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俺ら、いくらで買ってくれますか?
-
1:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ようやく夢に見たNO.1にのしあがった。今、あいつらは二人は今何やってるんだろう?
紫苑、ヒカリ。
たまには俺だって感慨深くなるさ。
会いてぇな、お前らに。2005-11-09 22:42:00 -
401:
まゆみ
しおりん?
2006-03-04 20:54:00 -
406:
名無しさん
更新待ってます?続き読みたいです??
2006-03-08 14:40:00 -
407:
名無しさん
あげ★
2006-03-12 23:15:00 -
408:
名無しさん
書いて
2006-03-16 17:08:00 -
410:
名無しさん
…
2006-03-17 14:08:00 -
411:
名無しさん
……
2006-03-18 01:32:00 -
412:
名無しさん
村上 隆のトパーズ知ってるんだ!
2006-03-18 13:07:00 -
413:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
トパーズですか?昔読んだことはありますよ↑↑過激というかよく世間の表としての出版物でよく認められたなぁ感はありましたね。SM的要素を絡ませたのは主が元SM関係だからです★
2006-03-20 06:50:00 -
414:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「ショック療法って…どういう事か自分で言ってること分かってる?」
「あたしは短絡的にものを話す人間じゃないことくらい、紫苑が一番よく分かってるやろ??」
「………………………」
うつむいたまま、声がでなかった。2006-03-20 06:54:00 -
415:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「紫苑の気持ちはよくわかるで、ありがたいと思ってる…………けどあたし多分そうやって生きていかなあかん人間やねん。世の中には知らんでいいことがたくさんある。でもほんの一握りしか知らん世界を知ってしまってん。これは変えようのない運命やと思ってる」
2006-03-20 06:58:00 -
416:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「それを避けられへん以上…抗う気もない」
「僕は…僕は無力な男だよ。お金と外見に生かされてきた。僕もきっとこの先変わることはないと思うんだ。誰が何と言おうとそれが僕の《価値》で生きる意味だから。僕は何も出来ない。ヒカリのために何をしてあげたらいいのか分からない……だから、飽きられるまでずっと傍にいるよ」2006-03-20 07:04:00 -
417:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
――――――――――
「ねぇ、聞いてるの!?トウヤってば!せっかくシャンパンがきたのに、あなたが空けないで誰が空けるのよぉ〜」
少し肉付きのよいほっぺたを膨らませて彼女が抗議する。2006-03-20 07:08:00 -
418:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「…ゴメン、あんまりかわいいほっぺたで、どうやって食べちゃおうか作戦練ってたんだよ」
やだぁ〜と言いつつも万更ではない下品なほほ笑み。2006-03-20 07:10:00 -
419:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ヒカリの微笑みとは雲泥の差。まぁ比べる相手が違い過ぎるか。相手は聖母だ。「じゃぁマロンちゃんのNO.1就任を祝って……カンパ〜イ!!」
ポンッという音と炭酸が抜ける濁ったガスがトウヤを包む。2006-03-20 07:14:00 -
420:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
マロンなんてあからさまな源氏名を名乗って、架空のお城で嘘のスーツをまとった王子様と一夜の宴。
「ねぇ〜トウヤはマロンのどこが好き??」2006-03-20 07:20:00 -
421:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「なんでそんな事が知りたいの?」
「女の子は誰でも知りたいもんだよ、好きなヒトにどこを愛されてるかって」
全部だよ、とか好きに理由なんてないさなんて当たり前の事をお金を出した女が望むはずがない。2006-03-20 07:23:00 -
422:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
望むのは…彼氏や普通の男じゃとうてい言ってくれない、まるで蜂蜜のような言葉。
甘い匂いととろける口当たり、そしてクセになる言葉。2006-03-20 07:26:00 -
423:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「深さと、匂い…かな」
「どういう事?」
「会うたびに、言葉を交わすたびにマロンの事を知っていく…でもそのたび俺のなかで謎が増えていくんだ。もっと知りたい、謎を解きたい…そう思った瞬間にマロンは俺を擦り抜けて階段を下りて帰ってしまうんだ」2006-03-20 07:30:00 -
424:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「でもマロンは悪い女だから、ガラスの靴さえ残していってくれない。帰った後かすかに鼻孔に残るのは、マロンのいつも付けてる香水の残り香だけだ。………そんな女、誰が嫌いになれる?いるとしたら教えてほしいね」
2006-03-20 07:34:00 -
425:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
さすがにクサ過ぎたかと、自分自身がおかしくなる。外でこんなセリフ恥ずかしげもなく言えるやつがいるとしたら、そいつは間違いなくパリジェンヌだ。
2006-03-20 07:37:00 -
426:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
