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3Ldkの城・?
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1:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
?は、↓です。
http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1132987687/-52005-12-19 14:05:00 -
401:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
振り返ると、千草は首を横に振っている。
“そっとしとこう”というかのように、真顔を見せる彼。
花は、扉から手を放し‥うつむいた。2006-01-12 07:45:00 -
402:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
だが、居ても立ってもいられず‥花は勢いよく扉を開く。
彼女の突発的な行動に、千草は驚いた顔で目を向けた。
2人の目に入ってきたのは、肩を落として座る‥後ろ姿。
花は、唇をかみしめた。2006-01-12 07:48:00 -
403:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
自然と動く体。
花は、彼を後ろから抱きしめた。
顔の下に巻き付けた手の甲が‥次第に濡れていく。
花は、陽平の涙を感じ‥瞳を潤ませた。2006-01-12 07:52:00 -
404:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
彼を支えようとする花を見て、千草は震える手で拳を作る。
「‥陽平っ」
花は、必死に彼の名を囁いた。
あんなにも‥楽しみにしていたのに。
娘を引き取ることを夢に‥頑張ってきた姿が頭に焼き付いている。2006-01-12 07:56:00 -
405:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「‥‥離れて」
陽平は、花にポツリと囁く。
慰められている‥この状態に、彼はすべてを察していた。
コイツらは、どこかで‥あの光景を見ていた。
そう思うと、浮かれていた自分が恥ずかしくなる。2006-01-12 08:00:00 -
406:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「出ていけやっ!」
離れない彼女に、八つ当たりする彼。
陽平は、花の腕を振りほどき‥怒鳴り散らした。
跳ね飛ばされた彼女は、その場から動けずに彼を見つめる。2006-01-12 08:03:00 -
407:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
千草は、そっと彼女に手を伸ばし‥彼から遠ざけた。
そして、大粒の涙を流す彼女を‥部屋へとつれていく。
「もう‥今日は寝いや」
沈んだ表情で呟く千草は、少し間を置いて‥彼女の部屋から出ていこうとした。2006-01-12 08:07:00 -
408:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
だが、背後から鼻水をすする音が聞こえてくる。
千草は、ドアの前で彼女へと振り返った。
肩を震わせ‥泣き崩れる背中。
彼の決心は、もろく消えていく。2006-01-12 08:11:00 -
409:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「‥俺が‥おるよ」
プライドも何もかも捨てた‥情けない表情で囁いていく。
その言葉で、彼女の肩はピタリと震えを止めた。
だが数秒して、再び崩れていく。2006-01-12 08:16:00 -
410:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
千草は、彼女を背後から抱きしめた。‥そう、彼女が彼を抱きしめたように。
彼女の震える肩が、千草の体を揺らし‥胸を締め付けていく。
「‥頼むから。もう‥アイツのことで泣くなや」
千草は、今でも減ることのない想いを一気に吐き出していく。2006-01-12 08:22:00 -
412:
名無しさん
ぱぱらっち
2006-01-12 18:29:00 -
413:
きさ
しぉり?主さん頑張ってね(^-^?)
2006-01-12 19:54:00 -
416:
名無しさん
あげ?
2006-01-13 19:52:00 -
417:
名無しさん
あげ!!!
2006-01-14 17:35:00 -
418:
名無しさん
書いて?
2006-01-15 16:32:00 -
419:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
皆さん、いつもありがとうございますo(_ _*)o今から書きますφ(._.)
2006-01-15 19:15:00 -
420:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
あ、すみません。用事が(>д
2006-01-15 19:22:00 -
421:
??
頑張ってはよ書いて??毎日見て更新されんの待ってんねん??
