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幸せの色。
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1:
◆ObanGQEW7M
10月―ミナミ
寒い、昨日までとは打って変わって寒い。
アキは自転車で店まで向かっていた。
アキの家から、アキがレギュラーで勤めているキャバまでは自転車で10分くらいだった。2005-11-02 04:59:00 -
301:
◆ObanGQEW7M
「うん…」
筋の通らないコトを言ってるのは重々承知です。
『なんで…なんで……。ヒカリサンやろ!』
はぁッッ!?(゚Д゚;)2005-11-17 00:00:00 -
302:
◆ObanGQEW7M
『アキ、会ってる時とかさっきとかは、やり直そうってしてくれてるのに、ヒカリサンと飲んだ後とかグロウに行った時とかに話すと、別人みたいになるやん!』
「………。」
『なんかアキと話してる気せぇへん!どぉせヒカリサンとかグロウの店員に言われた言葉を鵜呑みしてんねやろ!?そんなんアキじゃなくて、そいつらの意見やん!』2005-11-17 00:06:00 -
303:
◆ObanGQEW7M
「違うよ!アキが納得して、そうしてるんやからアキの考えやで!?」
『違う!!てゆうか、そんなオレの事も知らん第三者にオレの何が分かんねん!オレの事知ってるアキまで何でそんな意見に左右されんねん!!』
「…………。」2005-11-17 00:20:00 -
304:
◆ObanGQEW7M
『てゆうかさぁ!そこの店員に好きなヤツでもいるん!?どーせ色られてるんとちゃうん!!』
━イロラレテル━
「…違うよ。」
携帯を持つ手が震えているのがわかった。2005-11-17 00:22:00 -
305:
◆ObanGQEW7M
『違うんやろ!?オレはさぁ、スカウト仲間とか地元の友達に相談した時にさぁ、皆はアキに新しい男がいるんちゃうん?って、そいつが別れさせようとしてるんちゃうん?て言われたけど、アキの事知らんヤツらの意見よりアキ自身を知ってるのはオレやからって、アキの事信じてたんやで。』
穏やかに話してますが、皆の意見がやや正解です…。2005-11-17 00:45:00 -
306:
◆ObanGQEW7M
『なのにアキは…』
「違うよ。アキがそう言われて、そうやと思ったんやで?」
『…マジありえん。』
「アキが?」2005-11-17 00:47:00 -
307:
◆ObanGQEW7M
『違う!!アキに変なコトを吹き込んだヤツらや!!マジむっかついた。別れるんなら別れてやるわ!』
えっ?えっ??
『別れてやるけどなぁ!オレはどんな手ぇ使っても、そのバーを潰すでな!!』
…カズヤサン暴走。2005-11-17 00:50:00 -
308:
◆ObanGQEW7M
「ちょ、待ってや!グロウは関係ないやん!!」
それは困る!
『関係あるやろ!?てかそいつらがいなかったら、こんな事にならんかったやん!!マジキレた!』2005-11-17 00:54:00 -
309:
◆ObanGQEW7M
いやいや、ほんまにやめてよ。そんなんでマサキやタクチャンに迷惑かけたくないよ…。
「ほんま…やめてや。」
『てゆうか今からオレ行くわ。新地やなぁ?どの辺?』2005-11-17 00:56:00 -
310:
◆ObanGQEW7M
カズヤもマサキも短気ですやん。話し合いなんて、する気ゼロですやん。
「やめてぇ…分かったから、とりあえず帰るから。話そぉ?」
もぉ、カズヤとは別れられへんのかも…。2005-11-17 00:58:00 -
311:
◆ObanGQEW7M
アキ「今度はホンマにすぐ帰るから」という約束をして電話を切った。
グロウに戻るとマサキは仕事に戻っていた。
アキは「チェック。」とだけ言いバッグから財布を取出した。
「はぁっ!?」
マサキはマジデスカって顔でアキを見た。2005-11-17 01:18:00 -
312:
◆ObanGQEW7M
「ち・ぇ・っ・く。」
アキはもう一度、言った。イライラしているのが伝わったのだろう、マサキもタクチャンもヒカリサンも、もう何も言わなかった。
「タクまで送るわ。」2005-11-17 01:21:00 -
313:
◆ObanGQEW7M
マサキがドアーを開けてくれた。
「また来るね☆お先〜」
ヒカリサンとタクチャンに愛想を振りまいて店を出た。
マサキは店の外でドアーを閉めた瞬間、思った通り強引なハグ。2005-11-17 01:25:00 -
314:
◆ObanGQEW7M
「ごめん。そんな気分じゃない。ごめん。」
アキは出来るだけ冷たくした。
「どうしたん?」
マサキは心配そうな顔をしていた。2005-11-17 01:27:00 -
315:
◆ObanGQEW7M
マサキにまで心配かけちゃダメだ…。
「ん…なんか情緒不安定で、精神的にヤバそうやでさ…帰るわ。」
精一杯作り笑顔をしてみた。バレたかな?
