-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
俺ら、いくらで買ってくれますか?
-
1:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ようやく夢に見たNO.1にのしあがった。今、あいつらは二人は今何やってるんだろう?
紫苑、ヒカリ。
たまには俺だって感慨深くなるさ。
会いてぇな、お前らに。2005-11-09 22:42:00 -
127:
トウヤ
紫苑とヒカリがビックリしたような顔こちらを見る。
そしてふいにヒカリが言う。
「んじゃあ、トウヤはなんで得体の知れないあたしらに着いて来たん??」
「それは…」2005-11-21 14:34:00 -
128:
トウヤ
思わず言葉に詰まる。
「なんて言うか。なんとなく着いて行きたくなったっつーか…?難しいことはよくわかんないんだけど。直感みたいな感じかな」
「やろ?あたしもそうやもん。物事に理由とかいらんくない?なんも感じやんやつをご飯に誘ったり、ましてや紫苑が一緒に住もうとかいわへんやん。なんか感じるものがあって、お互い何か感じて、引き寄せられてるからここにこうやっておるんちゃうんかな」
2005-11-21 14:48:00 -
130:
トウヤ
紫苑が付け合せのチェリーを口に頬張りながら頷いた。
「そういうことだよ、トウヤ君。まぁ家の件はどちらでもいいよ、強制できることではないし、いきなりの話だしね…」
「いや、俺一緒に住むよ!!」
自分でもビックリするほど大きな声。俺はとっさに言ってしまった。2005-11-21 14:58:00 -
131:
トウヤ
何も考えず、それこそ直感で。
こいつらに何を感じたのか自分でもよく分からなかったが、なんとなくこいつらと一緒にいたい気がした。打算も何もなく。
「ほんじゃあ、決まり!!荷物とかほとんどないんでしょ!?今から引越ししようよ」
「まぁじで!?今から!?しゃーないなぁ…よっしゃ、ほなやろかぁ〜」2005-11-21 15:03:00 -
132:
トウヤ
俺に発言権はないらしい、どんどん話が進み、その日の2時間後のは俺は紫苑とヒカリが暮らすマンションに座っていた。
彼らが住むマンションは都心のど真ん中。
広さは半端ない。
最近テレビで見た、「社長のゴージャスマンションライフ特集」にでていた家のようだ。
2005-11-21 15:11:00 -
133:
トウヤ
大きくとられた窓からは眠らぬ街の光が輝いている。
もう少ししたら、ビルの間から朝日が昇って綺麗なのだろう。
「トウヤ君、ドンキでいろいろ買ってきたから、あとは自分でコーディネートしなね〜、なんかあったら部屋きて」
そういい残し部屋の扉が閉められた。2005-11-21 15:14:00 -
134:
トウヤ
もともとゲストルームであっただろう部屋のベッドに突っ伏してみる。
かなりフカフカだ。寮の薄っぺらな布団とは全然寝心地が違うな…それにしても今日はなんだかいつにもまして濃い一日だった…。
そんなことを考えているうちにいつの間にかトウヤは眠りに着いた。2005-11-21 15:17:00 -
135:
トウヤ
次の日、いつものように出勤し、仕事にかかる。でも今日はいつもとは違っていた。
「トウヤさんVIPルームにお客さんがいらしてます」
VIP??お客もいない俺が何でVIP?
不思議に思いながらVIPに向かうとその光景に唖然とする。2005-11-21 15:21:00 -
136:
トウヤ
見た顔が一人、といかにもお金持ちそうなマダムが2人。
紫苑が微笑みながら手を振っていた。
「来ちゃったよ〜あはは、ビックリしすぎだから」
「ああっと、いらっしゃいませ、トウヤです!お席失礼します」2005-11-21 15:23:00 -
137:
トウヤ
あっけにとられつつ、席に座る。
「お前…なんで??」
「仕事中のトウヤ君を見とこうと思ってね〜。ちなみにこの彼女は僕のご主人様の京子さん。そちらにいらっしゃる美人さんは麻美さん。貿易会社の代表をされてるんだ。」
「はじめまして、トウヤ君。うちの紫苑と仲良くしてくれてるんだって?紫苑に一度会わせたいって言われてね、お邪魔しに来ちゃったわ」2005-11-21 16:02:00 -
138:
名無しさん
リアルタイム更新中やん?今日一気に読みましたぁ?おもしろぃ?頑張れぇ?
