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ちっちゃな黒猫の話。

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  • 1:

    せぇ

    なぁなんで?
    どこに行ったン?
    いつも一緒だったじゃん
    嬉しい時も悲しい時も
    あんたゎ何にも言わずに
    側にいてくれたよな。
    あたしゎあんたの顔を見ただけで
    あんたのふわふわの毛をなでるだけで
    心が温かくなるのを感じてん。
    なぁチビクロ
    なんであんたが先に死ぬん?
    人を幸せにするあんたが。

    2005-11-17 17:26:00
  • 241:

    みみ

    この小説が一番好きやな〜

    2006-03-05 02:33:00
  • 242:

    せぇ

    そんなこといってもらえて、ホントに光栄です。ありがとうございます。がんばります!

    2006-03-05 12:01:00
  • 243:

    せぇ

    『痛い、痛い痛い、痛いって!』紺のハイソをはいた足を踏み台にして、制服のスカートに飛び掛かる。ブレザーに爪を立ててあっという間に肩にあがった。思わずそのまま尻餅を着く。それにも動じず、『な、ナ』と鳴きながら鼻をあたしの頬に、痛いほどにこすりつける。
    『チビクロ−…。』

    2006-03-05 12:08:00
  • 244:

    せぇ

    ほら、またあたしは泣きそうになる。
    うれしくて−

    なぁチビクロ、
    やっぱり、
    あんたはあたしの、

    衝動−。

    あんたがいれば、
    なんだって出来る。

    きっと空だって飛べて
    あんたに、
    会いにいけそうな気さえするよ…。

    2006-03-05 12:14:00
  • 245:

    せぇ

    キョンは壁にもたれ掛かって腕を組み、あたし達をやさしく見下ろしながら口を開いた。『何やねん、あんたら…笑』キョンの説明はこうだった。昨日、あたしが帰って少したった頃、チビクロは多分、あたしがいないことに気付いた。追いかけっこを辞めて、あたしを探して、家中をうろうろしだした。その間、ヤマトに何度ちょっかいを出されても完璧無視だったらしい。どの部屋にもあたしがいないことがわかると『なー、ナー』と、今度は子猫とは思えない大きな声で鳴き始めたらしい。

    2006-03-07 14:16:00
  • 246:

    せぇ

    いつか鳴き止むだろうと思って初めは無視してたけど、いつまでたっても鳴き止まない。それどころか、他の猫もチビクロの声に反応してか、朝になるころには大騒ぎだったらしい。『だんだん「ナー」って声が「せぇちゃん」って呼んでるみたいに聞こえてきた…笑』笑いながらそう言うキョンの目の下には、しっかりとクマが出来ていた。それで今日キョン学校来てなかってんや…。

    2006-03-07 14:22:00
  • 247:

    名無しさん

    2006-03-08 00:21:00
  • 248:

    せぇ

    『そうやってんや…。迷惑かけてごめんな。本間にありがとう。あっ、キョンママとキョンパパにもあやまってくる!』キョンが寝れへんかった、ってことは、きっとみんな寝れなかったはずだ。あたしは申し訳ない気持ちでいっぱいになって、思わずチビクロを足元に下ろして立ち上がった。『キョンママら、リビングにおるん?』キョンの返事を待たず、あたしはリビングに続くドアに歩いて近寄ろうとした。
    …またその瞬間、あたしは足がもつれて転びそうになる。

    2006-03-08 01:01:00
  • 249:

    せぇ

    前にのめり掛かった体を、壁に手をついてなんとか立て直した。足元にはチビクロの姿。どうやら、抱っこを辞めたのが不服だった様子。あたしの両足の間を八の字にすりぬけて、甘えてくる。元々淋しがりなのは知っていたけど、ここまで甘えられたことは今までなかった。そんなにさみしかったんやと、今度は切なくなってくる。
    あたしの一喜一憂全てが、チビクロにつながってる。

    2006-03-08 01:07:00
  • 250:

    せぇ

    もう一度、玄関に座り込んだまま、お腹から胸元にかけてチビクロを抱き抱える。かわいいとか、そんなんじゃない。『愛しい』この言葉がぴったりやった。思わずギュッと抱き締める。知らないうちに力を入れすぎてたみたいで、チビクロの苦しそうな声がして、あわてて離した。チビクロは真っすぐあたしを見上げる。

    2006-03-08 01:12:00
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