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キミと毎日キスしたかった

スレッド内検索:
  • 1:

    緋恋

    なぁ…あんたと出逢って丁度一年たつんやな。
    今どうしてる?
    誰かと一緒にいるん?
    あたしの疑問もため息も全部
    毎日の中に沈んでいく。あんたと過ごした短い時間と一緒に

    2006-12-01 18:54:00
  • 501:

    名無しさん

    まんまやん >>1このまま

    2007-02-02 09:23:00
  • 502:

    緋恋

    わかりました?
    次からそうしますね?

    2007-02-02 19:43:00
  • 503:

    さゆみ

    しおり?

    2007-02-02 23:57:00
  • 504:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    さゆみさん?ありがとうです?
    来週の頭ていってたんですが思いがけず時間?があまったんで更新できるときにしてしまおうと思います?すいません?

    2007-02-03 06:14:00
  • 505:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>507 の続き
    ……………………………………………………………

    2007-02-03 06:16:00
  • 506:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    それから2、3日もたたないうちに一留からメールが来た。
    ?「仕事みつかったさあ?」
    ビルの清掃のバイト。あたしはすごく素直に嬉しかった。一留はビルの仕事は昼までだから掛け持ちでパチンコ屋でも働くといった。
    パチンコ屋の面接の前に一留とご飯を食べた。
    お金がないから定食を一つ頼んで半分こする。あたしは実家やし食べる事には不自由せんから一留に食べと言っても上手いし食えってあたしにも食べさした。

    2007-02-03 06:24:00
  • 507:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    手ぶらでポケットに履歴書の封筒一枚突っ込んでいる一留。
    …こんなんで受かるんかいな…………
    そろそろ面接に向かう一留の服の胸元を直しながら言う。
    「みえてんで、隠しときや」
    あのマヌケな竜の手が服の隙間から覗いている。

    2007-02-03 06:29:00
  • 508:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「でたがっとんねん!笑」
    何が嬉しいのか、やたら嬉しそうにしている一留。
    「はいはい、もうそろそろ時間やしいってき」
    「お前は俺のお母さんか!!」
    一留はもっと嬉しそうに顔をくしゃってした。素直にものすごく可愛いかった。すごくすごく愛おしく思った。

    2007-02-03 06:34:00
  • 509:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は母性本能をくすぐる。
    この頃、あたし達は場所と落ち着ける時間がない事もあったけどセックスレスだった。
    最初は悩んだものの、あたしは一留と何気ない時間を過ごすだけで、一留が側にいるだけで面白いくらい愛情が溢れて満たされるようになっていた。
    もちろん喧嘩もたくさんしたし、腹の立つ事も多かったけれど。

    2007-02-03 06:43:00
  • 510:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    母親ってこんなあたたかい気持ちなんかなって
    阿呆な事も思ったりした。

    2007-02-03 06:45:00
  • 511:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はめでたくパチンコ屋にも受かり、しばらくあたし達はとてもうまくいっているように思えた。
    こうやっていい方に進んでいけますように。あたしは祈るような気持ちだった。
    一留と過ごす時間がいくらもない事もしらずに。
    一留を憎む瞬間がくるとも思わずに。

    2007-02-03 06:52:00
  • 512:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    ただ願ってた。

    一留と毎日笑えますように。

    2007-02-03 06:55:00
  • 513:

    名無しさん

    切ないな。

    2007-02-03 07:27:00
  • 514:

    ?

    毎日読んでます?頑張ってください?

    2007-02-03 11:51:00
  • 515:

    ?

    ?

    2007-02-05 00:11:00
  • 516:

    名無しさん

    今の彼氏とすごい似てる…。柚奈さんの気持ちよく分かります。もう別れようか考えてるけどやっぱり別れられない気もしてて?
    完結までがんばってください?

    2007-02-05 02:28:00
  • 517:

    名無しさん

    ?

    2007-02-05 22:34:00
  • 518:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    521さん?切ないてなんで「切る」て字なんでしょうか?今ふと思いました?

    522サン?たくさんあげてくれてありがとうございマス?

    524サン?彼の事をよく見て後悔しないようにして下さいね。一留に似てるなら難しい人やと思います。完結目指して頑張ります?

    2007-02-07 09:37:00
  • 519:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>520 からの続き
    ……………………………………………………………

    2007-02-07 09:39:00
  • 520:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    女の勘ってすごいと思う。その日も朝から嫌な胸騒ぎがしていたっけ。あたしは仕事に向かう途中、バスに揺られていた。
    携帯がなる。音をマナーにしていなくて周りの人に軽く会釈してメールを開いた。
    ?『俺、客と住んでもいい?』
    意味がわからなくて何回もメールを読み返す。意味が分からん、とりあえずそれだけ返して仕事をした。

    2007-02-07 09:47:00
  • 521:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    仕事をしながらもこれからの展開を考えずにはいられなかった。

    また続かんかったなあ…………
    一留との平和な時間は終わるのが早い。一難去ってまた一難。この諺(ことわざ)がぴったりな付き合いだ。
    溜め息が小さくこぼれる。

    2007-02-07 09:59:00
  • 522:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「暗い顔してんなやー」
    あたしの肩をポンポンと叩く、いっちゃん。
    いっちゃんは仲良しのお客さん。たまにふらっときて何故かあたしを励まして帰る変なおっちゃん。
    「そんな顔してました?」
    内心少しびっくりした。完璧な営業スマイルを張り付けているつもりだったから。

    2007-02-07 10:06:00
  • 523:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「笑顔に……影がでてきたな」
    いっちゃんは目に笑い皺がたくさんあって人を安心させる顔つきをしている。
    「たまには色気だそかな思いまして」
    あたしはごまかして笑った。
    「まだはえーよ」

    2007-02-07 10:13:00
  • 524:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    いっちゃんは目を細めて
    「なんかあったら言えよ」
    そう言って帰って行った。いっちゃんは初めて会った時、あたしに知り合いと目がそっくりやと言った。
    口説き文句でもなんでめなくて本当にそうな事がなんとなくわかった。
    いっちゃんはあたしを通してあたしに似ているという誰かに優しくしている。

    2007-02-07 10:24:00
  • 525:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    人ってみんな色々な事を抱えて生きている。
    それは
    未来だったり
    過去だったりする

    2007-02-07 10:27:00
  • 526:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    一留の抱えてるものはなに?

    それがわかったら
    一留に愛してもらえるかな

    2007-02-07 10:42:00
  • 527:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    仕事が終わって一留に電話する。眠そうな声の一留がおそいねんと枯れた声で呟く。
    「客と住むてどういう事!?」
    「金がいんねん。1ヵ月一緒に住んだら五十万くれるいうとんねん」
    「なんでそんな金がいんねんな……」
    「オレ個人の事やからおまえに言う必要ない」

    2007-02-07 10:50:00
  • 528:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「……あんたはそれでいいの?」
    「行きたないけどしゃあないやん、お前にも迷惑かけたないし」

    迷惑かけたないて言う割には一留がそうやってお金をせびろうとしているように思えた。
    ううん、もうそういう風にしか思えへんかった。

    2007-02-07 10:56:00
  • 529:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    他の女んとこ行く。それが嫌やったらお前がなんとかせえっていう単純な図式。
    どっちも嫌やわ。

    2007-02-07 10:59:00
  • 530:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「てかまだ客と連絡とってたんや?切ったゆった癖に」
    「…………」
    一留がお客さんと切ってないのくらいわかってた。
    「…でなんでそんな話しになったん?」

    2007-02-07 11:04:00
  • 531:

    ?

    続き読みたい?完結まで応援します?頑張ってくださぃ?

    2007-02-08 22:47:00
  • 532:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ?さん?頑張りマス????ありがとう?

    2007-02-09 02:39:00
  • 533:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>538 続き

    ……………………………………………………………

    2007-02-09 02:41:00
  • 534:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留の事を信じられない癖に何を聞くんだろう。
    一留が何を言っても嘘か本当かなんてわかるのは一留だけ。
    それでもあたしは一留の穴だらけの説明から信じられる部分を探そうとしてる。

    2007-02-09 02:45:00
  • 535:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    歌詞でよくみかける言葉……
    愛することは信じること とか
    信じることは全てを許すこと とか

    …そんなんできっこない。

    2007-02-09 02:49:00
  • 536:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは思う
    愛することは修羅の道。
    自分の中の天国みたいに綺麗なところを覗く。
    地獄のように汚いところを思い知る。

    2007-02-09 02:54:00
  • 537:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留の話はどう受け取っていいかわからないようなものだった。
    一留の事をヤクザが探しているらしい。目立つ事をしなくても入れ墨に入ってる彫師の名前からいつばれるかしれないから、入れ墨を消したい。それに70万ほどかかる。
    客に相談したら1ヵ月自分と一緒に暮らしたら50万くれると言っているんだそうだ。

    2007-02-09 03:00:00
  • 538:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「行ったらいいやん」
    「えっ?」
    あたしは怒っていた。今更そんな事をしてお金をつくろうとする事にあきれた。1ヵ月一緒に住んだら50万という話が本当でもそんな確証のない話に飛びつく浅はかさにも腹が立った。
    黙っている一留に言った。
    「また騙されんちゃう?未収の時みたいに?」

    2007-02-09 03:07:00
  • 539:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「それはナイ。ヘルスやし金めっちゃもっとるから」
    「なんであんたと住んで金までやる必要があんのその子に?」
    「俺に聞くなや!一緒に住んだら好きなってくれるやろ〜ちょっとはとか言っとんねん」
    あたしはその実在するのかすらわからない女の子に激しい嫉妬を感じた。好かれてないのをわかっていてそう言えることが健気だと思った。
    それに比べてあたしは…………

    2007-02-09 03:20:00
  • 540:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしが一人暮らしだったら一留はいるとこがあった。
    あたしの今いる環境では一留とは確実に合わない。けどあたしは親が大事で自分の将来も大事。
    一留に歩みよってるつもりやけどこれ以上の事はできひん。

    2007-02-09 03:30:00
  • 541:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留の為に何もかも捨てられない事を悪いと思った。
    けど一留をそうやって甘やかすのも一留にとって悪いと思う。

    なんてあたし達の価値観は遠いんだろう。

    2007-02-09 03:34:00
  • 542:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「ほな行けや」
    「行ったら1ヵ月くらい連絡とれんで」
    「で?行って帰ってくるつもりなん?」
    「とりあえず金もらったら連絡はする!1ヵ月住んでソイツが良かったらソイツと付き合うし」
    「………………………そう言うたらうちが金だす思った?」

    2007-02-09 03:39:00
  • 543:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…荷物まとめるわ」
    電話は切れた。
    電子音が虚しく響く。
    「………嘘つき」
    切れた電話に向かって言ってみた。

    2007-02-09 03:45:00
  • 544:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はあたしを信用してないって言う。
    その代わり自分も信じろとは言わない。
    あたしが一留の事を疑って突っかかってもほなそう思っとけば?ですます。

    せこい男や。なんで信じるか信じないかあたしに選ばすの?

