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未来は君のもの。
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1:
歩
歌を歌いたいんだ。
この声が例え届かなくても。
2005-10-03 23:15:00 -
350:
歩 ◆GxL2yKkN1M
「さっむぅ…」トイレから廊下に出ると外は薄暗くなってきていて寒かった。教室から学と篤史が笑いながら出てきて篤史の手にはあたしのカバンがあってあたしは走って篤史の元へ行った。
三人で校舎から外に出ると学が空を見上げて白い息を出して「うわぁ…見て見て!息白くなんで!寒いはずやなぁ」薄暗くて学のシルエットが黒く見えるなかあたしと篤史は白い息を出して冬を体で感じて笑いながら歩いた。2005-10-13 23:05:00 -
351:
歩 ◆GxL2yKkN1M
学は駅までの道のりを小さな声で歌を歌っていた。白い息を出しながら。
あたしと篤史は手をつないでその歌を聞きながら他愛もない事を話しては笑って、たまに学も歌うのをやめて話題に入っては、また歌を歌っていた。2005-10-13 23:08:00 -
352:
歩 ◆GxL2yKkN1M
駅の近くのたいやき屋さんで学生が少し並んでる所であたし達も並ぶと他校の男子が学に気付きちらちら見ていたけど学は気付いてるのか気付いてないのかわからないけどあたしと篤史にくだらないジョークを言っては笑わせた。
2005-10-13 23:14:00 -
353:
歩 ◆GxL2yKkN1M
たいやきを食べて駅に行くとたまたま、はるかちゃんが友達らしき女の子と二人で駅においてある公衆電話前で話していて学ははるかちゃんに気付いたみたいで立ち止まったからあたしは、はるかちゃんに気付いてはるかちゃんもあたし達に気付いたみたいで固まっていた。
2005-10-13 23:19:00 -
354:
歩 ◆GxL2yKkN1M
あたしは学を見てから篤史を見ると篤史は小さい声で「内…田やん…やまぐ「はるかぁ!(^O^)何しとん?」篤史の声とかぶさるように学が笑顔ではるかちゃんにそう言った。
二人の距離、3メートル。
その間を行き交う人。はるかちゃんの隣で〔あの人だれ?〕みたいな顔する友達。2005-10-13 23:29:00 -
355:
歩 ◆GxL2yKkN1M
はるかちゃんが何か友達に言うと友達ははるかちゃんにバイバイをして改札をぬけた。
そしてはるかちゃんが首に巻いてたマフラーをゆっくりはずしながらあたし達…学に向かって歩いてきて学の前で立ち止まり切なく微笑んで2005-10-13 23:35:00 -
356:
歩 ◆GxL2yKkN1M
「これ、返すの忘れてた…じゃあね…」
バーバリーのマフラーを学に渡した。切ない顔で。
学は、ほほ笑み「別に返さんでもよかったのに」そう言うと、はるかちゃんは頭をゆっくり左右にふった後
一人改札へ歩いて行った。2005-10-13 23:39:00 -
357:
歩 ◆GxL2yKkN1M
あたしは、はるかちゃんの後ろ姿を見ることしかできなかった。追い掛けて声かけたかったけど…無理…。「はるかぁ!」学が叫ぶと改札の向こうで振り替えるはるかちゃんを見て
「ばいばい!」
そう言って笑顔で手をふると、はるかちゃんはほほ笑みながらうなずいて、階段を下りて行った。2005-10-13 23:45:00 -
358:
歩 ◆GxL2yKkN1M
人と人との繋がりなんて、簡単に切ってしまえるもんなんだなって
学が、泣きながらあたしにそう言ったあの日の空も、月が笑ってた。
だからあたしは学が切ってしまおうとした繋がりを今でも繋げてんやで?
