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絆-Kizuna-

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  • 1:

    頑張って書くので宜しくお願いしますm(__)m

    2005-06-26 01:28:00
  • 500:

    「ゆかりが同伴で本指名が12本、レイが同伴で本指名が8本と場内が2本だな。売り上げはすごいぞー二人合わせたらえーっと今日の三分の二はお前達の売り上げだ・・・ってすげーなお前らは。久しぶりに飯でも行くか焼肉でも何でもいいよ」
    「いい」「行かない」
    私達の答えはすぐだった。どれだけうまく誉められても今日はそんな気分にはならなかった。帰る用意をしてお店を出るとレイとすぐにタクシーに乗ろうとした。
    その時妙な視線を感じ、周りに目をやると昨日のあのダークブルーのアリストらしき車が近くに止まっていた。

    2005-08-07 03:22:00
  • 501:

    えっ?あの車?じゃないよね?そう思いながらタクシーに乗り込むと後ろばかり気になって何度も振り返った。
    でもタクシーが走り出すとあのアリストも動き出してしまった。気のせいじゃない、でも何で私についてくるわけ?怖いよ
    「どーしたの?」
    「レイー、今日うち泊まってかない?」
    「えっ♪いいの?行く行く♪」

    2005-08-07 03:29:00
  • 502:

    ??

    わぁ?ぃ?更新されてるぅ??
    前ヵラ秘かに読んでましたぁ??頑張ってくださぃねぇ??

    2005-08-07 03:41:00
  • 503:

    名無しさん

     

    2005-08-07 11:53:00
  • 504:

    名無しさん

      

    2005-08-08 04:28:00
  • 505:

    レイは何も分かっていないからかキャッキャと喜んでいた。晃太とは喧嘩したままだし家へと向かうタクシーの中で一人不安な私は晃太に電話をしようか迷っていた。
    でも意地を張っているからか電話をかけることができなかった。
    「ここでいいです」
    私はマンションに着く手前でタクシーを止めた。
    「あれ?由里ここでいいのー?」

    2005-08-09 03:19:00
  • 506:

    レイが不思議そうに聞いてきた。私はタクシーをおりる前に小さな声で
    「なんか後ろの車あやしいから。レイ走れる?とりあえずダッシュでマンションまで回り道するから」
    と言った。レイは状況を理解したのか黙ってうなずいた。後ろを確認したらアリストは少し離れた後ろの方に停まっていた。
    私達はタクシーをおりてすぐに近くにある車の入れない路地裏の抜け道を使って裏に出ると急いでマンションまで走った。
    何度も振り返ったけどさすがについてきている様子はなく、すぐにマンションに入ると部屋に帰った。久しぶりに何だかドキドキした。

    2005-08-09 03:26:00
  • 507:

    「由里どうゆうこと?えっ!もしかしてストーカーとか?」
    レイも走ったせいか息切れして焦っていた。とりあえず水を飲んで落ち着いた私はレイにアリストの話や昨日からつけられてる感じがすることを話した。
    「えー?それってマズクない?モロ矢口さんがらみじゃん!由里まで張られてるってそれしか考えられなくない?」
    「うーん・・・分かんない。でも気のせいじゃないよね。気持ち悪いよホントに」
    「っていうか今日矢口さんとは仲直りできなかったの?帰り怒ってたよね?」

    2005-08-09 03:33:00
  • 508:

    「知らないっ勝手にキレてればいいよあんなやつ。今日はもうその話は禁止ね!」
    私は何も考えたくなかった。色々思い出したら頭痛くなりそうだから。
    「アタシもね、さっき健にいから着信あったからかけたんだけどさ。好きになったかもって言う前に聞いておこうと思って聞いたら健にいやっぱり女いたんだよね。だからアタシも一人で舞い上がってたなぁってバカらしくなってさ。へーそうなんだーって軽く流したんだけど。ホントは超へこんだ」
    レイ・・・。彼女いたんだ。じゃあ何でレイと?私には理解できないや。男って平気なのかな?そういうの

    2005-08-09 03:44:00
  • 509:

    私も少し悪い気がした。ムーンに連れて行かなければ健にいとこうなることもなかったのにって。
    「あーあー。アタシ遊ばれちゃったみたい。久しぶりにときめいたりしてドキドキしたのにーハハハッ」
    笑い声をあげるレイの目は今にも泣きそうになっていた。その時、レイの携帯が鳴りレイが画面をジッと見つめていた。
    「メール?」
    私が聞くとレイは黙ってうなずいた。そして張り詰めていた糸が切れたかのように泣きだした。私がレイの携帯を取り、画面を見てみるとそれは健にいからのメールだった。

    2005-08-09 03:51:00
  • 510:


    玲ちゃんはどう思ってるか分かんないけど今のハンパな状態は嫌なんだ?一回やっただけでって思ってるかもしれないけど俺はマジだったりしたんだよね。めちゃめちゃ惹かれてた。女と別れてキッパリするからその時は俺ととりあえずデートして下さい?

    えっ?ってコレって・・・泣いてるレイを見ながら私は良かったねって、そう思った。やっぱり強い想いがあればきっと相手に伝わるんだろうね。
    「こらー。何泣いてんのー。嬉し泣きなんて贅沢だよ!あっ!ちょっと飲み直しに軽く乾杯しよっか♪ビールならあるし」

    2005-08-09 04:03:00
  • 511:

    冷蔵庫から缶ビールを二本取り、私とレイは乾杯した。いいことがあると缶ビールでもめちゃくちゃおいしく感じる。こういうお酒なら毎日でも飲めるな。
    「これで良かったのかな?アタシ、彼女から健にい取ることになるんだよね。人傷つけるのっていい気はしないね」
    レイが複雑な顔をしてそう言った。
    「うん・・・でも仕方ないよこればっかりは。誰も傷つかない恋愛が一番いいんだろうけどさ。幸せつかむなら何かを犠牲にしなきゃなんない時もあると思う。だから傷つけた人の分も絶対幸せになんきゃ。でも恋愛って深いよねーホント」

    2005-08-09 04:13:00
  • 512:

    何かを犠牲に・・・か。私も人を傷つけた。晃太のそばにいたかったから。
    私は英二を傷つけたんだよね。人を傷つけてまで手にした恋愛はこんなものだったんだろうか。そうじゃないよね・・・必死になって守らなきゃいけないはずなのに。大切にしなきゃいけない気持ちなのに。
    何を見失ってしまったんだろう。つまらない嫉妬や強がりで目の前が曇って見えなくなってたのかな。

    2005-08-09 04:20:00
  • 513:

    嬉しそうにメールを返すレイを見ながら恋愛の儚さを感じた。
    女の子は恋愛すると分かりやすいなぁって。すぐドキドキしたりちょっとした小さい出来事でも飛び上がりたくなるくらい嬉しかったり。
    たった一言で一日中幸せな気持ちでいれたり。この人とずっと一緒にいたいって何より大事に思ったり。
    でも喧嘩するとムカついて大ッキライってソッポ向いたり言いたくないことまで言っちゃったり。ヤキモチ焼いて悔しくなったり。不安が募って苦しくなったり。泣いても泣いても涙が止まらなかったり。
    そういうのが当たり前になるんだよね。

    2005-08-09 04:34:00
  • 514:

    人は生まれてから死ぬまでの間たくさんの人に出会って色んな恋愛をするけど、最後の本当の運命の人に出会うまできっと気付かないんだろうな。
    何があっても壊れない気持ちが見つかるまで。私もたくさん恋はしてきた。おままごとみたいな中学生時代の付き合いから始まったっけ。
    それから何人か付き合ったりもしたけど・・・。ちゃんと本当に付き合ったなぁって思えるのは英二だけだ。三年間ずーっと思ってた。英二と結婚するんだって。
    でもそうじゃなかった。今の私には晃太がいる。だから先のことなんて分からないんだよね。

    2005-08-09 04:43:00
  • 515:

    一ヶ月後、一年後、三年後、五年後・・・どうなってるかなんて誰にも分からない。でも晃太を選んだのは他の誰でもなく私なんだ。今は自分の気持ち信じなきゃ。
    それから私とレイはくだらない笑い話をしながら朝まで語り続けた。眠気がきたのも忘れてて二人してそのままリビングで寝てしまっていた。
    (ピンポーン)
    お昼過ぎにチャイムの音で目が覚め、レイを起こさないようにインターホンのカメラ画像を見ると晃太が写っていた。
    「あ、ハイ・・・」

    2005-08-09 04:50:00
  • 516:

    「由里?ごめん寝てたよね」
    「あ、ううん大丈夫」
    「昨日さ、えっと、ごめん。謝りに行ったのにあんな帰り方して」
    「うん。全然大丈夫。っていうか由里もごめんね。ただのヤキモチだった。今オートロック開けるね」
    「あ!いいよもう球場行かなきゃなんないから。さっき電話したんだけど出なかったからさ、気付いたらここまで来てたんだ。だからもう行ってくるよ時間ないし。あ!ベランダ出て」

    2005-08-09 04:56:00
  • 517:

    ベランダ?そう思いながらインターホンの受話器をおいてベランダに出ると、下から晃太が手を振っていた。元気だなぁなんて思って手を振り返した。
    「いってきまーす」
    晃太は近所迷惑ってぐらい大っきな声で叫ぶと手を振りながら車に乗り走って行った。
    こういうことサラっとできちゃう晃太ってやっぱりいいなぁ。ただ謝りにだけ来て帰ってくなんて・・・。かっこつけじゃないんだよね。かっこ悪いことだって気にしないでできちゃうんだもん。

    2005-08-09 05:05:00
  • 518:

    「何してんのー?」
    寝ぼけた声でレイが私に言った。顔にはカーペットの跡がついていた。
    「ん?あ、今ねー晃太来てたの。仲直りしたよ♪やっぱり晃太超カッコイー。っていうかレイ顔ブツブツの跡ついてるよ(笑)」
    「ハハハっ朝からおノロケかー♪アタシも由里も昨日の落ち具合と雲泥の差だね」
    本当にそのとおりだ。

    2005-08-09 06:30:00
  • 519:

    「ねー今日さぁ、お店休んで野球見にいこーよ♪それからムーンいこっ♪」
    「えー?本当に?」
    そんなこんなでレイの一言から今日の予定は一気に決まった。私は晃太に見に行くとメールを入れると、この前みたいにチケットを出してくれると返事がきた。それから軽くご飯を作ってレイと食べていた私は昨日マネージャーに言われたことを思い出した。
    “お前とレイはうちの二枚看板なんだ”って。

    2005-08-09 06:37:00
  • 520:

    私達が休めば利益が落ちる。そう言われたも同然だった。でもホステスってゆう仕事の終着点がすぐそこにきているなぁと感じていた。
    バリバリ働いて売り上げをあげていることに楽しみや満足感を感じていた頃とは全く変わってしまった。晃太も「やめてほしい」とはハッキリ言わないけど、そう思っているのが痛いほどよく分かる。
    レイはどう思っているかは分からないけど、今の私達はお互いの存在があるから辞めずに続けてるんだろうなぁって。

    2005-08-09 06:44:00
  • 521:

    お風呂に入って用意して、レイに服を貸そうと選んでいた。不思議なくらい体形が同じ。ジーンズもほとんど私のサイズとピッタリだった。
    二人して似たようなTシャツとジーンズに着替えると私達は何故か笑っていた。似てるなぁって思ってたんだろうか。
    用意も終わりお出かけ準備完了。私達はマンションを出てつまらないことをネタにして笑い話しながら向かっていた。
    そしてこの前みたいに窓口に行きチケットをもらうと私達は中に入った。

    2005-08-09 06:51:00
  • 522:

    「あいつ超変わってない?生意気だよねーカバン見た?あれ新作だよ」
    「まだ金パクってたりしてハハハ。スリとか」
    「ありえるーあいつならやりそうだもん」
    「金ないからエンコーでもやってんじゃない?天涯孤独は大変だよねー」
    レイの名前は出てこなかったけど、私はさっきの三人組だとすぐに分かった。
    ガチャっとトイレを出た私に気付いた三人はすぐにシーンと黙り込んだ。他にも人は何人かいた。でも関係なかった。