    2007-02-09 03:49:00
  • 545:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    信じてくれって言ってくれたら楽なのに。
    そうゆってくれたら惚れた弱みで信じたふりができるのに。

    2007-02-09 03:51:00
  • 546:

    ?

    あげ?しおり?

    2007-02-09 20:50:00
  • 547:

    名無しさん

    昔のこと思い出してしまいました。一年半付き合ってて一年同棲してたにもかかわらず、私が朝起きたら携帯と荷物だけおいて、お金だけ持っていった彼氏。元ホストの住所不定。最後はうちの弟の会社で働いてたくせに、そこもとんだ彼氏。
    いなくなったあとも、彼のことが好きで好きで……彼と付き合った一年半は偽りの幸せだったのかもしれない。だけど、私はあなたといれたことが幸せだった。アレカラ人なんて信じたくもないし、恋なんてしたくもない。あなたとずっと一緒にいたかった


    主さん、みなさんスレズレすいません。でも、この小説読んでたら彼とのことが蘇ってきてしまいました。

    2007-02-10 13:23:00
  • 548:

    翔子

    ?

    2007-02-12 22:59:00
  • 549:

    翔子

    あげときます?

    2007-02-13 22:02:00
  • 550:

    名無しさん

    ?

    2007-02-15 23:05:00
  • 551:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    翔子さん?たくさんあげてもらってありがとうございます?
    555さん?あたしも同じような気持ちでいっぱいでした。うまく言えないけれど小説で色んな気持ちと伝えたい事をお返事代わりに書いていきたいと思います

    更新します?

    2007-02-16 01:41:00
  • 552:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>553 続き

    一留と今度こそお別れかもしれない。
    好きにしろや…そう思った。だってあたしには引き止める術がない。
    毎日一留の事を考えてきた。できる事はやった。

    2007-02-16 01:46:00
  • 553:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    それで駄目ならどうしようもない。

    わかっていても悲しくて。
    一留の勝手さに腹が立つ。自分の弱さに打ちのめされる。
    あたしは弱くて未熟で。何もできない子供なんだと思った。一留もそう。

    2007-02-16 01:52:00
  • 554:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    誰かを守りたい、救いたい…それはエゴでしかなくて。
    自分もしっかりしてない人間が必死になっても一緒に溺れてくだけ。


    一緒………?溺れたのはあたし一人だったね。

    2007-02-16 02:01:00
  • 555:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …………………………………………………………

    2007-02-16 02:02:00
  • 556:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    久々の学校に来てちゃんと授業をうけた。久々と言うほどでもないけれど、来てすぐ帰ったりしていたし心ここにあらずといった感じだったから学校のみんなが懐かしく感じる。
    いかに自分が自分の日常をほったらかしていたかわかった。
    ゼミの先生にもっと真面目に来なさいと小言を言われる。
    一留と出会うまで毎日何気なく過ごした「普通」が愛しい。

    2007-02-16 02:09:00
  • 557:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはもう一留と会うつもりもなかったしそれでいいと思っていた。
    …思おうてしていたんだ。
    けど甘かった。
    「日常」を犠牲にしてまで一緒にいようとした一留。
    一留から近づいて来られたらまた簡単に引き戻される、あっけなく。

    2007-02-16 02:16:00
  • 558:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    2007-02-16 02:24:00
  • 559:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留からメールがくる。
    ?『今から会えへん?』
    もうでていったんちゃうかったんや…
    ?『会えへん』
    電話が掛かってくる。とったらアカン…でも声が聞きたい

    2007-02-16 02:27:00
  • 560:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「会って」
    「うち、仕事や」
    「仕事終わってからでいいから。待ってるし」
    声を聞いてしまったらもう無理。
    会いたいって会いたかったて体中で気持ちが震える。

    2007-02-16 02:30:00
  • 561:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    麻薬中毒者ってこんな気持ちなのかな…
    一留との恋は麻薬みたい。会えば幸せで満たされて会えなければ喪失感で苦しむ。
    駄目ってわかっていてもあの幸せな気持ちが忘れられなくて…………
    つい手が伸びる。足が向かう。
    心はもう苦しい、つらいでいっぱいなのにね。

    2007-02-16 02:35:00
  • 562:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ……………………………………………………………

    2007-02-16 02:37:00
  • 563:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はその日も服の胸元から竜の手をはみ出させている。春だっていっても見てるこっちが寒くなるくらい薄着で笑ってるのか困っているのわからない表情だ。
    「柚奈………」
    なにも言えず一留の顔も見れなくて一留の竜を見ていた。
    「怒ってるやろな…」
    一留はもうすぐ二十歳になるのに起こられた子供のような顔。

    2007-02-16 02:45:00
  • 564:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その顔を見上げると笑ってしまう。こんな時でも。
    「出ていくんちゃうかったん?」
    「やめたー俺かて別にいきたーて行く言うたんちゃうから」
    軽〜い感じで話す一留。
    「とりあ寒いしどっか入ろ」

    2007-02-16 02:49:00
  • 565:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    よく一留と行く喫茶店。いつも喧嘩しながら定食を半分個している店。
    また一留とここにくるとは思わなかった。
    「行くんやめてどないするん?」
    「俺つぎ裏の仕事するねん。金いいし。そしたら女んとこ行かんでいいし柚奈も安心やろ」
    「裏の仕事って?!危ない事はやめて〜やあ!」

    2007-02-16 02:54:00
  • 566:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「ほな俺が行ってもいいん?」
    「嫌やけど、そんな選択おかしいわ…」
    「裏はこれで最後や、もうやるゆうたあんねん」
    「何するん?」

    2007-02-16 02:57:00
  • 567:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    心臓がドクドクする。こんな話なのに軽い受け答えのあたし達。あたしは内面はすごく張り詰めていたけど一留に到っては遠足行ってきます!みたいなノリ……
    「とりあ東京行く!それ以上は言えへんわ」
    「はあ!?言ってや!」
    「あかん」
    「…そんなん一留やっぱあかんよ…やめよや!」

    2007-02-16 03:01:00
  • 568:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「金なかったら俺がやばいねん。お前と別れたくないしこれが一番いいねん」
    「良くないって!なんか考えよ!他に!」
    「…せっかく上手いこといきかけてたのにごめんな?今までもごめん」
    「誤っていらん!」
    「きつい事も言って悪いな。直すからな」

    2007-02-16 03:06:00
  • 569:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「一留、そんな話はいいから…」
    「………もうゆうてんか。やるって。」

    一留を大切っていうならなんで何が何でも止めなかったんだろう………。
    危ない事なんてして欲しくないけど、醜い嫉妬からあたしを選んでくれたのが嬉しくかった。こんな時にそんな事を考えるなんておかしいって今なら思うのに……………

    2007-02-16 03:12:00
  • 570:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留の言っている事を疑う気持ちはずっとある。それは消えていなかった。
    だけど一留が自分を選んでくれた嬉しさで舞い上がって、一留が裏の仕事にいっても足りない分のお金は出す事にした。
    お金が絡むと人間関係は歪む。あたしが一留を思う気持ちは綺麗なものだけじゃなくなっていく。
    一留に対する愛情も独占欲も普通といえる域を越えていた。
    大きすぎる感情が信用と疑いの両極端な幅で跳ね上がり転がり落ちる。

    2007-02-16 03:32:00
  • 571:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは苦しい道を自分で選んだ。

    強制でもなんでもなく自ら揺れ続ける方を取った。

    2007-02-16 03:34:00
  • 572:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留を誰にも渡したくない。
    一留の横におりたい。

    あたしは一留の女だから。

    2007-02-16 03:37:00
  • 573:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今日はここまで?
    いつも上げてくれるひとや呼んでくれてる人ありがとうです?

    2007-02-16 03:39:00
  • 574:

    翔子

    しおり?

    2007-02-16 17:16:00
  • 575:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    翔子さん?いつもありがとうです?はっきり言ってまとまってないところも多いし自分で思うところは色々あります、がずっと読んで頂いていて嬉しいです?

    更新します?