あんたが泣き顔見せたんは最初で最後やったから…2005-10-13 23:51:00 -
359:
歩 ◆GxL2yKkN1M
電車の中、学の首に巻かれたマフラーに少し胸を痛めた。
三人で座る七人掛けのシートは少し広く感じた。外の景色は暗くて見えなかった。篤史は、あたしの手を握ったままで、はるかちゃんの話は出ることはなかった。2005-10-14 00:36:00 -
360:
歩 ◆GxL2yKkN1M
学「この車両あんま人乗ってへんな」
ガタンゴトン
篤史「普通やからなぁ。」
ガタンゴトン
篤史「今日オレ、このままバイト行くから次降りるわ」2005-10-14 00:51:00 -
361:
歩 ◆GxL2yKkN1M
歩「バイト?」
ガタンゴトン
『次は○△駅です。出口は左側です……』
ガタンゴトン。2005-10-14 00:54:00 -
362:
歩 ◆GxL2yKkN1M
篤史はあたしの手をはなし立ち上がってあたしの目を見て、優しく微笑んだ。
篤史「今日からバイトやねん☆じゃあな山口☆」
人がいないホームに電車が付き篤史は降りてしまった。2005-10-14 00:57:00 -
363:
歩 ◆GxL2yKkN1M
『扉閉まります…』プシューッ。
篤史?…
ガタン…ガタン
「座れよ…」学は前を向きながらそう言ったけどあたしは窓の外に立つ篤史を見ていた。2005-10-14 01:57:00 -
364:
歩 ◆GxL2yKkN1M
「なぁ?バイトする何て聞いてへん」座りながらあたしは視線を少し隙間をあけて座ってる学に向けた。
学「…クリスマス…」
ガタンゴトン
「クリスマス?」学は外に流れるシルエットを見たあとあたしの目を見て2005-10-14 02:01:00 -
365:
歩 ◆GxL2yKkN1M
学「…ばーか」
学はそう言って微笑んだからあたしは気付いた
…クリスマスプレゼント…
2005-10-14 02:05:00 -
366:
歩 ◆GxL2yKkN1M
沈黙が続き学が降りる駅に近付きホームにつく手前で
学「…はるか髪切ったんやな」そう言って立ち上がり扉の前に行った。
プシュー。扉がひらくと学は「じゃあな」そう言って電車を下りた。2005-10-14 02:09:00 -
367:
歩 ◆GxL2yKkN1M
学…待って?
あたし、あんたと話もっと…したい。
『扉閉まります』
プシューッ2005-10-14 02:23:00 -
368:
歩 ◆GxL2yKkN1M
電車はゆっくり音をたて動きだした。
「…歩…」学が白い息をはきながら驚いていた。
あたし気付いたら電車下りてもてん。2005-10-14 02:26:00 -
369:
歩 ◆GxL2yKkN1M
誰もいないホームに学と二人きりだった。
学「お前何やってんねん?何で下りたん?」歩「分からん」学「はぁ?」
歩「あんたともう少し話たかったの!」学「話?!なんの?」歩「何かは知らんけど…」あたしがそう言うと学はその場に立ったまま2005-10-14 02:32:00 -
370:
歩 ◆GxL2yKkN1M
学「お前には秋定がおるやんけ。秋定と話せぇや。おかしいやろお前とオレが二人でおったら」
歩「…ごめん。バイバイ」あたしはそう言って近くのベンチに座ってうつむいていた。学は当たり前の事を言ってて間違えてるのはあたしやって分かってるから。2005-10-14 02:36:00 -
371:
歩 ◆GxL2yKkN1M
少しすると学があたしの隣に座った。
あたしはうつむいたまま黙っていた。「もしかして、お前オレに惚れてんの?」学がそう言ってあたしは学の顔を見て、「まさか笑。心配しただけやっちゅうねん」泣きそうだったけど笑って言うと学がホッとした顔してから「あぁ…そっか…はるかの事で心配したんや」2005-10-14 02:43:00 -
372:
?
