2006-02-04 14:49:00
  • 306:

    柚子

    「何だそれ」
    その顔は、怒りを隠したりはしていない。
    誠汰朗の言葉は短く、余計にするどく突き刺さる

    2006-02-05 11:12:00
  • 307:

    柚子

    「あ、私いたら仕事しにくいか」
    かわいくない女が、誠汰朗に尋ねる
    「怒らしたいの?」
    ―だってもう、怒ってるじゃん

    2006-02-05 11:13:00
  • 308:

    柚子

    なんだか分からなくなってきた。
    ―私はアンタの何?
    そう聞いてしまいたい。でも傷つくのが恐い。
    そんな堂堂巡り

    2006-02-05 11:14:00
  • 309:

    柚子

    「信じるじゃなかった」
    そう言って笑った私に
    「俺もだよ」
    と誠汰朗も共鳴した

    2006-02-05 11:15:00
  • 310:

    柚子

    私は、こうやって人を傷つける…
    自分が傷つきたくない一心で、あんなに優しかった誠汰朗までも傷つけたんだ。
    ―私は君の何?―
    ちゃんとそう聞けば、誠汰朗は答えてくれたはず

    2006-02-05 11:18:00
  • 311:

    柚子

    私が傷つかない様に考えてくれていたはず。

    「信じるじゃなかった」
    大失敗の私の台詞の後の誠汰朗は結構見物だった

    2006-02-05 11:19:00
  • 312:

    柚子

    彼は、私が座っていた席に戻りあみチャンと南に
    「ホンマごめん!!あの人酔ってるから帰すな?ゴメンなぁ」
    と謝り、私のカバンとコートを持って戻って来た。
    それから、まだトイレの前で立っていた私の腕を掴み、フロアーへと引きずりだした

    2006-02-05 11:20:00
  • 313:

    柚子

    「痛い!」
    扉の前で彼の腕を振り払って叫んだ。狭い部屋に私の声が響く
    店中の視線が痛かった。誠汰朗と笑っていた女の子と目が合った。
    ―きっと…私も彼女と同じ眼をしてる

    2006-02-05 11:23:00
  • 314:

    柚子

    「いいから帰れ」
    ―私は本当に酔っているんだろうか?

    もう笑ってはいない彼の目がひどく悲しくて、自分の正気を疑った

    2006-02-05 11:24:00
  • 315:

    柚子

    春はもう目の前だと言うのに
    扉の外の朝はまだ、二人が出会った冬のまま。

    太陽が昇りかけたこの街はまるでハリボテみたいに閑散としていて、再び夜が訪れるのをひっそりと待ちわびている様だった。

    2006-02-05 12:02:00
  • 316:

    柚子

    「もう会わんとこーや」
    誠汰朗は、眠っている街に気遣うような小さな声でそう言った
    ―ねぇ、声ってどーやって出すんだっけ?何て言えば正解なの?
    「じゃぁ…」

    2006-02-05 12:12:00
  • 317:

    柚子

    必死に絞りだしたそれが、私の最後の声。
    数少ない通行人の視線はチラリ、チラリと私達の背中を突き差して通り過ぎてゆく。
    ホスクラの路地裏。スーツの男と若い女。
    誤解のしようがないスチュエーションの主人公は私

    2006-02-05 12:24:00
  • 318:

    柚子

    言葉の続きも見つからず、彼の視線を振り切るように私はうつむいた
    「じゃぁ何?バイバイ?」
    誠汰朗の強い口調
    すばると話していた時の彼の目を、うつむいたまま思い浮かべた

    2006-02-05 12:31:00
  • 319:

    柚子

    そんな私は相変わらず何も言えなかった
    「アンタ最低やな」
    そう言って彼は背中を向けた
    ―何がって、これが一番悲しかった。

    2006-02-05 16:41:00
  • 320:

    柚子

    誠汰朗が私を、「アンタ」とか「なぁ」って呼ぶのは、本名ではない名前を使わない為の配慮だと思っていた。

    ―やっぱりそれは自惚れだったんだ
    そう気付いたら、悔しくて、悲しくて

    2006-02-05 16:43:00
  • 321:

    柚子

    「泣くぐらいなら、言いたい事言えやッッ!」
    誠汰朗の怒鳴り声が、私の涙を擦り抜ける

    泣けばすぐに抱きしめてくれる…ずるいけどそう思っていた私がいて

    2006-02-05 16:51:00
  • 322:

    柚子

    いつもの優しい腕が、今日は無い現実…
    それがもっと悲しくて、もっともっと泣いていたんだ。
    「アンタはどーしたいの?」
    背中のまんまの誠汰朗がそう言っていた

    2006-02-05 16:56:00
  • 323:

    柚子

    ━「そばにいたい」

    そう言えばよかった、そう言いたかったのに。
    …もう言葉にはならなかった

    2006-02-05 16:59:00
  • 324:

    はるな ◆ofir7ZeOpE

    続き楽しみ♪

    2006-02-05 23:31:00
  • 325:

    柚子

    >>はるなサン
    ぁりがとぅこざぃます(′艸`*)
    はるなサンに楽しみにして戴けて、私はぅれしぃです ( ´∀`)頑張りまっす♪

    2006-02-06 11:51:00
  • 326:

    柚子

    ━誠汰朗が閉めた扉の向うが暖かに見えた
    その向こう側でいつも泣いていたくせに。

    彼の背中にかけたい言葉は沢山合ったのに、何一つ伝えられないまま、また私は一人になった

    2006-02-06 11:55:00
  • 327:

    柚子

    優しい嘘と偽りの愛で作り上げられたこの世界は
    本物の優しい手を
    偽りではない愛を
    そして誠汰朗さえも見えなくさせた

    2006-02-06 11:56:00
  • 328:

    柚子

    ―ねぇ誠汰朗?
    きっと私は、神様の作った失敗作だね

    誠汰朗が投げ捨てた鞄とコートを拾い、情けない女はポツリポツリと歩きだした

    2006-02-06 11:57:00
  • 329:

    柚子

    ━愛してる形━
    ずっと隠して来た本音。
    それは、すばるを想って泣く彼女を抱くたび虚しくなった。
    いつになったら、アンタは俺に抱かれながらアイツを想うのをやめるの?

    2006-02-06 11:58:00
  • 330:

    柚子

    「すばると会うな」
    そう言った俺の前には、今にも泣き出しそうなアンタがいた。
    一緒に居ても、笑っていても、一瞬たりとも忘れてないんだろ?
    いつかアンタが諦められるまで…そんな広い心は俺にはないよ

    2006-02-06 12:00:00
  • 331:

    コウ

    やばい!なんかめちゃ共感できる。泣きそうになりました。つづき楽しみ頑張ってね。

    2006-02-06 12:05:00
  • 332:

    柚子

    午前4:10
    イラつく理由はもう一つあった。
    「最近電話もくれないじゃん。女いるんでしょ?」
    やたらうっとうしい標準語を使って、俺に絡んでくる優

    2006-02-06 12:06:00
  • 333:

    柚子

    「女?おる訳ないやんかぁ!!」
    そう嘘を吐く自分の顔が歪んでいるのが分かった。
    「嘘つき!携帯見たんだもんッッ」
    嘘つき?お前がな…

    2006-02-06 12:07:00
  • 334:

    柚子

    すぐに嘘だと分るのは、虚しい真実のおかげ
    ゆなとはメールをしない、電話も会う日だけ
    俺の携帯にはゆなの存在はない
    「見られてもやましいモンないもーん。優ちゃん?カマはよくないよ。」

    2006-02-06 12:08:00
  • 335:

    柚子

    そう言って席をたった。
    もう2、3回同じ様な会話が続けばキレそうだった。

    ―彼女はいない、それはあながち嘘じゃない

    2006-02-06 12:10:00
  • 336:

    柚子

    俺はゆなのエアバックで、危険な時だけ必要とされる。
    安全な時は?
    ハンドルの中に丁寧にしまわれて居るだけ。
    だけどエアバックがなきゃ走れない、それも分かってる

    2006-02-06 12:12:00
  • 337:

    柚子

    「セータローさん?」
    声をかけてきたのは、るぅだった
    「なんやねん」
    コイツはちゃっかりあの事件を無いモノにして、あみチャンを獲得している