    2007-02-17 03:45:00
  • 576:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>580 続き

    ……………………………………………………

    2007-02-17 03:46:00
  • 577:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は5日間ほど例の仕事にでかけた…。
    世間はゴールデンウィーク。連休に浮き足立つ人、サービス業でいつもより忙しい日々を過ごす人。
    様々だけれど強くなっていく日差しの中、街は華やいでいるように感じた。
    あたしはというと、いつも働きに出ている店が休みになるのでキャバの体験に行って日銭を稼いだ。

    2007-02-17 03:52:00
  • 578:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    心配でろくに眠れない5日間だった。
    連絡は取れないかもしれない…そう聞いていた通りいくらメールを送っても返事はなく三日目の早朝に『おやすみ』とだけメールが届いた。
    それだけの事で安心して少しだけ眠れた……………。

    2007-02-17 03:56:00
  • 579:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留に約束した“足りない分“のお金を用意し始めたのと、裏の仕事から帰ってくる一留を小言を言われる居候先でなくてゆっくりさせてあげたかった。
    ラブホでもホテルでもなんでもいい、リラックスできて、帰ってきてよかったて思って欲しい………。
    我ながら連休もよく働いた。
    一留を行かせた罪悪感もあったから、せめてもの事はしたかった。

    2007-02-17 04:03:00
  • 580:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    生まれてから一番長い5日間が終わる。
    一留から連絡がくる。あたしは一番にあたしの所に帰って来ると思っていた。

    「今日、仕事回してもらった先輩の所いかなあかんし」
    「はあ?!なんしに?」

    2007-02-17 04:08:00
  • 581:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「なんしにて知らんやんけ?来い言われたから行かなアカンやろが」
    「ホテル泊まれるようにしといたで」
    「会うんやったら漫喫でいいやん。どっちみち今日は無理けど…」
    「そおか…疲れてるしちゃんとしたとこで寝たいかなと思っただけやで」

    2007-02-17 04:15:00
  • 582:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「おまえさあ………………」
    一留の声が苛立つ。
    「ん?」
    「やりたいだけけ?」

    2007-02-17 04:21:00
  • 583:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    意味がわからなくてきょとんとした。
    「どうやねん?」
    なんでこんな事聞かれるか全くわからない。あたしは5日間家をあけ気味だったし、お母さんも心配していた。一留の元気な顔みたら帰ろうと思っていた。
    「別に襲いたいとか思ってないしな。あんたやりたいだけで寄って来られると思うとかよっぽど自信あんねんな?」
    「………もうええわ」

    2007-02-17 04:34:00
  • 584:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「もうええわて何?言い出したんはそっちやん」
    「蒸し返すなて、もういい」

    「…言ってや」
    「それが心配した態度かていうてんねん。メールでは心配やなんとかいうたって口だけやん」

    2007-02-17 04:38:00
  • 585:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…心配してないわけないやんけ!帰ってきて顔みたいの当たり前やん!あんたが帰ってきた時にちょっとでも楽さしたい思たんやんか!口に出さへんかったらわからんの!?」

    同じ気持ちじゃないのが寂しい。
    虚しい。
    悲しい。

    2007-02-17 04:53:00
  • 586:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一番にあたしの顔見たいて思わないんや?

    こんな喧嘩になってしまっても一留は無事に帰ってきた。どこに行っていたか何をしていたか知らない。

    それでも帰ってきた……………。

    2007-02-17 04:57:00
  • 587:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    帰ってきたんや……

    2007-02-17 05:01:00
  • 588:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    おかしいな。喧嘩して傷ついて憎まれ口叩いて、泣く程憤慨しているのに懐かしく思う。
    一留が帰ってきてよかった。
    「ごめん…」
    長い沈黙の後一留が誤った。
    「…………好きやで」

    2007-02-17 05:09:00
  • 589:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはそう言ってた。一留が誤った後すぐ勝手に口から言葉がこぼれてた。
    “「好きやで」”

    こんな言葉に何の意味があるか知らない。あたしはこの時初めて一留にちゃんと好きって言った。

    2007-02-17 05:17:00
  • 590:

    緋恋◆lZf.ArgVp2




    ほんま頭おかしいくらい好きやで……                                                                             

    2007-02-17 05:22:00
  • 591:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今日はここまで?

    2007-02-17 05:24:00
  • 592:

    翔子

    ぅちは主さんの書き方スキです?読みやすいし、文章もわかりやすいです?これからも完結まで無理をしないで書いてください?完結まで応援してます?
    しおりぃ?

    2007-02-17 22:08:00
  • 593:

    翔子

    ??

    2007-02-18 19:28:00
  • 594:

    翔子

    あげときます?

    2007-02-19 21:44:00
  • 595:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    翔子さん?ありがとうございます?
    遅くなってごめんなさい?

    2007-02-25 06:18:00
  • 596:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>598 続き
    ……………………………………………………………………………………

    2007-02-25 06:20:00
  • 597:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

                  
      一留との時間。
    それから1ヶ月後に唐突に終わる事になる。

    2007-02-25 06:27:00
  • 598:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    一留となんだかんだと一緒にいるような気もしていたけど

    予測のつく別れでもあった。

    2007-02-25 06:29:00
  • 599:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …………………………………………………………………………………

    2007-02-25 06:30:00
  • 600:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    いつものようにお金に困った一留がいつものようにあたしを頼ってきて
    いつものように泣いて怒鳴って揉めた挙げ句にまたいつものように一留の為に奔走した。
    何のためのお金か…そんな事はもう意味をなさなくなっていてあたし達の関係はお金で繋がっているだけのように思えた。実際そうだったかもしれない。
    他の女の存在も確信はないものの前よりはっきりちらつき始めていた。

    2007-02-25 06:37:00
  • 601:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    仕事や色んなストレスでヒステリックに泣いたり、見えもしない女の子に嫉妬した。
    苦しいと思った。
    そんな事すら日常の一部として受け入れている自分が虚しくて夜中に一人でよく泣いた。
    泣けば泣くほど自分の中が空っぽになる気がしてその空洞をまた一留でうめようとする。
    一留もあたしも矛盾だらけでなにもかもつじつまが合わない。

    2007-02-25 06:46:00
  • 602:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは一留と別れるのが怖かった。
    愛されていなくても一留と別れる事は一留を見捨てる事のように感じた。
    裏切られても裏切りたくなかった。
    そしてどんな言葉で言い訳しても
    やっぱり一留といたかった。

    2007-02-25 06:52:00
  • 603:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    また本日中にかきます??

    2007-02-25 06:57:00
  • 604:

    翔子

    しおり?

    2007-02-25 22:16:00
  • 605:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>610 続き
    春はいつの間にか過ぎていて、昼間は少し動けば軽く汗ばむほど暖かくなっていた。もうすぐ夏がくる。あたしが生まれた夏は一留が生まれた季節でもある。
    一留と出会った頃、よく雪が降っていた。寒かったけど一留に大切にしてもらえていた冬はあったかくて夢みたいにどこか輪郭がぼけたような美しい思い出になっている。
    今は痛々しい日常が強い日差しのせいでコントラストがくっきりと輪郭がはっきりとしていくようで、やけにリアルだ。

    2007-02-26 00:43:00
  • 606:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    6月8日、一留に別れ話をした。正確には“された”
    喧嘩をすると一留は「別れるで」 と頻繁に言うようになった。
    馬鹿にされてる!そう思っても、結局離れられなくて一留のむちゃくちゃな意見を飲むしかなくなっていた。
    その日いつもと違ったのはあたしがこう言った事

    2007-02-26 00:49:00
  • 607:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    「いいで」

    一留は明かにびっくりした顔をした。目が子供の様にゆらゆらと揺れている。
    あたしの好きな一留の目。威圧的でもすれたようでもない、好きになった頃の一留の目。久々に見たような気がした。

    2007-02-26 00:54:00
  • 608:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    すぐにその目は消えた。
    「………ッ」
    しばらくどこかを見つめると
    「最後になにか言うことは?」
    ちょけた様子で一留が言う。その時の表情にも目にもさっきの一留の面影は全くない。どこにも…

    2007-02-26 00:58:00
  • 609:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「ない!」
    「そうかサイナラ」
    一留は立ち上がると飄々と歩いていった。そのふざけた後ろ姿をじっと見つめる。                          
    絶対に一留は振り返って戻ってくる。
    そんな確信があった。

    2007-02-26 01:03:00
  • 610:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あの短い足でよくあんなに速く歩けるなあ………………
    一留はどんどん遠ざかって行く。
    一留が振り返って戻ってきて最初になんて言うか。それでこれからの事は決まる。
    色々考えている間に一留は小さくなっていく。
    あたしはじっとそこから動かない。

    2007-02-26 01:10:00
  • 611:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

                  
    ほら、                      
    振り返った……
                          

    2007-02-26 01:12:00
  • 612:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は足早に戻ってくる。
    甘えてるからね、追いかけて来ると思っていたんだろう。                          
    「…………………」
                            
    先に話した方が負け。一留は感覚であたしは学習でそれを知ってる。

    2007-02-26 01:18:00
  • 613:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    先に口を開いたのは………                
    「どこ行くねん?散歩??」
                                 
    あたしの嫌みに一留はほっとした顔を見せた。
    「おお。」

    2007-02-26 01:21:00
  • 614:

    翔子

    しおり?

    2007-02-26 23:02:00
  • 615:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    翔子サン?いつもよんでもらってうれしいです。更新遅くなってしまいました?

    2007-03-05 23:44:00
  • 616:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>621 続き
    一留のほっとした顔を見て、何故かどうしようもない悲しさを感じた。
    あたしはまた一留を甘やかす。多分これからもずっと。好きだからそれだけで色んな事を許し続ける。それが一留をだめにする。あたしにもっと力があれば、才能があれば度量があれば………一留もあたしも守っていけるのに。
    ずっと一緒にいたいけど、そのために頑張ってきたけれど………………
    それでも…………

    2007-03-05 23:52:00
  • 617:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

                                                         
    おしまいなんだなって感じた


    2007-03-05 23:56:00
  • 618:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    泣きたくないのに涙がでた。一留の顔がぼやける。
    「泣くなって!お互いが違う方バラバラいったらどうしようもないやんけ!歩みよろ!」
    いつも泣いたら一留は怒るけどその時は優しかった。
    「あんたは何も歩みよってないやん。いつもうちだけが我慢してんねん。」
    「…これからは俺も頑張るから。キツい言い方とかもただの口癖やから。…治すし!………色々ちゃんとするから」

    2007-03-06 00:05:00
  • 619:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    どうにもならないってわかっていてもそう言ってくれた事が嬉しかった。
    泣きながらうん、うんと頷いた。
    さっき感じた事が嘘ならいいのにと何度も思った。一留は泣き止むまで側にいてあたしが笑うようにおもんない冗談を言ったりした。
    別れ際、小さくなっていく一留の背中を見えなくなるまで見送った。
    その後ろ姿は今でもけして霞む事はない。

    2007-03-06 00:14:00
  • 620:

    翔子

    しおり?更新されてるぅ?頑張って?