しかしあんなセリフでも城の内装のようなこった作りのセットで、蝋燭の炎に照らされた中では効果も絶大だったに違いない。
それの証拠に、マロンの頬は上気して紅く染まっている。
もちろんシャンパンのアルコールとは違った意味で。2006-03-20 07:40:00 -
427:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ヒカリの過去、紫苑の過去、そして二人の過去。
二人で暮らしていたのに、《男と女の関係》でなかった意味。
怒濤のような数か月。2006-03-20 07:45:00 -
428:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
受けとめることも、受けとめなきゃいけないこともトウヤには多すぎて軽く飽和状態だ。
ホスト業もだんだん板に付いてきた。
一人も指名客がいなかったのに今ではすでにランキングに名を連ねるようになってきた。2006-03-20 07:47:00 -
429:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
紫苑もヒカリも相変わらずでいつが仕事なのかオフなのか分からない。
たまたま三人の時間があえば広いダイニングで食事をともにする。
2006-03-20 07:49:00 -
430:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
あの話から紫苑も何一つ変わらない。
一つ変わったことといえば、トウヤの中のヒカリへの想いくらいか。
2006-03-20 07:50:00 -
431:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
何が変わったなんてトウヤにもよく分からなかった。護っていかないと、という義務にも似た守護感。
それ以上どうこうしたいかと言われても困惑するばかりだ。2006-03-20 07:52:00 -
432:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
他の女に思うような肉欲だとか征服してやりたいなんて気持ちは微塵もない。
そうたとえば、ヒカリの胸に抱かれながら、優しく眠りにつきたい。2006-03-20 07:54:00 -
433:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
これが恋ってやつなのか?一方的な、そしてこの純粋な想い。
ホストやってる俺が笑ってしまう。
少なからず俺に体を掻き回されて突かれたいがために、札を投げる女は数多い。2006-03-20 07:56:00 -
434:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
そんな俺が忠誠にも似た片思いをしているなんてな。紫苑もいる事だし?
言い訳にすぎないけど。
あいつみたいな騎士がいるかぎり俺のでる幕はない…か。2006-03-20 07:59:00 -
435:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
merry-go-round
メリーゴーランド。
幸せは…回る。
永遠の片思いもメリーゴーランドみたいに回るのか。2006-03-20 08:01:00 -
436:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
日曜の晩。
異変は突然起きた。2006-03-20 08:02:00 -
437:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「トウヤ…あのな…紫苑と連絡つかへんねん…」
紫苑?確か客と一週間ほど旅行に行くと言っていた。一週間で七百万。
それをヒカリに告げたかどうかは分からないが、意気揚揚と俺にその値段をつげ、たくさんお土産を買ってきてあげる!と出ていった。2006-03-20 08:06:00 -
438:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
それが確か10日前。
マメな性格の紫苑は基本連絡をかかさない。
俺にはともかく、ヒカリには毎日帰宅時間をメールなり電話しているはずだ。2006-03-20 08:08:00 -
439:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「海外だろ?確か…」
「ニース」
ニースはフランスの南部にある世界有数の保養地だ。世界のありとあらゆる金持ちの集まるバカンス。2006-03-20 08:10:00 -
440:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「そこ!携帯使えないんじゃないのか?」
「例え携帯がつながらなくても、紫苑PC持っていってるねん。ニースやで?世界のトップビジネスマンが集まってるんやで?PCが使えへんはずないやん…」2006-03-20 08:12:00 -
441:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
めずらしく顔を歪め、動揺が瞳に浮き出ている。
そんな姿も痛々しくて可愛いな…なんて思っている場合でもなさそうだ。2006-03-20 08:14:00 -
442:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「出発して10日、連絡が途切れてからは?」
「4日目までは毎日メールが届いててん」
言うなりリビングのPCを開き、メールを見せてくれた。2006-03-20 08:17:00 -
443:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
《件名:ニース着いたよ!本文:こっちは、日差しが強くて暑いけど日本と違って湿気がないから気持ちいいよ!!ちょっと間離れるけど、ちゃんと連絡入れるからね★ 紫苑》
2006-03-20 08:20:00 -
444:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
カチカチと画面をスクロールしていく。確かに四日目を境に受信メールがなくなっていた。
胸の奥にざわつきを感じる。2006-03-20 08:22:00 -
445:
名無しさん
読んでます?頑張って下さい?