    2005-08-09 07:17:00
  • 523:

    「クズかお前ら。頭腐ってんのかいい年こいて」
    私は静かに口を開いた。三人組は目を丸くしてこっちを見ていた。
    「な、何よアンタ」
    「ブサイクばっかりまぁーこんなに見事に揃ったもんだね。ハハッどんなDNAでそんなルックスが生まれんの?相当やばいよ。鏡見てみろよほら」
    私は両手で近くにいた二人の頭をつかんで鏡に近付けてやった。あとの一人は引いてるのか少し後ろに下がっている。

    2005-08-09 07:26:00
  • 524:

    「痛い!やめてよ」
    トイレ中に声が響いた。周りの人は見て見ぬフリ。東京はいつもこうだ。見ない聞かない関わらない、三拍子揃っている。
    「見てみなよ自分の顔、恥ずかしくならない?こんなんでよく外出れるよね。ブスはブスを、類は友を呼ぶってこういうこと言うんだよ。レイが可愛いから嫉んでたんでしょ?天涯孤独って?バッカじゃない?スリ?そんなのしなくても腐るほど金持ってんだよ!」
    私はそう言って髪をつかんでいた両手をバンッと話した。

    2005-08-09 07:34:00
  • 525:

    「家ごと消えたくなかったら黙ってさっさと帰れ!悠々と野球観戦してる暇あったら整形外科行けって、本当にやるよ?私頭おかしいからね。マジで調べて家燃やすよ」
    そう言ってトイレを出た。トイレの前にはいわゆるギャラリーって奴らがわんさかいた。私は売店に行ってビールとポップコーンを買うとすぐにレイの所へ戻った。
    「遅かったじゃーん」

    2005-08-09 07:44:00
  • 526:

    「ごめんごめん超混んでたの」
    私は普通に返した。レイにビールを渡し、席に座るとイライラもおさまってきた。ふと我に返った時、私は自分でもビックリすることしたなぁって少し感心した。
    友達のためにあんなに怒ったことって今までなかった。一番の親友、あゆみでさえもなかったなぁ・・・。ただ何だか分からないけど悔しかったんだよね。
    レイのこと何も知らないくせに知ったようなこと言ってて。馬鹿な腐れ女達が許せなかった。なんなら本当にどうにかして
    ―消してやろうか―なんて思ったり。

    2005-08-09 07:51:00
  • 527:

    六年歌舞伎町や六本木で働いてきた私には色んなツテがある。人脈も強い裏が絡んでる。今まで過去、四人消してもらったこともあった。でもパンピーに刃を向けることはしない。だけど一瞬考えちゃった。ダメだダメだ。
    クズと同等な目線でいるとこっちまでダメ人間になるや・・・。それからさっきまで三人組が座っていた席を何度か見てみたけどソコにはもう三人は戻ってこなかった。

    2005-08-09 07:58:00
  • 528:

    練習風景を見ながらレイと楽しく談話。
    「生はやっぱ迫力あるよねー♪あっ矢口さんだよーアレ」
    「ホントだぁ。何かさぁーやっぱこうして見てるとめちゃくちゃ遠い人に感じない?凄いんだなぁって」
    「あーそれはあるかもね。でも遠くないじゃん!っていうか“超近くにいるんだし”」
    レイが小声で囁いた。

    2005-08-09 08:04:00
  • 529:

    確かにそうなんだけど・・・。その時、私達に気付いた晃太がこっちを見て笑っていた。この前来た時は名前呼びながら手振ってきたせいで周りに嫌なこと言われたから、私は晃太に気付いても目立つことしないように言っておいた。
    「超笑ってるじゃん嬉しそうだねー矢口さん」
    「そんなことないってばー」
    とは言いながらも私も笑ってる晃太を見て嬉しくなった。

    2005-08-11 03:01:00
  • 530:

    ―プレイボール―
    試合が始まった。しっかし今日も強いなぁ。ビールがおいしいや♪晃太も大活躍。結局今日も大差で勝った。
    試合が終わり、球場を出ると晃太から電話があり一緒にムーン行くから前に待ってたオープンカフェで時間つぶしててって言われたからレイと二人で待っていた。
    [ププーッ]
    車のクラクションが鳴り、道路側を見ると晃太のベンツが停まっていた。

    2005-08-11 03:06:00
  • 531:

    名無しさん

    2005-08-11 03:08:00
  • 532:

    名無しさん

    2005-08-11 03:09:00
  • 533:

    名無しさん

    >>2ー570

    2005-08-11 03:10:00
  • 534:

    「あっ晃太だ♪行こ行こっ」
    私達は晃太の車に乗り、ムーンに向かった。
    「お疲れさまっ今日もすごかったねー♪」
    「おーあったりまえじゃん。っつーか由里ちゃんと見てたかー?」
    「見てたよー、ねっ?レイ。超応援してたんだからー。のど痛くなっちゃった」

    2005-08-11 03:15:00
  • 535:

    「ハハッうそつけ」
    「ほんとだよー」
    そんな会話をしながら車はムーンの前へついた。三人で車を降りると、お店に入りいつものカウンターへ座った。
    ちなみにこの時は健にいとレイのことを晃太はまだ知らずにいた。健にいはいつもと少し様子が違っていてレイと話しながら照れ笑いしたり落ち着きがなく見えた。

    2005-08-11 03:19:00
  • 536:

    「っていうか健いつの間に仲良くなってんだよー俺よりお前の方が由里と玲子ちゃんと仲良くないか?」
    「何言ってんだよでもまぁ晃太より最近は二人の方がよく顔見てるからなぁ」
    「あーそっか。俺が地方行ってた時も来てたもんね。由里が健にはまってたらどーしようと思ってたよ」
    はっ!?何で私が?馬鹿だなぁ晃太は・・・
    「ないってそれは。まぁあえて言うなら玲ちゃんに俺がハマっちゃったぐらいかな」

    2005-08-11 03:28:00
  • 537:

    「はぁ!?マジかよ」
    晃太は状況を読めていなかった。レイと会ったのは初めて?(お店では顔を見た程度)みたいなもんだし、紹介したのもさっきの車の中だった。
    「俺さ、昨日女ともちゃんと別れたんだ。身辺整理はついたしさ。晃太の彼女の友達だし何か強い縁みたいなもん感じたんだよね。真面目にって言い方は変だけど、真剣に考えてる今」
    「そっかそっか。ならいいけどさ。由里の友達なんだし泣かせるようなことすんなよ!玲子ちゃんも嫌だったら早いとこ逃げた方がいいよ」

    2005-08-11 03:41:00
  • 538:

    「あっいえ・・・全然そんなことないです」
    レイが少し焦り気味で答えた。
    「え?マジで!?こいつでいいの!?」
    「ほら晃太そんなこと言わないの!色々あるんだからさっ」
    「由里何か知ってんの?えっ?っていうか俺だけはぶれてるみたいじゃん。話乗り遅れてるよマジで」

    2005-08-11 03:47:00
  • 539:

    少しすねた顔で晃太がふくれた。私達三人はそんな晃太を見て笑った。いい感じな雰囲気でマッタリとした時間が流れていた。健にいとレイが話しこんでいたから私は晃太にあの話をした。
    「晃太ぁ、あのさ、同窓会・・行ってきていいよ」
    「えっ?何だよ急にー気にすんなってホントに。由里に心配させたくないしさ」
    「大丈夫だって!行ってきてよ。そういうのって大事じゃん。しょっちゅうあるわけじゃないんだしさ」

    2005-08-11 03:56:00
  • 540:

    《千恵》という人の存在は今も私の心のどこかに引っ掛かっていたけど、私は晃太を信じてるから。大丈夫だってそう思えた。
    「うーん分かった。じゃあ日曜なんだけど試合終わってそのまま行ってすぐ帰ってくるよ。ごめんな気使わせて」
    「いーよ!でも可愛い子いても浮気しないでね!」
    「するわけないだろ由里がいるのに」
    そう言うと晃太は私の頭をゆっくりトントンっとなでてきた。

    2005-08-11 04:02:00
  • 541:

    まぁ

    読んでます?

    2005-08-11 04:10:00
  • 542:

    大丈夫。私が晃太の彼女なんだから。自信持ってどんとかまえてればいい。信じてればいいんだ。私はそう自分に言い聞かせた。
    「由里!そろそろ行こっか。俺らそろそろ先帰るわ。玲ちゃんどうする?送ってこうか?」
    「あっいいです。もう少しいますんで」
    「あー今日俺早めに店閉めるから俺が送るよ。由里ちゃんまた遊ぼうね!」
    健にいがそう言ってくれたから私と晃太は先にムーンを出た。

    2005-08-11 04:10:00
  • 543:

    由里今日はありがと?楽しかった?矢口さんにもお礼言っててね?

    車に乗ってすぐにレイからメールが届いた。良かったなぁホントに。私も何だか嬉しかった。
    そのまま晃太のマンションに一緒に帰ると久しぶりにゆっくり二人でテレビを見ながらごろごろしていた。ピコピコとチャンネルを回しているとちょうどその時スポーツニュースが放映していて晃太が写っていた。
    私はテレビの晃太と横にいる晃太を見ていると不思議になる。晃太は自分の写っている映像を見たがらないけど、恥ずかしいからなのかなーなんて一人でもくもくと考えてしまう。

    2005-08-11 04:21:00
  • 544:

    かっこよく映るブラウン管の向こうの晃太。でも今私の隣にいる晃太はヒゲも少し生えかけでTシャツにパンツ姿、口は半開きでぼーっとしている普通の晃太。
    私はどっちも好きだけど今は隣にいる晃太の方が好きだなぁ。マヌケな顔しててもあぐらかいてても可愛いと思える。
    好きだと思うだけで何でもよく感じるんだよね。いいとこも悪いとこも全部含めて。

    2005-08-11 04:30:00
  • 545:

    と、その時昨日のアリストのことを思い出して晃太に話した。
    「うーん。間違いなく張られてるっつーかもう撮られてるよな。だって浦安ん時からずっとだしさ。でもまさか由里にまでとは・・・ごめんな俺が昨日店行ったからだよな」
    「晃太のせいじゃないって!でも大丈夫かな?撮られたってやばくない?」

    2005-08-11 04:36:00
  • 546:

    「まぁそうだけどな。仕方ないよ。もし撮られてて出されても悪い虫が寄ってこなくてちょうどいいじゃん」
    晃太はのんきにそんなことを言ってるけどもしそんなことになったら大変どころの話じゃないよ・・・。
    「由里ー、一緒にお風呂入ろっか」
    晃太が寝転びながら一言。お風呂かぁ・・・って!?私は一瞬戸惑ったけど結局晃太に押し切られ一緒に入ることになった。初めての二人でのお風呂だ。
    ドキドキしたけど洗いっこしたり結構楽しかった。

    2005-08-11 04:47:00
  • 547:

    晃太の部屋のお風呂はすっごく大きくて二人で入ってもゆったりしている。恥ずかしがっていた私もそれからはよく二人でお風呂に入るようになった。
    仕事にも行かない日が続き、もう夜は上がろうかなぁと考えるようになった。毎日晃太の家にいてご飯を作って帰りを待つ、そんな日々を送るようになり、住んでいた自分のマンションも引き払い完全なる同棲生活が始まった。
    マネージャーからの電話は毎日のように鳴り、お店ではレイがナンバーワンになったとマネージャーから聞いた。

    2005-08-11 04:56:00
  • 548:

    あんなにこだわっていた“1番”というポジションだったのに私にはもう必要ないものになっていた。ラストをするなら早いうちにしようかなぁなんてお気楽に考えてたり。
    夜を上がるなら黒木さんに言わなきゃなぁ。何て言うだろ・・・。長い長いホステス人生の終着駅がすぐそこまできていた。
    ある日、晃太が家を出る時についでに私もネイルサロンに行くから新宿まで送ってもらった。
    食事の約束をしたままだった夏美さんと会うのも楽しみだった。サロンに着くと、いつもより空いていて久しぶりに夏美さんとゆっくり話せた。

    2005-08-11 05:05:00
  • 549:

    「今日さ、由里ちゃんのケア終わったら上がりなんだけど時間ある?ご飯行かない?」
    夏美さんから食事のお誘いだった。私はもちろんオッケーした。気のせいか分からないけど夏美さんは前よりすごく綺麗になっていた。恋してるのかな?そんなことを考えてしまった。
    夏美さんの帰る用意も済み、サロンを出た私と夏美さんはそのまま新宿をブラブラしながら韓国料理のお店に入った。

    2005-08-11 05:16:00
  • 550:

    軽くお酒で乾杯してスンドゥブという豆腐チゲ鍋を食べながらしばし談話。元気そうで良かったなぁと私も安心した。
    「夏美さん何かいいことあったでしょ?超キレーになってるし肌とかツルツルだよ」
    私がそう言うと夏美さんはフフッと笑った。
    「うーん。あれから色々あってね。何ていうか・・・プロポーズされちゃったんだ私」
    ん?プロポーズ?って誰に!?