    2007-03-06 00:19:00
  • 621:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    そんな一留の理想と正反対な小さな頼りない後ろ姿。いちびった歩き方がより一層アホっぽくて頼りない。
    いつも先々歩くから早歩きで追っかけた大好きな背中……。
    一留ごめんな。一緒にいるときにどうしても言えへんくてごめんな。
    あんたの顔見てさよならなんてきっとあたしには絶対言えへん。

    2007-03-06 00:29:00
  • 622:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    気まずいとか面倒とかそんなんじゃない。
    一留の顔みてたら、あんたの横にいてたら一緒にいたくてたまらへんようになる。
    一留、ほんまに大好き。

    2007-03-06 00:36:00
  • 623:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは家に帰っても眠れずに必死に考えた。この期に及んで出来もしない“もしも”を…どうやったらこの先一留と楽しくやっていけるかを。
    一晩考えても答えは一個もなかった。
    一留との思い出、好きな仕草、バタバタした日々…思い出す度泣いた。

    2007-03-06 00:43:00
  • 624:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    気がつくと友達からメールが来ていた。一留の事を常々相談していた子からだった。
    そのメールを泣きながら読んで読み終わってまた泣いた。
    “柚奈が今まで一留にどれだけの事をしてきて一留がそれに対して何をしたか考えて欲しい。柚奈が一留の事が好きなのはわかるけど手におえる人じゃなかったと思って諦めて欲しい。”…こんな感じの内容だった。

    2007-03-06 00:50:00
  • 625:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    もし、逆の立場ならあたしも同じ事を言ったと思う。
    悲しいくらいその通りなのだから。
    わかってる…わかってる…………わかっていたのにずっとできなかった。
    あたしは一留にメールを送った。

    2007-03-06 00:53:00
  • 626:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留へ。
    やっぱり別れようと思います。お金用意できひんくてごめん。これ以上はもう出せへんねん。一留体に気をつけて、これからなにかするときはよく考えてな。自分を大事にして周りの人を大切にして下さい。元気でおってな。
    柚奈

    2007-03-06 00:59:00
  • 627:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    言いたい事伝えたい事、抱えきれないくらいあったはずなのにこんなしょうもない文になってしまった。…………でもこれでいい。好きやで大切やでって言ったところで今更や。
    そんな言葉望まれてなければ何の意味もなさない。
    一留の後ろ姿が浮かぶ。

    2007-03-06 01:05:00
  • 628:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    翔子さん?しおりどうもです?
    今日はここまでです

    2007-03-06 01:06:00
  • 629:

    名無しさん

    略ばっかり見にくいですよ。

    2007-03-14 03:59:00
  • 630:

    緋恋

    最初の方は略多いですね?後半はあたしの?からみたら略ないんですが?すいません?気をつけます?
    更新は今日か明日中にはしますね??
    風邪ひいて遅くなってしまってます?

    2007-03-14 07:02:00
  • 631:

    †優†

    キャバ時代に付き合ってた人のコト思い出しました?
    性格も似てて、やってる事も似ててスゴイ共感出来ます?
    彼わいつマデ経ってもフラフラしてて私も疲れてたし金を貸すのもピークに達したので金ダケわ親に返済して貰い結局終わってしまいました?更新楽しみにしています??

    2007-03-14 12:54:00
  • 632:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    優さん?もうちょっとで完結なので良かったら続きも読んで下さい?こういう人はねえ……どうしたらいいんですかね笑。同じような経験をした人、してる人に何か伝えたいと思って書き始めたので共感してもらえてほっとしてます笑

    今から更新します?

    2007-03-14 22:23:00
  • 633:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>636 続き
    電話が鳴る。一留からの着信。もう鳴らないかもしれないと思っていた着信音。
    一留の着信音は一留の好きな歌に設定していた。よく一留が聞いていて、何回か聞くうちにすごく可愛い歌だなって思っていつの間にか大好きな曲になった。
    恋愛とも友情とも取れる歌詞。可愛らしいメロディー。どちらかというと明るい感じの歌だから気づかなかったけど別れの歌だったんだと気付いた。

    2007-03-14 22:33:00
  • 634:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…はい」
    「はい。てなんやねん笑。メールなんやねん。昨日話した事はなんやったん?」
    「……もう付き合っていかれへん」
    一留はまだ昨日の喧嘩の続きだと思っているみたいだった。「………俺…」
    「もういわんといて!」

    2007-03-14 22:40:00
  • 635:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    何を言われても言ってももう取り返しはつかないから。
    「もう別れて…」
    しばらく続く重い沈黙。一留の動揺が無言からでも伝わる。一留はやっとあたしの決意に気付いたみたいだ。
    「俺は別れる気一切ない!」
    一留は当たり前の事の様にそう言う。

    2007-03-14 22:50:00
  • 636:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    馬鹿みたい。お互い別れる別れると言い合って言われた方が必死になだめる。
    生産性のないイタチゴッコ。
    お互いきプライドを傷つけ合ってできた傷を舐め合う事もできず傷を増やしながらここまできた。
    それでもお互いに安心してた。
    “離れない”って。

    2007-03-14 22:57:00
  • 637:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    それがわかるからしんどい思いをしてても側にいれた。


    けどみてや、一留。あたしもうボロッボロや。

    2007-03-14 22:59:00
  • 638:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「あたしは別れる気やで」

    “好きだから別れる”
    そんな事有り得ないと思っていた。なのに今まさにそんな瞬間が訪れている。
    このまま嫌いになるまで……。一留があたしを色んな意味で食い尽くして、あたしが一留から自然に離れたいと思う迄…そんな“一緒”なら実現できると思う。

    2007-03-14 23:14:00
  • 639:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは一留と毎日笑ってキスしたい。
    だからサヨナラやねん。

    一留が何か言ってる。一生懸命。あたしはそれを冷静に聞く。涙は底なしに流れる。一留が話してる事の内容なんて最早どうでもよくて。聞こえてくる声そのものが愛おしくて可愛くて。
    もう一留を納得させる言葉も拒絶する言葉も失ったあたしは

    2007-03-14 23:24:00
  • 640:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ただ繰り返すしかなかった。

    「ごめん」
    一留の他に大切な人がいなかったらよかったのに。あたしが男で一留が女だったらよかったのに。もっとあたしが今より色んな事わからない若い頃だったらよかったのに。

    2007-03-14 23:28:00
  • 641:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    そうだったら一留意外のもの捨てられたかな?
    そうしたら一留は愛してくれたかな?


    自分で思って呆れた。

    2007-03-14 23:31:00
  • 642:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    不意に一留が泣いているのに気付いた。一留は実は結構よく泣く。
    「…泣きなや」
    自分の方がもっと泣いてる癖に少しだけ笑ってそう言った。「俺と別れたい?」
    かすれた声できいてくる。
    「…………うん」

    2007-03-14 23:37:00
  • 643:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…こんだけいうても無理ならわかった」
    「……うん」
    二人して泣いた。泣いたってどうにもならない事はお互いよく知ってるのに。
    「……柚奈」
    「うん?」

    2007-03-14 23:40:00
  • 644:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    お互い馬鹿みたいに鼻をグシュグシュさせていた。
    「俺の事、好きけ?」
    「は?なに?」
    「言えや、もう嫌いけ?」
    なんでそんな事を聞くんだろうと思った。答えは一留、あんたが一番知ってるはずや。

    2007-03-14 23:44:00
  • 645:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    “もう嫌いけ?”
    そう聞いてきた一留の意図を計りかねて適当に返した。
    「嫌いやったらとうに終わってるわ」
    「……言うてくれ」
    「はぁ?」

    2007-03-14 23:49:00
  • 646:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「好きか?」

    この人は一体何が欲しいんだろう。お金が欲しかったならもういいだろうに。絞れるだけ絞ったんだから。あたしの気持ちなんて聞くまでもないのに。あたしは…………………………………
    「……………好きやで」
    あのちっぽけな後ろ姿を思う。見慣れたら可愛らしいけどたいして男前なわけでもなくて。甲斐性があるわけでも性格がいいわけでもない。いいとこより悪いところの方が多い。一留はそんな男。

    2007-03-15 00:00:00
  • 647:

    翔子

    しおり?

    2007-03-15 22:18:00
  • 648:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>655 続き
    どこがいいの?って周りに言われ続けてた。最悪 馬鹿男 情けない 騙されてる………色んな事言われ続けてきた。
    実際その通りだと思う。だけど………

    これがあたしの好きな人。

    2007-03-16 02:29:00
  • 649:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「柚奈………」

    あたしに好きって言わせといて自分は好きとは言ってくれない一留。

    そんなあんたが好き。情けや嘘で好きなんて言われた日には死んだ方がましってきっと思うから。

    2007-03-16 03:47:00
  • 650:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「一留…すき。」
    あたしはもう泣いていなかった。電話の向こうで一留が鼻をすする音がする。
    「……ならいい。」
    穏やかな声だった。

    2007-03-16 03:53:00
  • 651:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    6月、あたし達は別れた。冬に生まれた恋は夏を見ることなく終わった。
    なんだか嘘みたいだけど出会って半年。冬と春、たった二つの季節の間。もっともっと長い時間だったように感じるけど。
    電話を切った後、乾いた涙がまた溢れてきて声を出して泣いた。
    愛されてなかったかもしれないけどきっと一留も泣いている………そう思った。

    2007-03-16 04:04:00
  • 652:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留は東京に行くと言い、最後にメールがきた後、連絡は途絶えた。

    『今までほんまにほんまに有難う。感謝してもしきれへん。俺は東京行く事になった。さよなら。幸せに。』
    幸せにしてくれなかった癖にそんなことを言う。…阿呆。

    2007-03-16 04:16:00
  • 653:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    でも最後までごめんって言われなくて良かった。

    2007-03-16 04:18:00
  • 654:

    名無しさん

    主さんもしよかったらつきあってください!