2005-11-21 16:05:00 -
139:
トウヤ
余裕のある緩やかな喋り口。
年は両方とも40を過ぎたくらいだろうか、上質な仕立ての服。金のかかった肌、指には大きな宝石が輝く。
「いえ、紫苑君には僕のほうこそお世話になってます。こんな美しい女性にお会いできて光栄ですよ」
作り笑顔でにっこり微笑んだ。2005-11-21 16:08:00 -
141:
トウヤ
「ふふ、若い子は元気があってかわいいわね。京子が紫苑君にハマってる理由が分かるわ。こちらまで元気になりそうだもの。みんなで乾杯しましょうか。トウヤ君このお店のお勧めのシャンパンかワインあるかしら?」
「今すぐリストを持ってこさせますね!麻美さんはワインがお好きなんですか?」
ボーイにリストを持ってこさせると京子と麻美に良く見えるようにおく。リストを見ながら麻美と京子はどれにするか話し合ってるようだ。
「ここの席の売り上げはトウヤ君のお給料になるのよね?それならちょっといい物を頼んであげるわね」2005-11-21 16:15:00 -
142:
トウヤ
そういうと麻美はこちらにチラッと視線を送った。
「あら、麻美トウヤ君のこと気に入っちゃったんじゃないの。トウヤ君、しっかり麻美にかわいがってもらいなさいな」
「やだ京子ったら、こんなおばさん相手にするわけないじゃないの」
「なんでそんな事言うんですか、麻美さんお綺麗なのに…」
「そうそう、っていうか麻美さんと同い年の京子さんとラブラブの僕に失礼じゃないですか〜!!」2005-11-21 16:20:00 -
143:
トウヤ
アハハ…とVIPルームに笑いが巻き起こる。
「それじゃこのシャンパンと、ワインを。それとチーズと生ハムの盛り合わせもいただけるかしら」
「よろこんで!」2005-11-21 16:22:00 -
144:
トウヤ
その日京子と麻美は結局100万近くを使って帰って行った。営業終了後店長のシンゴが声をかけてきた。初めての事だ。「トウヤやるなぁ!この調子で頑張れよ。お前もこれでE'Sの一員だな。よろしく頼むよ」ぶっちゃけちょっとうれしかった。自力ではないものの、こうやってお客さんが来てくれて、自分がホストとして認められたんだ。
2005-11-21 16:28:00 -
145:
トウヤ
来る日も来る日もキャッチに明け暮れ、まともに相手をされない日々が報われた気がした。
適当にやってたときとはまったく違う。ほんとに叫びだしたいくらいうれしかった。2005-11-21 16:30:00 -
147:
??
みてまぁす??
2005-11-21 19:04:00 -
148:
名無しさん
あげ?
2005-11-21 22:48:00 -
149:
?
書いて???
2005-11-23 16:59:00 -
150:
名無しさん
おもろい??はまった?頑張ってください?
2005-11-23 17:41:00 -
151:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
遅くなってすいませんでした!
今からまた書いていきます。2005-11-24 01:38:00 -
152:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
仕事が片付くとすぐさま、新しい我が家に足を進める。
とにかく今は紫苑に礼が言いたくてしかたない。
あいつ腹減ってるかな…。なんか買っていってやろうか…。2005-11-24 01:41:00 -
153:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
舌の肥えている紫苑が、安物の牛丼で満足するかはさておき、何かせずにはいられない。
290の牛丼を二つ買い、急いで家路についた。2005-11-24 01:43:00 -
154:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
手渡された合鍵をかざし、オートロックの扉を開ける。
「紫苑?いるかぁ?牛丼買ってきたけど食う…?」
返事が帰ってこない。2005-11-24 01:46:00 -
155:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
まだ帰ってきてないのか?紫苑の部屋をノックしても、広い部屋に音が響くだけだった。
「あ〜誰かと思ったらトウヤやん。おかえり。あんたただいまくらい言うて入りぃやぁ」2005-11-24 01:49:00 -
156:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
パジャマにすっぴんのヒカリが横の部屋から顔を出す。
「まだ紫苑帰ってきてない?今日店来てくれたから、牛丼買ってきたんだけど」2005-11-24 02:04:00 -
157:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「紫苑ならあのおばはんとこやろ。トウヤんとこでなんぼつこうたんか知らんけど。ちゃんと礼言うときな」
ふぅ、と息を吐きしらけたようにヒカリが言う。2005-11-24 02:08:00 -
159:
さく
続き楽しみにしてます
2005-11-24 05:31:00 -
160:
名無しさん
ぁげ
2005-11-25 02:12:00 -
162:
名無しさん
アゲ
2005-11-25 11:43:00 -
163:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
また書けるだけかいていきますね!
