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愛と時効。神様〜私をお許しください。

スレッド内検索:
  • 1:

    ひとみ

    2月22日。火曜日。ゆうちゃんに「別れて」って言われた。

    2006-03-02 17:38:00
  • 2:

    ひとみ

    更新遅れるかもしれませんが必ず書くので良かったら覗いてください(^^)v

    2006-03-02 17:40:00
  • 3:

    ひとみ

    2月22日。火曜日。ゆうちゃんに「別れて」って言われた。訳が分からなくて「嫌や。」って何回も言った。ゆうちゃんは「ごめん。」としか言わなかった。

    2006-03-02 17:43:00
  • 4:

    ひとみ

    泣きながら何回も何回も「嫌や。」って言った。ゆうちゃんはただただ「ごめんな。ごめんな。」って謝った。

    2006-03-02 17:45:00
  • 5:

    ひとみ

    ゆうちゃんなんで?あたし悪いトコあったら何でも直すから。ゆうちゃんあたしの事嫌いんなったん?ゆうちゃん―――。ゆうちゃん。

    2006-03-02 17:47:00
  • 6:

    ひとみ

    2月22日。火曜日。
    ゆうちゃんと別れた。今日は日記2回も続けて書きました。ゆうちゃんはあたしの事、嫌になったって。最後に言いました。

    2006-03-02 17:50:00
  • 7:

    ひとみ

    ゆうちゃんなんでなん?昨日まで一緒に笑ってたやん。テレビ見て笑ってたやん。オムライスどっちが大きい方食べるかジャンケンしたやん?なんで―――?なんでなんよ。

    2006-03-02 17:53:00
  • 8:

    ひとみ

    2月23日。水曜日。
    ゆうちゃんが死にました。別れた次の日にたった一人で逝ってしまいました。今日で日記やめます。ゆうちゃんごめんなさい。

    2006-03-02 17:56:00
  • 9:

    ひとみ

    あたしはこの日以来、日記を書かなくなった。とゆうより現実から逃げたかったのだと思う。

    2006-03-02 17:58:00
  • 10:

    ゆうちゃんは凍える寒空の下、たった一人で逝ってしまった。寒かったやろうな。発見された時、死後12時間は経っていたのだから。

    2006-03-02 18:03:00
  • 11:

    ひとみ

    事件は通り魔による犯行と警察は言った。でもあたしはそんなん信じられへんかった。現場には鉄パイプのようなものとバタフライナイフが落ちていた。

    2006-03-02 18:05:00
  • 12:

    ひとみ

    バタフライナイフには、はっきりとゆうちゃんの指紋が残っていた。でも警察はこの事実をあやふやにした。「きっと襲われた時に犯人からこのナイフを奪い取ったのだろう。」と。

    2006-03-02 18:08:00
  • 13:

    ひとみ

    私は警察に殴りかかった。そんな訳ない。警察なんやったらちゃんと調べろや。それが仕事ちゃうんか。あたしは一日留置所に入れられた。暗い中ずっとずっと泣いた。

    2006-03-02 18:12:00
  • 14:

    ひとみ

    次の日から私は笑う事も怒る事もしなくなった。完全に感情を無くした。とゆうより無駄やと思った。こんな世の中で生きてる意味なんかある――?

    2006-03-02 18:14:00
  • 15:

    ひとみ

    あたしは何度も死のうと思った。あたしもゆうちゃんのとこに行きたい。あたしは精神科に入れられた。

    2006-03-02 18:16:00
  • 16:

    ひとみ

    あの日以来書かなくなった日記は、押し入れの奥深くに眠ったまま―――。

    2006-03-02 18:21:00
  • 17:

    ひとみ

    後で聞いた話では、母親を早くに亡くし父親と二人で暮らしている。話によれば父親の昔の派手な遊びのせいで莫大な借金が残っているとか。悠斗は必死に働いた。

    2006-03-02 19:54:00
  • 18:

    ひとみ

    彼と初めて話した時の事。今でも鮮明にハッキリ覚えている。彼は私の家に毎朝新聞配達に来ていた。

    2006-03-02 19:59:00
  • 19:

    ひL1?

    こんにちゎ?ァタシもひとみッて名前です?しかも大好きだッた元彼がゆうちゃんです。最初見た時めッちゃビックリしました??でもすごい運命?感じました?最後まで読むし応援してます?途中でカキコ?してごめんネ??完結したらまたカキコ?します?頑張ッてネ??゙

    2006-03-02 20:24:00
  • 20:

    ひとみ

    ひい?ちゃん、カキコありがとうございます???同じ名前でしかも元彼の名前まで同じとかっっ??めっちゃ運命感じてます??完結まで頑張って書くので良かったらこれからも見てやってください???では更新しまーす??

    2006-03-03 01:11:00
  • 21:

    ひとみ

    あたしが母親と喧嘩した時の事。
    「出ていけ」と言われてあたしは行くあても無いまま夜中の2時頃家を飛び出した。

    2006-03-03 01:21:00
  • 22:

    ひとみ

    感情のままに「出ていったるわ!」とは言ったものの携帯も財布もなにも持たず出ていった為誰とも連絡が取れなかった。行くところもない。

    2006-03-03 01:24:00
  • 23:

    ひとみ

    《せめて携帯ぐらい持ってくるんやった…》
    後悔した。とりあえずコンビニに行く事にした。
    《そういえばあたしパジャマやん…》そんな事を考えながらコンビニについた。

    2006-03-03 01:28:00
  • 24:

    ひとみ

    お金も持っていない為、雑誌を立ち読みして時間をつぶす事にした。
    《まだ2時半かぁ。7時にはみんな仕事行きよるし、それから携帯と財布とりに戻ろっ》

    2006-03-03 01:32:00
  • 25:

    ひとみ

    そんな事を考えながら立ち読みをしていた。
    時計を見ると3時。《出ていってからまだ一時間しか経ってないやん…》

    2006-03-03 01:35:00
  • 26:

    ひとみ

    すると若い3人組の女の子達が店に入ってきた。
    「ちょぉ、見てや。笑」
    「ありえへん。笑」
    「キャハハハハ」
    パジャマ姿の私を見て笑っているのはすぐ分かった。

    2006-03-03 01:39:00
  • 27:

    ひとみ

    頭はボサボサやし、スッピンやし、健康サンダルやし…。おまけにパジャマやし。前のガラスに映った自分を見て恥ずかしくなった。《ずっとここにおるのはキツイな…》

    2006-03-03 01:42:00
  • 28:

    ひとみ

    そう思ってコンビニを後にした。何も考えず歩いた。行くあてもないので気付いたら家の前まで来ていた。《いまさら戻られへんよな…。》私は絶対戻らん!そう決めていた。

    2006-03-03 01:45:00
  • 29:

    ひとみ

    玄関の前で座り込んだ。《携帯取ったらさゆりちゃんち行こ。》さゆりちゃんとは当時一番仲の良かった先輩で私の2コ上。当時さゆりちゃんは学校もろくに行かず遊びまわっていた。

    2006-03-03 01:49:00
  • 30:

    ひとみ

    私はあまり友達がいなかった。とゆうのは、もともと私は上辺だけの付き合いが嫌やったから。ホンマに仲いいコは同期のコで2人ぐらい。なおことゆかぐらいしか思い浮かばない。

    2006-03-03 01:52:00
  • 31:

    ひとみ

    当時私には彼氏もいなかった。中1で初めて付き合ったのがタカシ。これも2コ上。さゆりちゃんの紹介やった。でも長続きせんかった。タカシはヤリちんやった。

    2006-03-03 01:56:00
  • 32:

    ひとみ

    かたくなにセックスを拒む私に嫌気がさしたみたい。私は、男なんてみんな体だけなんやって思った。たかしとは2カ月で破局。私は初めての相手は本気で好きになった人だけ、と考えていたから。

    2006-03-03 01:59:00
  • 33:

    ひとみ

    中2になるまでにあと2人の男と付き合った。りょうじは優しかったけどかなりの浮気症。相手は隣の中学の女のコ。しかも私の知り合いやった。そっこーで別れた。

    2006-03-03 02:03:00
  • 34:

    ひとみ

    そして中2になったばっかりの頃、付き合った相手は同じクラスのあきひと。あきひとは理想どうりの人やった。スポーツは出来るし、顔もいい。おまけに優しいし男らしい。

    2006-03-03 02:10:00
  • 35:

    ひとみ

    セックスも強要してこなかった。「セックスはひとみがいいと思った時でいいから。俺はいつまででも待つし」まさに理想の相手やった。でもかなりのマザコンというのが判明して嫌になって別れた。

    2006-03-03 02:15:00
  • 36:

    ひとみ

    あたしは、男なんてそんなもん。期待もせんし、すぐ裏切る。そう思っていた。
    ゆうちゃんに逢うまでは…。

    2006-03-03 02:17:00
  • 37:

    ひとみ

    玄関の前でしゃがみこみ、色んな事を考えていた。季節は春といえども夜中ということもあり、かなり寒かった。パジャマ一枚で出てきた事を本気で後悔した。

    2006-03-03 02:20:00
  • 38:

    ひとみ

    ブォォーン

    バイクの音がした。
    《そっか…もう新聞配達の時間かぁ。早くに大変やなぁ…てか、こんな姿みられたくないなぁ。笑》

    2006-03-03 02:37:00
  • 39:

    ひとみ

    そんな事を考えながら目が合わないように下を向いた。
    家の前まで来た。私は近寄ってくる足だけを見ていた。

    2006-03-03 02:39:00
  • 40:

    ひとみ

    「あの…」

    「ほっといて!」
    冷たくいい放った。

    2006-03-03 02:41:00
  • 41:

    ひとみ

    「あの…新聞…入れられないんすけど…笑」

    私はハっとして振り返った。
    《ポストの前で座ってる私が邪魔なだけやん。笑》

    2006-03-03 02:45:00
  • 42:

    ひとみ

    すごく綺麗な目をしていた。今にも吸い込まれそうなくらい。私は無意識に彼の事を、ただボーっと見ていた。
    「どうしたん――?」
    彼の声で我に返った。

    2006-03-03 02:53:00
  • 43:

    ひとみ

    「あっいや、すいません。」
    そう言って体をどけた。

    「そうじゃなくて、なんでそんな格好なん?寒いやろ。なんかあったん?」

    2006-03-03 02:56:00
  • 44:

    ひとみ

    心配そうに顔を覗きこんで彼が言った。
    私は彼の優しい目を見ているとすべてを話したい気持ちになった。でも心が邪魔をした。

    2006-03-03 02:59:00
  • 45:

    ひとみ

    所詮、男なんてヤりたいだけや。こうやってちょっと優しくしたらヤれると思ってんねん。騙されたらあかん。

    2006-03-03 03:00:00
  • 46:

    ひとみ

    私はそう自分にいい聞かせた。

    「別に。」
    私の口から出た愛想のないことばだった。

    2006-03-03 03:02:00
  • 47:

    ひとみ

    「そっか」

    そう言うと彼はペンを出し私の手を取った。

    なにかを書いている。

    2006-03-03 03:05:00
  • 48:

    ひとみ

    「まぁ力になれるか分からんけどなんかあったら電話してきぃ。なんかほっとかれへんねん」
    そう言い残して彼は行ってしまった。

    2006-03-03 03:07:00
  • 49:

    ひとみ

    私の手には電話番号と【ゆうと】と言う文字が書かれていた。

    2006-03-03 03:09:00
  • 50:

    ひとみ

    《あの人綺麗な目してたなぁ。あかんあかん。所詮男や。余計な事考えやんとこ。》もう一度自分にいい聞かせ、このままここにおったら親に見つかってしまう。また別のコンビニで時間をつぶすことにした。

    2006-03-03 03:13:00
  • 51:

    ひとみ

    コンビニで時間をつぶしている間に、あっというまに時刻は7時になろうとしていた。
    《よし。いったん家戻ろ》 私はコンビニを後にした。

    2006-03-03 03:15:00
  • 52:

    ひとみ

    携帯、充電気、財布、下着、服など必要なモノを大きいバックに詰め込んだ。私は、もう絶対戻らん。学校も行かん。そう心に決めて家を出た。

    2006-03-03 03:18:00
  • 53:

    ひとみ

    さっそくさゆりちゃんに電話をした。
    「もしぃ〜?ひとみ家出てんかぁ。今からいっていい?」

    2006-03-03 03:21:00
  • 54:

    ひとみ

    さゆりちゃんは眠そうな声で言った。
    「てか、あんた朝早いって。笑 分かった。待ってるわぁ」
    私は少し安心してさゆりちゃんの家へと急いだ。

    2006-03-03 03:23:00
  • 55:

    ひとみ

    家の前についたのでもう一度さゆりちゃんに電話をした。
    「もしぃ?今家の前ついたけど。」

    「はいはい。勝手に入ってきて」

    2006-03-03 03:26:00
  • 56:

    ひとみ

    さゆりちゃんの部屋に入ると知らない男がさゆりちゃんと一緒にベットに寝転んでいた。
    「あたしのNEWダーリン♪まさとやで!仲ようしたってなぁ」

    2006-03-03 03:29:00
  • 57:

    ひとみ

    私は呆れた。ついこないだ別れたばっかりでもう次の彼氏ができていたから。ようそんなにコロコロ男変えれるなぁ。私はそんなさゆりちゃんの気が知れなかった。

    2006-03-03 03:31:00
  • 58:

    ひとみ

    私はボーっとテレビを見たり、マンガを読んだりして暇つぶしをしていた。しばらくしてさゆりちゃんが
    「朝マックしよか!」と言ってきたので急いで化粧をすませた。

    2006-03-03 03:38:00
  • 59:

    ひとみ

    さゆりちゃんの新しい彼氏まさと君は二十歳。車はセルシオに乗っていた。まさと君の車でマクドに行くことになった。

    2006-03-03 03:40:00
  • 60:

    ひとみ

    マクドでしばらく時間をつぶしてからツタヤに行った。ホラー系のDVDを何個か借りて家で見る事にした。なんだかんだであっという間に時間は夜の8時をまわっていた。

    2006-03-03 03:43:00
  • 61:

    ひとみ

    まさと君がドンキホーテに行きたいといったのでみんなでドンキに行く事にした。まさと君の車に置く芳香剤やお酒やおつまみを買ってまた家に戻った。

    2006-03-03 03:46:00
  • 62:

    ひとみ

    特にする事もなく暇やったから、またボーっとテレビを見ていた。まさと君とさゆりちゃんはベットの中でじゃれあっていた。

    2006-03-03 03:49:00
  • 63:

    ひとみ

    「まぁ君ほんまアカンって〜ひとみおるんやからぁ」
    「いけるって、聞こえへんやろ♪」

    丸聞こえですが。

    2006-03-03 03:51:00
  • 64:

    ひとみ

    私は二人の声を聞いているとだんだんイライラしてきた。
    「アッ。アン、もぉ〜まぁ君」 
    「ちょっとだけ。いいやろ?」
    私にはもう限界だった。

    2006-03-03 03:54:00
  • 65:

    ひとみ

    「ひとみ帰るわぁ。さゆりちゃんありがとっ☆」
    私は荷物を持ってさゆりちゃんに言った。
    「帰るってあんた、帰らんつもりやったんちゃうん?」さゆりちゃんが心配そうに布団から顔を出した。

    2006-03-03 03:56:00
  • 66:

    ひとみ

    「そうやってんけど…考えなおしてん!さゆりちゃんホンマありがとうな。まさと君ありがとう。じゃあ☆」
    もちろん家に帰る気などなかったけど、とりあえずこの場から離れたかった。

    2006-03-03 03:59:00
  • 67:

    ひとみ

    私はさゆりちゃんの
    「なんかあったらすぐ連絡してくるんやでぇ」という声を後に家から飛び出した。《まぢやばい。これからどぉしよ…》一気に不安になった。

    2006-03-03 04:01:00
  • 68:

    名無しさん

    2006-03-03 04:03:00
  • 69:

    ひとみ

    唯一仲の良いなおことゆかに電話をした。二人ともすんなり「家おいでや」と言ってくれたがよくよく考えたらうちの親と、なおこ、ゆかの親は仲が良い。もしかしたらチクられるかもしれない。

    2006-03-03 04:07:00
  • 70:

    ひとみ

    そして私は、ふとある事を思い出した。消えかけてはいたが、手にはまだあの人の番号が書かれている。あの人に助けてもらおうかな。でも本間に電話してくるなんて思ってないやろな。

    2006-03-03 04:12:00
  • 71:

    ひとみ

    ずうずうしいかな―――?どおしよ…どおしよ…

    でも私には他に頼る人なんていなかった。
    ましてや、ゆかやなおこの家に行ったら親にばれる事ぐらい目に見えている。

    2006-03-03 04:15:00
  • 72:

    ひとみ

    今更さゆりちゃんの家になんて戻れない。あの人なら私を助けてくれるかな?私は手に残された番号を押しては消し、押しては消し、それを繰り返した。

    2006-03-03 04:17:00
  • 73:

    ひとみ

    所詮男。行ったらヤられる事ぐらい分かってる。それなりに弱みを捕まれる訳やし。もしあの人が悪い人やったらどっか捨てられるかも…。そんな事が頭を混乱させた。

    2006-03-03 04:20:00
  • 74:

    ひとみ

    最終的に《期待なんかしてない。》ダメ元で電話をする事にした。

    震える手でダイヤルする。《もしこの人がだめやったら…》

    2006-03-03 04:23:00
  • 75:

    ひとみ

    私はそんな事ばかり考えていた。
    ――プップップップッ―――――――プルルルルル――――
    《やばい!緊張してきた!》
    私は何故か今までにないほど緊張していた。

    2006-03-03 04:26:00
  • 76:

    ひとみ

    「はい」

    《出た!!》

    「もっもしもしっ!あのっ」
    「はい?」

    2006-03-03 04:28:00
  • 77:

    ひとみ

    「昨日の…パジャマの私です!」

    私は自分で言って恥ずかしくなった。笑

    「分かるで!どした?」

    2006-03-03 04:31:00
  • 78:

    ひとみ

    「…私行くトコない。」
    自然に言葉が出た。
    そんな私に彼は、女のコがこんな時間に一人でおるのは危ない。とりあえず迎えに行くからそこにおってと言い残し電話を切った。

    2006-03-03 04:40:00
  • 79:

    ひとみ

    場所を言い、待っていると10分くらいして彼がやって来た。
    「とりあえず乗り。」
    私は原付の後ろにまたがった。

    2006-03-03 04:43:00
  • 80:

    ひとみ

    私はなぜかドキドキした。おっきい背中―。綺麗な目。もしかしたら私はすでにこの時から彼を好きになっていたのかもしれない――。

    2006-03-03 04:46:00
  • 81:

    ひとみ

    「とりあえず俺んち来る?行くトコないねやろ?」

    私は覚悟を決めた。

    「うん」

    2006-03-03 05:04:00
  • 82:

    ひとみ

    しばらく住宅街を走っていると彼の家についた。

    「ここやで。おっさんいてるけど、気にせんといてな」

    2006-03-03 05:07:00
  • 83:

    ひとみ

    彼のお父さんは眠っていた。

    「俺の部屋あっちやから先行っといて。おっさん、こんなトコで寝てたら風邪ひくぞ?」

    2006-03-03 05:12:00
  • 84:

    ひとみ

    私はドキドキしながら彼の部屋に向かった。
    《ここか…》
    ドアの前で深呼吸して部屋に入った。中に入るといい匂いがした。私は荷物を置いて床に座り込んだ。

    2006-03-03 05:15:00
  • 85:

    ひとみ

    しばらくして彼が戻ってきた。
    「なんか飲む?」

    「うん。」

    2006-03-03 05:17:00
  • 86:

    ひとみ

    「ココアかコーヒーどっちがいい?」

    「ココア。」

    2006-03-03 05:18:00
  • 87:

    ひとみ

    しばらくして飲み物を持って彼が戻ってきた。
    「んで名前は?」     
    「えっ?」

    2006-03-03 05:20:00
  • 88:

    ひとみ

    《そっか…あたし名前もゆうてなかったんや。》

    あたしは彼の目を見て
    「ひとみ。」
    と言った。

    2006-03-03 05:24:00
  • 89:

    ひとみ

    「ひとみかぁ。ええ名前やん!もう知ってると思うけど俺ゆうとやで!よろしくな」
    彼はそう言うと私を見てニコっと笑った。

    2006-03-03 05:26:00
  • 90:

    ひとみ

    私は内心ドキドキやった。《笑った顔初めて見た―。》無邪気な笑顔がすごく可愛く思えた。

    2006-03-03 05:29:00
  • 91:

    ひとみ

    「行ってないで!」

    「ふうん。」

    そんなたわいもない話をしていた。

    2006-03-03 05:31:00
  • 92:

    ひとみ

    時刻を見ると深夜2時を回っていた。
    私は悠斗君と会った時の事を思い出して聞いた。
    「今日も新聞配達行くん?」

    2006-03-03 05:36:00
  • 93:

    ひとみ

    「今日は休みやで!」

    またニコっと笑って言った。
    「そっか!よかった」
    私はなぜか安心した。

    2006-03-03 05:38:00
  • 94:

    ひとみ

    眠そうな私を見てベットで寝転んでいた悠斗君が言った。
    「こっちおいでや」

    私は少し考えて
    「いい。」と言った。

    2006-03-03 05:41:00
  • 95:

    ひとみ

    「風邪ひくで。ほら、なんもせぇへんから」
    そう言ってまた私を呼ぶ。
    《やっぱりヤるんや…》
    私は覚悟を決めた。

    2006-03-03 05:44:00
  • 96:

    ひとみ

    私は緊張しながらベットに入った。
    《この人も男やもんな…》そんな事ばかりを考えていた。

    2006-03-03 05:50:00
  • 97:

    ひとみ

    「じゃあゆっくり寝ぇや。俺はこっちで寝るから安心しいな。」
    そう言って悠斗君は布団から出て床に寝転んだ。

    2006-03-03 05:51:00
  • 98:

    ひとみ

    「えっ?ヤれへんの?」
    私はとっさにこんな言葉が出てしまった。
    「なんで?俺そーゆーん目的ちゃうし!そんな奴や思てたん?笑」

    2006-03-03 05:54:00
  • 99:

    ひとみ

    「…。」

    私は男なんてみんなそんなんもんやと思ってたから悠斗君の言葉に返す言葉がなかった。

    2006-03-03 05:57:00
  • 100:

    ひとみ

    「まぁゆっくり寝ぇ♪」

    そう言って悠斗君は私に背中を向けたまま眠りについた。
    私はずっと悠斗君の背中を見ていた。

    2006-03-03 05:59:00
  • 101:

    ひとみ

    私のために気を使って床で寝てくれてる――。体痛いやろうなぁ。仕事で疲れてるのに。ごめんな。ありがとう。そんな気持ちでいっぱいにやった。

    2006-03-03 06:02:00
  • 102:

    ひとみ

    知らない間に眠ってしまっていた。目が覚めた頃にはもう昼になっていた。

    「ねぼすけちゃーん♪おはよう☆」

    2006-03-03 06:04:00
  • 103:

    ひとみ

    悠斗が顔を覗きこんでいる。
    「おはよう」

    「よう寝れたか?」

    「うん。」

    2006-03-03 06:06:00
  • 104:

    ひとみ

    悠斗の父はもう仕事に出かけているようだった。

    お風呂を借りてシャワーを浴び、歯をみがいた。悠斗は私に「連れていきたい場所がある」と言った。

    2006-03-03 06:09:00
  • 105:

    ひとみ

    用意をすませて家を出た。原付の後ろにまたがりなにか遠足に行くかのようにワクワクしていた。

    2006-03-03 06:11:00
  • 106:

    ひとみ

    「どこいくんー?」

    「内緒ー♪」

    2006-03-03 06:13:00
  • 107:

    ひとみ

    しばらく走ってついた先は近くの海。

    「ここ来た事ある?」

    「あるけどこんなトコあるなんか知らんかった!」

    2006-03-03 06:21:00
  • 108:

    ひとみ

    夏になればよく来ていたが悠斗が連れてきてくれた所はちょっとした隠れスポットみたいな所やった。

    2006-03-03 06:23:00
  • 109:

    ひとみ

    「ここはな、俺も誰にも教えてない場所やねん。一人でな、悩んでるときとか辛い事あった時とか、ようここ来ててんで。」悠斗は真っすぐ前に広がる海を見ながら話を続けた。

    2006-03-03 06:26:00
  • 110:

    ひとみ

    「ここで見る夕日が沈む瞬間と、朝日が昇る瞬間、俺一番好きやねん。ここに来たら嫌な事全部忘れて綺麗な気持ちでおれる気がすんねん。」

    2006-03-03 06:30:00
  • 111:

    名無しさん

    2006-03-03 06:32:00
  • 112:

    ひとみ

    悠斗の言っていることがすごく分かる気がした。目の前に広がる大きな海を見ていたら私の抱えている悩み事などほんのちっぽけな事に思えた。私は悠斗に聞いた。

    2006-03-03 06:36:00
  • 113:

    ひとみ

    「なぁ。なんで何も聞かへんの?家出の事。」

    私は何も聞いてこない悠斗に不思議に思った。

    2006-03-03 06:39:00
  • 114:

    ひとみ

    悠斗がゆっくり答えた。
    「誰でもな、聞いてほしくない事だってあるねん。無理に聞くよりひとみが俺に話してもいいって思えた時、話してもいい相手やって認めてくれるまで俺は何も聞かんつもりやで。」

    2006-03-03 06:45:00
  • 115:

    ひとみ

    私は悠斗の顔を見ていると泣きそうになった。
    喧嘩の原因は母親の男関係。父と母は私が幼稚園の時離婚した。離婚してから母はすぐスナックに勤めた。

    2006-03-03 06:50:00
  • 116:

    ひとみ

    スナックに勤めてから母はしょっちゅう私の知らない男を家に連れてきていた。ひどい時には週に4、5回。しかも毎回違う男だった時期もあった。当時小さかった私はなにも分からなかった。

    2006-03-03 06:54:00
  • 117:

    ひとみ

    私が中学生になる頃、母はスナックをやめた。そしてある日、見たことの無い男を連れてきた。
    「お母さんこの人の事真剣に好きやねん。ひとみ、認めてくれる?」

    2006-03-03 06:58:00
  • 118:

    ひとみ

    私は母の男関係に呆れていた。私だけは絶対こんな大人にはなりたくない。絶対にならん。
    ―どうでも良かった―。

    2006-03-03 06:59:00
  • 119:

    ひとみ

    「勝手にしたら?」

    私は母に感情など無くなっていた。本当にどうでも良かった。そして母はその男と再婚した。私には妹ができた。

    2006-03-03 07:02:00
  • 120:

    ひとみ

    私にその男を紹介した時、既にもう母のお腹には私の妹、桜がいた。つまりできちゃった婚。きっと桜ができていなかったら母は一生あんな生活を続けていただろう。

    2006-03-03 07:06:00
  • 121:

    ひとみ

    私は母が再婚して父親になった男をお父さんと呼ぶ事はなかった。
    あいつも私の事を名前で呼ぶ事はない。というより完全に存在を消されていた。私の事を見もしなかった。

    2006-03-03 07:09:00
  • 122:

    ひとみ

    まるで私が透明人間みたいに。あいつには私が見えてなかった―。あいつは桜しか見ていなかったから。目も合わさなければ言葉も交わさない。

    2006-03-03 07:11:00
  • 123:

    ひとみ

    あいつが何をしてても別にどうでも良かった。あの日までは―。

    2006-03-03 07:13:00
  • 124:

    ひとみ

    その日、私は学校から寄り道せずに早く家へ帰った。桜の2才の誕生日だったから―。あんな親から生まれたとはいえ、桜はあたしの妹。すごく可愛かった。

    2006-03-03 07:17:00
  • 125:

    ひとみ

    普段4人揃ってご飯を食べる事なんて絶対になかった。でも今日は大事な妹、桜の誕生日。今日ぐらいは桜を喜ばせてあげたい。そう思っていたから。

    2006-03-03 07:19:00
  • 126:

    ひとみ

    家に帰ると母と桜が待っていた。
    「おかえりー」
    母はいつもより手の込んだ料理を机に並べている。【さくちゃんお誕生日おめでとう】とチョコレートでトッピングされたケーキ。

    2006-03-03 07:22:00
  • 127:

    ひとみ

    それを桜はうれしそうに眺めている。午後8時をまわろうとしていた。あいつがまだ帰ってこない。今日は桜の誕生日だから早く帰ってくると言っていたのに。

    2006-03-03 07:24:00
  • 128:

    ひとみ

    母は待ちきれず電話をした。
    受話器の向こうのあいつは「今どうしても仕事で手が離せない。9時までには帰るから」
    そう言っていた。

    2006-03-03 07:27:00
  • 129:

    ひとみ

    私は、母に先食べようと言ったが桜がずっと
    「パパ、パパ」と言うのでもう少し待つことにした。9時になっても帰ってこない。10時になっても。

    2006-03-03 07:29:00
  • 130:

    ひとみ

    母が電話をしても電源が切られており、電話さえつながらない。桜はその日ご飯を食べずに眠ってしまった。私は無性に腹が立った。あんなに楽しみにしていたケーキも食べずにずっと待っていた桜。

    2006-03-03 07:32:00
  • 131:

    ひとみ

    結局帰ってきたのは1時すぎだった。しかも、すでに泥酔状態でベロンベロンだった。かえってくるなり、第一声が、
    「ビール」
    だった。私の何かがついに切れた。

    2006-03-03 07:35:00
  • 132:

    ひとみ

    「おい。お前いい加減にしろや。」私はベロンベロンのあいつに殴りかかった。殺そうと思った。それを母が必死にとめた。
    《なんで?なんでこん奴の事かばうん?そんなにこいつが大事?》

    2006-03-03 07:39:00
  • 133:

    ひとみ

    「お前なんか父親ちゃうわ!」
    ホンマに殺したかった。
    母があいつの前に出て両手を広げてかばう。
    「やめて!早く今すぐお父さんに謝って!」

    2006-03-03 07:43:00
  • 134:

    ひとみ

    あたしなんか間違ってる?あたしが悪いん――?お母さんはあたしよりこいつが大事なん―?なぁ。

    2006-03-03 07:45:00
  • 135:

    ひとみ

    前でかばう母の髪の毛を鷲掴みにしてあいつがののしる。
    「だからこんなくそガキいらんねん。お前こんなくそガキと縁切れ!親子なんかやめろ!」

    2006-03-03 07:47:00
  • 136:

    ひとみ

    あたしは母を押しのけてあいつを思い切り突き飛ばした。

    母は泣きながらあたしに言った。

    2006-03-03 07:49:00
  • 137:

    ひとみ



      【出ていけ。】

    2006-03-03 07:50:00
  • 138:

    ひとみ

    びっくりして起きたのか桜が泣いている。私は家を飛び出した。

     “もう絶対帰らん。”

    2006-03-03 07:52:00
  • 139:

    ひとみ

    「ひとみ?ひとみっ!」

    悠斗の声で我に返った。

    私の目からは自然に涙がこぼれていた。

    2006-03-03 07:56:00
  • 140:

    ひとみ

    私はまるで夢を見ていたかのようにあの日の事を思い出していた。
    そしてずっと我慢していたモノが溢れた。

    「悠斗、話してもいい?」

    2006-03-03 08:00:00
  • 141:

    ひとみ

    悠斗は小さくうなずいた。私は一部始終話したあと、また自然に涙があふれ出た。悠斗はしっかりと真っすぐに私を見て真剣に話を聞いてくれた。

    2006-03-03 08:02:00
  • 142:

    ひとみ

    そして一言だけ私に言った。
    「ずっと我慢しててんな。辛かったな。」って。
    私の髪を撫でながら。
    溜めていた涙が止まるまでずっとずっと―――。  抱きしめてくれた。

    2006-03-03 08:05:00
  • 143:

    ひとみ

    私は父親の愛を知らないまま育った。本当は弱いのに、本当は泣きたいのに、私はいつも強い子になりすましていた。弱い所を見せたくなかった――。

    2006-03-03 08:09:00
  • 144:

    ひとみ

    私は子供のように泣きまくった。母がスナックに勤めだした頃、まだ小さかった私にとってすごく淋しくて辛かった事―。

    2006-03-03 08:12:00
  • 145:

    ひとみ

    母が連れてきた見ず知らずの男に「子供より俺の方が大事やろ?」と言われて頷く母を見た時の事――。完全に私の存在を消されていた事―――。

    2006-03-03 08:16:00
  • 146:

    ひとみ

    私は父と母が離婚する時以来涙を流すことはなくなった。きっともう涙なんか枯れてると思ってた―。本当は、本当はずっと泣きたかった―。辛かった―。

    2006-03-03 08:19:00
  • 147:

    ひとみ

    私は知らぬ間に悠斗の腕の中でそのまま眠っていた。
    「ひとみ。ほら、見てみぃ」
    悠斗の声で目が覚めた。

    2006-03-03 08:21:00
  • 148:

    ひとみ

    それは見たこともない光景だった―――。

    「夕日が沈む瞬間。俺言ったやろ?ひとみに見せたいって。」

    2006-03-03 08:24:00
  • 149:

    ひとみ

    それはあまりにも綺麗すぎて目を反らしたくなる程だった。そして悠斗は言った。

    2006-03-03 08:26:00
  • 150:

    ひとみ

    「どんなに辛い事があってもな、絶対にこうやって日が落ちて、また日が昇るねん。時間は絶対止まらへんねん。時にはそれが残酷な場合もある。でも時間が経てばいつかは絶対笑える日が来るねん。」

    2006-03-03 08:31:00
  • 151:

    ひとみ

    「明日の今頃には笑ってるお前が隣におってほしい。二人なら苦しみも喜びも分け合えるやろ?お前一人で抱えてんと俺にも半分分けてくれたらいいねん」

    2006-03-03 08:36:00
  • 152:

    ひとみ

    そう言って悠斗は真っすぐに私を見る―。私だけを見てくれている。私の事を認めてくれている。私はこの人と一緒にいたい。これから先この人と幸せもなにもかも全て分け合えるようになりたい。

    2006-03-03 08:42:00
  • 153:

    ひとみ

    私は生まれて初めて本気で人を好きになった。

    2006-03-03 08:43:00
  • 154:

    ひとみ

    5月28日。私と悠斗は付き合いだした。私はこの日から日記をつける事にした。

    2006-03-03 08:45:00
  • 155:

    ひとみ

    5月28日。金曜日。
    ゆうちゃん大好き。
    今日私に彼氏ができました。今までに無いほど本気で彼を好きになりました。まだ出会って間もないけど、絶対二人で幸せになろうね。どんな壁も乗り越えていこうね。

    2006-03-03 08:50:00
  • 156:

    ひとみ

    6月2日。火曜日。
    ゆうちゃんは仕事に出かけました。今日はゆうちゃんパパにハンバーグを絶賛してもらいました。おいしいってゆって喜んでくれました。ゆうちゃん、早く仕事から帰ってきてな。

    2006-03-03 08:56:00
  • 157:

    ひとみ

    6月10日。水曜日。
    今日はゆうちゃんとゆうちゃんパパと3人で映画を見にいきました?映画見終わってゆうちゃんがパフェ食べたいと言ったのでビクドンに行きました?

    2006-03-03 09:00:00
  • 158:

    ひとみ

    実ゎ…ひとみだけが知ってる秘密?映画を見終わってちゃっかり泣いているゆうちゃん??ゆうちゃん明日もお仕事頑張ってください?愛を込めて?ひとみ

    2006-03-03 09:03:00
  • 159:

    名無しさん

    初めまして★あたしの男もユウで2月22日に籍いれてんけど‥応援してるから完結させてネ☆

    2006-03-03 13:44:00
  • 160:

    ひとみ

    164さん??応援ありがとうございます???なんかこれもまた?運命?感じちゃったり??完結まで長いと思いますがこれからも書いていくんで是非、最後までお付き合いください???

    2006-03-03 15:24:00
  • 161:

    ひとみ

    では今から更新します??

    2006-03-03 15:26:00
  • 162:

    ひとみ

    全てがうまくいくなんて絶対なかった。私がいなくなり、母親は全力で私を捜し回った。警察にも届けを出し、私の友達、さゆりちゃんや、ゆかや、なおこにまで電話をかけていたそうだ。

    2006-03-03 15:30:00
  • 163:

    ひとみ

    ある日私は悠斗を仕事に送り出し、久しぶりに買い物にでかけた。ゆうちゃんとゆうちゃんパパに内緒でケーキを焼こうと決めていたから。そう。今日はゆうちゃんパパ、40才の誕生日だから。

    2006-03-03 15:37:00
  • 164:

    ひとみ

    私はゆうちゃんパパが大好きだった。私の事を実の子供のように可愛がってくれるしたくさん愛をくれる。ゆうちゃんの家は本当に愛に満ち溢れていた。こんな幸せは生まれて初めてだった。

    2006-03-03 15:41:00
  • 165:

    ひとみ

    私が存在する意味を分からせてくれた。存在してもいいんやってそう思わせてくれた―。

    2006-03-03 15:43:00
  • 166:

    ひとみ


    ―――私の心にポッカリ開いた穴を埋めてくれた―――

    2006-03-03 15:44:00
  • 167:

    ひとみ

    私はここにしか幸せはないと、思った――――。

    2006-03-03 15:47:00
  • 168:

    ひとみ

    さっそくケーキの材料を近くのスーパーまで買いに行った。飾りも買ったりして一人でワクワクしていた。
    《ゆうちゃんパパ喜んでくれるかなぁ♪いちごもいっぱい乗せよっ♪♪》

    2006-03-03 15:51:00
  • 169:

    ひとみ

    そんな事を考えながら一人買い物を楽しんだ。本間に幸せやった。そしてゆうちゃんにもらったお金で晩ご飯の材料を買い、スーパーを出た。

    2006-03-03 15:54:00
  • 170:

    ひとみ

    《ケーキなんか初めて焼くわぁ。うまくできるかな?》
    足早にスーパーを後にした。私は目の前の光景に一瞬心臓が止まったかと思った―。

    2006-03-03 15:57:00
  • 171:

    ひとみ

    母が目の前にいる―。しかもすごい険悪で私を睨み付けている―。顔はやつれ、目の下はクマで黒く染まっていた。ほんの二週間程前の母とは思えない。私は凍り付いた。

    2006-03-03 16:00:00
  • 172:

    ひとみ

    私は逃げ出そうとした。母は私をすばやく捕まえて駐車場までひきずった。
    「嫌や!嫌や!嫌や!あんな家死んでも戻らん!」
    周りの人達は何があったのかとゆう顔でこっちを見ている。

    2006-03-03 16:06:00
  • 173:

    ひとみ

    でも世間の目は冷たかった。何度も〔助けて〕と叫んでいるのに誰も助けてくれない。むしろまるで変なモノでも見るように冷めた目で私を見た。今までの幸せがまるで嘘のように思えた。

    2006-03-03 16:18:00
  • 174:

    ひとみ

    そう―。まるで夢でも見ていたかのように―。

    2006-03-03 16:19:00
  • 175:

    ひとみ

    いっきに夢から現実へと引き戻される事になった。
    私は抵抗するのをやめた。無駄だと思ったから。私には〔幸せ〕なんて似合わない。私には〔本当の愛〕なんて似合わない。もうどうでも良くなった。

    2006-03-03 16:24:00
  • 176:

    ひとみ

    車に乗った。あいつがいる。あいつが私を見て言う。「ガキが色気づいてんちゃうぞコラ」
        バシンッ
    頬を思い切り殴られた。

    2006-03-03 16:29:00
  • 177:

    ひとみ

    私には痛みなど、もうなにも感じない―。別にどうでも良かった。殺すんならはやく殺して。そう思った。それよりも《あっ。この人今初めてあたしの事見た。》そう思った―。

    2006-03-03 16:32:00
  • 178:

    ひとみ

    ゆうちゃん―。ごめん。
    ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。

    2006-03-03 16:38:00
  • 179:

    名無しさん

    絶対無料のゲームサイトだょ☆なんか自分のキャラクターとかも作れるねん!ぉすすめぇ♪mbga.jp/AFmbb.cTnw16ce5/前にhttp://付けてね★

    2006-03-03 16:38:00
  • 180:

    ひとみ

    こんなひとみでごめんなさい。ゆうちゃんごめんなさい。ゆうちゃん。ゆうちゃん。もう会えないの?ゆうちゃん。ごめんね。ごめんゆうちゃん。ごめんなさい。

    2006-03-03 16:40:00
  • 181:

    ひとみ

    私は車の中、家につくまでひたすらなにも知らないゆうちゃんの事を考えていた。頭の中は真っ白でゆうちゃんに対する申し訳ない気持ちでいっぱいだった。 《迷惑かけてごめんなさい。ゆうちゃん》

    2006-03-03 16:44:00
  • 182:

    ひとみ

    私はこれ以上ゆうちゃんに迷惑はかけれない。そう思った。今の母なら人を殺しかねない―。そう思った。

    2006-03-03 16:46:00
  • 183:

    ひとみ

    母は私が大事なんじゃない―。私がいなくなって今まで私に向けられていたあいつからの暴力が私がいなくなってからは母に向けられていたから―。それに気付くのには、さほど時間はかからなかった―。

    2006-03-03 16:50:00
  • 184:

    ひとみ

    私は雑用係―。そんなもんだった―。あいつは酒を飲むと私を殴った。

    「おまえなんか死んでしまえ」

    2006-03-03 16:52:00
  • 185:

    ひとみ

    今までも意味も無く殴られる事はしょっちゅうだった。でもそれは私の家出事件をきっかけにますますひどくなる一方だった。あいつは極度の〔酒乱〕だった。

    2006-03-03 16:56:00
  • 186:

    ひとみ

    母親ほど〔男を見る目がない女〕はいなかった―。あいつも〔女を見る目がない男〕の一人だった―。こんな奴のどこがいいのか。私には分からなかった。それでも母はあいつの足元にすがる。

    2006-03-03 17:00:00
  • 187:

    ひとみ

    私は最後にと、一通のメールをゆうちゃんに送った。

    2006-03-03 17:02:00
  • 188:

    ひとみ

    ゆうちゃんへ。
    ゆうちゃんごめんなさい。あたしの事はもう忘れてください。これ以上ゆうちゃんに迷惑はかけれない。あたしは大丈夫です。ゆうちゃん今でも大好き。

    2006-03-03 17:08:00
  • 189:

    ひとみ

    パパにお誕生日おめでとうと伝えてください。お祝いできなくて残念です。あたしはもう一人でも平気です。心から愛するゆうちゃん、体にだけは気をつけてください。愛を込めて、瞳。さようなら

    2006-03-03 17:12:00
  • 190:

    ひとみ

    私はこれだけ送って、電源を切った。

    あたしはゆうちゃんには幸せになってほしい―。そう願ってこの日は眠りについた。

    2006-03-03 17:14:00
  • 191:

    ひとみ

    それから私は学校にも行かせてもらえず、半監禁生活だった。携帯も止められたし、部屋から出されることもほとんど許されない。

    2006-03-03 17:19:00
  • 192:

    ひとみ

    私はといえば鬱になりかけていた。一日中暗い部屋で一日中何をするわけでもなくボーっと天井を見ていた。

    2006-03-03 17:21:00
  • 193:

    ひとみ

    変わった事と言えば夜になればあいつが私の部屋に入ってくる。あいつは私の寝ているベットの中に潜り込んでくるようになった。

    2006-03-03 17:24:00
  • 194:

    ひとみ

    そう―、私は“この世で一番大好きなゆうちゃん”にあげるはずだった〔初めて〕を“この世で一番憎いあいつ”に奪われてしまった。

    2006-03-03 17:26:00
  • 195:

    ひとみ

    私は涙も出なかった。悔しくて悔しくて仕方ないのに、本当は泣きたいはずなのに私は何をされようが〔無〕の状態だった―。心を見失った。

    2006-03-03 17:32:00
  • 196:

    ひとみ

    母は全て知っていた。あいつが夜な夜な私の部屋に入ってきている事―。私の部屋で一体何が起こっているか。でも母はそれを見てみぬフリをした。それを見て泣いているだけだった。

    2006-03-03 17:37:00
  • 197:

    ひとみ

    私はある日あいつの怒鳴る声で目を覚ました。

    「帰れ!お前には関係ない!あいつももうお前には会わんて言うてる!何回ゆうたら分かるねん!」

    2006-03-03 17:44:00
  • 198:

    ひとみ

    あいつが叫んでいる。

    《なにかなぁ…?》

    私は気になり耳を澄ませた。

    2006-03-03 17:45:00
  • 199:

    ひとみ

    「お願いです!ひとみさんに会わせてください!お願いします!」

    聞き覚えのある声―。私はただボーっとそれを聞いていた。

    2006-03-03 17:48:00
  • 200:

    名無しさん

    2006-03-03 17:50:00
  • 201:

    ひとみ

    「毎日毎日いい加減にしろ!しまいに警察ゆうぞ!仕事もクビになったのにお前がこの家に来る理由はないはずや!帰れ」

    《ゆうちゃん…。》

    2006-03-03 17:54:00
  • 202:

    ひとみ

    そう。あの日からゆうちゃんは毎日私の家に来ては土下座をして母やあいつに頼んでいた。
    「人目でいい。会わせてください。」と。

    2006-03-03 17:57:00
  • 203:

    ひとみ

    そしてゆうちゃんは毎日私宛ての手紙を書いて送った。が、しかしその手紙は決して私の手元に届く事はなかった。全てあいつの手によって処分された。

    2006-03-03 18:00:00
  • 204:

    名無しさん

    頑張れ(*^_^*)

    2006-03-03 18:03:00
  • 205:

    ひとみ

    「これ以上あのクソ犬をこの家に近付けるわけにはいかない」と。
    そしてあいつはゆうちゃんの働く○○新聞に電話をした。ゆうちゃんはクビになった。

    2006-03-03 18:04:00
  • 206:

    ひとみ

    209さん???応援有難うございます??