    2005-08-11 05:22:00
  • 551:

    「私もビックリしたんだけどね。もう30歳手前であんなことあったからどん底までへこんでたし」
    夏美さんは八年付き合っていた彼氏と秋に結婚が決まっていた。でもその彼氏が私ぐらいの年齢の女に乗り換えてしまったのだ。別れた直後は本当に信じられなかった。
    「えっ?っていうか誰にプロポーズされたの?」
    「うん。それがね・・・あいつ。八年野郎」
    八年野郎???って、ってことはモトサヤー!?私は一瞬事態がのみこめずに頭がごちゃごちゃになってしまった。

    2005-08-11 05:29:00
  • 552:

    「ってことは復活?っていうかプロポーズって結婚することになったんですか?」
    「分かんない。でもね、戻ってきた時やっぱり嬉しかったんだよね。あんなことされたのに馬鹿みたいでしょ」
    話を聞いていると一週間前、突然夏美さんのお店に来たみたいだ。「魔がさした」って。「やっぱりお前じゃなきゃダメだった」って。「結婚してくれ」って。八年の長い長い時間は二人にしか分からない何かを残していたんだろう。
    分からないと言っている夏美さんだけど、こんな幸せそうなキレーな顔してる。きっと答えは一つ。

    2005-08-11 05:41:00
  • 553:

    名無しさん

    >>2ー592

    2005-08-11 05:45:00
  • 554:

    名無しさん

    2005-08-11 05:46:00
  • 555:

    名無しさん

    2005-08-11 05:51:00
  • 556:

    名無しさん

    2005-08-11 06:12:00
  • 557:

    名無しさん

    2005-08-11 06:12:00
  • 558:

    名無しさん

    2005-08-11 06:12:00
  • 559:

    名無しさん

    2005-08-11 06:13:00
  • 560:

    「っていうか由里ちゃんは?最近どうなの?うまくいってる」
    夏美さんは私にとってお姉さんみたい。だから何でも話せるし相談に乗ってもらったり。
    「ハイ、なんとか頑張ってます。いっぱいいろんなことありすぎて大変だったんだけど・・・」
    それから英二のことやモデルの元カノのこと、仕事のことや千恵という人のこと、この一ヶ月たくさんあった出来事を一気に話した。最近のアリスト事件の話も。

    2005-08-11 06:21:00
  • 561:

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    あぼ~ん
  • 562:

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    あぼ~ん
  • 563:

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    あぼ~ん
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    あぼ~ん
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    あぼ~ん
  • 566:

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    あぼ~ん
  • 567:

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    あぼ~ん
  • 568:

    「スキャンダル度MAXだねホントに。色々あったんだ由里ちゃんも。でも何か強くなった感じがする」
    「そうですかー?」
    私はそう言ったけど自分でも少しそう思っていた。強くなったとゆうより多少のことでは動じなくなった、みたいな。
    数々の出来事のおかげ?なんだろうか。それにしても夏美さんと話してるとすっきりするなぁ。多分何でも受け止めてくれるからなんだろうな。

    2005-08-11 06:31:00
  • 569:

    名無しさん

    このスレにくんなや!荒らすな!糞野郎

    2005-08-11 06:32:00
  • 570:

    楽しい時間はあっという間に過ぎた。
    「またゆっくりご飯でも行こうよ。由里ちゃんって不思議なんだよね。年離れてるけど気使わないし」
    私も同じ感覚だった。夏美さんは対等な目線で見てくれるから。年上だからって威張ったりしないし変にお姉さんぶったりもしないし。
    「うん♪またゆっくり遊びましょーね」
    敬語混じりのタメ語?でそう答えた。夏美さんとはそのまま新宿で別れ、私は帰りに六本木に寄り黒木さんに電話をかけると喫茶店で話をすることになった。

    2005-08-11 06:40:00
  • 571:

    ?

    頑張って???

    2005-08-11 06:43:00
  • 572:

    今日言おう。水商売を上がるつもりだって。私は黒木さんを待っている間、一人でそう考えていた。
    しばらく待っていると相変わらずイカツイ黒木さんが現れ私の前にドカッと座った。
    「由里久しぶりだなぁ。元気してたか?最近出てきてなかったろ?」
    「うん最近休んでたけど、このとーりめちゃくちゃ元気だよ!」
    そんな会話から始まった。

    2005-08-11 06:45:00
  • 573:

    「で?どうした?何かあったんだろ?」
    「あ、うん・・・」
    私は何故か言葉が見つからなかった。
    「上がるのか?」
    黒木さんの口からそう言われ、私は静かにうなずいた。いつもこうだった。黒木さんには私が何を考えているか見透かされてる。

    2005-08-11 06:49:00
  • 574:

    「そうか・・・分かった。でも寂しい気になるなぁ。もう六年か、あれから」
    黒木さんは少し声が小さくなった気がした。私を六年前のあの時から夜の世界で育ててくれた人、何があっても守ってくれた人、支えてきてくれた人。
    私のホステス時代の全てを築いてくれた。“夜のドン”黒木さんが味方でいてくれたから頑張ってこれた。お父さんのように優しかった。叱られたこともあった。たくさんのことがあったけど黒木さんには『感謝』という言葉だけでは表せないくらいの恩がある。

    2005-08-11 06:58:00
  • 575:

    「ごめんね・・・」
    「何で由里が謝るんだよ、馬鹿か」
    辞めると言ったからなのか私の頭の中には走馬灯のように今までの六本木での出来事が駆け巡った。何も分からない新人ホステスから始まり、いっぱしのホステスになり、ナンバーワンを掴むとキープすることに必死だった。
    ただ負けたくないプライドだけで走り続けてきたんだなぁ。
    「まぁいつでも戻りたくなかったら戻ってこい。お前の場所はいつでも作ってやれるから。お前みたいに可愛がれるやつは今までもこれから先も現れないだろうしな。俺も20年この東京の夜を見てきたんだけどな」

    2005-08-11 07:09:00
  • 576:

    「由里にはな、何かを感じたんだよ。その“何か”は今だに分からないんだけどな。まぁお前は娘みたいなもんだ。ラストはいつやるんだ?」
    ラスト・・・かぁ。いつって全然そんなこと考えてなかった。夏真っ盛りの八月。やるなら早い方がいいだろう。
    「ら、来週の金曜日にしようかな?」
    「そうか、じゃあ花出しておくか。まぁ顔出すし頑張って花道飾れよ!何年も六本木でナンバーワンやってきたんだから」

    2005-08-11 07:15:00
  • 577:

    名無しさん

    まぢ感動する

    2005-08-11 07:24:00
  • 578:

    「うん、頑張る」
    土壇場でラストの日を決めた私は黒木さんと別れるとそのままお店に向かった。事務所でマネージャーに辞める話をすると店長、代表まで集まりややこしくなってしまった。
    「引き抜きだろ?支度金いくらだ?時給いくらって提示されたんだ?」
    ずっと質問攻めだった。
    「引き抜きじゃないよ。ただ、もう水商売を上がりたいの。めちゃくちゃいっぱい考えたよ。でももうやるべきことは、やりつくした気がして。だから来週の金曜日にラストイベントするから」

    2005-08-11 07:24:00
  • 579:

    「らっ来週!?」
    代表達は声を揃えて驚いた。来週の金曜日まであと10日。カウントダウンは始まった。
    「ラストの案内状とポスターは?っていうか間に合うか?」
    「急ぐしかないです」
    店長は慌ただしく動きだし、その日はラストのイベント内容や来客予定客数、同業店への案内状送付、最後のポスター撮影、夜中とにかくひたすら動き回った。

    2005-08-11 07:30:00
  • 580:

    (♪〜♪〜♪)
    晃太から電話が鳴り、慌てて出た。
    (由里どこいんの?)
    「あっごめん。六本木なんだ。ちょっと色々あったんだけどもうすぐ帰るから。話したいこともあるし」
    (えっ?なにそれ、嫌な話じゃないよな?)
    「うん。多分いい話だと思うよ」

    2005-08-11 07:35:00
  • 581:

    (だったらいいけど。じゃあ用事済んだら早く帰っておいでね)
    「うん分かったぁ」
    電話を切り、最後に代表に話をした。今までありがとうございましたって。ここ《クラブJ》は私の六年間のホステス歴のうち、約三年間を過ごしたお店だった。
    入店してからずっと、ナンバーワンを取ってきた。頑張って頑張って、自分の居場所を作り上げていた。
    代表は最後までずっと止めてきたけど、折れない私にしびれを切らし最後は納得してくれ、何故か代表と私は握手をした。「今までありがとう」そう言われた気がした最初で最後の握手だった。

    2005-08-11 07:54:00
  • 582:

    もうそろそろ帰ろうと事務所を出ると、そこにはレイが立っていた。
    「辞めちゃうの?」
    店長から聞いたのだろうかレイは少し寂しそうな顔をしてそう聞いてきた。私は黙ってウンウンとうなづいた。
    「ホントのホントに?絶対辞めちゃうの?寂しいじゃん由里いなくなったら」
    「ありがと。でももう中途半端なままでダラダラしたくなかったんだ。これからはレイが引っ張ってJ盛り上げてってね」

    2005-08-11 08:00:00
  • 583:

    レイは泣きそうな顔をした。それを見て私も泣きそうになった。
    「もう!そんな顔しないでよー。会えなくなるわけじゃないんだしさ。レイとは友達なんだしいつでも会えるじゃん」
    「うんそーだね。由里は友達だもんね!ラストいつなの?」
    それから来週の話や、内容を軽く話して私はお店をあとにした。
    マンションに着く頃にはもう夜中の3時を過ぎていた。そーっとドアを開けて部屋に入ると晃太が起きて座ってた。

    2005-08-11 08:07:00
  • 584:

    「えっ?何で起きてるの?もうこんな時間なのに」
    眠そうな顔をした晃太に私は聞いた。
    「何でじゃねーよ、遅いから心配するだろ携帯もつながんねーしさ。話も気になってたし。すげー眠かったけど寝れなかったんだからな」
    晃太は少しふくれていた。眠いの我慢して待っててくれたんだ。私はちょっと嬉しかった。

    2005-08-11 08:11:00
  • 585:

    「ごめんね。あのね、ネイルサロンの担当の夏美さんって人とご飯食べて、六本木行って黒木さんって人に上がる話しててさ、そのまま辞める話しにお店行ってたの。そしたらラストの打ち合わせになっちゃって。ごめんね遅くなって」
    「えっ?何て?どういうこと?」
    一気に話し過ぎたみたいで晃太はわけが分からなかったみたいだからゆっくり最初から説明した。
    「マジで?」
    「うんホントだよ」

    2005-08-11 08:16:00
  • 586:

    「マジで?そっかぁ」
    晃太は嬉しそうに笑った。さっきまでの眠そうなすねた顔とは全然違う。それもそのはずだろう。ずっと嫌がってたからなぁ。
    やめてくれとは決して言ってこなかったけど、明らかによく思っていなかったし。私も晃太が嫌がったり心配する仕事をしていていいのかってずっと引っ掛かってたから・・・。
    自問自答するたびにどうすればいいのか分からなくなってた。でもこんなに嬉しそうな晃太を見てると、これで良かったんだってそう思えた。

    2005-08-11 08:21:00
  • 587:

    「その夏美さんって人も良かったなぁ。やっぱり繋がってる運命の糸があるんだよ。切っても切れない糸が」
    運命の糸・・・かぁ。私と晃太の間にそれはあるのかな?あるよね?きっと。あればいいのになぁ。
    「俺も結婚したくなってきたよ。由里結婚しよっか」
    「はいはい。しよーしよー」
    「なんだよー超テキトーだなぁ。でも一年後、じゃ早いか?んーそうだなぁ二年後ぐらいにできるといいよな。っていうかしような」

    2005-08-11 08:29:00
  • 588:

    「そうだねー」
    私はそう答えながら色々考えていた。“これから先”の自分を。晃太が寝てしまった後も一人でぼんやり考えていた。
    昔から今、現在までのこと、そしてこれからのことを。レイの着信音に指定してる大黒摩季の『あぁ』。酔うとレイがいつも歌っていた。
    レイの口癖は、この歌聞いたり歌うと由里を思い出すんだーだった。私はこの歌を知らなかったけどレイがきっかけで好きになった。

    2005-08-11 08:37:00
  • 589:

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    あぼ~ん
  • 590:

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    あぼ~ん
  • 591:

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    あぼ~ん
  • 592:

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    あぼ~ん
  • 593:

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    あぼ~ん
  • 594:

    その大黒摩季の『あぁ』はこんな歌だった。    
    やっぱり夢を叶えたいこのまま終わりたくない   目の前の現実は厳しすぎるけどもう一度だけ賭けてみよう やらなきゃいけないことだらけやりたいこと募るだけ
    “このままでいいのかな”何もかもが不安に変わるよ
    あぁ君のように輝いてみたい冷たい風に吹かれても負けない君のように
    あぁ諦めないで前だけ向いて歩いてみよう寂しくてもたとええつらくても何かが見えるまで

    2005-08-11 08:44:00
  • 595:

    きっかけがないと自分では越えられないことがある 誰かに背中をぐっと押されなきゃ勇気が出ない時もある
    人はどちらにつくかで味方が変わってしまう あれは身を引いたのかそれとも逃げ出したのか
    あぁ君のように貫いてみたいどんなに遠回りしても迷わない君のように
    あぁ前だけ向いてこの今を乗り越えてみよう 正しくても間違いだったとしても何かが見えるまで

    2005-08-11 08:50:00
  • 596:

    始めはピンとこなかった歌詞も、今は覚えてしまってるぐらい好きになった。
    寝る前にそんなことをぼーっと思い出しながら私は眠りについた。
    そして目が覚めると妙な音で目が覚めた。隣を見ると晃太がいない。
    えっ?何かしてるのかな?

    2005-08-11 08:53:00
  • 597:

    寝室を出てリビングに行くとキッチンに立つ晃太がいた。
    「おはよ、何してるの?」
    「あっ来ちゃダメ!ちょっと座ってて」
    慌てる晃太。少し寝ぼけていた私はアクビをしながらソファーに座った。あれ?何やらコゲ臭いにおいが・・・。
    「晃太!めちゃくちゃ焦げてるにおいがするんだけど大丈夫?」

    2005-08-11 08:57:00
  • 598:

    「大丈夫大丈夫!あ、あーっもう!」
    一人でブツブツ言いながら晃太は必死で何かを作っていた。でもあまりにも悪戦苦闘してるから見兼ねて私はキッチンに入った。
    そこには丸焦げの鮭らしき魚と、焦げた目玉焼き。目玉焼きなんて焦がす方が難しいよね。
    あれまーよくこんなに焦がしちゃって・・・
    「朝ご飯作ってあげようと思って、さ」

    2005-08-11 09:05:00
  • 599:

    ボソッと小さな声で晃太が言った。何だかそれがめちゃくちゃ可愛くて私は晃太にギュッと抱き着いた。
    「ありがと」
    私がそう言うと晃太はかがんでオデコにキスしてきた。
    「あ、やばい。っていうか無理」
    急にそう言うと私をさっとお姫様だっこして寝室まで持ってかれた。そのまま・・・。

    2005-08-11 09:11:00
  • 600:

    晃太の全部が好きだなぁ。最近はホントにそれを実感させられることが多くなった。
    毎日ちゃんと寄り道しないでまっすぐ帰ってくるし、今日みたいに私を驚かせようと何かしてくれたり最近は幸せ過ぎて怖いぐらい。
    そんなある日、新たな事件が起きてしまった。

    2005-08-11 09:20:00
  • 601:

    その日、晃太が家に帰って来るのが遅かった。電話をかけると「すぐかけ直す」と言われ、しばらくたったら家にそのまま帰ってきた。
    「ビックリするじゃん。何かあったの?」
    晃太の顔色がよくなかった。何かあったなとピンときた。
    「あさって発売の週刊誌にさ、出るんだって」
    話を聞いていくと、その掲載される記事の内容がよくないように書かれてるとのことだった。

    2005-08-11 09:27:00
  • 602:

    「大丈夫なの?」
    「う、うん多分。ごめんな」
    私は週刊誌の発売日までの晃太の動揺ぶりの原因がまさかあんなことが原因だとはその時まだ分からずにいた。
    二日後、晃太が寝ている時に起こさないよう早朝からコンビニに行った。その週刊誌を探して見つけた時、私は一瞬目を疑った。

    2005-08-11 09:32:00
  • 603:

    コァラ

    しぉり?頑張ってくださぃ??

    2005-08-11 09:36:00
  • 604:

    『矢口晃太・ホステスと同棲』と大きく表紙に記載されていたからだ。
    私はすぐにレジに向かい、週刊誌を買うと帰り道に読みながら帰った。全部で2ページ4面だった。掲載されていた写真は全部で7枚。横浜での二人の車内写真、晃太の実家から出た時の写真、Jに入る晃太の写真、Jから出た私の写真、スーパーで買い物する二人の写真。
    そこまでは予想できた範囲だった。でも私は次のページをめくった時、頭が一瞬ごちゃごちゃになった。

    2005-08-11 09:41:00
  • 605:

    大人数でお店から出てきた写真と晃太と女の子が車に乗り込むのが写っている写真が掲載されていた。
    はぁ?なにこれ・・・
    『彼女に内緒の遊びなのだろうか。7月×日、矢口は大人数で食事した後、ある一人の女の子を車に乗せ送って行った・・・etc』
    っていうかこの日って同窓会の日じゃん!ってことは誰?この女。もしかして・・・《千恵》?

    2005-08-11 09:47:00
  • 606:

    私との記事も最悪だった。勝手に好き勝手に書かれていた。
    出会いは六本木の某店。矢口はナンバーワンホステスにはまり、通いに通って彼女を口説きおとした。貢いだ金額は○百万だとか。今でも彼女の店にはしょっちゅう出入りしている。同棲中の彼女とは順調そのものだが周囲は交際に反対しているそうだ。
    そうだって何なの?あてずっぽで書くなっつーの。っていうかこの写真は何なの?晃太が知らない女と写っているページを私は何回も見直した。

    2005-08-11 09:55:00
  • 607:

    「起きて晃太」
    マンションに帰り、寝ていた晃太を起こした。
    買ってきた週刊誌のページを開き、晃太に投げ付けた。
    「これって同窓会の日だったよね?何なの」
    「あっあのっつーかホントに誤解なんだって!帰り送って行っただけだしホントに何もないから!」

    2005-08-11 09:59:00
  • 608:

    「送っただけ?は?ふざけんな!頭おかしーんじゃないの?この人千恵って人でしょ?」
    私は怒りMAXだった。ただでさえ晃太の両親にも合わせる顔がなかった。仕事のことも知らなかっただろうし。
    ラストももうすぐで目前に控えてるってゆうのに散々なアリサマだ。

    2005-08-11 10:03:00
  • 609:

    名無しさん

    2005-08-11 10:08:00
  • 610:

    名無しさん

     

    2005-08-11 14:05:00
  • 611:

    「嘘つき!ちゃんと信じてたのに・・・」
    私は苛立ちを通りこし、悔しくて涙が出た。何も聞きたくない、そう思ってカバンと財布を手にとり部屋を飛び出したのはいいものの、朝早くにどこに行くこともできなかった。
    自分のマンションも晃手との同棲で引き払ってしまったし・・・。レイに電話をかけたけど繋がらなかった。そうだ!由輝、あいつなら家にいるだろ。
    渋谷で一人暮らししてる由輝のマンションに朝っぱらから連絡もしないで押しかけた。

    2005-08-12 01:08:00
  • 612:

    《ピンポンピンポン》
    インターホンのボタンを連打する迷惑な姉。由輝がドアを開けると私は何も言わずに家に上がり込んだ。
    「ちょっと何だよ朝っぱらからー。電話してから来いっつーの!女いたらどうすんだよ」
    「うるさいなーもう」
    私は散らかった由輝の部屋に座り込んだ。

    2005-08-12 01:13:00
  • 613:

    「どーしたんだよ急に。何かあったの?姉ちゃん」
    由輝がアクビをしながら私に聞いた。面倒だから黙ってしばらく無視していた。ぼーっとしているとやっとだいぶ落ち着いてきた。
    「喧嘩したの?」
    「うん。」
    「何で?」

    2005-08-12 01:16:00
  • 614:

    「知らないよそんなの」
    「何だよそれ。何かあったから喧嘩したんだろ?ったくもう!っつーか腹減ったぁ俺。なぁ姉ちゃん何か作ってよ」
    だるいなぁと思いながらも急に来て起こした私も悪いなぁと思い、冷蔵庫に残っていた夏野菜とイカで冷製パスタを作ってあげた。
    「へーあんなのしか残ってなかったのにこんなの作れたんだ?飯だけは何でも作れるしやっぱスゲーな」
    減らず口とはこいつのためにあるような言葉。でも憎めない弟なのだ。

    2005-08-12 01:26:00
  • 615:

    「ごちそうさま!うまかったよ。っつーかさ、マジで何があったんだよ」
    由輝はしつこく突っ込んでくる。私は説明するとまた腹がたちそうだったから、手っ取り早く見せた方がいいと思った。
    「ねーアンタさ、コンビニ行って**って週刊誌買ってきてよ。あとコーヒーと適当に何かいるもの買っていいから」
    そう言って財布を渡すと、由輝は珍しく素直に言うことを聞いてコンビニに行った。

    2005-08-12 01:31:00
  • 616:

    15分後、帰ってきた由輝の手にはあの週刊誌が握られていた。きっともう見たんだろう。
    「喧嘩の原因ってもしかしてこれ?」
    私は黙ってうなずいた。
    「マジかよ。っていうかこの送ってもらってる女って誰なの?」

    2005-08-12 01:34:00
  • 617:

    「晃太の大学の同期で、学生時代の彼女。三回生の時に一年位付き合って晃太が振られたんだって」
    「そ、そうなんだ」
    由輝は一瞬だけ黙り込んだけど、すぐに笑いだした。
    「っていうか何もないんでしょ?送ってるだけかもしれないじゃん。実家にまで挨拶しにきてくれて姉ちゃんと同棲してんだぜ?それにこの記事だって書いてること無茶苦茶じゃん」

    2005-08-12 01:40:00
  • 618:

    「分かんないよそんなの。でも車で送ってるのは確かじゃん。この同窓会の日は晃太ちゃんと早く帰ってきたけど、こんなことしてたなんて知らないし。だいたい送る必要なんてないでしょ?」
    「俺にキレるなって。まぁよく分かんねーけど色々あったってことだな。でもさこれ母ちゃん見たらビックリするよ」
    そのとおりだ。お母さんだけじゃない。晃太のお母さん達も、あゆみだってレイだって健にいだって。
    夏美さんも・・・英二だって。