待ってくれていた方、ありがとうございます。2005-11-26 00:23:00 -
164:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「そんなん、紫苑の顔みたらわかるやろ?あの顔やで。紫苑っていくらか知ってる?」
いくら?というヒカリの言葉に考え込んでしまう。2005-11-26 00:27:00 -
165:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
E'Sは一番安い席の一時間セット料金が8000円。指名料は2000円。TAXを置いておくと、トウヤ一人を呼ぶのに一万円、という料金になる。
2005-11-26 00:35:00 -
166:
さく
ちょこっと更新?また続き頑張って下さい?
2005-11-26 04:41:00 -
167:
名無しさん
むっさおもろい頑張って???作り話ですか??
2005-11-26 07:43:00 -
168:
さく
あげときます
2005-11-26 16:33:00 -
169:
名無しさん
????????????????????????
2005-11-26 18:06:00 -
170:
名無しさん
楽しみにしてます
2005-11-27 15:07:00 -
171:
さく
あげときます
2005-11-28 02:39:00 -
172:
トウヤ
みなさん遅くなって申し訳ありませんでした。
ちなみにこれは作り話ですよ〜。
すべてフィクションになります★2005-11-29 06:21:00 -
173:
トウヤ
「いや全然想像がつかないな…」
どういう仕組みで金銭のやり取りがあるのか。半分興味もあった。
「紫苑はな、値段がないねん」
「値段がない?どういういみか分かんないんだけど」2005-11-29 06:24:00 -
174:
トウヤ
「トウヤ愛人クラブとかって分かる?月契約とか、時間契約でいくらって決めて契約するねん。紫苑のところはたしか1時間3万くらい。でも、あの子は人気がありすぎてそういう価値がつけられへんねんて」
たしかにあの容貌だ。
「だとしたらどうやって…」
「金額は時価。つまり、オーナーと紫苑が向こうの提示額に応じれば成立。その7割が紫苑の給料ってわけ」
2005-11-29 06:32:00 -
175:
トウヤ
自分の部屋に戻り、タバコをふかしながら紫苑のことを考えていた。
愛人だ。ホストではない。そりゃホストだって自分の力量がなければ、嫌なお客とベッドを共にしなければならないときもあるだろう。
だかそれは自分の腕次第だし、この世界やらずぼったくりだと最近悟ったところだ。
なぜどんないやな客でも肌を触れ合わす仕事を紫苑が選んでいるのか、トウヤには分からなかった。2005-11-29 06:40:00 -
176:
トウヤ
同居生活も2ヶ月近くになり、だんだんあの馬鹿でかいマンションにも慣れてきた。
紫苑はあいかわらずいるのかいないのか生活のリズムが合わなかったし、女だから…と最初心配していたヒカリに関しても、向こうが普通に接していてくれているおかげでこちらも気を使わずにすむ。
そんなある日、疲れた身体を引きずりながら朝方家に帰ると、いつも閉まっているはずのドアが開いていた。2005-11-29 06:56:00 -
177:
トウヤ
不思議に思いながらドアを開く。
玄関には女物の靴。
ヒカリが帰って来て閉め忘れたのだろうか??