2006-03-20 08:25:00 -
447:
名無しさん
更新されてる!頑張って下さい☆彡
2006-03-20 18:18:00 -
448:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
いつもいつも遅いのにみてくれている方ありがとうございます。
少しですが、更新させてもらいます。2006-03-21 08:34:00 -
449:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「…あれだろ、一応仕事なんだし忙しいんじゃないか?」
不安な眼を隠そうとしないヒカリに苦し紛れに言い放つ。
言っている俺自身のほうが動揺してるな。2006-03-21 08:37:00 -
450:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「ほんま…一体どうしたんやろぉ?こんなん初めてやわ。だって帰国の予定日からもう三日もたってるねんで?忙しいって言っても遅れるなら遅れるでなんかアクションあるやん…」
2006-03-21 08:39:00 -
451:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
確かにそのとおりだった。帰国予定が延滞するなら連絡の一つないはずがない。やばいな。
何を言ってやったらいいか全然分からない。
口から出そうになるのは大丈夫だって!そんな不確実で安っぽい言葉ばかりだ。2006-03-21 08:42:00 -
452:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「なぁ!行かへん??」
「え…ニースに…か!?」
「だってこんなとこで待っててもどうしようもないやん!?ホテルだって聞いてるんやし、行ってみようや…」2006-03-21 08:45:00 -
453:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「…行きたい気持ちは分かるけど、ヒカリフランス語喋れるのか?リゾート地だから英語とかも通じるかもしれないけど、向こうで捜索となったら言葉も困るんだぞ?」
2006-03-21 08:47:00 -
454:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「それはッ…そうやけど…」「冷静に考えて、入れ違いとかもあるかも知れないしここにいて連絡待ってたほうが賢いよ」
「でも…でもッ」
プルルルル…プルルルル…ヒカリの声を遮るように家の電話が鳴る。2006-03-21 08:59:00 -
455:
名無しさん
続き読みたい〜ッ(〃∇〃)
2006-03-21 09:53:00 -
456:
名無しさん
続き読みたいのでァゲます?
2006-03-22 17:03:00 -
457:
名無しさん
続きめちゃ気になリます!!!
頑張って書いてください(´∀`@)2006-03-24 11:03:00 -
459:
名無しさん
頑張って☆
2006-03-24 14:05:00 -
460:
名無しさん
楽しみにしてます???
2006-03-26 06:45:00 -
461:
名無しさん
まだかな
2006-03-26 09:23:00 -
463:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
いいところで引っ張ってしまいましてすいませんでした…。改めて続き書きます!
2006-03-28 09:29:00 -
464:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
二人の間を冷たい機械音が走る。
プルルルル…プルルルル…たまりかねてトウヤが受話器をあげた。
「はい…はい、そうです…」2006-03-28 09:31:00 -
465:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ヒカリはいてもたってもいられなかった。
どう考えても嫌な予感が胸をチリチリと焦がす。
それにこの電話。
この電話ははっきりいってパソコンを引いたのと同時に名目上付けただけでめったになることはない。2006-03-28 09:34:00 -
466:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
それなのにどうしてこんな時に限って…。
「えっ!?そうですけど…はい…それは間違いないんですか?」
神妙に喋っていたトウヤの声が一瞬大きくなり、そして少し震えている事に嫌でも気付いてしまう。2006-03-28 09:37:00 -
467:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ガチャ…。
「トウヤ…何の電話?」
聞きたくはない。でも聞かずにはいられない。
「………警察。」2006-03-28 09:39:00 -
468:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
胸を焦がすチリチリは次第に大きくなっていく。
「警察…?何の用…なん?」「………………紫苑の乗ったセスナが墜落して生死の安否が分からないらしい」
瞬間胸の焦げは爆発した。「つまり…行方不明だ」2006-03-28 09:47:00 -
469:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
警察に事情を聞きに行き、現地でガイドをしたという人の話を聞いた。
紫苑の乗ったセスナは、パリへと戻る道中で雷雨に巻き込まれ、川へと墜落した。乗っていたのは紫苑の他四名。だが濁流に流されて遺体があがったのは一名だけだった。2006-03-28 09:53:00 -
470:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
遺体がない葬式なんてのに初めて参列した。
まだ少し幼い頃の位牌の紫苑が少し生意気そうな顔でこちらをにらむ。
2006-03-28 09:54:00 -
471:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
財務省勤務というのにふさわしい貫禄のある父。
有閑マダムという言葉のぴったりハマる母。
参列者が思いの外少ないのは、事情を考えれば当然のことだ。2006-03-28 10:10:00 -
472:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
いかにも美しかったであろう母は見る影もなく、ただただ肩を落として泣いているばかりだった。
喪主の父は忙しそうに参列者に頭を下げている。2006-03-28 10:13:00 -
473:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「紫苑の荷物は結構です。そちらで処分しておいてください。……それと…この件の真相についてはどうか内密にお願いできませんか、あまり口外できることではありませんので」
