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愛と時効。神様〜私をお許しください。

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  • 1:

    ひとみ

    2月22日。火曜日。ゆうちゃんに「別れて」って言われた。

    2006-03-02 17:38:00
  • 200:

    名無しさん

    2006-03-03 17:50:00
  • 201:

    ひとみ

    「毎日毎日いい加減にしろ!しまいに警察ゆうぞ!仕事もクビになったのにお前がこの家に来る理由はないはずや!帰れ」

    《ゆうちゃん…。》

    2006-03-03 17:54:00
  • 202:

    ひとみ

    そう。あの日からゆうちゃんは毎日私の家に来ては土下座をして母やあいつに頼んでいた。
    「人目でいい。会わせてください。」と。

    2006-03-03 17:57:00
  • 203:

    ひとみ

    そしてゆうちゃんは毎日私宛ての手紙を書いて送った。が、しかしその手紙は決して私の手元に届く事はなかった。全てあいつの手によって処分された。

    2006-03-03 18:00:00
  • 204:

    名無しさん

    頑張れ(*^_^*)

    2006-03-03 18:03:00
  • 205:

    ひとみ

    「これ以上あのクソ犬をこの家に近付けるわけにはいかない」と。
    そしてあいつはゆうちゃんの働く○○新聞に電話をした。ゆうちゃんはクビになった。

    2006-03-03 18:04:00
  • 206:

    ひとみ

    209さん???応援有難うございます??

    2006-03-03 18:06:00
  • 207:

    ひとみ

    それでも毎日毎日ゆうちゃんは家に来た。
    「元気にやってるかどうか、顔を、顔を見たいだけなんです!お願いします!」もちろんそんな事あいつが許すはずもなかった。

    2006-03-03 18:10:00
  • 208:

    ひとみ

    ある日からゆうちゃんは家に来なくなった。

    2006-03-03 18:13:00
  • 209:

    ひとみ

    私はこの時、ゆうちゃんを好きかどうかも何もかも分からなくなっていた―。夢か現実か自分は生きてるか死んでるかさえも分からない―。何も見えない。何も見たくない――――。

    2006-03-03 18:15:00
  • 210:

    ひとみ

    もう私をそっとしておいて――。もうほっといてほしい―――。もう何も見たくないから。もう―――消えてしまいたい。

    2006-03-03 18:18:00
  • 211:

    ひとみ

    精神状態は最悪だった―。毎日どうやったら死ねるか。それだけを考えていた。

    2006-03-03 18:19:00
  • 212:

    ひとみ

    私の腕には深く刻まれたリストカットの後だけが残されていった―。

    2006-03-03 18:21:00
  • 213:

    ひとみ

    ある時、私はゆうちゃんが家に来なくなった訳を知った。母とあいつの会話。聞きたくないけど聞こえてきた。あまりにもしつこく家に来るゆうちゃんに警察から警告がかかった。ゆうちゃんは捕まった。

    2006-03-03 18:24:00
  • 214:

    ひとみ

    そんな話が耳に入った。でも悲しいことにその時の私にはもう何も感じなくなっていた―。私は逃げも隠れもしない。もう、好きにして―――。

    2006-03-03 18:29:00
  • 215:

    ひとみ

    私は記憶からゆうちゃんを消そうとしていた――。それが自分を守る唯一の方法だと思っていた――。

    2006-03-03 18:32:00
  • 216:

    ひとみ

    どれ位経ったのだろう…。私は一人暗やみにいた。
    どこからどこまで走ればこの暗やみから出れるの―?私は子供のように泣きじゃくった。私の手を誰かが引っ張る。でも顔が見えない。

    2006-03-03 18:37:00
  • 217:

    ひとみ

    どんなに目をこらしても見えそうで見えない。

    「誰…?」私は聞く。
    何も答えずにその人は私を暗やみから救い出してくれる。そして消えてしまう。

    2006-03-03 18:40:00
  • 218:

    ひとみ

    私はその時からこんな夢ばかりを見ていた―――。

    2006-03-03 18:41:00
  • 219:

    ひとみ

    ある時私は母が出かけたのを確認し、階段を降りて居間を通りあいつと母の寝室に入った。別になにも用はなかった。体が勝手に何かに操られているように動いた。

    2006-03-03 18:44:00
  • 220:

    ひとみ

    私はふいにゴミ箱に目がいった―――。

        手紙――。

    2006-03-03 18:45:00
  • 221:

    ひとみ

    私はゴミ箱にビリビリに破られ捨てられている手紙を見つけた。それをまるでパズルみたいに必死でつなぎ合わせた。

    2006-03-03 18:48:00
  • 222:

    ひとみ

    グチャグチャになって読みにくくなった文字を必死で読みとる。

       【ひとみへ】   最初にこう書かれていた。

    2006-03-03 18:50:00
  • 223:

    ひとみ

    お前と離れてもう1カ月が経った。俺はお前を守ってやれんかった。俺は頼りない男やな。でも俺はお前に言ったよな?お前の苦しみ、喜びも全部俺に分けろって。お前は強い子やからなんかいわへん。

    2006-03-03 18:56:00
  • 224:

    名無しさん

    2006-03-03 18:59:00
  • 225:

    ひとみ

    もう強いふりなんかせんでいい。お前の弱いとこも分かってる。今頃お前はボロボロなんちゃうかって俺はいっつもそんな事ばっかり考えてる。お前を助けたい。お前の傍に行きたい。

    2006-03-03 18:59:00
  • 226:

    ひとみ

    そして最後に
      【石原悠斗】
    と書かれていた―――。

    2006-03-03 19:03:00
  • 227:

    ひとみ

    私の目からは自然に涙が流れた―――。

    忘れかけていた一番大切な人――。ゆうちゃん。
    初めて愛した人ゆうちゃん。愛をたくさんくれた人。ゆうちゃん

    2006-03-03 19:09:00
  • 228:

    ひとみ

    ゆうちゃん―。
    恐かったよ。
    私―頑張ったよな?
    私…悪い子ちゃうよな?
    ゆうちゃん。ゆうちゃん。ゆうちゃん逢いたいよ。

    2006-03-03 19:12:00
  • 229:

    ひとみ

    私は一目散に家を飛び出した。裸足のまま走り続けた。息が切れても走り続けた。
    《ゆうちゃん。ゆうちゃん。》

    2006-03-03 19:15:00
  • 230:

    ひとみ

    周りの人がびっくりした顔で私を見る。私はそれでも走った―。
    ただ…ただゆうちゃんの傍に行きたい。

    2006-03-03 19:17:00
  • 231:

    ひとみ

    どれくらい走ったか覚えてない。私はもうボロボロだった―。ついた先は…ゆうちゃんに連れてきてもらったあの海が見える場所。でもそこにゆうちゃんの姿は無かった。

    2006-03-03 19:21:00
  • 232:

    ひとみ

    私はゆうちゃんが座っていたあの場所に座った。

    「ゆうちゃん。ゆうちゃんどこなん…?ひとみ…考え直してん。やっぱりゆうちゃんが好き。ずっとゆうちゃんの傍にいたい…。」

    2006-03-03 19:25:00
  • 233:

    ひとみ

    私は呟きながらゆうちゃんの事を考えているとまた涙が出てきた―。
    「ゆうちゃんはすごいな。今まで泣く事なんかなかったあたしがゆうちゃんに出会ってからこんなに泣き虫になったんやで…」

    2006-03-03 19:27:00
  • 234:

    ひとみ

    「ゆうちゃん。逢いたいよ。ゆうちゃん、今すぐ逢いたい…」

    私の目にある文字が見えた。【ひとみへ】

    2006-03-03 19:29:00
  • 235:

    ひとみ

    コンクリートに石で刻まれた文字。確かに【ひとみへ】と書かれている。私は見にくいその文字を読んだ。

    2006-03-03 19:31:00
  • 236:

    ひとみ

    【6月28日・ひとみへ・あいたい】

    【6月29日・ひとみごめんな。】

    【6月31日・ひとみ元気にしてるかな】

    2006-03-03 19:35:00
  • 237:

    ひとみ

    【7月2日・しにそうなぐらい辛い。ひとみにあいたい】

    【7月3日・やっぱり好きや】

    2006-03-03 19:38:00
  • 238:

    名無しさん

    2006-03-03 19:39:00
  • 239:

    ひとみ

    【7月5日・おまえを守れんかった、俺をゆるして】
    【7月6日・声が聞きたい】

    2006-03-03 19:40:00
  • 240:

    ひとみ

    読み取れなかった所も何か所かあったがコンクリートには悠斗の私に対する気持ちでいっぱいになっていた―。

    2006-03-04 00:01:00
  • 241:

    ひとみ

    ゆうちゃんは言ってた。《辛い時、苦しい時、この場所へ来る》と。ゆうちゃんはあたしの事必要としてくれてたんやんね―?あたしの事こんなにも考えてくれてたんやね…。書く場所が無くなるくらいあたしの事

    2006-03-04 00:29:00
  • 242:

    ひとみ

    考えてくれてたんやね…。ありがとう。ありがとう。ゆうちゃんありがとう。

    2006-03-04 00:30:00
  • 243:

    名無しさん

    6月は30日までしかないやん

    2006-03-04 00:36:00
  • 244:

    名無しさん

    ↑そんなツッコミいらんねん。主さん頑張って!!