    2005-08-12 01:48:00
  • 619:

    頭が痛くなってくる。
    自分のことも大変なんだけど・・・。《千恵》という人のことで頭がいっぱいだった。どうして晃太が送っていく必要があったのか。やっぱり未練があるんだろうか。五年も前に別れた二人なのに。

    2005-08-12 01:51:00
  • 620:

    音を切ったままの携帯には気付けば着信30件が全て晃太で埋まっていた。でも電話はかけなおさなかった。
    しばらくここにいようかな。Jのラストイベントまでは色々やらなきゃなんないことあるし。そうしよう。
    「ね、由里しばらくってゆーか金曜日までここにいるから。そうゆうことでよろしく」
    「はっ!?何だよそれ。勝手に決めんなってー」
    「毎日ご飯作ったげるから。んーあと焼肉一回連れてくから!」

    2005-08-12 01:57:00
  • 621:

    反抗していた弟は焼肉と聞いてすぐに喜んでOkをした。単純な馬鹿だ。渋谷のクラブでDJをやってる由輝は女の子には何故かモテまくっている。私には理解不能なんだけど。
    渋谷では一緒に歩いていてカップルに間違えられることも多々ある。渋谷は由輝の庭(本人いわく)らしく、ホントにすれ違う子達がみんな由輝の顔見知りか!ってくらい。
    っていうかDJなんていつまでできるかもわかんないのに。
    でも最近はクラブでもイベントに引っ張りだこらしく、自慢げにそんな話をしてきたりする。まぁ充実してるならいいんだけど。

    2005-08-12 02:08:00
  • 622:

    若いうちしかできないこともあるし、若いからできるってこともあるし。
    自分の好きなことをしているならそれでいいと思う。好きなことして、楽しめばいい。それが振り返った時に眩しいぐらいのキラキラした思い出になるんだから。
    やりたいことを途中で投げだしたり、諦めてしまった人は、後悔だけが残るでしょ。“やれば良かった”って。
    だからどうせならやりたいことやるべきなんだよ。やって後悔したとしても納得できるじゃん。やりたいことやったんだしって。

    2005-08-12 02:14:00
  • 623:

    結局私は、由輝の部屋でそのまま寝てしまっていた。目が覚めるともう外は暗く、夜の7時過ぎになっていた。由輝もDJの仕事で出掛けてしまっていて一人でぼーっとしながらテレビをつけた。
    携帯を見ると晃太やレイ、あゆみからの着信でいっぱいになっていた。レイとあゆみもあの週刊誌見たのかな?そして、メールが三件。
    フォルダを開いた私は一瞬ドキッとした。

    2005-08-12 02:20:00
  • 624:

    コァラ

    しぉり??

    2005-08-12 02:27:00
  • 625:

    それは英二からのメールだったからだ。

    久しぶり。元気か?俺は大阪で何とか頑張ってます。何かあったらいつでも電話してこいよ。俺はスーパーマンだからすぐ飛んでけるからさ。なーんてな。ちゃんと天使の涙が守ってくれてるよ。俺も頑張りまっせ←大阪弁

    見終わった私は少し笑っていた。最後の一言が英二らしいなぁって。でも何で?急に。英二も知ってるんだろうか?

    2005-08-12 02:29:00
  • 626:

    大阪かぁ。英二ちゃんと頑張ってるんだなぁ。大阪弁までメールで使ってくるなんて。楽しくやってるんだろう。
    天使の涙・・・。今も私の首元には天使の涙のネックレスが身につけられている。英二と最後に会った時からずっと。
    「幸せになれ」そう言って渡してくれたっけな。あれからもう一ヶ月半がたとうとしている。

    2005-08-12 02:36:00
  • 627:

    私なにやってんだろ。ホントに馬鹿みたいだ。よし!ラストまでのあと五日間、何もかも忘れて営業頑張ろう。私はラストイベントはとにかく死ぬ気でやろうと思った。
    金曜日のラストは爽快感で溢れるように。そう思った私は最後の営業電話を全てのお客さんにかけ、時間の予定や客数などを確認してお店に連絡を入れておいた。

    2005-08-12 02:43:00
  • 628:

    ラスト・・・か。やっぱり少し寂しい気もした。結局それから六本木に出ることになり、ついでに長年通っていたドレスのショップに行くことにした。
    「おー久しぶりだね。今日は?最近新作めちゃくちゃ入ったんだよ」
    私がお店に入るといつものお姉さんが話してきた。色とりどりの綺麗なドレスがたくさんある。いつも試着しまくって迷ってたなぁ。

    2005-08-12 02:49:00
  • 629:

    「今日は白。真っ白がいいんだけど」
    水商売を上がる時は、白い衣装だと六本木には妙なジンクスのようなものがある。白い衣装で上がると、綺麗に夜の世界から上がることができる―と。
    出戻ったりしないように。誰にも染められない白い色に身を包んで、水商売を上がり、それからの人生に自分で色をつけられるように―って。
    いつか黒木さんが言っていた。

    2005-08-12 02:55:00
  • 630:

    「白ってもしかして夜上がるとか?」
    お姉さんが冗談っぽく聞いてきた。
    「あ、ハイ。金曜日なんです」
    「えっ!?ホントに!?Jの看板だったのにーもったいない。そっかぁ。じゃあお花出しておくね。今までずっと来てくれてたし」
    「あっ、ありがとー。スイマセン何か気使ってもらっちゃって・・・。ドレス真っ白で何着か出して下さい」

    2005-08-12 03:00:00
  • 631:

    それから選んでもらった3着を試着して、1番似合うと言ってもらったお姫様のようなふんわり広がったドレスを買うことにした。
    「ありがとう。ラスト頑張ってね!」
    帰り際にそう言ってもらい、私はお店を出た。もうここに来ることもないだろうなぁ。ドレスは30着近くあるし、これから先、着なくなる=もう買うこともないだろう。

    2005-08-12 03:04:00
  • 632:

    しんみりした気持ちのままクラブJに向かい、案内状の送付確認やシャンパンの数を補充してもらう発注などをした後まだ営業中だから誰もいないロッカールームに入った。
    ここで働いてからもう三年かぁ。早かったな、あっという間だった。壁に書いてあるメガネって落書き。これって酔っ払ってマネージャーと喧嘩した時に書いたんだっけな。毎日化粧を直していたドレッサーや化粧台。
    少しへこんだロッカーたち。なんだかんだ言ってても楽しかったな。幸せだったんだよね。

    2005-08-12 03:12:00
  • 633:

    名無しさん

    2005-08-12 05:09:00
  • 634:

    時間だけが足早に過ぎていたのか私だけが先走ってきたのかは分からないけど、ホントにこの六年は長いようで早かった。
    過ぎてみて初めて分かった。時間の早さ、人生の早さが。ロッカーの中身を整理し、ドレスやパンプスやミュールを片付けた。
    《ゆかり》と張られたこのロッカーとも、もうすぐお別れ。来週にはきっと新しい名前がついているんだろう。何だかちょっと切なかった。

    2005-08-12 05:20:00
  • 635:

    ラストまでのカウントダウンが刻々と迫ってきている。もう後戻りはできない。私は唇をかみしめ、ロッカーをバタンと閉めた。
    ロッカールームを出て、帰ろうとした時、ちょうどマネージャーが入口に立っていた。
    「もう帰るの?」
    「うんそーだよ」
    「そっか。金曜・・・ラスト頑張れよ。っていうか一緒に頑張ろうな。今までの六本木でのお前の実績、俺に見せてくれよな」

    2005-08-12 05:26:00
  • 636:

    マネージャー・・・
    「あったりまえじゃん。頑張るよ!派手にやっちゃうからねーお疲れっ」
    私は何故かマネージャーの顔を見れなかった。寂しそうな顔をしてるのが分かったから。今から泣きそうになってたら本番がもたなくなりそうだ。
    私はタクシーに乗り、弟のマンションに向かった。途中でレイが「何で黙って来て黙って帰るのー!」って電話してきたけど、ラストが終わるまではレイとも距離がほしかった。
    なんか、やめれなくなりそうだから。周りと話すと考えが変わりそうで怖いんだよね。やっと決心ついたのに。

    2005-08-12 05:34:00
  • 637:

    由輝の家に帰るとドアが開いていた。あれ?帰ってたんだあいつ。部屋に入ると超黒ぉーっいギャル?があぐらをかいて座っていた。えっ?誰この子。私に気付いたその子もジロっと私を見た。
    「あんた誰?ユーキなら今いないよ」
    「え?あ、うん。っていうかあなたは誰なの?」
    「あたし?彼女」
    あ、彼女か。ってエエェ?この子が由輝の?っていうか超ギャルじゃん。

    2005-08-12 05:42:00
  • 638:

    「で、あんた誰?」
    小生意気に突っ掛かったような喋り方だ。
    「由輝のおねえ。相川由里ってゆうんだけど」
    「おねえ?ってことは、あっお姉さんですか?あの、えっとスイマセン。あたしまた浮気かと思って」
    さっきのぶっきらぼうな態度とは一転、全く逆に敬語で話し始めた。分かりやすい子だなぁホントに。由輝とそっくり。

    2005-08-12 05:47:00
  • 639:

    名無しさん

    続き気になる!まだかな?

    2005-08-13 01:23:00
  • 640:

    名無しさん

    まだ

    2005-08-14 01:27:00
  • 641:

    名無しさん

    はよせーや

    2005-08-14 15:45:00
  • 642:

    名無しさん

    あげとくぅ?早く書いて欲しいなぁ?

    2005-08-15 12:11:00
  • 643:

    かな

    楽しみにまってまぁぁす?(*ゝε0*)

    2005-08-17 05:33:00
  • 644:

    書いていきます?

    2005-08-17 21:56:00
  • 645:

    「そうなんだー。ごめんね。金曜日までいることになっちゃって」
    私がそう言うとさっきまであぐらをかいていた由輝の彼女はそそくさと正座して慌てていた。
    「付き合ってどのくらいなの?」
    「今で三週間です」
    三週間かぁ・・・まぁ由輝のことだし何人かいるうちの一人なんだろう。

    2005-08-17 22:04:00
  • 646:

    「私あすかって言うんですー。お姉さんに聞きたいんですけど由輝ってDJやってるじゃないですかー。だから女に超モテるんですよー。私って彼女なのかなー?って不安でー」
    語尾がのびまくりの話し方で私に聞いてきた。内心、知らないよそんなのって感じでできれば早く帰ってほしかったけど、女の子はそういうことが最大な悩みなんだろうなぁって思うと、ほっておけなかった。
    「うーん?分かんないけどあすかちゃんは由輝がDJやってるからカッコイイって思ってない?女の子にモテてるからとか。由輝がただのボンクラだったりしても好き?」

    2005-08-17 22:12:00
  • 647:

    「ボンクラかぁー。でもたしかに私DJしてる時の由輝好きなんですよねー。初めっから遊ばれてるかもって分かってたんですけど家とかも簡単に入れてくれるし鍵もくれたから彼女なのかな?って。でも何回かここに女がいたりとかして私だけじゃないんだなぁって分かったんですよー。でもモテるからしかたないなぁって。許しちゃうんですよねー」
    バカだなぁこの子も。
    「それっておかしいって思わない?許すも許さないも由輝が謝ったりした?してないでしょ?姉の私がこんなこと言うのは変だけどやめた方がいいよ。それでも好きなら他の子と同じ

    2005-08-17 22:21:00
  • 648:

    じゃダメだよ。たくさんいる周りの女の子と同じじゃいつまでたってもそこからは抜け出せないしさ。由輝も若いしバカだしね。何か心を揺らすもんがなかったら変われないと思うよ」
    私は長々と話した。
    真剣な顔で聞くあすかちゃんの目は気のせいかもしれないけど少しうるんでいるように見えた。
    「そうですよね・・・あの、ありがとうございました。今日は私帰ります。おじゃましました」
    そう言うとあすかちゃんは部屋から出て行った。あーあ変なこと言っちゃったかなぁ・・・