    2006-02-06 12:12:00
  • 338:

    柚子

    「えー!俺に切れてんのぉ?」
    オーバーリアクションにハイテンション。どれもこれも今の俺にはうっとうしい物だった。
    「ゆなサン、4卓に来てますよ」
    その言葉は俺がギリギリで保ってきた均等を打ち壊す。

    2006-02-06 12:18:00
  • 339:

    柚子

    半分以上が灰に変わってしまった煙草を見つめながら、掴みかけたはずの彼女の心がまた遠退いていくのが分かった

    「あー!!ゆなちゃんが好きなんだぁ?」
    るぅは愉快そうに俺の肩に手をかけて、そう言って笑った。

    2006-02-06 13:33:00
  • 340:

    柚子

    「うざいね、お前」
    そう言って振り返った俺は、るぅの手を肩から外し笑い返した
    無理矢理に装った平然は、『誠汰朗』をホストに変えてくれる。
    やっと戻ってきたホストの自分を確認して、その笑顔のまま、ゆなの席に向かった

    2006-02-06 13:37:00
  • 341:

    柚子

    ―ホストになれば、お金も愛も手に入るだろ
    そんな風に考えていた18才の俺を呪った日もあったよ。だけど今日は感謝している。
    ゆなの席で偽物の笑顔振りまきながらそう思っていた。

    2006-02-06 13:45:00
  • 342:

    柚子

    こんなバカみたいに笑っている俺は、彼女の目にどう映っているのかな?
    「今、客きてるから…」
    情けない自分を見兼ねて、ゆなの席をたった
    もうこんな笑顔を、ゆなに見せたくなかった

    2006-02-06 13:57:00
  • 343:

    柚子

    >>コウさん
    ぁりがとーござぃます(′艸`*)
    コレに共感できるだなんて…コウさんもなかなか波瀾万丈な人生を送られてるんですねぇ(((( ;゚Д゚)))
    喜んでがんばります((*^∪^*))

    2006-02-06 14:05:00
  • 344:

    柚子

    「ただいまぁ」
    そう言って、俺は優の席に戻った。
    ―あの席でゆなと話す事は、ホストと客に逆戻りするって事。
    なのになんでだよ、何でゆなは来たんだ。俺はアイツのなんなんだ

    2006-02-06 14:09:00
  • 345:

    柚子

    「ちょっと!!」
    優の声で現実に戻る
    「あれ彼女のなの?」
    そう言ってむくれる優が、ゆなにはない素直さが、なんだか可愛いかった

    2006-02-06 14:10:00
  • 346:

    柚子

    「優チャン…俺のこと好き?」
    そう聞いたのはゆなへの当て付けだった。
    「好きぃー!なんでぇ?」
    俺の右腕にしがみつきニコニコと笑う優は、いとも簡単にそう答える

    2006-02-06 14:20:00
  • 347:

    柚子

    「そっか…優チャンはかわいいな」
    そう言って気付く
    ゆなは一度でも俺に好きだって言ったか?
    好きだとも言えないそんな彼女が、作り笑いをして席をたったのが見えた

    2006-02-06 14:25:00
  • 348:

    柚子

    彼女がちゃんと笑えないのは
    彼女が素直になれないのは
    今まで大切にされていなかったから…誰に?
    すばるサンに。

    2006-02-06 14:27:00
  • 349:

    柚子


    どこまでも…どこまでも…すばるサンで構成されている彼女を、打ち砕いてやりたくなった

    2006-02-06 14:29:00
  • 350:

    ゆみ ◆CxQixBLQZs

    読んでるよ!

    2006-02-06 14:36:00
  • 351:

    名無しさん

    面白れーなぁ?

    2006-02-06 16:15:00
  • 352:

    名無しさん

    続き楽しみ?