2006-01-16 00:39:00 -
422:
ゆな
夜中更新するんじゃないんですか?寝むいけど待ってるんですが。
2006-01-16 05:12:00 -
423:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
やっと落ち着きました(_
2006-01-16 05:39:00 -
424:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「もう泣くな。俺のこと…見てや」
千草は、彼女の髪の毛に顔を埋めた。
熱い想いに包まれながら、花はまぶたを下ろした。
まつげを濡らした粒は、顎へと流れ落ちる。2006-01-16 05:47:00 -
426:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「千草…」
「家見つけんの…難しいんやったら、俺と住もう」
彼女は、絡みつく腕を振り払うかのように、体をねじった。しかし、千草は彼女が離れないように、腕に力を込めていく。
「放し…」
「俺がおるやん!!」2006-01-16 15:08:00 -
427:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
千草は、逃れようとする彼女に叫んだ。
花は、ゆっくりと顔を上げる。
「…俺を見て」
うずくまるかのように体を伏せて、小さく呟く千草。2006-01-16 15:15:00 -
428:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
彼の強い想いが、花の胸を苦しくさせていく。
彼女の表情は、険しく歪んでいく。
…こんなにも強く想ってくれてるのに、心は…陽平を欲してる。
答えてあげれない悔しさに、花は唇をきつく噛みしめた。2006-01-16 15:28:00 -
429:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「ごめん…」
乾いた喉に…掠れた声を流していく。
「…イヤや」
断られても、千草は諦めようとしない。
小さな子供のように、彼は彼女の背中にしがみついた。2006-01-16 15:33:00 -
430:
名無しさん
切ないなぁ(;Д;)千草も花のも気持ちわかるぅセツナイ…
2006-01-16 21:51:00 -
431:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
感想ありがとう。最近バタバタしてて、書くの遅くてごめんなさい。
2006-01-17 00:50:00 -
432:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「……ごめん」
引き下がらない彼を前に、花はうつむく。
「イヤや」
千草はギュッと彼女を包み、眉間にシワを寄せた。
自分が欲しがっている…相手。悲しいことに、2人の気持ちは絡み合うことがない。2006-01-17 00:57:00 -
433:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
無理と解っていても、千草は身を引きたくなかった。
“好きな人の幸せを願う”
そんなのは、テレビやマンガだけの話。
千草は、そんな気持ちになることができない。2006-01-17 01:00:00 -
434:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
好きなら、やっぱり…自分の手で幸せにしたい。
これが、ここ数日悩んで…出た答え。
陽平が好きなら、身を引こう。応援しよう。
そう思ったりもした。2006-01-17 01:02:00 -
435:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
でも、素直にそう思うことが出来ない。
花が欲しい。
花といたい。
花がいい。
俺をみて。2006-01-17 01:04:00 -
436:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
陽平のことで泣き崩れる彼女を見て、頭の中に浮かんだ言葉は…
“俺ヲ選ンデ”
…これだった。2006-01-17 01:06:00 -
437:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
何の音もない静けさに、2人の吐息だけが熱を絡ませ…唇の外へと広がっていく。
花は、言葉が見つからず…困り果てていた。
「ごめん。困らせてるんは…解ってる。でも、花だけは渡したくないねん。花だけでいい。他は…何もいらんから」
千草は、彼女をチラリと見て…顔を歪めた。そして、駄々をこねる自分を恥じていく。
でも、気持ちは撤回しない。2006-01-17 01:19:00 -
438:
名無しさん
うわぁもうたまらん??切なすぎる?胸痛いやん?芽衣チャン頑張って書いてな?この小説ほんま好きやわ?
2006-01-17 02:34:00 -
439:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
ありがとう(>д
2006-01-17 15:36:00 -
440:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
花は、瞳を閉じて…深く息を吸った。
小刻みに震える彼の手を、握り返してあげれない…悔しさ。
もう…嘘はつきたくない。
花は意を決し、彼の瞳を強く見た。2006-01-17 15:40:00 -
441:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「…千草。落ちついて…聞いて」
優しく…彼の髪の毛を撫でていく。
千草は、怯えるような目を彼女に向けた。
「…あたし、千草のこと…大事に思ってるねん。……最初は嫌な奴やと思ってたけど、今は…ほんまに大切な人」2006-01-17 15:44:00 -
442:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
花の優しい口調に、千草は潤ませた瞳を落とし…下唇を噛んだ。
「だからこそ、利用したくないねん。…つらいから、しんどいから…千草と付き合う。そんなんは…間違ってるから。」
花は、胸に詰まる彼への思いを…途切れ途切れに囁いていく。
「だから、千草とは付き合われへん。千草を大事にしてるからこそ、そんなことは…絶対にしたくないねん」
力強く答える彼女に、千草は崩れるかのように…肩を落とした。2006-01-17 15:53:00 -
443:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
力を抜いた腕が、体からスルスルと離れていく。
花は、彼の髪に触れていた手に、やるせない思いを込めた。
指と指の隙間から、柔らかな髪の毛が流れる。
「…わかって」
彼を映した視界は、次第に歪んでいく。2006-01-17 16:01:00 -
444:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
まばたきと共に、頬は濡れていく。
花は、静かに涙を流した。
タタミに滲む…涙の粒。
それを眺め、千草は唇から歯を放し、深いため息をついた。2006-01-17 16:07:00 -
445:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
受け入れたくない…結果。
出来ることなら、もう一度…駄々をこねたい。
でも、きっと…そんなことをしても、花は俺を選んでくれない。
千草は、涙を浮かべた目に彼女を映す。2006-01-17 16:15:00 -
446:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
そして、最後のワガママとして…彼女を抱きしめた。
…強く…強く、想いを込めて。
この腕を放せば、もう…こんな風に彼女を想うことも出来なくなる。
千草は、微かな時間を胸に刻み込んだ。2006-01-17 16:18:00 -
447:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「…わかった」
彼女の髪の毛に顔を埋め、噛みしめるかのように…その台詞を呟く彼。
…手に入らなくても、自分を大切にしてくれている気持ちがある。
叶わぬ想いは、彼女の優しさで溶けていく。
彼の言葉に、花は目を見開き…そして優しく視界を塞いだ。2006-01-17 16:24:00 -
448:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
【つづく】
2006-01-17 16:30:00 -
450:
あすか
しおり??
2006-01-17 18:54:00