    2007-03-16 04:22:00
  • 655:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>663 続き
    一留と別れてからもあたしの生活はせわしない。借金を返していかなくてはいけない。幸い職場では良い人に恵まれて楽しく働いていた。ここにきて実家な事も幸いして順調に返していけている。
    学校の事もおざなりにしていたツケがまわってきてやることは山盛りだった。

    2007-03-17 01:28:00
  • 656:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは思ったより元気だった。やる事がたくさんあったせいでくじけてる暇はないと気丈でいられたのかもしれない。友達も何回も何回も同じ話をしてたまに泣いたりするあたしの話をちゃんと聞いてくれた。
    頑張ろうと思ったし頑張る事が当たり前だと思えた。

    2007-03-17 01:35:00
  • 657:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしが一留を心配したように心配してくれる人があたしにもいるんだ。
    埋められない寂しさは気づかないフリとお酒でやり過ごせた。
    不思議だけど一留と出会う前のあたしより寂しくない。
    人間って少しくらい寂しくて当たり前。あたしも一留も他の人も。
    だから恋なんて体力使う事ができるんだろう。

    2007-03-17 01:40:00
  • 658:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    見栄っ張りだし、自分が心配性だから好きな人達に心配かけたりしたくない。
    一緒にいれる事は当たり前の事じゃない。色んな偶然とお互いの努力、思いやりで成り立ってる。
    恋人も
    友達も
    家族も

    2007-03-17 01:46:00
  • 659:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは平気
    あたしは大丈夫

    言い聞かす
    繰り返す

    2007-03-17 01:48:00
  • 660:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    でないとへたり込んでしまう。

    あたしは芸術関係の学校の学生。グループ展をやる事になっていた。締め切りが迫っているのに何も手に着かなかった。
    一人でやるわけじゃないので遅れたらメンバーに迷惑がかかる。

    2007-03-17 01:53:00
  • 661:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    仕事の時はいい。色んな人と関わって頭が回転して、ある意味クリアな状態。
    絵を描くとか何かをつくる一人の作業になるとどうしても色んな事が頭を駆け巡って最後には真っ白になる。
    強い自分と弱い自分の間でもがく。

    2007-03-17 01:58:00
  • 662:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    シーソーみたいにゆらゆらしながら、なんとか水平に保たれていたあたしの心。
    その日それは

    崩れた。

    2007-03-17 02:02:00
  • 663:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留はホストを辞めてからもたいして売れていなかった割りにサイトを騒がしていた。
    それは付き合っている頃からもずっと。興味本位で覗いたりしていたけどあまり気にはしていなかった。
    その日、なんとなくサイトを見ていたら久しぶりにあがっていた一留のスレッドを見た。

    2007-03-17 02:08:00
  • 664:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    【コロが〇〇で女の子と歩いてるんみた】
    サイトについては色んな意見があると思う。実際デマや妄想も多々ある。
    本人をよく知っていれば書かれてることが嘘か本当かなんとなくわかるものだ。
    あたしは目撃された場所から本当だと思った。

    2007-03-17 02:14:00
  • 665:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あんなマイナーな場所は嘘なら書かれないだろう。
    それにそこはよく一留と行った場所だった。
    震える手で【いつ?】と打った。
    しばらくして書き込みがある。
    【昨日やでえ。】

    2007-03-17 02:18:00
  • 666:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    頭が真っ白になった。

    2007-03-17 02:19:00
  • 667:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留が何故東京に行くと言ったか。
    それは一留はまたいつものようにややこしい人たちと揉めてお金を請求された……らしい。
    結局お金を用意もできずあたしとも別れたから東京でその揉めた人の下で働くというような話だった。

    2007-03-17 02:23:00
  • 668:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    嘘やったんや。

    一留は東京にも隣の県にすら行っていない。この街にいる。
    なんだかそれはただの憶測でしかないけれど確信があった。
    あたしは一留をよく知っている。

    2007-03-17 02:27:00
  • 669:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    悲しいけれど自分で薄々感づいていた部分もあった。

    なのに一歩も歩けないような心境になった。
    怪しいと思っているのといざ目の前に事実を突きつけられるのは違う。

    2007-03-17 02:30:00
  • 670:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    立ち直りかけていたあたしはまたぺしゃんこになった。

    それでも淡々としていたのは何故だろう?

    きっともう一つ感情が生まれたから。

    2007-03-17 02:36:00
  • 671:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    愛しい、好き、心配。これは今までのあたしを突き動かしてきた気持ち。
    その気持ちも少しの月日で消えるわけもなかった。

    でも もうひとつ

    2007-03-17 02:41:00
  • 672:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その日 生まれた

    感情の名前は                                      
    “憎しみ”

    2007-03-17 02:43:00
  • 673:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    濁って鈍くなる思考の中で
    一留への感情のシーソーは憎しみと愛情で軋みをあげて上下する。
    決して水平になる事のないシーソーの振動はあたしを打つ。
    苦しい。

    2007-03-17 02:48:00
  • 674:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは過呼吸を起こした。あんなに苦しいものと思わなかった。

    発作が収まってきて息ができるようになってきた時の安堵感、さっきまでの苦しさを思うとこのままきえちゃえればいいのに…と思った。

    2007-03-17 02:53:00
  • 675:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    親しい友達がよく過呼吸になるので自分で対応できたし比較的早く発作は収まった。
    一人ぼっちで息ができなくてもがきながら二酸化炭素を吸う為に自分の口をふさいだ。
    この時程一留を憎いと思ったことはない。
    一留への止まない愛情は病みはじめる。

    2007-03-17 03:05:00
  • 676:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今日はここまで?

    2007-03-17 03:05:00
  • 677:

    名無しさん

    やっぱいいなぁ!付き合いたい!その優しさがたまらんわぁ!

    2007-03-17 08:01:00
  • 678:

    名無しさん

    やっぱいいなぁ!付き合いたい!その優しさがたまらんわぁ!

    2007-03-17 08:02:00
  • 679:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    690さん?あたしは優しくないですよ。この時はそんな前ではないですが子供だったと思います

    更新します

    2007-03-25 22:37:00
  • 680:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    それからあたしは一留の素性を自分でできる範囲で徹底的に調べた。名前、年齢、生まれ育った場所、環境…大抵の事は本当だった。
    雇い主だったオーナーにも連絡をとって簡単な事実確認をしたりもした。
    一留は施設で育っていると言っていてそこの先生の話もよくしていた。
    ……その先生に会えれば一留の事なんかわかるかもしれへん………!!!

    2007-03-25 22:45:00
  • 681:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは一留を探していた。
    お金を騙し取られた事に対する怒りと悲しみ。
    絶対痛い目合わしてやる!
    そんなふうに最初は思っていたしお金を取り返したい気持ちもあった。
    騙された自分が惨めで恥ずかしくて虚しくい。

    2007-03-25 22:52:00
  • 682:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今の時代、ネットっていうのは本当に便利。真偽はともかく情報は簡単に手に入る。あたしは施設に電話をかけた。
    長いコール音。
    コール音が鳴る度に自分はどうかしてると思った。
    こんなふうに一留を探して何になるっていうんだろう。心配とか愛情とか言葉で飾るのは簡単だ。本当に一留を愛したならそっとしておけばいい…………
    馬鹿な事してるとわかっていた。そうすることで余計に落ちていく気がする。

    2007-03-25 23:03:00
  • 683:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    『はい、美星園です』
    すごく事務的な声の女のひとがでた。うろたえて最初に言おうと考えてた出だしが全部吹っ飛ぶ。
    『………あっあの…あの』
    『―もしもし?』
    悪戯と思われたのか電話の声は不機嫌そうに乾燥する。
    『…山本と…申しますがっ』

    2007-03-25 23:09:00
  • 684:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    (略部分)
    『…山本と…申しますがっ』

    2007-03-25 23:11:00
  • 685:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    声が震えてる。
    『…あの、伊藤一留君って昔そちらにいらしゃい…』
    『伊藤さんはとっくに卒園なさってますよ、今何をしているのか一切わからないです』
    言い終わらないうちに女の人は一気にそう言った。声はますます水気を失いとても義務的で冷たかった。
    『あの今も連絡をとっている教員の方がいらっしゃると思うんですが…』

    2007-03-25 23:18:00
  • 686:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    『さあ…わかりかねます』
    『では…』
    『何もお教え出来ることはないとおもいますよぉ〜』
    最早、不機嫌を通り越してウザそうな対応。
    『わかりました。失礼します』

    2007-03-25 23:22:00
  • 687:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    何も聞き出せるような事は無かった。
    次に一留が働いていたパチンコ屋に電話をかける。
    『あの伊藤君…』
    『そんな人いません』

    2007-03-25 23:26:00
  • 688:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    『1ヶ月前ほどどすがバイトで働いていたと思うのですが』
    『だからいないですよ!そんな人は』

    これはさすがにつらい。働いてるのも嘘やったんや…
    パチンコ店のバイトも今は厳しくなって身分証がなかったら働けないらしい。一留は身分証になるもの保険証だって持っていなかった。一留にそのへんの事を聞いた時、知り合いの店やからそこはなんとかしてもらった!と言っていた。あたしは疑問を残しつつも自分の家系がこぞって自営業な事もあって、そういうのもあるんかなってしぶしぶ納得したのだった。

    2007-03-25 23:34:00
  • 689:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    薄々怪しいなとは思ってた。口では働いてるなんていくらでも言える。
    でもまさかなって思ってた。そこまでしょうもない事するかなって。
    確かめる事なんて付き合ってる間でもできた。したいとも思った。
    でもそこまでしだしたら終わりでしょ?

    2007-03-25 23:43:00
  • 690:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    そんなん言いつつ確かめるんがこわかったんやろうなあ……

    2007-03-25 23:44:00
  • 691:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    嘘が後から後から
    掘り返す度にでてくる。
    裏切られまくったなって思っている以上にまた裏切られている事に気付いていく。
    傷つくだけなのにそれなのにまた掘り返していく。
    何故って?