    2005-08-17 22:27:00
  • 649:

    それからすぐに由輝が帰ってきた。
    「あすかって子来てたよー。っていうかアンタ女泣かせすぎなんじゃないの?女の子は大事にしてあげないと」
    私がそう言うとだるそうな顔をして寝転んだ。
    「あすかが何か言ってたの?あいつダルイんだよ。鍵も返してくんないしさ。姉ちゃん返してもらってくれたら良かったのに。女はダリーよマジ」

    2005-08-17 22:33:00
  • 650:

    名無しさん

    かこー

    2005-08-19 04:09:00
  • 651:

    我が弟ながら呆れたもんだ。
    「どーでもいいけどむやみやたらと鍵とか渡すのはやめなよー。危ないから」
    (♪〜♪〜♪)
    そんな話をしているときに私のケータイが鳴った。
    画面を見ると晃太からだった。でも出ることはなかった。今日も着信履歴が埋まるぐらい電話がかかってきてたけど一回も出なかった。たしか明日から地方遠征だっけ。喧嘩したままだし後味悪いなぁ。帰って来るのは金曜日か。ちょうどラストの日だなぁ・・・

    2005-08-20 23:01:00
  • 652:

    それまでは何も考えずにいよう。なるようになるしなるようにしかならないし。今は晃太のこと考えたくない。
    考えるとどんどんどんどん頭ん中いっぱいになっちゃうから。

    2005-08-20 23:05:00
  • 653:

    それから今日一日色々動き回って疲れていた私は座ったまま寝てしまっていた。起きたら珍しく肌掛け布団がかけられていた。
    こいつがかけてくれたんだぁ。寝ている由輝を見ながら少し笑顔になれた。
    朝ご飯でも作ってやるか。って・・・えっ!?もう昼前じゃん。そんなことをブツブツ言いながら携帯を開くとメールが五件。

    2005-08-21 07:42:00
  • 654:

    四件はお客さんからのメールだった。あと一件は晃太。

    今どこにいんの?出かける時も行ってきますって言われないし帰ってもおかえりって言われないから変な感じでさ。由里がいないとダメなんだよ。
    ちゃんと話しよう。100%俺が悪いし。とにかく返事ほしい。このままドロンとか絶対嫌だからさ。ごめんなホントに。
    じゃあ遠征行ってきます。

    フーッ。行ってきます・・・か。晃太の背中が脳裏によぎる。

    2005-08-21 07:53:00
  • 655:

    意地を張っていた私も少し落ち着きを取り戻した。うん、っていうか怒ってても何も変わらないし。
    結局考えずにいようと思ってても頭のどこかでは考えちゃってた。晃太のことでいっぱいになってた。
    悔しいけど、やっぱり好きだからなんだろうなぁ。

    2005-08-21 07:56:00
  • 656:

    ?
    ごめんね。連絡ずっと無視しちゃってて。今ね、渋谷の由輝のマンションなの。もう怒ってないわけじゃないよ。めちゃくちゃ怒ってるわけでもないけど。
    とりあえずまた連絡するよ。由輝のとこだし心配しないで。

    私は晃太にメールを送っておいた。

    2005-08-21 08:01:00
  • 657:

    それからすぐに返事が返ってきた。
    ?
    良かった?ゆうき君のとこだったんだ。メール返してくれてありがと。ごめんねホントに。

    私は少しホッとしたのかもしれない。やっぱり喧嘩って嫌なもんなんだよね。仲直りって簡単なもんじゃない時もあるけどさ。

    2005-08-21 08:12:00
  • 658:

    悠?

    更新されてる?由里ちゃん頑張ってね???

    2005-08-21 11:44:00
  • 659:

    少しスッキリ。軽くご飯を作っていると由輝がムクッと起きあがった。
    「姉ちゃん何作ってんのー?腹へった」
    すごい神経。匂いで目覚ますなんて。よっぽどオナカすいてるか嗅覚がいいかだよ・・・
    テーブルに並べたとたんすぐに食べちゃってるし。動物みたい。それからしばらくごろごろした後、今日はDJの仕事がないってことで、久しぶりに由輝と渋谷のマルイとかマルキューに買い物に行くことにした。昼間〜日が暮れるまで休憩ナシ。由輝にしっかり荷物持ちさせてた。
    夜は約束してた焼肉屋に行ってガッツリ。

    2005-08-23 00:30:00
  • 660:

    食べ終わって、帰り道にはまたハプニング発生。由輝の遊び相手の女の子とスクランブル交差点で鉢合わせてまた彼女かって疑われた。
    姉だとも分かってないその子は荷物持ちさせてる由輝をバシッと平手打ち・・・私はびっくりして(とゆうよりやっぱり弟だからなのかな?)その子突き飛ばしちゃったり。
    でも意外に由輝本人は平気そうで普通に私を引っ張って歩き始めた。慣れてるからなのか妙に修羅場慣れしてるように見えた。

    2005-08-23 00:37:00
  • 661:

    マンションに帰ってから、私は久しぶりに由輝とゆっくりいろんな話をした。
    昔の話や将来の話、それから女の子についても。由輝がこうなったのはそもそも何があったからだったのって。
    姉の私に妹が二人。お父さんがいなくなってからは女だらけの家で男一人だったからそうなったの?って。でも由輝はそうじゃなくて・・・。
    東京、日本で一番有名なDJになるのが夢なんだってそう強く言い切った。クラブとかそういう場所だけじゃなくて業界、音楽界を揺るがせるようなDJになりたいって。
    だから女は二の次なんだって。

    2005-08-23 00:56:00
  • 662:

    じゃあ遊ぶなよって言いたいところだったけど、若いししかたないよね。やりたいことやれてる、目標持ってる由輝が少し羨ましくもなったし。
    夢がなくなったのはいつからなんだろうって考えちゃったよ。追うものがあるってかっこいい。それが大きい夢じゃなくてもね。
    「姉ちゃんは仕事辞めてどうすんの?」
    って由輝に聞かれた時、漠然としたから。これからのこと何も考えてない。今は目の前のラストイベントだけで精一杯。

    2005-08-23 01:04:00
  • 663:

    それから一日、二日・・・と経ちついに金曜日を迎えた。お昼過ぎに目を覚まして頭は戦闘モード。今日はラストだし同伴もいれなかった。四時には六年通い続けた六本木に出た。
    通い慣れた美容院でセットをしてもらっていると、もう今日で終わりなんだなって少し寂しくなった。ずっと担当してくれてたスタイリストさんと店長さんからもお店を出る時に花束を貰って早くも泣きそうになったりして。
    お店までいつも足早に歩いてた道のりを今日はゆっくり歩いた。私はここで育ててもらったんだな、なんて考えたりして。

    2005-08-23 01:12:00
  • 664:

    お店に着くとスタッフやマネージャー達が慌ただしくしていた。お花も次々に運ばれてくる。シャンパンも見たことないぐらいの数が用意されてた。
    「おはよー」
    私がそう言うと、まだ女の子達がいない店内で、男子スタッフ達が周りに集まってきてみんなからそれぞれプレゼントを渡された。
    「帰ってから開けて」
    って。まだ若い二十歳のボーイは泣きそうになってた。いい黒服達に囲まれて仕事してきたなぁ。しみじみそう思った。

    2005-08-23 01:19:00
  • 665:

    いつものロッカールームで着替え、いつものメイク台に座り、ぼーっと鏡を眺めた。やっぱり辞めたくないの?って自分に問い掛けるように。
    もうすぐ始まるラストを受け入れたくない、そんなことまで考えてしまったり。自分で決めたことなのに。情けないねホントに。
    来客予定も埋まってるってゆうのに。そんなことを一人で考えているとロッカールームのドアが開いた。
    「おっはよー♪アタシ一番乗りだよね?っていうか元気ないじゃん?」
    「うん・・・ちょっとね。ついに終わりだなぁって思うと寂しくなっちゃってさ」

    2005-08-23 01:26:00
  • 666:

    今日はやけに女の子が多すぎるなぁと思っていたら在籍してる女の子は全員出勤だった。頼んだわけじゃなかったけど、みんな来てくれたみたいで少し嬉しかったりした。
    「今日はヘルプ死ぬ気で頑張ります!」
    みんなそう言ってくれた。私のお客さんを引き継いでもらいたいホステスを何人か決めていたけど、もうこの際だし誰が引き継いでくれてもいいやって思えた。
    あまりお店では特別みんなと仲が良かったわけじゃなかった。壁があるとかNo.1でツンツンしてるとかそういうこと聞いたりもしてたり。でももうそんなことはいい。頑張ろう。

    2005-08-23 01:53:00
  • 667:

    そして8時−オープン−に。開店と同時に三組が入ってきた。今日はテーブルチェンジも好きに動いていいと代表やマネージャーが言ってくれたから私は順番に挨拶して回った。
    開店早々シャンパンが次々におりる。それからも来客はどんどん増え、絶対来れないと言っていたお客さんまでもが薔薇を片手に顔を出しに来てくれた。
    あっという間にほぼ満席に。お花もどんどん増えていき、お酒もどんどんおりる。

    2005-08-23 01:58:00
  • 668:

    慌ただしく席を周っていても、お客さんの顔をしっかり心に焼き付けた。最後までバカなこと言って笑ってるけど、感謝の言葉が尽きない。私はこの人達のおかげでここまでやってこれたんだ・・・。
    「お前が夜上がるなんて思ってもみなかったよ。五年もずっと飲みに来てたしなぁ。六本木に来ても寂しくなるよ」
    「もういつもの爆笑トークできないんだね」
    「生意気だけどゆかりと飲んでる時が一番楽しかった」

    2005-08-23 02:05:00
  • 669:

    たくさんの言葉を聞くたびに、私の目は何度も潤んだ。何度も涙が出そうになった。最後まで泣かない、今日は最後のお客さんを送り出すまで絶対に泣かないって決めてるのに。
    慌ただしい店内とは真逆に私の表情は曇ってしまっていた。泣きそうになるたび席を移動してテンションを上げた。
    送りだしが終わればまた次々にお客さんが入ってくる。11時を過ぎた頃にはお店の待ちルームにお客さんが並んでしまっていた。
    それから代表に呼ばれ、お客さんかなり来てるから2時間セットでチェックにしようと言われた。私は嫌だったけど待ってくれている

    2005-08-23 02:12:00
  • 670:

    お客さんのためにも渋々オッケーした。それからテーブル周り、送りだし、出迎え、テーブル周り・・・シャンパンが何本おりたかも分からないくらいになっていた。
    でも人って不思議だね。なぜだかいつもみたいに酔わないの。本当ならシャンパンまみれだとベロンベロンになってるのに。本能がそうさせてるのかな?