「ヒカリ〜??帰ってるのか?」2005-11-29 06:58:00 -
178:
トウヤ
返事がない。
まぁ部屋で寝てるのかも知れない。さすがに部屋まで入っていくわけにもいかない。
とりあえずシャワーでも浴びようと風呂場に入った。2005-11-29 07:03:00 -
179:
トウヤ
ドアを勢いよく開けると、大きな全身鏡の前に裸体の女。
伸びやかな四肢。長く伸びた艶やかな髪。
と見とれている場合じゃない。
「ヒカリっ!!!鍵くらい閉めとけよ!!…って…え…?」2005-11-29 07:10:00 -
180:
トウヤ
視線を床に落とすと、足元にも流れてくる赤い液体。
「血…?…ヒカリ…?」
急いでヒカリにもう一度視線を戻す。
よく見ると体中に無数の傷跡。みみずばれになっているものも多く、最近のものだと分かる。2005-11-29 07:15:00 -
181:
トウヤ
トウヤに気づいたのか、ヒカリが振り返った。
「トウヤ…お帰り?どうしたん?」
「いやどうしたってお前…血が…」
振り返ったヒカリの手には血のついた剃刀。胸部の切り傷からは赤い生生しい血が流れ出している。
2005-11-29 07:25:00 -
182:
トウヤ
生々しい血と裏腹にヒカリの目はうつろだった。
どこを見ているのか、視点があっていない。
言葉もどこか間延びして、ろれつが回っている感じではなかった。2005-11-29 07:30:00 -
183:
トウヤ
喧嘩で血は見慣れていたが、こんな正気の状態で見るのは初めてだ。
気が動転する。
とりあえず、止血しないと…!!
と、思った矢先にヒカリの体が崩れ落ちた。2005-11-29 07:32:00 -
184:
トウヤ
「ヒカリッ!!!!」
急いで抱きかかえる。
ぐったりと力なく寄りかかるヒカリをソファまで運び、急いでジーンズの後ろポケットから携帯を取り出し、紫苑の欄を探す。
プルルルル…プルルル…。2005-11-29 07:35:00 -
185:
トウヤ
コール音がやけに長く感じる。
「もしもし〜??」
30秒ほどならすと紫苑がいつもの声で電話に出た。
2005-11-29 07:36:00 -
186:
トウヤ
「紫苑!!ヒカリが…ヒカリが…」
何から説明していいのか分からない、頭がショートしてしまったみたいだ。
「何かあったの?今家に帰ってる途中だよ。後10分かからないくらいじゃないかな」
深呼吸を何度かし、息を整えてから説明する。2005-11-29 07:39:00 -
187:
トウヤ
「分かった。急いで帰るから。とにかく止血しといてね!」
電話を切るなり、タオルを取りに行き患部に当てる。
そうこうしているうちに紫苑が家に帰ってきた。
「ヒカリは?血は止まった?」2005-11-29 07:41:00 -
188:
トウヤ
紫苑がトウヤの代わりにヒカリの身体に触れる。
「こりゃ大量だな。トウヤ、救急車!」
救急車なんて呼ぶのは初めてだ。
もうわけがわからない。2005-11-29 07:42:00 -
189:
トウヤ
トウヤが少し落ち着いたのは緊急外来の待合室だった。
ヒカリは今処置を受けている。
医者の話によると、傷口は深いものの命自体には別状はない、とのこと。
それを聞いて一気に力が抜けた。2005-11-29 07:44:00 -
190:
トウヤ
かれこれ2時間になるだろうか。
トウヤも紫苑も口を開かない。
重苦しい空気が流れるだけだった。2005-11-29 07:49:00 -
191:
トウヤ
その空気を破るかのように紫苑が口を開く。
「なんか喉渇いたね〜病院って乾燥してるのかな、なんか飲む?」
「ああ、なんか買いに行こうか」
二人で自販機のあるロビーまで移動し、トウヤはコーヒーを、紫苑はオレンジジュースを飲んだ。2005-11-29 07:51:00 -
192:
トウヤ
ロビーには老人や、幼い子を連れた母親で溢れかえっている。
「なぁ。なんでヒカリの身体はあんなに傷だらけなんだ?今までにもこういうことがあったのか?」
聞きにくい質問を潤した喉を振るわせ聞いてみた。
紫苑はいつもとはまったく違うさめたような、諦めたような顔をする。2005-11-29 07:54:00 -
193:
○
あげときます♪はやく続きかいてっ!