    2007-03-25 23:48:00
  • 692:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    いっぱいいっぱいの愛情が執着が
    行き場をなくしているから。
    一留はもういないから。
    向かうところのない気持ちがそれでも一留を探してウロウロする。
    そらは止める事ができなくて

    2007-03-25 23:53:00
  • 693:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    その結果、傷ついてるだけの話。

    2007-03-25 23:56:00
  • 694:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    傷ついた、悲しい、でももう泣いたりしないし誰にも迷惑かけていない。

    自分でもキチガイだなって思うけど一留の事で新たに悲しい事、ムカつく事がでてくる度、なぜか少し安らぐ。
    そうやって一留の事気にし続ける事で一留のいない隙間を一留に裏切られた虚無感を埋める。
    そうしている限り繋がっている気がした。馬鹿すぎるけど。

    2007-03-26 00:01:00
  • 695:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしの地元と一留の地元はご近所。自分の人脈をフル活動して一留の事を聞いて回る。
    地元での一留の評判は
    『一留?ああ!あのへたうちか!』

    …と散々なものだった。

    2007-03-28 04:30:00
  • 696:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    借りたお金や物を借りパクしたり何かにつけ飛んだり
    “どうしようもない”
    そんな感じだった。
    聞く度に何か憤りを感じる。
    言わんといてや。一留はどうしようもないかもしれへん。けど一留の事よう知りもせんのに悪くいわんといて………

    2007-03-28 04:35:00
  • 697:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    言うていいとしたらそれはあたしと
    一留になんかされた人だけ。

    一留の悪評を淡々と語る、あたしもよく知らない一留と関わりのあった人たち。
    自分から聞きだしたのにその人達に腹を立てた。

    2007-03-28 04:38:00
  • 698:

    名無しさん

    この一留って何て読むん?かずとめ?

    2007-03-28 08:21:00
  • 699:

    初めの方に書いてあるやん!読んでないん?

    2007-03-28 17:58:00
  • 700:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留『いちる』です。
    ずいぶん話が長くなってしまってややこしくなりました?

    更新します?

    2007-03-29 00:46:00
  • 701:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>709 続き
    人ってほんまに色んな人がいる。いい人もいて悪い人もいる。そもそも“良い”“悪い”と決めているのもあたし個人の価値観にすぎない。
    「人なんて信用するもんちゃうねん」
    一留がよく言っていた言葉。なんて悲しい事いうのかと思った。
    今は一留の事もあって少しわかる。

    2007-03-29 00:53:00
  • 702:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留を探す過程でたくさんの人に出会った。同情や気の毒とかそういった感情は好奇心を煽るらしい。
    色んな人に一留の事を聞いた。親身になって話を聞いてくれる人もいた。…そう思った最初は。
    「心当たりあるかも…」
    知り合った男の子の内数人はそういう反応をした。あたしは必死でそれに食いついて質問責めにした。
    でも結局はみんな何も知らないのだった。酷いのになると一留本人の事も知らない人もいた。

    2007-03-29 01:02:00
  • 703:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「もういいやん。俺が忘れさしたるわ」
    話を聞く振りをして結局はこの流れになる。こっちは真剣なのに……。
    邪険にすると「お前きしょいわ」、「お前が嫌いやから逃げとんねん」、「そんなんやから逃げられんねん」、「こだわる程の男かあ?」
    口々に責められる。何も知らない人達が興味本位に餌をちらつかせながら近づいてきて、何も知らないのに好きな事を言って去っていく。

    2007-03-29 01:11:00
  • 704:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    情けない。…現にあたしは一留についてボロクソに言われた時、これ以上コイツらと関わりたくないっていう気持ちもあったけど、一言も言い返せなかった。
    その通りかもしれないから。
    散々ヘコんで悔しくて、唇をぎゅっと噛んで家に帰ってきた真夏の日。
    一留の誕生日だった。

    2007-03-29 01:23:00
  • 705:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    何気なくテレビをつけた。

    神様がいるなら神様はあたしが嫌いなのかもしれない…
    一留と初めて一緒に泊まった日に見た映画がテレビ放映されていた。
    「カンフー・ハッスル」多分そういう題名の涙とは程遠い、バカムービー。この映画を見てこんなに泣いたのは世界できっとあたしだけだと思う。

    2007-03-29 01:30:00
  • 706:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    泣きながら、少し笑ってしまう自分。
    楽しかったなあ…しみじみと感じた。
    嘘をつかれても裏切られても、その時の思い出はキラキラとあたしの中でとても綺麗。それが悔しい。切ない。
    だから一留が許せへん。
    だから一留を許したくない。

    2007-03-29 01:37:00
  • 707:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    サイトでも情報収集した。偶然、知り合った子と会うことになった。
    その子は一留の彼女だった。あたしと同じ時期から付き合い始めてあたしが別れる少し前に別れたらしい。
    つらかったけど大した事じゃなかった。予想の範囲内。
    一留の嘘は大抵、実際日常で起こった事をベースに作られている。その子の話も一留の口から聞いた事があった。付き合っているとはさすがに言わなかったけど知り合いでこういう子がいるっていう世間話的な感じで聞いた。

    2007-03-29 01:57:00
  • 708:

    名無しさん

    完結近いかな?

    2007-03-29 02:00:00
  • 709:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    嬉しがりというか一留はあたしに子供みたいに今日こんな事があってっていうのを色々楽しそうに話していた。
    ただ正直に話せない事もいっぱいあるから脚色は入れていたはずだと思う。別に彼女の事だって嘘ついて話すくらいなら黙っておけばいいのにね。
    あたしはその子と話していて何よりも一留との思い出を共有できるのが嬉しかった。変な話だけど。
    なんだか彼女と話してあたしは気持ちが落ち着いた。友達にはムカつかないの?と聞かれた。一留はムカつくけどその子に対しては嫌な感情はなかった。一留を実際よく知ってる人と一留の話をしたかったんだと思う。

    2007-03-29 02:08:00
  • 710:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その子も一留を探しているらしく、見つけたら必ず連絡すると言って別れた。
    そんな時だった。オーナーから電話で知らせを貰った。
    「コロやけどなあ…見つかった?」
    「ないで〜」
    オーナーがさらっとなんでもない話みたいに話すから意味が一瞬わからなくなった。

    2007-03-29 02:14:00
  • 711:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「コロ 指名手配されとるで」

    シメイテハイ サレ テル…??
    馬鹿みたいにほんまなん?ほんまなん?なんで?なんで?と同じ事ばかり繰り返した。
    一留は今どこでどうして何を思ってるのだろう

    2007-03-29 02:19:00
  • 712:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>720さん もう少しで完結予定です?

    今日はここまでにします。近い内に完結させたいと思います

    2007-03-29 02:21:00
  • 713:

    名無しさん

    めっちゃ気になる!!気になって寝られへん(>_

    2007-03-29 03:22:00
  • 714:

    名無しさん

    早く書いてぇ?

    2007-04-04 23:21:00
  • 715:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>725 サン?遅くなりましたm(u_u;)m

    >>726 さん?今から更新しますね?

    2007-04-06 22:30:00
  • 716:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>723 続き

    どうやら店に刑事が一留の事を聞きに来たようだ。店側は知らぬぞんぜぬで通したらしい。聞かれた所で誰も一留の居場所なんて知らないのだから。
    夕くんもあたしが一留と別れる少し前に店を飛んでしまっていた。一留と連絡くらいはとっているかもしれないけど、夕くんも一留と会ったり深く関わっていたりするような事は多分ない。

    2007-04-06 22:39:00
  • 717:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「それ、ほんまに刑事なん?」
    一留は色んな人から探されているから誰かが警察の名前を語って聞きに来たのかもしれない。
    「刑事やろ―多分」
    警察の名前を語って行動すると偽証罪といって軽くはない罪になるらしい。
    刑事は渋谷警察を名乗った。書類も何枚も持ってきていて警察手帳も見たと従業員の子が話してくれた。

    2007-04-06 22:45:00
  • 718:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    シブヤ ケ イ サ ツ…?

    何をいつ頃して警察に探されるような事になったのかわからない。ゴールデンウィークに行った仕事の事かもしれないしあたしと別れた後なのかもしれない。
    ぼんやりとああ、ほんまに東京行ってたんや……と思った。
    一留、あんたは何をしとんねんな。なあ、あたしは短い間だけどあんなに一緒におって何をしててんやな。

    2007-04-06 22:52:00
  • 719:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしのやった事全て間違いだったように思った。
    もっとはやく突き放しておけば
    少なくともあたしの事を一留は騙さなくてすんだ。

    少なくともあたしは一留を恨まずにすんだんや…

    2007-04-06 22:58:00
  • 720:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「柚奈、コロ探すんはもう辞めろ。お前がアイツの事心配し続けるなら帰ってきた時受け入れたったらいいねん」
    「帰ってこ―へんよ」
    「お前が忘れた頃に連絡あるような気がするねんけどな」
    「何の根拠があって言うてん?」

    2007-04-06 23:07:00
  • 721:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「だって男ってそういうもんちゃう??」
    「…帰るわ」
    グラスを空にして息を吸う。きっとこれ以上ないくらいに情けない顔したあたしにオーナーが意地悪く言う。
    「もし、コロそのへんおったらどうする?」
    「…ボコボコにしてまうかもしれん笑」

    2007-04-06 23:13:00
  • 722:

    緋恋◆lZf.ArgVp2


    「…できひん癖に」

    なんだか情けなさも通り越し色んな思いを通り過ぎもはや笑うしかなくなって半笑いで答える
    「………できひんなあ…」

    2007-04-06 23:16:00
  • 723:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    店をでると外は雨だった。蒸し暑くゴミゴミしていて街はキラキラしながらも濡れた鳩の羽のように薄汚い。
    泣いて化粧の溶けた女の子みたいでもある。なんか荒んで無惨で寂しい感じ。
    オーナーの言葉がぐるぐる回る。
    涙がでる。
    “忘れた頃に…”