    2006-02-06 16:52:00
  • 353:

    名無しさん

    2006-02-06 23:04:00
  • 354:

    柚子

    >>ゆみサン>>352-353サン
    ぁりがとーーーござぃまッす(*′艸`*)
    皆様の心優しぃコメントを、有り難く頂戴させて戴きますね(;□;)
    ぼちぼちラストスパートに入りますので、どぅぞ皆様ご一緒に全力疾走してくださぃませ

    2006-02-07 10:34:00
  • 355:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 356:

    柚子

    「お客さん待ってるよ?戻れば?」
    トイレから出てきた彼女の第一声で、俺の決意はふっとんだんだ。
    「何だそれ」
    「あ、私いたら仕事しにくいか」

    2006-02-07 10:37:00
  • 357:

    柚子

    「怒らしたいの?」
    ―自分勝手な感情が止められない。
    彼女を傷つけても何も変えられないのにな。

    2006-02-07 10:39:00
  • 358:

    柚子

    「信じるじゃなかった」
    だけど、そう言って笑った彼女を許せなかったんだ。
    「俺もだよ」
    ―もぉ…限界…

    2006-02-07 10:40:00
  • 359:

    柚子

    「痛い!」
    やってる事はすばるサンと何ら変わり無かった。
    「いいから帰れ」
    できるだけ自分を押さえて言ったけど、すごく傲慢な言葉に思えた

    2006-02-07 10:41:00
  • 360:

    柚子

    ゆなが優の視線を気にしているのが分かって、店内の視線に初めて気付いた。

    ―怒られるな…
    そうは思ったけど後のことなんて、どうでもよかった

    2006-02-07 10:42:00
  • 361:

    柚子

    「もう会わんとこーや」
    そう言ったのは彼女の為
    「じゃぁ何?バイバイ?」
    そう言ったのも彼女の為

    2006-02-07 10:42:00
  • 362:

    柚子

    「アンタ最低やな」
    そう言ったのは誰の為?
    「泣くぐらいなら、言いたい事言えやッッ!」
    そう怒鳴ったのは?

    2006-02-07 10:43:00
  • 363:

    柚子

    「アンタはどーしたいの?」泣いている彼女に、そう呟いたのは?

    最低なのは俺だった。

    2006-02-07 10:44:00
  • 364:

    柚子

    ―もぅ、分かったじゃないか。ゆなは俺を想ってくれている―
    何かを押し殺す様に泣きじゃくる彼女を見てそう思うのに
    言葉が欲しくて、形が欲しくて追い詰めた

    2006-02-07 10:53:00
  • 365:

    柚子

    すばるのおもちゃ箱の中で恋をしたお姫様
    救い出すのはおもちゃの兵隊
    抱き締めたいのにそうできないのは、剣と盾に両手をふさがれていたから
    おもちゃ箱の隙間から、ニタニタ笑うすばるが見えた気がした

    2006-02-07 11:03:00
  • 366:

    柚子

    「アンタどーしたいんだよ」それは俺への言葉

    俺はどーしたいんだ?
    彼女に投げ付けた言葉が深く突き刺さる

    2006-02-07 11:04:00
  • 367:

    柚子

    愛してるを形にしたくて、夢への扉を閉めた俺


    その時…泣きじゃくるゆなが何か呟いた様に思えた

    2006-02-07 11:05:00
  • 368:

    柚子

    ━それぞれの闇━

    泣いている彼女を置きざりにして店内に戻ると、るぅも優も従業員も、ゆなの友達までもが奇異の目で俺を待っていた
    バックヤードから俺を覗く代表が手招きをする

    2006-02-07 11:18:00
  • 369:

    柚子

    ―あっ、怒られるのか…。

    やっとこさ正気に戻った俺は、静まり返る視線をたち切る様に、その手招きに頷いた。
    …早くホストに戻りたかった

    2006-02-07 11:39:00
  • 370:

    柚子

    「いいの?お前」
    やけに落ち着いている代表と向かい合い座ると、すぐにそう聞かれた。
    質問の意図を誤魔化すように
    「会計は俺が払いますから」

    2006-02-07 11:46:00
  • 371:

    柚子

    俺はそんな的外れな回答をした。
    「まぁ、当然そうするよ」
    とクソ真面目に答えた代表は、「じゃぁ」と言って席を立とうとする俺の腕を捕まえて言葉を繋げた

    2006-02-07 12:25:00
  • 372:

    柚子

    「そーじゃなくて、帰して良かったのかって聞いてるんだけど?」
    テーブルを挟んで片腕を捕まれたままの俺は、お互いの不恰好な態勢に観念してもう一度椅子に座りなおした。
    「切れてもよかった客…なんで…」
    ―客じゃない。だけど、そんな事は言えない

    2006-02-07 12:29:00
  • 373:

    柚子

    自分で吐いた嘘まみれの言葉の羅列に、吐き気がした。
    「ふーん…ならいいわ。席戻れ、一席残ってるだろ?」
    そう言って、やっと俺の腕を解放しパソコンに向き直った代表の背中
    何だか、全て見抜かれている気がした

    2006-02-07 12:31:00
  • 374:

    はるな ◆ofir7ZeOpE

    ドキドキ・・・★

    2006-02-07 13:03:00
  • 375:

    柚子

    >>はるなサン
    また?ぁりがとーござぃます (*^ー^)ノ
    ドキドキ…☆頂きました(*′艸`)☆

    2006-02-07 22:47:00
  • 376:

    柚子

    「やっぱ彼女なんじゃん!!」

    席に戻った俺をそう怒鳴りつけ、優はさっさと帰っていってしまった。
    ―でも…これでよかったんだ。

    2006-02-07 22:49:00
  • 377:

    柚子

    そう思いながら、彼女の背中を見送った。
    どれだけ待ってたって俺には、彼女の欲しがる物は何一つ与えてあげられない。
    愛も、言葉も、安っぽい指輪でさえも…
    彼女達の「好き」がいつか本物の意味を持つ為に、俺なんかから離れた方がいいんだよ

    2006-02-07 22:52:00
  • 378:

    柚子

    だけど…そんな気持ちの真相は、自分を正当化したいだけ

    ―優はきっとまたすぐに…すがれるホストを探すんだ。
    本当はそうだと知っていた

    2006-02-07 22:55:00
  • 379:

    柚子

    「セイタローさん…よかったんですか?」
    どいつもこいつもそうやって、同じ質問を投げ掛けてくる。
    今回の声の主はるぅだとすぐに気付いたが、振り返るのも面倒でその台詞を聞き流した
    「ゆなちゃんは…すば君と切ろうとしてましたよ」

    2006-02-07 22:59:00
  • 380:

    柚子

    「ゆなチャンからすば君奪ったんはアンタやろ!」
    るぅの言葉が、俺のそんなセンチメンタルをぶった切る。
    あまりに大きな声を出すので、フロアーに聞こえるんじゃないかと思ったが、BGMにかき消され聞こえなかった様だった
    それを確認して、るぅを睨み付けた

    2006-02-07 23:07:00
  • 381:

    柚子

    「奪えんかった…それでいいやん。アイツはすばるのトコに帰ってハッピーエンドやんけ、文句なしのな」
    まっすぐに俺を見据えるるぅが、なんとなく大物に見えた気がした。
    「文句ありますよ。聞こえませんでしたか?ゆなチャンすば君と切ろうとしてたって。俺言いましたよね」
    「だけど…」

    2006-02-07 23:11:00
  • 382:

    柚子

    ―だけど…ゆなはまだ、すばるに会いに行ってるじゃないか。
    そう言い返すよりも早く、るぅが口を開いた
    「あみが言ってたよ。殴られた日は会ってくれないって‥セータロウにも何にも言わないって。アンタを想う数だけあの子の心と体の傷は、増えてるんやないか!どこがハッピーエンドやねん!」
    ―もう、言い返す言葉は浮かばなかった

    2006-02-07 23:16:00
  • 383:

    柚子

    ゆなを追い詰めて、追い詰めて、追い詰めて…。
    彼女を大事にしていると思い込んで、体も心も見てこなかった。
    すばるを気にしていたのは彼女じゃなくて、俺の方だったんだ。
    そう気付いた時には何もかもが手遅れで、俺の腕の中には何も残っていなかった

    2006-02-07 23:20:00
  • 384:

    柚子

    振り返ったらそこにはもうるぅは居なくて…―
    春の影が見えない夢の外への扉が、音を立て閉まるのが見えた

    ―ゆなはまだ、泣いているのだろうか

    2006-02-07 23:23:00
  • 385:

    名無しさん

    2006-02-07 23:23:00
  • 386:

    名無しさん

    (つД`)。゜。 えぇわぁ?