せつない…はるかチャンの精一杯のサヨナラが胸にしみる
2005-10-14 03:38:00 -
373:
歩 ◆GxL2yKkN1M
?さんありがとうです。
2005-10-14 07:03:00 -
374:
歩 ◆GxL2yKkN1M
歩「…学さぁ…好きな子とかおるん?」
学「…好きなやつ?」あたしはうなずいた。
すると学は真顔であたしに指を指した。2005-10-14 07:16:00 -
375:
歩 ◆GxL2yKkN1M
歩「…え…?」
どくん・・・どくん・・
学は、次の瞬間にんまり笑った。
学「なぁんちゃってね☆…あっ、電車来んで」学はそう言ってあたしから目をそらした。あたしは、電車が来る方を見たら向こうから電車のライトが少しずつ見えてきて、ホームにはちらほら人が立っていた。2005-10-14 07:23:00 -
376:
歩 ◆GxL2yKkN1M
学は先に立ち上がりジャケットに手を入れながら「…さっびぃ…」そう言いながら電車を見ていた。
あたしはその少し後ろで立って学の背中を見ていて泣かないようにするのが精一杯やった。
電車はホームに入ってきて扉がゆっくり開いた。2005-10-14 07:27:00 -
377:
歩 ◆GxL2yKkN1M
「一緒に待ってくれてありがと…バイバイ」そう言って乗ろうと動いた時
「オレは、まだはるかが好きやで」学はそう言った。「…?!…」驚いて振り返ると
プシューッ。扉が閉まった。2005-10-14 07:32:00 -
378:
歩 ◆GxL2yKkN1M
指紋の付いたガラスの板の向こうで学は小さく手をふり笑っていた。
ガタン…ゴトン…ガタン…ゴトン
あたしは一人シートに座り電車に揺られた。2005-10-14 07:42:00 -
379:
歩 ◆GxL2yKkN1M
どうしてあたしは、学が好きやんやろう。学じゃないとあかんのやろう…。
ガタンゴトン。
どうして学が好きな人は、はるかちゃんなんやろ…。
ガタンゴトン。2005-10-14 07:45:00 -
380:
歩 ◆GxL2yKkN1M
どうしてあたしは、篤史の事好きになれないんやろう。
ガタンゴトン。
どうして篤史はあたしと学を二人きりに出来るんやろう。
ガタンゴトン。2005-10-14 07:48:00 -
381:
歩 ◆GxL2yKkN1M
信じてるから…。篤史はあたしを信じてる…?
ガタンゴトン。
違う。
ガタンゴトン。
学を信じてんだ。2005-10-14 07:51:00 -
382:
歩 ◆GxL2yKkN1M
駅から出てあたしはバスを待った。外はすっかり夜になっていた。
サラリーマンらしき人や女の人が並んでいて、バスが来たのは時間より3分遅かった。
明日、篤史と来年の約束つくってみよ。。2005-10-14 07:56:00 -
383:
歩 ◆GxL2yKkN1M
なるようにしかならない、どうにもならない事を、あたしはあの頃
どうにか出来ると思い込んでいた。
けどあたしの存在や悩みなんてちっこいもんでしかない。それにすら気付かなかった。2005-10-14 08:01:00 -
384:
歩 ◆GxL2yKkN1M
はるかちゃんに日曜日会う事になり、はるかちゃんは新しいマフラーを首に巻いていた。
はるか「三の宮ってさぁカップルでいっぱいやなぁ」歩「うん☆どこ行く?」はるか「東急ハンズ行ってもいい?」歩「いいよ☆」二人でハンズに向かって歩きだした。2005-10-14 08:07:00 -
385:
歩 ◆GxL2yKkN1M
二人でハンズの中に入り、来年のスケジュール帳売場に行った。
はるか「見て見て☆これ可愛くない?」はるかちゃんは嬉しそうにあたしに何個かそう言いながら見せてきてそれはどれもはるかちゃんが好きそうな感じの女の子らしい手帳やった。2005-10-14 08:11:00 -
386:
歩 ◆GxL2yKkN1M
あたしは、セサミの手帳を買ってシールも二枚買って、はるかちゃんも可愛らしい手帳とディズニーのシールを二枚買って二人でその後マクドに行ってさっそく手帳を見て盛り上がった。
2005-10-14 08:15:00 -
387:
歩 ◆GxL2yKkN1M
はるか「あたし、彼氏できてん」歩「うそぉ…」はるかちゃんは照れながら笑った。
はるか「同じクラスの人やねん☆」歩「よかったやん☆」はるか「好きになれるかなぁ…」歩「え?好きじゃないん?」あたしが聞くとはるかちゃんは少し黙ってから
「忘れたくて、彼氏作ったねん…あたし学から卒業したい」そう言って微笑んだ。2005-10-14 08:28:00 -
388:
歩 ◆GxL2yKkN1M
歩「そんなん…辛すぎや「歩ちゃんはっ…知ってた?」
歩「…?」はるか「学の気持ちの先の先…知ってた…?」
気持ちの先の…先…?