2006-03-28 10:16:00 -
474:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
申し訳なさそうに。
しかし、キッパリとした口調でトウヤにそれだけを伝えにきた。 「僕らも一切口外するつもりはありませんので」
その答えに安堵する様子が伝わってくる。
きっと財務省ではやり手なのだろう。2006-03-28 10:20:00 -
475:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「では、これを…」
茶色の、分厚く膨れ上がった封筒を外から見えないようにトウヤに握らす。
「なんのつもりですか」
怒りを押し殺すのに精一杯だった。
「なに、ほんの迷惑をおかけしたお詫びということで…」2006-03-28 10:24:00 -
476:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
言い終わるより先に、トウヤの拳が欲にまみれた顔にめり込んでいた。
封筒からいくつもの束になった札が散らばっていた。2006-03-28 10:26:00 -
477:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ガチャ…。
いつものようになれた手つきでマンションの扉を開く。いつもの玄関。いつもの観葉植物。いつものリビング。
ただ一つ違うのは、そこには二人しかいないという事実だ。2006-03-28 10:29:00 -
478:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「ヒカリ…帰ったよ」
あの日からヒカリは涙を流すわけでもなく、叫ぶわけでもなく、一人自室に閉じこもるわけでもない。
リビングの真ん中でひたすらパズルをやっていた。2006-03-28 10:32:00 -
479:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
どこからか買ってきたパズルはトウヤが今まで見た中で一大きく、そして難しそうだった。
ゆうに一万ピースはあるだろうか、リビングのカーペットの半分を占めている。2006-03-28 10:35:00 -
480:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
そしてそれは――――──────真っ白だった。
柄も文字もないパズル、それを無表情にパチ、パチとはめていくヒカリ。2006-03-28 10:37:00 -
481:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
その音がなんとも言えず、トウヤの胸に響く。
泣き叫んでくれたらどれだけ楽だっただろう。
毎晩枕を濡らしてくれるならどれだけ救われただろう。2006-03-28 10:40:00 -
482:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ご飯も食べず、睡眠も取らずただひたすらパズルに向き合い、穴を埋める。
やはり難しいらしく、なかなか空白は埋まっていかない。2006-03-28 10:42:00 -
483:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
白い小さなピースしか写さないヒカリの瞳。
なんていう言葉を掛けたらいいのか、なんて慰めたらいいのか分からない。
ヒカリにも、そして自分自身にも。2006-03-28 10:44:00 -
484:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
出来ることは、ただ黙って一段と小さくなったように感じるヒカリの背中を椅子に座って見つめることだけだった。
2006-03-28 10:45:00 -
485:
初カキコ
リアルタイムぢゃーん?おもれいっ
2006-03-28 11:25:00 -
486:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「あっ……」
声なのか吐息なのか区別がつかないくらいの小さな声が、ヒカリの乾いた唇から漏れる。
ふと、視線を落とすと、トウヤの足元に病的なほど白いピースが転がってきていた。2006-03-28 22:41:00 -
487:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
黙ってそれを拾い、ヒカリに手渡す。
カタッ。
小さな塊は、手と手の間を擦り抜け床に落ちた。
ヒカリの手は震えていた。2006-03-28 22:44:00 -
488:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「ねぇ、信じられるん?」
拳をぎゅっとにぎる。
「紫苑が死んだなんて、トウヤは信じてるん?!あたしは信じられへん。遺体も上がってないんやで!!」2006-03-28 22:59:00 -
489:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「約束したやん…お土産買ってきてくれるって言ってた。あの子は約束やぶるような子じゃない。紫苑は…絶対に生きてる…」
2006-03-28 23:05:00 -
490:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
いつもより一段と低いその声は、我が子イエスのこの先の困難を宣告する聖母マリアを彷彿させる。
…またか。
自分でも嫌になる。どうしてもっと普通にヒカリが好きだと男として思えないんだろう?
これじゃ紫苑と一緒じゃないか。2006-03-28 23:19:00 -
491:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
…紫苑。
そこまで考えて、ハッと気付く。
ここにはいない。
なんでだ?2006-03-28 23:35:00 -
492:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
通夜、葬式。
そんなものは何も意味をもたない。
だって目の前に紫苑の「死」なんてどこにもない。
2006-03-28 23:40:00 -
493:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ここしばらく調査隊だとか、紫苑の両親だとか、警察だとか、まわりに振り回されて何も見えてなかった。「そうだよ、誰が死んだって決めたんだ?」
2006-03-28 23:42:00 -
494:
名無しさん
あげます?
2006-03-28 23:45:00 -
495:
サィナ
本間おもろ!!かれ感動しますな!!
2006-03-29 08:39:00