    2006-02-08 04:12:00
  • 387:

    名無しさん

    これちゅき?書いて?

    2006-02-08 06:03:00
  • 388:

    岡ちゃン

    今日初めて読んだンゃけど・・・すげぇー人生Σ(゚□゚;)俺にゎ真似できねぇー(´・ω・`)ショボーン↓↓でも面白い(*г′∀`)г*頑張って?

    2006-02-08 06:10:00
  • 389:

    柚子

    >>388-389サン、>>岡ちゃンサン
    ぇえデスカ!ほんまデスカ!!書きますょ!ぇぇ、そりゃもぅ喜んでッ ( ´∀`)
    岡ちゃンサンはメンズでらっしゃぃますか?ぇっと…書ぃてる自分でさえも、こんな人生はまっぴらゴメンですΣΣ(゚Д゚;)良いコゎ真似しちゃ駄目ですょ(´Д`;)
    ぃゃ?御感想ぁりがとーござぃます(;□;)少し早すぎたラストスパートに息切れしてぉりました所存です!だけど、もぅちょぃがんばります((*^∪^*))

    2006-02-08 10:34:00
  • 390:

    柚子

    ━少年の声━

    CLUB Dの看板の前に、私はきっともう30分は立たずんでいる。
    まるで辛い現実から目をそらすかのように、肩を抱かれ幸せを装いながら店へと逃げ込んで行く人を眺めていた。

    2006-02-08 10:38:00
  • 391:

    柚子

    そんな女の子の数…23人。

    ―そっか…まだ23人は仲間がいるんだ。
    そんな事を考えている私の目の前を、24人目の女の子が笑顔で通り過ぎていった。

    2006-02-08 10:43:00
  • 392:

    柚子

    「化粧がはげてるのか…」
    手鏡を広げて覗き込むと、笑いたくもなる様な、なんともムチャクチャな顔があった。
    必死になってマスカラとファンデで化粧を作り直したが、変な顔には変わりはなくて、仕方がないと諦めた。
    深呼吸を一つしてから、手の汗で曇ってしまっていた携帯を開いた。

    2006-02-08 10:52:00
  • 393:

    柚子

    誠汰朗と寝た2ヵ月前のあの冬の日から、私は数えきれないくらい何度もすばると話し合ってきた。
    そしてその数だけ、彼に殴られたアザを背負って彼の店に行っていた。
    それは事実、だけど真実じゃない
    ━私は無意識に、二人共と繋がっていられる方法を探しているんじゃないの?

    2006-02-08 11:13:00
  • 394:

    はるな

    あげとこ♪

    2006-02-08 11:39:00
  • 395:

    柚子

    誠汰朗の腕の中で『風俗嬢のゆな』がそう笑っている。
    ━…捨てられたってしょーがないんだよ。
    そう、捨てられたって仕方がないよね。
    いつの間にか、奈央にはゆなに負けてしまっていたんだ

    2006-02-08 11:43:00
  • 396:

    柚子

    誠汰朗を傷つけなくちゃ、そんな事も分からない自分を責めた
    ―ごめんじゃなくて、ありがとう。そう言いたい…。
    誠汰朗の笑顔を思い浮かべて、通話ボタンに願いを託す。
    ―コールは5回

    2006-02-08 11:49:00
  • 397:

    柚子

    「なに?」

    騒がしい音に交ざり、すばるの声が聞こえた―…

    2006-02-08 11:51:00
  • 398:

    名無しさん

    柚子さん文章うまい!
    続き楽しみしてます。

    2006-02-08 14:27:00
  • 399:

    名無しさん

    2006-02-08 18:45:00
  • 400:

    柚子

    >>はるなサン
    毎度ありィィ (*^ー^)ノ
    >>400サン
    400ぉめでとぅ&ぁりがとぅゴザィマスヽ (゚Д゚)人(゚Д゚)┛恐ろしぃ程の誤字脱字が…!!ぁりますね(◎∧◎;)意味分かんなかったぜひ聞ぃてくださぃ(≧人≦)

    2006-02-08 19:19:00
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