ぽた―っ。2005-10-14 11:40:00 -
389:
歩 ◆GxL2yKkN1M
「はるかちゃん?!」あたしは、ポケットからハンカチを出して差し出した。
はるかちゃんが、泣いてる
2005-10-14 11:42:00 -
390:
歩 ◆GxL2yKkN1M
歩「なんで泣くん?」
はるか「学の中には…学の視線の先には、あたしじゃない、秋定じゃない…歩ちゃんが映ってるって知ってた…?」
歩「たまたまやって笑。」はるか「ううん。たまたまじゃない事くらい分かる。三年一緒にいてんから…学は歩ちゃんを…「やめようや!…はるかちゃんおかしいって」2005-10-14 11:49:00 -
391:
歩 ◆GxL2yKkN1M
はるかちゃんは泣きながらあたしから受け取ったハンカチで涙を拭きながらうつむいた。
歩「学の事好きなら信じるべきやったんちゃうん?学ははるかちゃんの気持ち裏切るようなこと絶対せんで?三年おってそれくらい分かるやろ?」2005-10-14 11:53:00 -
392:
歩 ◆GxL2yKkN1M
学はそんな奴ちゃう!
はるか「けど…学、歩ちゃんの前ならやたら楽しそうで…あたし嫉妬やいとったけど歩ちゃん好きやし…ってか歩ちゃんはどう思ってるん?」
歩「あたしは、はるかちゃんも学も好き。友達としての好き」
あたしはまた自分を守るためだけの嘘をついた。2005-10-14 11:59:00 -
393:
歩 ◆GxL2yKkN1M
はるかちゃんは、まだ少し泣いていたけど、落ち着いたみたいで微笑んだ。
「変な事聞いてごめん…(^-^)歩ちゃんは強いね…けど聞いてよかった☆すっきりした」歩「なら良かった(^-^)なぁ、学に気持ち言ったら?」はるか「ううん…どんな形にせよあたしは彼女放棄したから、それは学にはしたくないし受け入れへんよ学は」2005-10-14 12:04:00 -
394:
歩 ◆GxL2yKkN1M
その日の帰りにあたしは、はるかちゃんからカセットテープをもらった。親友のあたしにって言う言葉つけて、あたしに渡して途中まで一緒に電車を乗って帰りあたしは家に着いて、部屋でカセットを聞くと、それは学際で学が歌ってた歌を前もって録音されたような感じの内容だった。
2005-10-14 12:14:00 -
395:
歩 ◆GxL2yKkN1M
相変わらずの平凡な日々が続いていたけど篤史とあたしの関係は少し進んだ。学はバンド活動を再開したらしくクリスマスに三の宮でライブする事を決めてあたしと篤史はチケットを買った。季節は12月を迎え寒さが本格的になった。2005-10-14 12:42:00 -
396:
歩 ◆GxL2yKkN1M
「さっぶぅぅぅ!!なんじゃこれぇぇ」
篤史「ばり寒い…」歩「篤史今からバイト?」学校の帰り道での他愛もない会話。篤史はうなずき「そうや、歩門限何時やっけ?」歩「10時やで?」
篤史「学の練習見に行ってみぃ(^-^)なぁ学ええやんなぁ?」学「おう☆ええで(^-^)」そう言って学は笑った。バンドの練習はバンド仲間の知り合いの小さなスタジオらしくあたしは篤史と別れたあと、学と二人でそこへ向かった。2005-10-14 12:50:00 -
398:
歩 ◆GxL2yKkN1M
学「オレさぁ、来年の学際もライブしたいなぁって思うねん」歩きながら学はあたしにそう言った。
あたしは、「じゃあ来年も学際巡り出来んで?」そう言うと学は笑った。
商店街の中はクリスマスソングが流れていて夕食の材料を買うおばさんたちがいて、あたしと学はそこを通って行った。「クリスマスかぁ!わくわくすんなぁ☆」歩「ライブやもんなぁ!あたしも楽しみ☆」2005-10-14 13:37:00 -
399:
歩 ◆GxL2yKkN1M
スタジオに着くとまだ誰も来てないみたいであたしと学はパイプ椅子に座ってジュースを飲みながら学の夢を学はあたしに嬉しそうに話すからあたしは、ほほ笑みながら聞いてるとバンド仲間が集まって練習が始まったけど、ちゃんとした演奏とかじゃなくそれぞれ別々に練習してるみたいで学は学で歌の練習をしていた。マイクなしで大きな声で。
2005-10-14 13:43:00 -
400:
歩 ◆GxL2yKkN1M
しばらくばらばらに練習した後、ドラムの人が「じゃあ一回合わせようや!学歌って」そう言うと学はマイクを入れてから水を飲みOKを出すと静かに演奏がはじまった。
2005-10-14 13:50:00