マサキの顔は見れなかった。2005-11-17 01:41:00 -
316:
名無しさん
頑張って書いてなぁ???
2005-11-18 19:51:00 -
317:
ぉまめ ◆X/l2UzVPhE
感想ぁりがと??応援してるょ?
2005-11-18 20:15:00 -
320:
◆ObanGQEW7M
>>319サン、ぁりがとぅござぃマス??
ぉまめタン、ぁりがとォ????新作も読んでるょ????
遅くなりましたが、ちょっと書きます?2005-11-20 18:53:00 -
321:
◆ObanGQEW7M
マサキが店に戻ると、ヒカリが心配そうに声をかけてきた。
「あんまり落ち込まないようにね…☆」
「えっ…?」
「マサキはすぐ顔に出るから。」
ヒカリはニコニコしながら言った。2005-11-20 18:55:00 -
322:
◆ObanGQEW7M
「どーゆー意味?」
「好きなんでしょ?アキチャンの事。」
マサキは笑って誤魔化そうとしたが出来なかった。
「やっぱオレって顔に出やすいんかなぁ〜?」2005-11-20 18:57:00 -
323:
◆ObanGQEW7M
「うん、かなりね。」
ヒカリはニコニコ顔のまま。
「アキチャンと話してる時はすっごい楽しそうなのに、アキチャンがカレシの話するとイライラしてるし。アキチャンが電話しに行くと不安そうだし。今さっき店に戻ってきた時は悲しそうやったよ…何があったん。」
ヒカリはもうニコニコ顔じゃなかった。ヒカリの隣のタクさんも心配そうにしてる。2005-11-20 19:03:00 -
324:
◆ObanGQEW7M
「ははっ、ホンマ、オレってアカンなぁ〜!店にいる時にそんな感情出したらマズいな〜。」
2人に何を話して良いか分からず、マサキは明るく話を変える事にした。
ヒカリでさえ、気付いてるなら、アキ自身も気付いてるはず。やっぱりアキはオレの事を好きじゃないねんなぁ……。2005-11-20 19:07:00 -
325:
◆ObanGQEW7M
イ ロ ラ レ テ ル
アキはタクシーの中で、カズヤの言葉を思い出していた。2005-11-20 19:13:00 -
326:
◆ObanGQEW7M
そんなん分かってるよ…。マサキの優しさも言葉も信じてない。
でも信じたいっと想う自分がいる。
マサキの事、好きになってしまったんかなぁ…2005-11-20 19:14:00 -
327:
◆ObanGQEW7M
でも今更、そんな事を考えても仕方がない。
カズヤとはきっと、別れられない……。
グロウに迷惑もかけたくない。それに、そんな事を言いだすカズヤの気がしれない。2005-11-20 19:17:00 -
328:
◆ObanGQEW7M
カズヤといても幸せになれるよ。きっと。
本気かどうか分からないマサキを想うより、幸せになれる…。
タクシーは思っていたより早く家に着いてしまった。2005-11-20 19:20:00 -
329:
◆ObanGQEW7M
タクシーを降りたアキは、マンションのエントランスとは逆に歩いた。
少し歩いた所で、マサキに電話をした。
「はい?」
「さっきはごめん。」2005-11-20 19:22:00 -
330:
◆ObanGQEW7M
『まぁ、いいよ。』
マサキはそっけなかった。「それで…アキ、しばらくマサキとは連絡とらないね。」
『………』
マサキの返事はなかった。2005-11-21 06:46:00 -
331:
◆ObanGQEW7M
アキだって、こんな事言いたくないよ。でも、こうするのが一番じゃない?