2005-11-29 15:18:00 -
194:
名無しさん
しおり?
2005-11-29 22:04:00 -
195:
トウヤ
あげてもらってありがとうございます♪
2005-11-30 05:31:00 -
196:
トウヤ
「…自傷癖って分かるよね、リストカットしたりする人。なんでひかりがSMやってるか分かる?ヒカリはね、そんなレベルじゃないんだよ。人が感じる痛みが快感なんだ。痛くないと感じないんだ」
痛み…。
「俺らが普通に痛いって感じることが、ヒカリにとって気持ちいいっていうことか?」2005-11-30 05:34:00 -
197:
トウヤ
もしそうならヒカリの身体は何だというのだ。
自分の体が傷ついているのに、それが気持ちいいなんて。
狂ってる。
「そういうことだよ。」2005-11-30 05:35:00 -
198:
トウヤ
紫苑は声のトーンを変えることなく、少し困った顔をしてこちらを見た。
「なんで…そうなったんだ?先天的なものか?生まれつき体の痛みを感じない人間がいるってきたことはあるけど」
「…いや。ヒカリは後天的なものだと思うよ…」
言葉をにごす。
2005-11-30 05:37:00 -
199:
トウヤ
その先を言っていいのか迷っているようだ。
「ヒカリがさ、そのうちトウヤにも話さなきゃいけないって言ってたから話すけど…」
「けど…?」
「それを聞いたからって、ヒカリを見る目を変えることだけは辞めて欲しい。トウヤなら大丈夫だと思うけど。さんざんもう傷ついてきたからさ」2005-11-30 05:41:00 -
200:
トウヤ
思わずつばを飲み込み喉を鳴らす。
それに気づいたのか気づいてないのか、紫苑が言葉を慎重に選ぶように話し出した。
2005-11-30 05:42:00 -
201:
トウヤ
・・・昔々、ヒカリという小さな女の子がいました。ヒカリという名をつけたのは彼女の母親。ヒカリの家庭は裕福で、幸せそのもの。どんな境遇になっても、ヒカリの射す子でありますように。そう願ってつけられた名前でした。
ある年のこと、会社を経営していた父親が不渡りを出し一人首をつっていました。
それを見つけたのは3歳になったばかりのヒカリ。ヒカリは何がおこったかよく分かりません。
母親にそれを報告すると、母親が肉の塊となった父のものに駆けつけていきました。2005-11-30 05:48:00 -
202:
トウヤ
父親の不渡りの原因。それは母親の弟が勝手に父の名義で借金をつくり、飛んだこと。
母は父親の親族、そして会社の社員たちの非難をいっせいに浴びました。
母親の両親はとっくの昔に他界しており、味方についてくれる人など一人もいません。2005-11-30 05:51:00 -
203:
トウヤ
生命保険も借金の返済や、社員たちへの分配に使われ母親とヒカリに残ったお金はまったくと言っていいほどありません。
6畳一間の古いアパート。
そこで暮らしていくのがやっとです。生活がついに追い詰められ、母親は夜働きに出ることにしました。2005-11-30 05:53:00 -
204:
トウヤ
慣れない夜の仕事。手のかかる小さな子供。借金の返済。親戚からの冷たい仕打ち。
残った母に頼るものなどありません。母親が精神的に苦しくなるのは時間の問題でした。
最初は軽く叩かれる程度です。ご飯が抜かれる程度です。2005-11-30 05:56:00 -
205:
トウヤ
ヒカリは母親のことが大好きだったので、なんとも思いませんでした。
叩かれても、蹴られてもへっちゃらです。
何をされてもニコニコ笑っています。だって泣いたら母親が悲しむと思ったから。2005-11-30 05:57:00 -
206:
トウヤ
でもそれが母親には気に食わなかったようです。何をされても笑っているヒカリにどんどん虐待をひどくしていきます。
でもヒカリはお風呂に顔を突っ込まれても、タバコの火を押し付けられても、大丈夫です。
だって大好きな母親がソレをするときだけは自分の方を向いてくれるから。
2005-11-30 06:00:00 -
207:
トウヤ
そんな生活が何年も続きました。