    2006-03-03 18:06:00
  • 207:

    ひとみ

    それでも毎日毎日ゆうちゃんは家に来た。
    「元気にやってるかどうか、顔を、顔を見たいだけなんです!お願いします!」もちろんそんな事あいつが許すはずもなかった。

    2006-03-03 18:10:00
  • 208:

    ひとみ

    ある日からゆうちゃんは家に来なくなった。

    2006-03-03 18:13:00
  • 209:

    ひとみ

    私はこの時、ゆうちゃんを好きかどうかも何もかも分からなくなっていた―。夢か現実か自分は生きてるか死んでるかさえも分からない―。何も見えない。何も見たくない――――。

    2006-03-03 18:15:00
  • 210:

    ひとみ

    もう私をそっとしておいて――。もうほっといてほしい―――。もう何も見たくないから。もう―――消えてしまいたい。

    2006-03-03 18:18:00
  • 211:

    ひとみ

    精神状態は最悪だった―。毎日どうやったら死ねるか。それだけを考えていた。

    2006-03-03 18:19:00
  • 212:

    ひとみ

    私の腕には深く刻まれたリストカットの後だけが残されていった―。

    2006-03-03 18:21:00
  • 213:

    ひとみ

    ある時、私はゆうちゃんが家に来なくなった訳を知った。母とあいつの会話。聞きたくないけど聞こえてきた。あまりにもしつこく家に来るゆうちゃんに警察から警告がかかった。ゆうちゃんは捕まった。

    2006-03-03 18:24:00
  • 214:

    ひとみ

    そんな話が耳に入った。でも悲しいことにその時の私にはもう何も感じなくなっていた―。私は逃げも隠れもしない。もう、好きにして―――。

    2006-03-03 18:29:00
  • 215:

    ひとみ

    私は記憶からゆうちゃんを消そうとしていた――。それが自分を守る唯一の方法だと思っていた――。

    2006-03-03 18:32:00
  • 216:

    ひとみ

    どれ位経ったのだろう…。私は一人暗やみにいた。
    どこからどこまで走ればこの暗やみから出れるの―?私は子供のように泣きじゃくった。私の手を誰かが引っ張る。でも顔が見えない。

    2006-03-03 18:37:00
  • 217:

    ひとみ

    どんなに目をこらしても見えそうで見えない。

    「誰…?」私は聞く。
    何も答えずにその人は私を暗やみから救い出してくれる。そして消えてしまう。

    2006-03-03 18:40:00
  • 218:

    ひとみ

    私はその時からこんな夢ばかりを見ていた―――。

    2006-03-03 18:41:00
  • 219:

    ひとみ

    ある時私は母が出かけたのを確認し、階段を降りて居間を通りあいつと母の寝室に入った。別になにも用はなかった。体が勝手に何かに操られているように動いた。

    2006-03-03 18:44:00
  • 220:

    ひとみ

    私はふいにゴミ箱に目がいった―――。

        手紙――。

    2006-03-03 18:45:00
  • 221:

    ひとみ

    私はゴミ箱にビリビリに破られ捨てられている手紙を見つけた。それをまるでパズルみたいに必死でつなぎ合わせた。

    2006-03-03 18:48:00
  • 222:

    ひとみ

    グチャグチャになって読みにくくなった文字を必死で読みとる。

       【ひとみへ】   最初にこう書かれていた。

    2006-03-03 18:50:00
  • 223:

    ひとみ

    お前と離れてもう1カ月が経った。俺はお前を守ってやれんかった。俺は頼りない男やな。でも俺はお前に言ったよな?お前の苦しみ、喜びも全部俺に分けろって。お前は強い子やからなんかいわへん。

    2006-03-03 18:56:00
  • 224:

    名無しさん

    2006-03-03 18:59:00
  • 225:

    ひとみ

    もう強いふりなんかせんでいい。お前の弱いとこも分かってる。今頃お前はボロボロなんちゃうかって俺はいっつもそんな事ばっかり考えてる。お前を助けたい。お前の傍に行きたい。

    2006-03-03 18:59:00
  • 226:

    ひとみ

    そして最後に
      【石原悠斗】
    と書かれていた―――。

    2006-03-03 19:03:00
  • 227:

    ひとみ

    私の目からは自然に涙が流れた―――。

    忘れかけていた一番大切な人――。ゆうちゃん。
    初めて愛した人ゆうちゃん。愛をたくさんくれた人。ゆうちゃん

    2006-03-03 19:09:00
  • 228:

    ひとみ

    ゆうちゃん―。
    恐かったよ。
    私―頑張ったよな?
    私…悪い子ちゃうよな?
    ゆうちゃん。ゆうちゃん。ゆうちゃん逢いたいよ。

    2006-03-03 19:12:00
  • 229:

    ひとみ

    私は一目散に家を飛び出した。裸足のまま走り続けた。息が切れても走り続けた。
    《ゆうちゃん。ゆうちゃん。》

    2006-03-03 19:15:00
  • 230:

    ひとみ

    周りの人がびっくりした顔で私を見る。私はそれでも走った―。
    ただ…ただゆうちゃんの傍に行きたい。

    2006-03-03 19:17:00
  • 231:

    ひとみ

    どれくらい走ったか覚えてない。私はもうボロボロだった―。ついた先は…ゆうちゃんに連れてきてもらったあの海が見える場所。でもそこにゆうちゃんの姿は無かった。

    2006-03-03 19:21:00
  • 232:

    ひとみ

    私はゆうちゃんが座っていたあの場所に座った。

    「ゆうちゃん。ゆうちゃんどこなん…?ひとみ…考え直してん。やっぱりゆうちゃんが好き。ずっとゆうちゃんの傍にいたい…。」

    2006-03-03 19:25:00
  • 233:

    ひとみ

    私は呟きながらゆうちゃんの事を考えているとまた涙が出てきた―。
    「ゆうちゃんはすごいな。今まで泣く事なんかなかったあたしがゆうちゃんに出会ってからこんなに泣き虫になったんやで…」

    2006-03-03 19:27:00
  • 234:

    ひとみ

    「ゆうちゃん。逢いたいよ。ゆうちゃん、今すぐ逢いたい…」

    私の目にある文字が見えた。【ひとみへ】

    2006-03-03 19:29:00
  • 235:

    ひとみ

    コンクリートに石で刻まれた文字。確かに【ひとみへ】と書かれている。私は見にくいその文字を読んだ。

    2006-03-03 19:31:00
  • 236:

    ひとみ

    【6月28日・ひとみへ・あいたい】

    【6月29日・ひとみごめんな。】

    【6月31日・ひとみ元気にしてるかな】

    2006-03-03 19:35:00
  • 237:

    ひとみ

    【7月2日・しにそうなぐらい辛い。ひとみにあいたい】

    【7月3日・やっぱり好きや】

    2006-03-03 19:38:00
  • 238:

    名無しさん

    2006-03-03 19:39:00
  • 239:

    ひとみ

    【7月5日・おまえを守れんかった、俺をゆるして】
    【7月6日・声が聞きたい】

    2006-03-03 19:40:00
  • 240:

    ひとみ

    読み取れなかった所も何か所かあったがコンクリートには悠斗の私に対する気持ちでいっぱいになっていた―。

    2006-03-04 00:01:00
  • 241:

    ひとみ

    ゆうちゃんは言ってた。《辛い時、苦しい時、この場所へ来る》と。ゆうちゃんはあたしの事必要としてくれてたんやんね―?あたしの事こんなにも考えてくれてたんやね…。書く場所が無くなるくらいあたしの事

    2006-03-04 00:29:00
  • 242:

    ひとみ

    考えてくれてたんやね…。ありがとう。ありがとう。ゆうちゃんありがとう。

    2006-03-04 00:30:00
  • 243:

    名無しさん

    6月は30日までしかないやん

    2006-03-04 00:36:00
  • 244:

    名無しさん

    ↑そんなツッコミいらんねん。主さん頑張って!!

    2006-03-04 00:44:00
  • 245:

    名無しさん

    いや、言われて当然やろ

    2006-03-04 01:32:00
  • 246:

    ひとみ

    6月は30日までですね?失礼しました??応援してくれた方ありがとうございました???