カズヤが何するか分からんけど、マサキには迷惑かけたくないし。
マサキが自ら納得して別れを決意するまで、マサキの傍にいてあげよう。2005-11-21 06:49:00 -
332:
桃香
ヽ(´Д`)ノがんばれアキやん ?
2005-11-21 07:44:00 -
333:
◆ObanGQEW7M
サンキゥ桃ャン…(*´д`)アハァ…? 涼サマ良ぃ子じゃぁ?んッッ???子供ォって感じゃけどニャー???笑
2005-11-21 09:48:00 -
334:
◆ObanGQEW7M
マサキには『カレシが精神的に変なんなってるから、落ち着いて納得してくれるまで傍にいる事にした。』とだけ言った。
『わかった。アキがそやって決めたんならオレは何も言わん。待ってる。』
マサキはそう言ってくれた。2005-11-21 17:45:00 -
335:
◆ObanGQEW7M
マサキと電話を切ってすぐに、ヒカリサンに電話をかけた。
グロウの営業時間はとっくに終わってるから、もう家だろうと思ってかけた。
「お疲れッスー☆もう家ッスかぁ?」2005-11-21 17:48:00 -
336:
◆ObanGQEW7M
『うんッッ☆もぉ家やで〜!ってかアキチャン、どないしたん?』
ヒカリサンの声を聞いたら、カズヤに対する絶望に似た感覚が戻ってきて、話さずにはいられなかった。
『ん〜…そんなにアキチャンが思い詰めんくてもさぁ、アキチャンの彼氏サンがナンボのバックを持ってるんか知らんけど、タクチャンにもマサキにもグロウにも、絶対負けへんバックあるからなぁ…。』2005-11-21 17:53:00 -
337:
◆ObanGQEW7M
「そうかも知れないですケド…バック出たりとかじゃなく、もめる事自体して欲しくないし、ちゃんとアキが決めなきゃいけないと思って……。彼氏をそんな風にしてしまったのもアキやし…。」
『気持ちは分かるけど、あんまり自分を追い込まないよーにね。』2005-11-21 18:02:00 -
338:
◆ObanGQEW7M
やっぱりヒカリサンにはマサキの事は話せなかった。
ヒカリサンの電話の直後にカズヤから電話がかかってきた。
『どこにいるの!?』
ホンマしんどいわ………。2005-11-21 18:04:00 -
339:
◆ObanGQEW7M
「もう家の前やで」と言うとベランダにカズヤが出てきて手を振ってきた。
そこまでしなくても…。
多分アキは苦笑いだったと思う。
2005-11-21 18:06:00 -
340:
◆ObanGQEW7M
部屋に入ると、カズヤは飼い犬みたいに尻尾を振って玄関で待っていた。
こーゆートコは可愛いねんけどなぁー。
「おかえりッッ☆」
アキが「ただいま」を言う前に、カズヤは思いっきりアキを抱き締めた。2005-11-21 18:08:00 -
341:
◆ObanGQEW7M
「た、ただいま。」
カズヤは溢れんばかりの笑顔だった。可愛いねんけど、ちょっとが重たく感じる。
カズヤは雰囲気で言えば小池徹平風。あくまでも、風。母性本能をくすぐるって言うの?可愛い系だけど、ちょっとだけ頼りない感じ。2005-11-21 18:29:00 -
342:
◆ObanGQEW7M
アキが部屋の中に入り、荷物を置いて、スエットに着替えようと服を脱ぐと、カズヤはアキの背後から抱き締める形で胸を触ってきた。
そんな気分じゃないねんて……
「ちょっとぉ〜」
カズヤを制止しようと振り替えると、そのままキスされた。2005-11-21 18:32:00 -
343:
◆ObanGQEW7M
「カ、カズヤ…やめ…」
キツく抱き締められると、カズヤの気持ちが痛い程伝わってきた。
カズヤの手が少し震えている。
アキも、カズヤをキツく抱き締めた。2005-11-21 18:37:00 -
344:
◆ObanGQEW7M
怖い…カズヤの気持ちが怖い……流されてしまう自分が怖い………。
アキはカズヤの胸の中でキュゥっと目を閉じた。