    2006-03-04 00:44:00
  • 245:

    名無しさん

    いや、言われて当然やろ

    2006-03-04 01:32:00
  • 246:

    ひとみ

    6月は30日までですね?失礼しました??応援してくれた方ありがとうございました???

    2006-03-04 01:37:00
  • 247:

    ひとみ

    私は極度の疲労と、ここ何日もほとんどろくに何も食べていなかった為、そのままその場で気を失ってしまった。だけど全然苦しくなかった。むしろフワフワしているような気持ちでなぜか心地よかった。

    2006-03-04 01:40:00
  • 248:

    ひとみ

    気付くと私はまた暗やみにいた。
    辺りを見まわしても何も見えない。無性に恐くなった。
    《またや…ここはどこなん…助けて…恐い…》

    2006-03-04 01:43:00
  • 249:

    ひとみ

    私はまた暗やみで、一人震えていた。
    《恐いよ恐い…》

    「お前なんか死んでしまえ!」
    いきなりあいつの声がした。

    2006-03-04 01:50:00
  • 250:

    ひとみ

    《やめて…ごめんなさい。叩かんといて…ごめんなさい。》

    すると次は母の声が聞こえた。

    2006-03-04 01:55:00
  • 251:

    ひとみ

    「あの子さえおらんかったらこんな事にはならんかったのに…あんな子私の子じゃない!」

    《私はいらん子やったん…?なぁお母さん。許して》

    2006-03-04 01:59:00
  • 252:

    ひとみ

    次々に私の頭を突き抜けていく声が聞こえる。憎しみ。殺意。いろんなモノが感じられた。まるでサウンドのみの、映像の無い映画でも見ているかのように―。

    2006-03-04 02:03:00
  • 253:

    ひとみ

    【死んでしまえ!】
    【こんな子生むんじゃなかった】
    【あんたなんか死ねばいいねん!】
    【最低】
    【クズ】
    「いっそ殺してしまおか」

    2006-03-04 02:09:00
  • 254:

    ひとみ

    何度も何度も聞きたくない声が繰り返し頭の中を回る。
    頭が割れてしまいそう…

    《聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない!》

    2006-03-04 02:11:00
  • 255:

    ひとみ

    誰かがそっと私の手を取った。
    そして私の手を引き、暗やみの中を二人で必死に走った。聞こえていた声がだんだん小さくなっていく。

    2006-03-04 02:36:00
  • 256:

    ひとみ

    どこまで走っても出口が見当たらない。そしてこの人は…誰?
    ずっとずっと走った。
    なにも考えずずっとずっと―。すると目の前にかすかに小さな光が見えてきた。

    2006-03-04 02:40:00
  • 257:

    ひとみ

    《やった。やった!やっとここから出れる。》

    私は手を引かれ光の方へと一目散に走った。

    2006-03-04 02:43:00
  • 258:

    ひとみ

    《すごい…こんなキレイな場所見たことない…。》ついに光の前まで来た。光の先には虹色に輝く海が広がっていた。

    《あれ…?ここ――?》

    2006-03-04 02:47:00
  • 259:

    ひとみ

    目の前には虹色に輝く海。太陽に照らされて輝く砂―。ここは―。ゆうちゃんとの思い出の場所―。そして私の手から消えていく温もり。

    2006-03-04 02:50:00
  • 260:

    ひとみ

    《嫌や!一人にせんといて。》
    私の手からさっきまでの温もりが消えていく。私を何度も暗やみから救い出してくれた。暗くて誰か分からなかったその人の顔が一瞬光に照らされた―。

    2006-03-04 02:53:00
  • 261:

    ひとみ

    《ゆうちゃん…?》
    確かにそれはゆうちゃんだった―。
    どこを探してももう姿は無い―。
    そして消える直前
    “早く行き”そう言ったのが聞こえた。

    2006-03-04 02:59:00
  • 262:

    ひとみ

    私は真っすぐ前を見て光の中へと走った。
    《ゆうちゃん。ゆうちゃん。ゆうちゃん。逢いたい。ゆうちゃん――。》

    2006-03-04 03:01:00
  • 263:

    ひとみ

    「…っとみ!ひとみ!」

    わたしの名前を呼ぶ声で目を覚ました――――。

    2006-03-04 03:03:00
  • 264:

    ひとみ

    私は夢を見ているのかと思った。
    私を心配そうに覗きこむその人…。
    ゆうちゃんだった―。

    2006-03-04 03:06:00
  • 265:

    ひとみ

    私は病院のベットで寝かされていた。

    「ゆうちゃん…逢いたかったよ。」

    2006-03-04 03:07:00
  • 266:

    ひとみ

    「俺も…俺も逢いたかった。」
    初めてゆうちゃんが泣いているのを見た。

    「あたし生きてるねんで。泣かんといてよ。」

    2006-03-04 03:09:00
  • 267:

    ひとみ

    本当はあたしも泣きたかった―。必死で笑顔を作るけどひきつってうまく笑えんかった。ゆうちゃんの顔を見たら今にも涙がこぼれ落ちそうやった―。優しいゆうちゃん。大好きなゆうちゃん―。

    2006-03-04 03:12:00
  • 268:

    ひとみ

    「ひとみ…ごめんな。ごめんな…」
    ゆうちゃんはあたしの手を握り、涙を流しながら謝った―。
    あたしの手には包帯が巻かれていた。リストカットの後を隠すかのように…。
    「今度こそ俺が」

    2006-03-04 03:20:00
  • 269:

    ひとみ

    「今度こそ俺がひとみの事守るから。」

    私は小さく頷いた。

    「ゆうちゃん―。もう離れたくないよ。」

    2006-03-04 03:22:00
  • 270:

    ひとみ



    ゆうちゃんは真っすぐに私を見て言った。

    2006-03-04 03:25:00
  • 271:

    ひとみ



    「“ひとみ。逃げよう”」

    2006-03-04 03:27:00
  • 272:

    名無しさん

    2006-03-04 18:44:00
  • 273:

    アユカ

    めちゃおもろぃ?完結まで読むから頑張って??

    2006-03-05 18:42:00
  • 274:

    ひとみ

    私は家から少し離れた病院で保護されていた。ゆうちゃんが、倒れている私を見付けすぐ病院に駆け込んだらしい。体に刻まれたアザを見てゆうちゃんが言った言葉だった。
      【逃げよう】

    2006-03-06 05:00:00
  • 275:

    ひとみ

    私にはもう迷いなどなかった。
    【これから先ずっと一緒にいたい。私、ゆうちゃんと逃げる】

    私は決めた。

    2006-03-06 05:04:00
  • 276:

    ひとみ

    もう家には帰らない。
    そしてゆうちゃんは私に
    “約束をしてほしい”と言った。
    『なにがあってもあきらめるな。』と。

    2006-03-06 05:08:00
  • 277:

    ひとみ

    そして私とゆうちゃんは大阪を離れ東京へ逃げる事になった。ゆうちゃんのお父さんは大阪に残った。

    2006-03-06 05:16:00
  • 278:

    ひとみ

    すべてがうまくいくはずだった。
    でもこの時の私にはまだなにも分からなかった。この選択が一番大切な人の人生を狂わす事になるとは―。

    2006-03-06 05:31:00
  • 279:

    ひとみ

    一週間程で私の体も元通り回復し退院していいと言われた。

    2006-03-06 16:05:00
  • 280:

    ひとみ

    さっそく退院してゆうちゃんのお父さんに挨拶をしにいった。私はゆうちゃんのお父さんに「一緒に行こう」と何度も言ったが、ゆうちゃんのお父さんは「やり残した事があるから一緒に行けない」と言った。

    2006-03-06 18:34:00
  • 281:

    ひとみ

    そして私たちはとうとう明日大阪を出る。みなれた町。この日はゆうちゃんと夜遅く散歩をした。近くの公園、駅前の商店街、小学校までの道、海岸、そして二人の思い出の場所にも行った。

    2006-03-06 18:40:00
  • 282:

    名無しさん

    2006-03-06 19:24:00
  • 283:

    ひとみ

    そしてあのコンクリートに今度は二人でこう書いた。

    【8月20日・これからは二人で頑張ろう。ずっと一緒にいような。ひとみ、ゆうと】

    2006-03-07 03:58:00
  • 284:

    ひとみ

    8月21日。そして二人の同居生活が始まった。たった10畳のひと部屋しかないアパートやったけど毎日が幸せやった。なんか夢でも見ているような気持ちになった。

    2006-03-07 04:05:00
  • 285:

    ひとみ

    仕事が見つかるまでしばらくはゆうちゃんの貯金と私の貯金でなんとか生活をしていた。慣れなかった環境にもだいぶ慣れてきた頃ゆうちゃんの18才の誕生日がやってきた。

    2006-03-07 04:21:00
  • 286:

    名無しさん

    age

    2006-03-07 11:47:00
  • 287:

    名無しさん

    これフィクションですょネ?

    2011-06-25 12:01:00
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