    2005-08-23 02:15:00
  • 671:

    それからもずっとテーブルを回り続けた。1時を過ぎると同業者が一斉に来てくれた。たくさんのキャバの代表さん、ホストの代表さん達、黒木さんも。
    でも少しびっくりしたことがあった。黒木さんが一緒に来たのは英二だったから。何で?大阪なはずじゃなかったの?私は少し頭がいっぱいになっていた。
    「黒木さんお花ありがと。っていうか何で一緒なの?」
    やっと席に着けた時、私はまずそう話した。
    「いや、昨日な俺が電話で由里のラストの話したら今日急に来たんだよ」

    2005-08-23 02:23:00
  • 672:

    「え?し、仕事は?」
    「あー明日から土日休みだからさ。今日最終の新幹線間に合ったから来たんだ。ラストって聞いてビビったよ。っつーか変わんないなぁ由里。まぁ短期間で変わるわけないか」
    そう言って笑った英二も変わらないままだった。でもちょっと落ち着いた感じがした。髪も短くなってるしホスト時代のチャラチャラさがなくなった。
    ぱりっとしてる。まぁあのまんま社会人になれるわけがないか。でも元気そうで良かった。黒木さんも久しぶりにニコニコ顔だしやっぱり英二が可愛いんだろうな・・・

    2005-08-23 02:28:00
  • 673:

    「俺達はいいから早く席回ってこい、ラストなんだし」
    黒木さんにそう言われて私はまたお客さんの席に戻った。それから六本木で長い付き合いになるホストのオーナーさんは六年間お疲れ様って六本のドンペリを抜いてくれ、六繋がりかなんて少し笑ってしまった。
    飲みほしてまた別席に行った時、嫌なものが目についた。そのお客さんは口説きがひどかった人だった。手に持っていたのはあの週刊誌。
    「これってゆかりちゃんだろ?矢口と付き合ってんの?」

    2005-08-23 02:35:00
  • 674:

    一瞬私は戸惑ったけど笑いながら否定した。あるわけないじゃんって。他にも気付いているお客さんはいただろうけど、直接聞いてきた人はいなかったから・・・
    「矢口と付き合ってるから辞めるんだろ?」
    「だから違うってば人違いだよ」
    そんなことを繰り返し話し、しつこかったからシャンパンを二本開けてもらいそのうちの一本を一気させた。お願いだから黙ってて!って思いながら。

    2005-08-23 02:39:00
  • 675:

    そのお客さんは酔い潰れて結局帰った。ありがとうございましたって最後はちゃんと握手して。お客さんはお客さんだから。
    やっぱり来てくれて嬉しかったし。送り出しも終わり、気付けばもうすぐ2時になる。それでもほぼ満席。お店のラストは3時なのに。
    あと1時間かあ・・・そう思ってフロアに戻ろうとした時、いらっしゃいませーという声に振り返った私はさらに驚かされた。
    晃太と健にいが二人で入ってきたからだ。
    「よっ!」

    2005-08-23 02:45:00
  • 676:

    「えっ!?よっ!じゃないよ何でいるの?」
    「今日帰って来て試合終わってから健のとこ行ってさ。由里のラスト祝いに来るつもりだったけど一人だと週刊誌のこともあったからついて来てもらったの。玲子ちゃんの仕事姿も見たいって言うし」
    そう・・・なんだ。あ、でも今そういえば英二も黒木さんもいるのに。気まずいや本当。とりあえずボーイさんに案内させて、奥の席に座ってもらった。
    ざわつく店内。レイからも六本木で晃太とのことは噂になっていたと聞いていた。私はレイに任せてあえてしばらく晃太達の席には行かなかった。

    2005-08-23 02:54:00
  • 677:

    そう言って英二は順番に早く持って来いとボーイをせかした。
    晃太もその光景を見ていた。黒木さんは黙って私を見ている。張り詰めた空気が痛かった。
    「お前さぁ、あいつとうまくいってんの?何か言える立場じゃないけど幸せなのかよ」
    英二にそう言われた時、ボーイがテーブルチェンジで呼びに来た。私は黙って席を立つとマネージャーに晃太の席が呼んでるからすぐ着くように言われた。
    「由里どういうことなんだよ何で来てるんだよ訳わかんねー。俺に怒っておいて自分も同じことしてたの?」

    2005-08-23 08:08:00
  • 678:

    席に着くなりいきなりそう言われた。レイと健にいが止めに入ってきたけど私は情けなかった。
    何でこんなことになるの?私の、私の最後の日なのに。どうして気持ちよく仕事ができないんだって。
    そう思うと本当に情けなかった。1番しちゃいけないことなのに。男のことは仕事に持ち込んじゃだめだってよく分かってるのに。
    六年ホステスをしてきた間、こんなこと一度もなかった。こんな姿、ずっと夜の世界で育ててくれた黒木さんに見られたくなかった。

    2005-08-23 08:13:00
  • 679:

    私は黙って席を立った。まだ店内には晃太達や英二達以外に七組もお客さんは残ってる。そうだ、私は最後の最後まで自分の仕事をしよう。自分で幕を下ろすんだから。
    六本木で何年もナンバーワンを張ってきたんだ。自分の実績、功績は今日しか見せられない。私がやってきた今までの全てをここで出し切って終わらないと。
    そう思った私は、残っていたお客さんの席をまた慌ただしく回った。英二の席でおりたピンドン以外、残りのシャンパン七本は私が私のお客さんにおろしてもらおう。

    2005-08-23 08:19:00
  • 680:

    順番に席を回ってお願いすると、ラストにシャンパンラッシュを浴びた。
    そして3時。お店はラスト時間を迎え、チェックが続き順番に送り出しをした。
    「今までありがとうございました!」
    私は今日、来てくれた全てのお客さんに帰りぎわ大きな声でそう言った。

    2005-08-23 08:23:00
  • 681:

    そして七組全てがお店を出て、残るはあの二席だけだった。先に英二と黒木さんの席に戻り、今日来てくれたお礼を言った。黒木さんは私を見て静かに口を開いた。
    「すごいラストだったなぁ。さすが由里だ。頑張ったな。忘れるなよ今日のこと。六本木にいたこと。由里がここで得たことを」
    全てを見てきてもらった黒木さんに言われた言葉は大きく私に響いた。

    2005-08-23 08:28:00
  • 682:

    −しかたない−
    そう思いながら入った夜の世界だった。なのに気付けばもうこんなにも時は流れてて。ホステスをして得たこと、それは何だったのか。
    お金?違う。そうじゃなかった。出会いが全てだった。私は幸せだった。たくさんの人に出会い、毎日楽しくいられた。
    お客さん達に必要とされることで自分の居場所を確立できた。黒木さんやレイ、こんなあったかい人達と出会えた。

    2005-08-23 08:33:00
  • 683:

    今日来てくれた全ての人達も。みんな出会うべくして出会ったんだ。
    最後まで泣かないと決めていた私の目からは一気に涙が止まることなく流れた。お客さんは晃太達と黒木さんと英二だけなのに女の子達もみんな残ってくれている。マネージャーや代表、店長、他のスタッフ達も、みんな静かに待っていてくれた。
    「じゃあそろそろ行くぞ英二」

    2005-08-23 08:38:00
  • 684:

    チェックを済ませた黒木さんは英二にそう言うと席を立った。黙って英二も席を立ち、私は送り出しに後ろから歩いた。
    「後で電話するから出て」
    お店を出る直前に英二が小声でそう言った。私は静かにうなずいた。
    「黒木さん・・・あの、今までありがとう。ずっとありがとうございました。由里、黒木さんのことお父さんみたいに思ってる。だからこれからも変わらないでいてね。またご飯食べたりしようね。それから、えっと」

    2005-08-23 08:44:00
  • 685:

    言葉が見つからなかった。涙で声が震えた。黒木さんは少しニコッと微笑んで
    「分かった分かった」
    と言ってお店を出ると英二と歩いて行った。いつもそうだった。言いたいことは黒木さんには何だってお見通しで。私は深く頭を下げ、見えなくなるまでずっと一礼した。ずっと守ってくれて、優しくしてくれて、ありがとう。それからごめんね・・・

    2005-08-23 08:50:00
  • 686:

    名無しさん

    まぢ感動した

    2005-08-23 08:52:00
  • 687:

    最後に残った晃太と健にいの席に着くと、さっきのまま空気が重い。でも晃太はすぐに謝ってきた。
    「さっきはごめん。っつーかラストイベントなのに来ちゃってごめんね。仕事の邪魔しに来ただけだったな。最後だったのに。ホントにごめん!」
    「ハハッいいよーもう。それよりもうお店終わりだからさ。後でまたすぐ連絡するよ」
    そう言って晃太達もチェックをした。私は最後の晃太達の送り出しを済ませ、フロアに戻った。すーっと肩の荷がおりた。

    2005-08-23 08:59:00
  • 688:

    そして、静かになった店内を見渡すと急に真っ暗になった。えっ?そう思った瞬間パーンとゆう音が一斉に聞こえた。
    クラッカーだった。今日出勤していた女の子達、男子スタッフ、そしてレイ。みんなが声を揃えて
    「ゆかりさん、お疲れ様でした」
    と言ってくれた。それからポンッとゆう音とともにシャンパンが次々に開けられた。
    「え?ドンペリまだ残ってたの?」

    2005-08-23 09:05:00
  • 689:

    嬉しいような寂しいような、私は化粧がくずれるのも気にせず、ソファーに座りこんでわんわん泣いた。そしてまたライトが消えるとお店の奥にあるスクリーンがライトアップされた。
    《All along》という題名が映ると私の何年か前の若い時の姿がうつった。どこかで聞いたことのある音楽も流れ始めた。
    音楽と平行してパネル写真やポスターの写真が切り替わる。今までの私が次々に写っていた。えっ?どういうこと?作ってくれたの?私はスクリーンに見入ってしまっていた。

    2005-08-23 09:21:00
  • 690:

    曲は題名のとおりAll alongだった。画面には私の写真と一緒に歌詞がカラオケのように写っていた。
    見れば見るほど長かったホステス歴を鮮明に思い出す。あっ、このころはこんなことがあって・・・とか。All alongの歌詞にもものすごく引き付けられた。知ってますか?こんな歌詞達でした。

    2005-08-23 09:26:00
  • 691:

    ショーウインドーに映る姿を見てため息ついた。いつか自分もこのガラスのように歪むのだろうか。忙しさ身を任せ目の前も見えないね少し力を抜いて歩いてゆこう
    温かい声に今包まれながら涙さえ勇気に変えて届けたい素晴らしいみんなのためにこれからもずっとありがとうAll along
    夢を追うほど夢中になりすぎて焦ってばかり。選んだはずの道がいつの間にか遠く感じた。追い風に流されて遠回りしたけれど助けてくれた人がいつもいたから
    温かい声が今私を包みそっと心に響いてる。触れ合える大切さ教えてくれた
    これからもずっとありがとうAll along

    2005-08-23 09:32:00
  • 692:

    名無しさん

    あかん泣ける

    2005-08-23 09:38:00
  • 693:

    最後歌詞のAll alongとゆう文字が写った後、
    −We love ゆかり−
    とゆう文字と、お店の女の子達や代表までもが写ったみんなの集合写真でディスクは終わった。スクリーンを見ながら私は思った。Jでホントに良かったって。私は世界一幸せだと強く心に響いた。

    2005-08-23 09:39:00
  • 694:

    「由里より泣いてるじゃん。主役取らないでよー」
    私はレイのそばにいくと笑ってそう言った。
    「泣いてないってば。お寿司のワサビがきいてるだけだよ。辛い辛い」
    言い訳が子供じみてて私もレイも顔を見合わせて笑ってしまった。そして、ビールをつぎあって静かに二人で乾杯した。
    マネージャーや代表もお酌してくれた。いつまで続いただろ。気付けば朝の8時になっていた。

    2005-08-23 10:03:00
  • 695:

    名無しさん

    主さん、ALLalongってゆうの歌の題名ですか?   題名じゃなかったら題名も教えてください。

    2005-08-23 12:24:00
  • 696:

    名無しさん

    誰がうたっているんですか?