「なぁ、アキ?」
カズヤは抱き締めたままアキに優しく話し掛けた。2005-11-22 01:06:00 -
345:
◆ObanGQEW7M
「…なぁに?」
「オレ、頑張るから。仕事頑張って主任なるから。風俗も入れまくる。情捨ててスカウトするから。」
カズヤは今まで、色スカもしない、風俗に興味ない子を無理矢理つめて風俗流したりしない、マジメなスカウトをしていた。それなのに…
「…なんで?」2005-11-22 01:13:00 -
346:
◆ObanGQEW7M
「今まで、金がなくて、甲斐性がなくて、アキに迷惑かけてきたやろ?アキは学校も行けんなるくらい、仕事頑張ってきたやん。今度はオレが、アキを支えるから。」
「えっ?アキ、夜辞めて良いの?」
「うん。てゆーか、辞めて。もぉ夜と繋がりもって欲しくないんやんか。」2005-11-22 01:17:00 -
347:
◆ObanGQEW7M
じゃあ、アキは自分の好きな事して良いんや…学校も行けるんや……
「生活はオレが支えるから、アキはバイトせんくても良いし。自分の服欲しかったり、オレの給料でアキが足りんかったら、適当にバイトすれば良いし。」2005-11-22 01:20:00 -
348:
◆ObanGQEW7M
なんかコノ人スゴイ事言いだしましたが…((((゚Д゚;)
「う…うん。」
囲う気マンマンやなぁ…Σ( ̄□ ̄; やっぱ精神的にきてたんやな……。
「もちろんすぐには無理やと思うけど、年明けまでにはちゃんと出来ると思うし。」2005-11-22 01:25:00 -
349:
◆ObanGQEW7M
アキは何も言えなくなってしまった。
今まで支え続けてたんやもんね…支えてもらっても、良いんやんね?きっとマサキは、そこまでアキの事、考えてくれんのやろな。
カズヤはアキを抱き締めたまま、布団に倒れこんだ。
やっぱりそーゆー気分になれない…でも拒否って、またもめるのも嫌やなぁ……2005-11-22 01:29:00 -
350:
◆ObanGQEW7M
カズヤの触られ慣れた手が、慣れた手つきでアキの体に触れた。
「んっ……」
カズヤとは、どの位ぶりなんやろ、こうやって抱き合うの。
「アキ…好きやで……」2005-11-22 01:31:00 -
351:
◆ObanGQEW7M
目を閉じると…あの時のマサキとの事が頭に広がってきて、カズヤに触れられているのにマサキに触れられている様な感覚になった。
マサキ…マサキ、ごめんね。マサキの気持ち、信じるのが怖いねん。ホンマはマサキが好き…こんなに好き。でも、アキにとって、アキ自身が面倒臭くない方を、アキは選んじゃったよ…ごめんなさい。2005-11-22 01:38:00 -
352:
◆ObanGQEW7M
カズヤとのエッチは、今までと変わりない、いつものエッチだった。今まで不満があった事はない。でも今日は…気持ちくなかった。てゆうか、気持ちがなくなった、ただ揺られている人形みたいな気分だった。
カズヤ、ごめん……。
カズヤは1人で果てた。アキの中で。2005-11-22 01:42:00 -
353:
◆ObanGQEW7M
「ごめん、気持ちよすぎて中で出ちゃった。」
カズヤにそう言われて、アキは終わった事に気付いた。
中で出ちゃった。って……わざとやろ( ゚Д゚)ゴルァ!!2005-11-22 01:44:00 -
354:
◆ObanGQEW7M
アキは苦笑いで「今、危険日だよ」と言った。
「マジで!?出来たらどーしよっか!?」
って全然心配してないやん。むしろ嬉しそうですやん。オィオィ……2005-11-22 01:45:00 -
355:
◆ObanGQEW7M
この人、ホンマに別れたくないんやな…アキなんかを離したくないんやな……
そんな気持ちが伝わってきてしまって、アキは嬉しさと困惑で作り笑顔しか出来なかった。2005-11-22 01:48:00 -
356:
◆ObanGQEW7M