    2007-04-06 23:24:00
  • 724:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    だったらうちらは二度と会えへんなあ……………

    あたしが一留を忘れる日なんてこないから。一留はもうあたしの事忘れたかなあ。
    あたしは一留になんの影響も与える事ができなかった。一留の心に少しも残れへんかった。
    雨が降ってて良かった。あまりにもあたしの心にぴったりだから今、素直に泣けている気がする…

    2007-04-06 23:29:00
  • 725:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    見る暇もなく過ぎ去った桜。行こうって言ってた海。上映ね終わった映画。
    果たされなかったいっぱいの約束。
    みんな寂しくずぶ濡れになって灰色の雨の下、鮮やかさを無くしていく。
    「お姉ちゃん、なんか悲しい事あったんか?」

    2007-04-06 23:43:00
  • 726:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…大丈夫です」

    涙を拭いた。土砂降りの外と同じくあたしの顔は無惨な状態。
    一留はあたしが泣くと化粧がとれるぞとかブスが余計ブスなるとか、そんなんばっかり言ってたなあ。
    ええねん。別に。不細工なっても…今はタクのおっちゃんしかおらんから…

    2007-04-06 23:53:00
  • 727:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    …………………………………………………………

    2007-04-07 00:22:00
  • 728:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    オーナーには探すのをやめろと言われたし自分ではこれ以上できないとこまで来ていた。探すっていっても所詮、ちょっと水商売かじった程度の学生の女ができる事、たかがしれてるし可愛いものだと思う。オーナーに一留の施設に電話した話も会った時、少しした。
    「やっぱ規則とかあって教えられんのかなあ」
    そうあたしがぼやいたらオーナーは少し考えて
    「それもあるかもしれんけど、そんだけアイツに対する問い合わせが多いて事やろ」
    と言った。あたしに探すなって言ったのはもう関わるなという意味もあったと思う。

    2007-04-07 00:37:00
  • 729:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    関わりようなんてないんやけどな…
    どこにいるのか、なにしてるのか、逮捕されてるのすらわからない。
    心配で悔しくて苦しくてムカついて…
    どうしたらいい?
    いてもたってもいられへんねん

    2007-04-07 01:04:00
  • 730:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    知ったところで何ができる?あたしが何かする事を求められる?
    けど会いたい。
    一留から一留の声で今までの事を聞きたい。あたしが嫌いでもだったらそう言って欲しい。
    今までの全部が嘘なら嘘って言って欲しい。
    なにもわからない宙ぶらりんな状態よりそっちのほうがずっといい

    2007-04-07 01:28:00
  • 731:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今日完結できたらと思ったんですが??無理でした?
    ほんまに更新も遅いのによんでくれてる方ありがとうございます?

    2007-04-07 01:57:00
  • 732:

    名無しさん

    あげ

    2007-04-07 02:03:00
  • 733:

    一気に全部読みました?初めはバカじゃないのって思ってたけど人をここまで好きになれる、愛せるっていいなって思いました?完結まで楽しみにしてます???

    2007-04-07 20:52:00
  • 734:

    名無しさん

    あげ

    2007-04-10 20:19:00
  • 735:

    翔子

    完結まで頑張ってくださぃ☆応援してます(*^o^*)/~

    2007-04-10 22:14:00
  • 736:

    名無しさん

    ???

    2007-04-19 14:59:00
  • 737:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    翔さん?馬鹿そのものです?現実見ているつもりで逃避ばっかりして思い出して自分に腹立つ事も多いです?一生懸命だったんですけど
    翔子さん?始めのほうからコメント書いてくれて嬉しいです
    上げてくれた方々有難うございます
    更新します?

    2007-04-19 21:46:00
  • 738:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>742 続き
    時間ばかりが過ぎていく。警察とか犯罪について疎いあたしは何もわからない。自分が世間知らずなんだとつくづく思った。もっと色んな事を知識として持っていれば騙されることだってなかったかもしれない。
    まあ普通に生きてる分には警察のシステムなんて知る機会もないような気がするけど。
    一留が例え捕まっているとしてどうやってその事がわかるんだろう?面会できるんだろうか?

    2007-04-19 21:55:00
  • 739:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    104で問い合わせて渋谷警察の電話番号を聞いた。警察に電話したのなんて産まれて初めて。
    「け…刑事課に繋いで貰えますか?」
    なんだかドラマみたい…とか思ってる内に担当の人と電話が繋がる。関東の人の話し方に慣れていないせいなのかその人がそうなのか冷たい感じがした。
    「あの…伊藤一留さんはそちらの方にいられるというような事がありますか?」
    受話器の向こうの男の声はそういう事は教えられません。家族でもない限りは…と説明した。

    2007-04-19 22:04:00
  • 740:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    納得できない気持ちのまま、なんて言ったらいいかもわからないまま電話を切られた。
    そういえば人には人権というものがあって刑務所からでたらどこに住むとかプライバシーは守られるんだっけ?
    それが例え人を殺したりした人間でも。

    世の中は難しい。こんがらがっている解きようがない程。

    2007-04-19 22:12:00
  • 741:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留に被害届を出す事も考えていた。同じ事を繰り返して欲しくないから。そんな風に生きて欲しくないから。
    復讐したい気持ちもあった。
    あたしがお金を貸したのは一留が成人する前だから一留からお金の取り立てもできないし、彼が罪に問われる事もないと思うけど。
    もし一留が同じような事をして誰かからお金を借りて返さない場合、被害者が被害届を出したとする。もしその時に立証できるような証拠がなくても同じような訴えがでていれば警察が動くらしいから。

    2007-04-19 22:20:00
  • 742:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    全部一留がいなくなってから調べた。
    こんな事をしてなんになるのかわからない。
    そうせずにはいられなかった。
    一留に会いたかった。

    2007-04-19 22:24:00
  • 743:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    もっとも仮に一留がそれで捕まったとして罪状がもし詐欺系なら面会もできないらしい。
    あたしは色んな事をもう一度色々考え直し、もう一回警察に電話をかけた。

    「先程電話をかけさして頂いた者ですが…」
    さっき訪ねた人物に被害届を出そうと思うが詳細がよくわからないし連絡がとれれば誤解かもしれない。この場合どうしたらいいか…といった内容を話した。

    2007-04-19 22:31:00
  • 744:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    刑事の声は淡々と返答を返す。地元の警察にでも行って相談して被害届を出すなら出すで手続きをしてくれ。そうしたら警察がその訴えが事実であるか調べる。もし刑罰を受ける必要があって今刑務所にいるような事があれば再逮捕という形になる。刑事が最後に言った。
    「警察というのは処罰を与える場所であって話し合いの場に引っ張りだす所じゃないからねえ…」

    「…………」

    2007-04-19 22:39:00
  • 745:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    自分の気持ちが見ず知らずの人に見透かされて恥ずかしかった。
    刑事の言い方にも腹が立った。きっとこんなこと向こうにしたら日常茶飯事なんだろう。
    何よりあたしの気持ちはそんな呆れたような声で片づけられるような部類の話なんだと思うと自分に嫌悪感が募った。
    なんてあたしは馬鹿なんだろう。
    なんてあたしはこんなにどうしようもないんだろう

    2007-04-19 22:46:00
  • 746:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは一留を探す事をやめた。もう疲れた。
    本当に疲れた。
    毎日毎日馬鹿な自分を責めた。
    幸せになりたくて頑張っていた毎日は一留に人を陥れる事をさせていただけだった。
    して欲しくなかった事を率先して自分がさせていたんだ。

    2007-04-19 22:51:00
  • 747:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留を許せへん。

    それ以上に自分が許せへん、嫌い、惨め。
    一留を探す事をやめたから代わりに自分の落ち度が見つかる。
    ひとつ、ふたつ、数え切れない。

    2007-04-19 22:56:00
  • 748:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その頃、学校のグループ展の締切が間近になりあたしは嫌でも何か作品を作らなければならなかった。なにも思いつかないし……
    仕事以外の大半の時間、学校もろくに行かず寝て過ごした。いよいよヤバいというところで今度はろくに眠らずに作った。自分でも何やってるのか何がしたいのかわからなかったのに手は動いた。
    作ってる間は楽だ。あまり何も考えなくていい。
    あまり何も考えたくない。

    2007-04-19 23:06:00
  • 749:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    なんとか間に合わす事ができた。ほんと“なんとか”という感じの出来。時間がないのと力不足でとても稚拙なものだった。
    ギャラリーに二週間ほど展示していた。
    展示期間がすぎクラスの子達と遣わしてもらったギャラリーを片付けた。
    その時、見に来てくれた人に書いて貰うアンケートを読んだ。
    結構事細かに作品に対する批評と感想が書き込まれている。自分がアンケートを真面目に書いた事がないので感心しながら読ませて貰った。

    2007-04-19 23:16:00
  • 750:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その中にあたしの作品に対してのコメントを見つけた。自分の作品に対する批評は嬉しい反面、正直怖い。
    そこには短い文でこう書かれていた。

    “傷ついても傷ついても諦めなかった記録のように思いました”

    2007-04-19 23:20:00
  • 751:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは思わず外に飛び出した。
    自分の作っているものがなんなのか自分でよくわからなかった。
    人の意見を通して気づいた。
    あたしは自分の気持ちそのままを言葉にできない何かを吐き出していたんだ。
    そしてそれは全く知らない誰かに伝わった。

    2007-04-19 23:26:00
  • 752:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    外の夏の日差しが肌に刺さる。リアルにそれがわかる。体の中の熱が涙と一緒に流れて落ちる。
    あたしを追いかけてきた友達が隣に座った。
    「柚奈はこんなん言ったら嫌かもしれんけどあたしは柚奈が一留クンに出会ってつらい思いしたん知ってるし柚奈が一留クンに会わんかったら良かったって思うねん」
    ジワジワと蝉が鳴いている。その声は大きくなったり小さくなったりしながら精一杯の命のひたむきさで夏の空をあたし達の座り込むヒンヤリとした建物の影を満たしながら時間を刻む。