    2005-08-23 22:13:00
  • 697:

    うちは野球選手じゃないけど某タレントとつきあったことあって ファンの子からの嫌がらせや事務所からの圧力 かなりダルかった 週刊誌もあることないこと好き放題かかれて何もしんじれんくなってひっきぃにもなったし 今は別れたけど テレビとかでみると頑張ってるなぁと懐かしく思うけど‥ 頑張ってかきあげてな

    2005-08-23 22:21:00
  • 698:

    ↑さんそうなんですか・・・私の場合、実話と作ってるストーリー混ぜてるから話が半々なんですけど↑さんも色々あったんですね?頑張って書き上げるのでまた見て下さい?
    あと、All alongは曲の題名です。ELTの昔のアルバムに入っいる曲ですよ。多分、?聞いたことあるんじゃないかな?私は大好きな曲になりました。

    2005-08-24 00:30:00
  • 699:

    ずっと携帯置きっぱなしにしてたから取りに行くと、着信履歴30件(笑)履歴MAXになってて焦った。晃太や英二、黒木さんも。由輝までかけてきていた。でも不思議と、ラストイベントに来てくれたお客さんからはメールがたくさん届いてた。
    でも帰ってから連絡すればいいやって思った。最後に持って帰る荷物やプレゼントもいっぱいだしまだみんな残ってるし・・・。
    それからまたフロアに戻ると疲れて寝てしまった女の子や酔っ払って倒れちゃってるボーイさん達がいっぱいだった。

    2005-08-24 00:37:00
  • 700:

    明るさに目を開けるのがやっと。たくさん泣いたせいで顔もサイテーだった。両手いっぱいの荷物を持ち、タクシーを探していると名前を呼ばれた気がして立ち止まった。ん?気のせい?
    「ゆーりー」
    少し離れた前方に立ってたのは晃太だった。
    レイと二人で歩いていくと、そばには健にいも立っていた。
    「おっせーよ!」

    2005-08-24 00:53:00
  • 701:

    名無しさん

     

    2005-08-24 00:54:00
  • 702:

    「ずーーっと待ってたんですけどー」
    晃太と健にいが眠そうな顔で私達に言った。
    「えっ?あれからずっと待ってたの?バカじゃん(笑)頭おかしーよ」
    レイが大笑いしながら二人に言うと、みんなして笑ってしまった。
    「帰ろー由里。ほら」
    晃太はそう言うと私が持っていた荷物を持ってくれて路上に停めてあった晃太の車のトランクに入れてくれた。レイと健にいも後部座席に乗り、車は走り出した。

    2005-08-24 00:59:00
  • 703:

    泣いただろーって私達は晃太と健にいにからかわれながら車内は和やかムードだった。レイと健にいもうまくいってるみたいだし、安心した。レイ良かったねホントに。
    先に二人を健にいのマンションに送った。
    「Jのナンバーワンはアタシが頑張って引き継ぐからね!由里お疲れ様また明日でも電話するよ」
    そう言ってレイは手を振りながらマンションに入って行った。もう片方の手はしっかりと健にいと繋いだままで。その手離しちゃだめだよ、私はそう思いながら二人の後ろ姿を見ていた。

    2005-08-24 01:06:00
  • 704:

    亜矢 ◆IDid/knpO6

    初めましてぇ、亜矢デス☆亜矢もラストの日ゎ仕事終わって朝まで店のみんなが卒業祝いしてくれて(>ω

    2005-08-24 01:46:00
  • 705:

    亜矢さんレスありがとう?また亜矢さんのスレッドにも覗かせてもらいます?

    2005-08-24 06:47:00
  • 706:

    二人になった車の中は少し静かな気がした。そういえば会うの久しぶりなんだなぁ・・・何かよく分かんないけど変な感じ。
    最初の一声が出てこない。何から話そうって。きっと晃太も同じ気持ちなんだろう。そのまま私達はマンションに着くまで黙ったままだった。
    地下の駐車場に車を停めてエレベーターに乗ってる間もずっと。やっと部屋に着くと散らかったままで荒れてた。
    晃太って綺麗好きじゃなかったっけ?そんなことを一人で考えてしまった。

    2005-08-24 06:54:00
  • 707:

    「めちゃくちゃ汚ねーだろ。由里いなくなってから荒れ放題だよ。何もする気起きなくてさ。試合でも最悪だったし」
    晃太は静かにそう言った。私は何も言えなかった。とにかくたくさんのことがありすぎて・・・頭の中を整理できなくて。
    晃太との出会いから全てが目まぐるしく動いてった。いろんなことがありすぎた。仕事を辞める決心できたのも晃太のことがあったからだった。
    とにかく私は晃太が全てになってたから。

    2005-08-24 07:01:00
  • 708:

    私がテーブルの横にあるクッションに座ったまま黙っていると晃太は目の前にきてひざまずいた。
    「ごめんな。ホントにごめん。あの日さ、同窓会の日、送ったのは事実なんだ。周りにも頼まれたし・・・っつーか言い訳だよなこんなの。正直ゆうとやり直してって言われた。でも俺、結婚しようと思ってる女がいるってちゃんと断ったから。だいたい五年も前の学生の時のことだしさ。でもごめん。嫌な思いさせたよな」
    私は肩の力が抜けた。そしてハハッと笑ってしまった。だって晃太子供みたいに正座して謝ってるから可愛いくて。もう怒りもなくなってた。

    2005-08-24 07:23:00
  • 709:

    あ?たん

    主さんアリガトウございました(o^∀^o)    でも、ELTで着メロで探したんですケドないですょ??

    2005-08-24 08:21:00
  • 710:

    悠?

    由里ちゃんぉはょぅデス?たくさん更新されてて,ヮクヮクしながら読んでます??ぃっもぉっかれさまです?

    2005-08-24 08:38:00
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  • 738:

    名無しさん

    758〜784はアラシのため削除されてるよ

    2005-08-25 20:22:00
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  • 761:

    名無しさん

    小説の途中で関係ない書き込みせんとって?読みにくいし邪魔ゃねん????雑談板行けば???

    2005-08-26 17:33:00
  • 762:

    名無しさん

    758〜807は小説じゃなくアラシのため削除済みだよ 758からの続き主さんよろしく?

    2005-08-26 18:14:00
  • 763:

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  • 768:

    名無しさん

    ごめんなもう愛子を悪くいわんから どっかいって

    2005-08-26 20:11:00
  • 769:

    名無しさん

    つづきかぃて☆

    2005-08-26 20:56:00
  • 770:

    書かないょ??

    2005-08-26 21:09:00
  • 771:

    名無しさん

    アラシとかつぶしはスルーしよ そうせなきりがないよ

    2005-08-26 21:28:00
  • 772:

    名無しさん

    2005-08-26 22:56:00
  • 773:

    黒原愛子

    ムフッ(*´艸`)?

    2005-08-26 23:26:00
  • 774:

    >>817は私じゃないです?ちゃんと書いていきますよ??忙しくてこれなかった間も悠さんとかレスありがとうデス?
    荒らしとかも削除されてるみたいだけど、読みにくくなるからできればヤメテほしいです?小説板はマッタリモードでいきましょう?

    2005-08-27 01:39:00
  • 775:

    ヤバイ!時計を見るともう10時過ぎになっていた。晃太1時に出るのに全然寝れないじゃん。
    「っていうか寝た方がよくない?眠くないの?話は今日帰ってきてからでもできるしさ」
    私がそう言うと晃太は大きなアクビをしてリビングにそのままゴロンと寝転がった。
    「ベッドで寝たら起きれなくなるからここでいいや」

    2005-08-27 01:45:00
  • 776:

    「だめだよ疲れ取れないじゃん。ほら起きて、寝室で寝よ」
    私は晃太を無理矢理起こして寝室まで引っ張っていった。久しぶりの晃太のベッドはなんだか少しホッと安心した。
    それから晃太を寝かせた私は、リビングのソファーに座り、昨日ラストに来てくれたお客さんや同業の方達にお礼の電話やメールをしていた。
    “ありがとう”
    って言葉は単純だけど深いなぁって思った。感謝ってゆう気持ちだけでは計り知れない何かが私の中に残ってて。

    2005-08-27 01:52:00
  • 777:

    名無しさん

    2005-08-27 02:05:00
  • 778:

    名無しさん

    2005-08-27 02:06:00
  • 779:

    名無しさん

    >>253ー400

    2005-08-27 02:07:00
  • 780:

    名無しさん

    2005-08-27 02:08:00
  • 781:

    亜矢 ◆IDid/knpO6

    完結まで楽しみに読むんでガンバってくださぃッ??毎日夜中見るのが楽しみでッ??続き待ってマスッ?

    2005-08-27 02:10:00
  • 782:

    そうメールを送るとすぐに返ってきた。
    ?
    昨日はラストお疲れ様。二日酔いじゃないか?由里には恩返しはもうしてもらったよ。六本木でナンバーワン伝説作っただろ。あれで充分だよ。売り上げも凄かったって噂で聞いたぞ。俺の方こそありがとうな。まぁこれからもお前とは父親みたいないいもんじゃないけど今まで通りだから。また飯でも行こうな。
    黒木さんはいつものように変わらないメールをくれた。

    2005-08-27 03:12:00
  • 783:

    奈美

    始めから一気に読んだけど鳥肌たったり見てて笑顔になったりした(*^O^*)ゞお台場帰りのとこは泣きそうになったわ(;_;)

    2005-08-27 03:17:00
  • 784:

    亜矢さん奈美さんありがとう??今日書けるだけ更新していきます?

    2005-08-27 03:19:00
  • 785:

    それから英二にも。
    ?
    昨日はありがとね。あれからお店の人達がパーティーしてくれたから帰りも超遅くなった?あのね、正直いって昨日嬉しかったよ。一瞬英二に傾きかけてたかも。でもそれってただの甘えだった。晃太と色々あったから…ダメだよねホント情けないや?でも大丈夫だから。英二もしっかり頑張ってるみたいだし、由里も頑張るよ。ごめんねメールになっちゃって…

    2005-08-27 03:25:00
  • 786:

    何なんだろ。こっちがダメならあっちにいくみたいなことしたくない。自分のエゴで人を振り回したりしちゃダメだ。
    晃太とのことは私と晃太の問題で、それに英二は関係ないんだし。何かあったから英二に戻るってことはしちゃだめなんだ。
    ホントに好きでやっぱりやり直したいと思ったなら戻ってもいいだろうけどそうじゃないもん。ただ自分の寂しさや辛さを相手に埋めてもらおうとしてたのかな?
    だったら最低な女だ私・・・

    2005-08-27 03:31:00
  • 787:

    もう人に頼ったりしない、そう心に誓った。
    夏ももうすぐ終わりが近付いてるなぁ。いつの間にかセミの鳴き声もしなくなってて静かな日常に戻ってきてる。私は晃太が散らかしてた部屋を片付けながらぼーっと外を眺めていた。
    ・・・えっ?ってもうすぐ1時じゃん!?ヤバイ晃太起こさなきゃ!私は起こすのを忘れていて焦ってしまった。
    「晃太起きて!ごめん忘れてたの起こすの。もうすぐ1時なんだけど早く起きて」

    2005-08-27 03:37:00
  • 788:

    「う〜ん」
    寝ぼけた声で晃太がむにゃむにゃ言っていた。でも次の瞬間時計を見せるとびっくりした顔で跳び起きた。
    「ヤッベーダッシュだなぁこれは」
    そう言うと急いで用意をして早々と出掛けていった。晃太のいなくなった部屋で一人になった私は様々なことが頭をよぎった。
    これから私はこうして毎日晃太と過ごしていくんだろうか。仕事も辞めたし何もすることがないんだなぁ。忙しくしてた頃は時間が欲しい欲しいってボヤいてたのになぁ。いざ時間ができちゃうと何していいかわかんなくなるよ・・・

    2005-08-27 03:45:00
  • 789:

    名無しさん

    わ〜い?更新されてるっ?毎日何回もチェックしてたから?頑張って下さい?よかったら今日はここまでとか教えてもらえたらうれしいです?

    2005-08-27 11:37:00
  • 790:

    削除

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    あぼ~ん
  • 791:

    削除

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    あぼ~ん
  • 792:

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    あぼ~ん
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    あぼ~ん
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    あぼ~ん
  • 795:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 796:

    名無しさん

    かぃて!

    2005-08-28 16:30:00
  • 797:

    838〜843は削除すみ 836から続きかいてね sage進行だと荒らされにくいんで sage とくね

    2005-08-28 16:36:00
  • 798:

    亀梨

    赤西派ゎくるな?

    2005-08-28 17:04:00
  • 799:

    名無しさん

    赤西でも亀梨でも、まぢどっちでもいーやん。
    主サン、頑張ってッ!!この話本間に楽しみにしてるん。やから荒さなぃで欲しい。ぉねがぃします。

    2005-08-28 21:38:00
  • 800:

    亀梨

    俺ゎ荒らしてなぃゃん?ただ赤西派にゎくんなゅーてんのじゃ?主も放置しすぎなんじゃ?しまぃに荒らして1000埋めるぞ?

    2005-08-28 22:25:00
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