次の日も、その次の日も、カズヤは優しかった。
しつこいくらいに電話やメールもくれた。家にいても、やたら甘えたになっていた。
でもそれが、逆につらかった。優しくされればされる程、甘えられれば甘えられる程、重くて仕方なかった。2005-11-22 01:51:00 -
357:
◆ObanGQEW7M
カズヤは多分、気付いてる。だからか分からへんけど、体は求めてこない。ただ毎日、優しく優しく、抱き締めてくれた。
マサキの言葉が頭に浮かんできた。
「繕ってるだけやから、今だけやで。」
マサキは今何してるんかな?2005-11-22 01:54:00 -
358:
◆ObanGQEW7M
連絡とらないでおくね、って言った次の日くらいに、マサキからメールがきた。
『何してんのぉ?』
『やっぱり寂しい……』
『アキぃ…逢いたいよぉ』2005-11-22 01:56:00 -
359:
◆ObanGQEW7M
胸が苦しくなった。でも返さなかった。メールはすぐに消した。
ちょうど1週間くらい経って、アキのしんどさはピークに達そうとしてた。
カズヤへの気持ちとマサキへの気持ち、2つに挟まれて、アキはつぶされそうになってた。2005-11-22 01:59:00 -
360:
◆ObanGQEW7M
アキは、もうずっと家から出てなかった。
カズヤが仕事に行ってから帰ってくるまで、ずっと部屋で1人で考えていた。
学校も仕事も行きたくない。誰にも会いたくない。お客さんからのメール、電話もぶっちしていた。
2005-11-22 02:01:00 -
361:
◆ObanGQEW7M
耐えられなくなり、ヒカリサンにメールをしてみた。
「幸せって何ですか?」
このメールを受信した時のヒカリサンは何を思ったんやろ…?すぐに返事が来た。
『う〜ん…』2005-11-22 02:04:00 -
362:
◆ObanGQEW7M
「例えば、アキの事をこんなに考えてくれてる彼氏がいてる事は、アキにとって幸せだよって考えもあって、でも逆に、そんなダメ男といても幸せになれないって考えもあって…そんな事を考えてるうちに、幸せって何か分からなくなりました?」
ヒカリサンから返事はなかった。代わりにすぐに電話がかかってきた。2005-11-22 02:07:00 -
363:
◆ObanGQEW7M
『今から会える?』
まだ夕方前だったので、アキはヒカリサンとご飯に行く事にした。
久しぶりに外に出る。思ったより寒かった。
気付けば、11月になっていた。2005-11-22 02:09:00 -
364:
◆ObanGQEW7M
相変わらずミナミは活気で溢れていた。平日だってゆーのに……。
ツタヤ前で待ち合わせをして、焼肉食べ放題に行った。
ヒカリサンは、ちょっとやつれてた。
「お店、行ってるんですか?」2005-11-22 02:13:00 -
365:
◆ObanGQEW7M
「行ってないね〜ん!」
アハハと軽く笑いながらヒカリサンは答えた。
「実はさぁ、タクチャンと別れてん。」
豚トロを裏返しながら、またまた軽くヒカリサンは言った。2005-11-22 02:15:00 -
366:
◆ObanGQEW7M
「えっ!?いつですか!?」
意外だった。あんなに好き好き言ってたのに…。
「アキチャンが悩んでた時には別れてたんよ。」
全然気付かなかった。アキが悩んでたから、ヒカリサンは言わないでいたらしい。2005-11-22 02:16:00 -
367:
◆ObanGQEW7M
そっか、とアキが言った後、2人はしばらく焼肉に没頭していた。
一段落ついて、2人で一服している時、アキは思い切って言った。
「多分、てゆうか多分じゃないけど…アキ、マサキの事、好きやねん」2005-11-22 02:18:00 -
368:
◆ObanGQEW7M
ヒカリサンはさしてビックリした様子でもなく、ただウン、と小さく言った。