    2007-04-19 23:38:00
  • 753:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…でもな、一留クンと付き合ってる時の柚奈はとってもとっても可愛かったで」
    あたしは笑った。
    「せやろ〜」

    あたしは精一杯、一留を愛したのかもしれない。傷ついても傷ついてもその気持ちを守りたかった。一留よりもその気持ちが大切だったのかもしれない。難しすぎてわからないけどでもなにより一留に笑って欲しかった。

    2007-04-19 23:46:00
  • 754:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    その為に精一杯鳴いて泣いた。間違っていたかもしれないけど全部あたしが選んできたこと。

    だから

    2007-04-19 23:50:00
  • 755:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    あたしは自分を許そうと思った。

    2007-04-19 23:50:00
  • 756:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留の事も許したい。
    本当は憎み続けるのしんどかった。
    一留がやっぱり大好きだから。

    2007-04-19 23:52:00
  • 757:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    人を愛するのってつくづく究極のえこひいきなんなあ…

    一留と過ごした半年は鮮やかなまま、たくさんの後悔と言えなかった言葉、伝わらなかった愛情と一緒に日常に沈んでいく。
    色褪せはしないけど色んなものが積み重なって段々思い出すのが困難になる。
    一留に出会ってあたしの目に映る毎日は前よりずっと美しくて醜い。

    2007-04-19 23:59:00
  • 758:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    一留、あなたの毎日はどんなふうですか?悪運の強いあんたやから死んだりは絶対ないと思うけど…
    人を騙したり欺いたりしてへん?余計な世話やけどあたしは一留に笑ってて欲しいから。どうかつらい事があってもいじけないで立ち向かって。
    あたしはあんたが例えあたしの事嫌いでも負けへん。毎日精一杯一留より元気に楽しく過ごしたるわ

    2007-04-20 00:06:00
  • 759:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今あたしは前よりずっと自分がすき。馬鹿でどうしようもないけどあたしは力いっぱい誰かを愛せるねん。

    臆病になったし更に心配性になったけどそれでも
    明日もいい日にしようって今は思える

    2007-04-20 00:12:00
  • 760:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    ☆おしまい☆

    2007-04-20 00:13:00
  • 761:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    今までコメント書いてくれはったり読んでくれはった方々有難うございました?長くなってしまいましたが完結しました。励まして貰ったおかげです?

    2007-04-20 00:15:00
  • 762:

    ?

    ずっとよんでました?
    ゆなさんおつかれさまです?
    色々かんがえさせられました??
    文章力もあって読みやすかったです?
    完結しちゃって寂しいけど読んでてよかッたと思います?
    またよかったら書いて下さい?

    2007-04-20 05:41:00
  • 763:

    名無しさん

    完結して淋しいケド、この小説大好きです。
    おつかれさまでした。

    2007-04-21 06:54:00
  • 764:

    名無しさん

    なんか俺涙出たわ?なんで主さんみたいないい女に限って、本間ありえんくらいの男にひっかかって、うまい事されてるんやろ?それでも好きなったらどーしよもないんかな。でも、俺は付き合ってる相手の評価は自分の評価やと思うし、そんな男にホレてしまった主さんもそれだけのレベルの女だと思ってなんか淋しい気持ちになりましたぁ?
    主さんしっかりしてて、思いやりも人よりもあるんやから、本間いぃ男みつけて幸せになって欲しい?
    あまりに衝撃受けた小説やったんで感想長くなってごめんなさい!

    2007-04-22 10:42:00
  • 765:

    名無しさん

    ???

    2007-04-22 16:18:00
  • 766:

    名無しさん

    いっきに読みました?すごく気持ちが分かってなんか泣けました。考えさせられました。文章も読みやすくとても良かったです?主サン本間いい女やと思いました?これから今以上に幸せになって下さい?
    お疲れ様でした?

    2007-04-22 21:31:00
  • 767:

    名無しさん

    朝から一気に読みました?キレィにまとまった文章やのに感情がうまく描写されてて…せつなかったです?
    そんなにあたしも人をスキになりたいです。

    2007-04-23 09:30:00
  • 768:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    コメント嬉しいです?有難う御座います。結構長い事書いていたのにずっと読んでいてくれていた方がいるのに驚きと感動です?
    この話を書き終えて自分の中でもはっきり整理がつきました。また時間が開いた時に1人1人にお返事をゆっくり書きたいです?

    2007-04-23 23:33:00
  • 769:

    名無しさん

    2007-04-24 08:51:00
  • 770:

    名無しさん

    2007-04-26 19:00:00
  • 771:

    名無しさん

    書いてください?

    2007-05-13 13:56:00
  • 772:

    名無しさん

    ↑完結してるし?プッ

    2007-05-14 12:33:00
  • 773:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>774さん
    ずっと読んで下さっていたとの事でとても嬉しいです?文章を書くのは未熟なりに大好きなのでまた今度は完全フィクションか違う話で書いてみたいなと思っています?
    >>775さん
    大好きとまで言って下さって照れてしまいます??終わって寂しいとかまで言って頂いて本当に完結して良かったってポジティブな気持ちになれました。ありがとう?

    2007-05-15 22:54:00
  • 774:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>776さん
    彼とたった半年ですが付き合ってこれまで考えても見なかった事を思い知り、考えさせられ、色んな意味で損をしたし傷つきもしました。端からみればただの馬鹿だけど今は彼に対して、どつき回したいくらいムカつく気持ちもまだあるし、感謝の気持ちもあります。恋愛は難しいしい。今もまだ彼以上好きになれる人とは出会ってないです。けどこの経験を忘れず大切にとっておくつもりです。心配ありがとうです?これから頑張りますの
    >>778さん
    あたしはこの小説を多分寂しくて書き始めたんだと思います。周りはあたしのした事に納得はしてくれたけれど、やっぱりあたしの気持ちまではわかってくれなかった。だからこういう形で誰かに気持ちをわかってもらいたかったんだと思います。だからそんな風に言ってくれる人がいて救われた気持ちです

    2007-05-15 23:08:00
  • 775:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>779さん
    人をものすごい好きになるのはとてもしんどい事ですがやっぱり素敵な事やと思います。…し、そう思いたいです?
    お互い素敵な人に巡り会えますように?
    >>783さん
    完結しました?終わったってわかりにくいラストだったかもです?

    2007-05-15 23:15:00
  • 776:

    名無しさん

    いい女発見!!

    主さん いい人見つけて いい恋愛して下さいね!
    応援してます

    2007-05-15 23:20:00
  • 777:

    名無しさん

    775です。
    お返事ありがとぅございます。また違う小説書きはじめる時は教えてほしいです。この小説書いてる主さんのファンになりました!このの小説でスゴク自分の恋愛について考えさせられました…。自分の過去の恋愛とかぶってるので…。。スゴクこの小説大好きです。もし次回書くなら楽しみにしてます。

    2007-05-16 04:15:00
  • 778:

    名無しさん

    めちゃ凄い。また何か書く時は教えて下さい。主さんありがとう。

    2007-05-17 17:34:00
  • 779:

    名無しさん

    めっちゃよかった?

    2007-05-28 04:04:00
  • 780:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>788さん
    とんでもないです?けど嬉しいです。できる事から少しずつがんばろうと思います♪

    >>789さん 次から「黄昏の赤」というのを書こうと思います。全くのフィクションで全然違う感じになりますが…ファンとか照れます(*´艸`)ほんと駄目なとこだらけやしそんな事言って貰っていいんかな?て感じですが?

    2007-05-28 23:29:00
  • 781:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>790さん 上にも書きましたが「黄昏の赤」という話をまたかきます?
    >>791 ミルクさん ネガティブなポジティブ…あたしもそれをネガポジと称して頑張ってます笑。楽観的とか常に前向きとかじゃなくてつらい事があってへこんで悩んだ末のポジティブって根拠があるしとても強い。それがわかっただけでいい勉強をしたと思ってます。お互いがんばりましょう?
    >>792さん ありがとうございます?コメント嬉しいです

    2007-05-28 23:36:00
  • 782:

    名無しさん

    .

    2007-05-30 14:46:00
  • 783:

    名無しさん

    2007-06-12 00:50:00
  • 784:

    名無しさん

    あげ

    2008-01-04 18:00:00
  • 785:

    名無しさん

    名作あげ

    2008-01-29 22:57:00
  • 786:

    名無しさん

    今日全部読んだ?
    名作ぁげ?????

    2008-01-30 05:39:00
  • 787:

    ナッパ

    おとついから一気に読みました。昔付き合ってた彼氏そっくりで思い出してしまいました(笑)


    主さんの気持ちメチャ伝わって言葉にしてもらった感じで(笑)


    アタシは結局そゅ人には何も伝わらないと諦めて憎しみとトラウマだけが残ったんですが…主サンの気持ちが綺麗過ぎてちょっとヤキモチです(笑)


    何て言っていいかまとまらないですが本当に主サンお疲れ様です。
    幸せになってください。笑ってて下さいね。


    ありがとうございました。

    2008-01-30 23:52:00
  • 788:

    名無しさん

    age

    2008-02-03 12:58:00
  • 789:

    名無しさん

    よかったー(*´ω`*)

    2008-02-04 12:37:00
  • 790:

    名無しさん

    今他のも書いたはるから応援あげ

    2008-07-31 23:58:00
  • 791:

    名無しさん

    めっちゃよかった!
    めっちゃ伝わりました!

    2008-08-01 23:15:00
  • 792:

    名無しさん

    あげ?

    2008-09-01 21:55:00
  • 793:

    名無しさん

    あげま

    2009-03-17 05:53:00
  • 794:

    名無しさん

    ほんま、私の元カレにそっくり。
    めっちゃ好きやったけど今月やっと別れられた。まだ苦しいけど頑張って立ち直る。主ありがとう。

    2009-03-29 10:36:00
  • 795:

    名無しさん

    2011-02-20 01:15:00
  • 796:

    名無しさん

    あげ??

    2011-09-23 08:45:00
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