    2006-03-04 01:37:00
  • 247:

    ひとみ

    私は極度の疲労と、ここ何日もほとんどろくに何も食べていなかった為、そのままその場で気を失ってしまった。だけど全然苦しくなかった。むしろフワフワしているような気持ちでなぜか心地よかった。

    2006-03-04 01:40:00
  • 248:

    ひとみ

    気付くと私はまた暗やみにいた。
    辺りを見まわしても何も見えない。無性に恐くなった。
    《またや…ここはどこなん…助けて…恐い…》

    2006-03-04 01:43:00
  • 249:

    ひとみ

    私はまた暗やみで、一人震えていた。
    《恐いよ恐い…》

    「お前なんか死んでしまえ!」
    いきなりあいつの声がした。

    2006-03-04 01:50:00
  • 250:

    ひとみ

    《やめて…ごめんなさい。叩かんといて…ごめんなさい。》

    すると次は母の声が聞こえた。

    2006-03-04 01:55:00
  • 251:

    ひとみ

    「あの子さえおらんかったらこんな事にはならんかったのに…あんな子私の子じゃない!」

    《私はいらん子やったん…?なぁお母さん。許して》

    2006-03-04 01:59:00
  • 252:

    ひとみ

    次々に私の頭を突き抜けていく声が聞こえる。憎しみ。殺意。いろんなモノが感じられた。まるでサウンドのみの、映像の無い映画でも見ているかのように―。

    2006-03-04 02:03:00
  • 253:

    ひとみ

    【死んでしまえ!】
    【こんな子生むんじゃなかった】
    【あんたなんか死ねばいいねん!】
    【最低】
    【クズ】
    「いっそ殺してしまおか」

    2006-03-04 02:09:00
  • 254:

    ひとみ

    何度も何度も聞きたくない声が繰り返し頭の中を回る。
    頭が割れてしまいそう…

    《聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない!》

    2006-03-04 02:11:00
  • 255:

    ひとみ

    誰かがそっと私の手を取った。
    そして私の手を引き、暗やみの中を二人で必死に走った。聞こえていた声がだんだん小さくなっていく。

    2006-03-04 02:36:00
  • 256:

    ひとみ

    どこまで走っても出口が見当たらない。そしてこの人は…誰?
    ずっとずっと走った。
    なにも考えずずっとずっと―。すると目の前にかすかに小さな光が見えてきた。

    2006-03-04 02:40:00
  • 257:

    ひとみ

    《やった。やった!やっとここから出れる。》

    私は手を引かれ光の方へと一目散に走った。

    2006-03-04 02:43:00
  • 258:

    ひとみ

    《すごい…こんなキレイな場所見たことない…。》ついに光の前まで来た。光の先には虹色に輝く海が広がっていた。

    《あれ…?ここ――?》

    2006-03-04 02:47:00
  • 259:

    ひとみ

    目の前には虹色に輝く海。太陽に照らされて輝く砂―。ここは―。ゆうちゃんとの思い出の場所―。そして私の手から消えていく温もり。

    2006-03-04 02:50:00
  • 260:

    ひとみ

    《嫌や!一人にせんといて。》
    私の手からさっきまでの温もりが消えていく。私を何度も暗やみから救い出してくれた。暗くて誰か分からなかったその人の顔が一瞬光に照らされた―。

    2006-03-04 02:53:00
  • 261:

    ひとみ

    《ゆうちゃん…?》
    確かにそれはゆうちゃんだった―。
    どこを探してももう姿は無い―。
    そして消える直前
    “早く行き”そう言ったのが聞こえた。

    2006-03-04 02:59:00
  • 262:

    ひとみ

    私は真っすぐ前を見て光の中へと走った。
    《ゆうちゃん。ゆうちゃん。ゆうちゃん。逢いたい。ゆうちゃん――。》

    2006-03-04 03:01:00
  • 263:

    ひとみ

    「…っとみ!ひとみ!」

    わたしの名前を呼ぶ声で目を覚ました――――。

    2006-03-04 03:03:00
  • 264:

    ひとみ

    私は夢を見ているのかと思った。
    私を心配そうに覗きこむその人…。
    ゆうちゃんだった―。

    2006-03-04 03:06:00
  • 265:

    ひとみ

    私は病院のベットで寝かされていた。

    「ゆうちゃん…逢いたかったよ。」

    2006-03-04 03:07:00
  • 266:

    ひとみ

    「俺も…俺も逢いたかった。」
    初めてゆうちゃんが泣いているのを見た。

    「あたし生きてるねんで。泣かんといてよ。」

    2006-03-04 03:09:00
  • 267:

    ひとみ

    本当はあたしも泣きたかった―。必死で笑顔を作るけどひきつってうまく笑えんかった。ゆうちゃんの顔を見たら今にも涙がこぼれ落ちそうやった―。優しいゆうちゃん。大好きなゆうちゃん―。

    2006-03-04 03:12:00
  • 268:

    ひとみ

    「ひとみ…ごめんな。ごめんな…」
    ゆうちゃんはあたしの手を握り、涙を流しながら謝った―。
    あたしの手には包帯が巻かれていた。リストカットの後を隠すかのように…。
    「今度こそ俺が」

    2006-03-04 03:20:00
  • 269:

    ひとみ

    「今度こそ俺がひとみの事守るから。」

    私は小さく頷いた。

    「ゆうちゃん―。もう離れたくないよ。」

    2006-03-04 03:22:00
  • 270:

    ひとみ



    ゆうちゃんは真っすぐに私を見て言った。

    2006-03-04 03:25:00
  • 271:

    ひとみ



    「“ひとみ。逃げよう”」

    2006-03-04 03:27:00
  • 272:

    名無しさん

    2006-03-04 18:44:00
  • 273:

    アユカ

    めちゃおもろぃ?完結まで読むから頑張って??

    2006-03-05 18:42:00
  • 274:

    ひとみ

    私は家から少し離れた病院で保護されていた。ゆうちゃんが、倒れている私を見付けすぐ病院に駆け込んだらしい。体に刻まれたアザを見てゆうちゃんが言った言葉だった。
      【逃げよう】

    2006-03-06 05:00:00
  • 275:

    ひとみ

    私にはもう迷いなどなかった。
    【これから先ずっと一緒にいたい。私、ゆうちゃんと逃げる】

    私は決めた。

    2006-03-06 05:04:00
  • 276:

    ひとみ

    もう家には帰らない。
    そしてゆうちゃんは私に
    “約束をしてほしい”と言った。
    『なにがあってもあきらめるな。』と。

    2006-03-06 05:08:00
  • 277:

    ひとみ

    そして私とゆうちゃんは大阪を離れ東京へ逃げる事になった。ゆうちゃんのお父さんは大阪に残った。

    2006-03-06 05:16:00
  • 278:

    ひとみ

    すべてがうまくいくはずだった。
    でもこの時の私にはまだなにも分からなかった。この選択が一番大切な人の人生を狂わす事になるとは―。

    2006-03-06 05:31:00
  • 279:

    ひとみ

    一週間程で私の体も元通り回復し退院していいと言われた。

    2006-03-06 16:05:00
  • 280:

    ひとみ

    さっそく退院してゆうちゃんのお父さんに挨拶をしにいった。私はゆうちゃんのお父さんに「一緒に行こう」と何度も言ったが、ゆうちゃんのお父さんは「やり残した事があるから一緒に行けない」と言った。

    2006-03-06 18:34:00
  • 281:

    ひとみ

    そして私たちはとうとう明日大阪を出る。みなれた町。この日はゆうちゃんと夜遅く散歩をした。近くの公園、駅前の商店街、小学校までの道、海岸、そして二人の思い出の場所にも行った。

    2006-03-06 18:40:00
  • 282:

    名無しさん

    2006-03-06 19:24:00
  • 283:

    ひとみ

    そしてあのコンクリートに今度は二人でこう書いた。

    【8月20日・これからは二人で頑張ろう。ずっと一緒にいような。ひとみ、ゆうと】

    2006-03-07 03:58:00
  • 284:

    ひとみ

    8月21日。そして二人の同居生活が始まった。たった10畳のひと部屋しかないアパートやったけど毎日が幸せやった。なんか夢でも見ているような気持ちになった。

    2006-03-07 04:05:00
  • 285:

    ひとみ

    仕事が見つかるまでしばらくはゆうちゃんの貯金と私の貯金でなんとか生活をしていた。慣れなかった環境にもだいぶ慣れてきた頃ゆうちゃんの18才の誕生日がやってきた。

    2006-03-07 04:21:00
  • 286:

    名無しさん

    age

    2006-03-07 11:47:00
  • 287:

    名無しさん

    これフィクションですょネ?

    2011-06-25 12:01:00
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