「でもマサキは、ぶっちゃけ何考えてるんか分からんし…彼氏を突き放す事も出来ひんし…マサキの優しさは営業やなって思う事にして、彼氏と頑張ろうかなって思った。思ったのに…最近はマサキの事ばっか考えてしまうねん。」2005-11-22 02:22:00 -
369:
◆ObanGQEW7M
「それで、アキチャンは余計しんどいねんな?」
「うん…」
アキは俯きながら、焦げかけた肉をいじっていた。
ヒカリサンは何も言わない。不安になって顔をあげた…ら、目の前のヒカリサンは泣いていた。2005-11-22 02:24:00 -
370:
◆ObanGQEW7M
「ヒカリサン!?どないしたん!?」
「ヒカリなぁ、アキチャンがマサキの事好きなん気付いてたやんかぁ。」
「えっ…」
「でも、アキチャンはマサキの事、話してくれへんかったから…ヒカリには言いたくないんかなって、思ってて…。」2005-11-22 22:01:00 -
371:
◆ObanGQEW7M
ヒカリサン、そんなにアキの事考えててくれたんや…。
「ありがとう……」
アキはそれだけ言うのが精一杯だった。
水商売で知り合った子なんて信じるだけ無駄だと思ってた。カズヤの受け売りやけど…。2005-11-22 22:07:00 -
372:
◆ObanGQEW7M
前の店で知り合って2コ1で働いてた子は、急にトンで連絡つかなくなったし…信用するだけ無駄やと思ってた。だから、ヒカリサンが、こんな風に言ってくれて嬉しかった。
「なんかしんみりしちゃったね」
ヒカリサンは涙目で笑うから、アキもつられて笑った。2005-11-22 22:19:00 -
374:
???
頑張ってね?
2005-11-22 23:32:00 -
377:
◆ObanGQEW7M
「マサキは別に営業なんかじゃないと思う、それはアキチャンも分かってんねやろ?」
「分かってる。」
「彼氏サンといた方が、色々楽やと思ったから、そう思おうとしたんやんね…」
「うん。」2005-11-25 23:59:00 -
378:
◆ObanGQEW7M
網の上の肉達はもう真っ黒になっている。
「でもアキチャン自身が、シンドくなってるやんね。」
「うん……」
「なぁ、アキチャン。アキチャンの人生は、アキチャンのモノやねん。アキチャンがマサキとか彼氏サンの事を考えて行動せんくて良いんやで。アキチャンはアキチャンの為になる行動をとったら良いねんで?」2005-11-26 00:02:00 -
379:
◆ObanGQEW7M
ヒカリサンが網の上で真っ黒になってた肉達を1つ1つ、お皿に移した。
「マサキが好きならマサキのトコに素直に行ったら?」
そーやねんけどなー…。それが出来ひんから悩んでんねん。2005-11-26 00:05:00 -
380:
◆ObanGQEW7M
けど、ヒカリサンにマサキの事話したら少しスッキリした。
「ありがとぉ。」
「全然!話してくれて、ありがと☆」2005-11-26 00:07:00 -
381:
◆ObanGQEW7M
ホンマにもう何も考えたくないなぁ。アキの好きな様にさして欲しい。
家に帰って来たアキは、ピコピコと携帯を触っていた。
━━通話中 マサキ━━2005-11-26 00:26:00 -
382:
◆ObanGQEW7M
やってしまった…しかもマサキって。電話切るのも感じ悪いしな…
「はい…」
「おぅ、元気ぃ?」
久しぶりに聞くマサキの声はやっぱりあったかい…2005-11-26 00:28:00 -
383:
◆ObanGQEW7M
「おぅ、どないしたん?」
「別に〜。昨日ヒカリに会ぉたんやって?」
ツーツーかよ。ちょっとイラッとした。
「会ったよ。で、何を聞いたん?」2005-11-26 00:31:00 -
384:
◆ObanGQEW7M
「怒ってんの?」
茶化しながらマサキは言った。
「別に何も聞いてないけど〜アキが悩んでるって聞いたからさぁ〜。」
「まぁねー」2005-11-26 00:33:00 -
385:
◆ObanGQEW7M
「アキさぁ、オレはアキが幸せになるならと思って連絡とるんも止めたしさぁ、でもアキがそーやって幸せについて考えてしまうならさぁ…だまされたと思ってオレと付き合えよ。」
マサキは今度は茶化さず、淡々と力強く言った。2005-11-26 00:37:00 -
386:
◆ObanGQEW7M
「…んー。」
煮え切らない返事でスイマセン。
「…わかった。ごめんな。オレちゃんと待つわ。」
物分かりの良いマサキサン、若干25歳。2005-11-26 00:40:00 -
387:
◆ObanGQEW7M
電話を切ってしばらくするとカズヤが帰って来た。
「アキ♪明日休みやねん!デートしよな?」
カズヤは帰って来るなりアキをハグしてうれしそうに言った。2005-11-26 00:42:00 -
388:
◆ObanGQEW7M
「ホンマに?良いの?シンドくないの??」
カズヤはなかなか休みがなかった。たまの休みもシンドいからって1日中寝たきり引きこもり。
「大丈夫やで!」
「ユニバは!?」2005-11-26 00:45:00 -
389:
◆ObanGQEW7M
「ユニバは今は無理やろぉ〜金銭的に(^^;もう少し余裕できたらな☆」
「分かった↓じゃあ何か考えとく。」
天王寺動物園かな〜海遊館かな〜。なんて考えてるうちにカズヤはシャワーに入りに行った。2005-11-26 00:47:00 -
390:
◆ObanGQEW7M
アキはタバコに火を付けてメンソールのケムリを一気に吸い込んだ。
ふと、アキの手の真横にあったカズヤの携帯に目が行く。
「…アカンあかん。」2005-11-26 00:49:00 -
391:
◆ObanGQEW7M
アキはすぐにスワロフスキーだらけの自分の携帯を手にとった。
「……………」
それでも一度発症した、カズヤの携帯みたいみたい病は、おさまらない。2005-11-26 00:51:00 -
392:
◆ObanGQEW7M
チラリと風呂場の方を見る。
今入ったとこやから…20分は出ぇへんな。
カズヤの携帯は、アキと同じものやから使い方も余裕でわかる。
着歴、リダイアル、受信送信アドレス、データボックスの画像を見る。以前これでカズヤの出会い系癖が発覚した。2005-11-26 00:55:00 -
393:
◆ObanGQEW7M
最近は出会い系はしてないみたいやな。よしよし。
いよいよメール、受信ボックスをひらく。
ピコピコ…ピコ
このオンナとこのオンナはやたら多いな…2005-11-26 00:57:00 -
394:
◆ObanGQEW7M
『バリ授業だるぃ??』学生かよ!『サボろっかなぁ?』マジメにしなさい!親の金だろ!『カズヤって?休みぃっなん????』ハートを使うなハートを!『そっかぁ?じゃぁ今月末の火曜ユニバ行こ?今クリスマスィベントやねん?カズヤと行きたい??』はぁー!?『ぉっけぇ??絶対ゃでっ??』??何?
2005-11-26 01:02:00 -
395:
◆ObanGQEW7M
慌てて送信メールの確認。
『ちゃんと授業うけなあかんよ?』ふんふん『サボっちゃえ??』あんた言ってる事ばらばらですやん『火曜やで?まともに休みないけど??』なんかハートわれてない?『ユニバ、バリ行きたい?クリスマスィベントとか良いなぁ??オレも行きたいわぁ?』………『は?い?休みやったら連絡するな?』2005-11-26 01:11:00 -
396:
◆ObanGQEW7M
タバコを持つ手がわなわなしていな。わなわなと言うことばがホンマしっくりくるくらい、わなわなした。
無言でカズヤの携帯を、元の状態に戻す。
何事もなかったかのように。2005-11-26 01:17:00 -
397:
?
むちゃはまりました(・∀・)主さん頑張って?サィ?
主さんの味方です?2005-11-26 01:29:00 -
398:
名無しさん
http://choco2.jp/i.php?id=djdj
2005-11-26 01:53:00