ヒカリは6歳になりました。
ある日ヒカリが小学校から帰ると家に見知らぬ男と母親。
今までも何人もの男がやってきてはいつの間にかいなくなるのでヒカリは気にもとめていませんでした。2005-11-30 06:03:00 -
208:
トウヤ
しかし今日はなんだか様子が違います。
母親が出て行ってしまいました。
ヒカリは見知らぬ男と部屋に二人。
2005-11-30 06:04:00 -
209:
トウヤ
居心地が悪い気もしましたが、母親の連れてくる人に粗相は出来ません。
早く母親が帰ってくることを祈っていました。
「ヒカリちゃん…やんね?」
男が話しかけてきたのでとりあえず小さな首を、コクンと振りました。2005-11-30 06:06:00 -
210:
トウヤ
「おじさんと、少し遊ぼうか。お母さんはいいって言ってたよ?ヒカリちゃんはいい子だから、お母さんが悲しむようなことはせえへんよな?おじさんのいうこと聞けるな?」
なんだか怖い気もしましたが母親が許可を出しているのだから、ニコニコしないといけません。
するといきなり男がヒカリの小さな身体にのしかかってきました。2005-11-30 06:08:00 -
211:
トウヤ
体重がヒカリの身体にかかり、息が出来ません。
男の手がヒカリの体中に伸びていきます。
気持ち悪くて叫びだしたくなりましたが、母親の怒った顔は見たくありません。
だから…ずっと笑っていました。2005-11-30 06:10:00 -
212:
トウヤ
男が白いものをヒカリの身体に出し、一息つくころに母親が帰宅しました。
「どうやった?10万くらい出す価値あるやろ?こんな小さい体なかなかヤれへんで」
「ほんまやなぁ。小さい子はいいわ!また金払うからよろしく頼むな」
そんなやり取りをボーっと眺めていました。痛さに悲鳴を上げる身体を抱きながら。2005-11-30 06:14:00 -
213:
トウヤ
それからは何度も何度もそんな事が続きした。
見た顔もあれば、初めて見る顔もあります。けれどすることはみな同じでした。
いつもヒカリは泣きませんでした。2005-11-30 06:16:00 -
214:
トウヤ
中学校に上がるころにはすっかりその行為にも慣れていました。
自分が10万で売られていることも知っていました。
でも母親は大好きでした。
昔はとても優しかった母。誕生日にケーキを焼いてくれた母。いつもニコニコしているヒカリをいい子だと褒めてくれた母。2005-11-30 06:18:00 -
215:
トウヤ
ある日やってきた男はなんだか様子が違っていました。
いつものような行為を始めるのではなく長い縄を取り出しヒカリを縛り上げます。
食い込む縄は骨も肉も圧迫し、身体は悲鳴を上げています。2005-11-30 06:20:00 -
216:
トウヤ
男はヒカリの身体を傷つけるのが楽しいのか、笑っていました。
だからそれから起こる行為がどんなに痛いものであってもヒカリは笑っていようと決心しました。
毎日のように身体を傷つけ弄ぶ男。
2005-11-30 06:23:00 -
217:
トウヤ
いつの間にか母親は帰ってこなくなりました。
その代わりに、6畳のアパートに住み着いたのは男でした。
もう学校も行けません。
ただ、男が帰ってくるのを犬のように鎖に繋がれ待ち、繰り返される仕打ちを待つだけでした。2005-11-30 06:25:00 -
218:
トウヤ
痛みはどんどんなくなっていきます。
痛いなんて思っていたら、心が悲しくなるだけです。
母親に売られた、という事実を認めてしまうだけです。
痛いんじゃなく、気持ちいいんだ。そう思うことにしました。2005-11-30 06:27:00 -
219:
トウヤ
16歳の時に裸同然で家を抜け出しました。
男の行為がエスカレートし、何度か死、という言葉がよぎったからです。
16の子供が一人で生きていく術はほとんどないに等しくて。2005-11-30 06:28:00 -
220:
トウヤ
ヒカリに残ったものは、痛みを快感に変えてしまう身体だけだったのです。
だから、この身体で生きていこう。そうヒカリは決めました。
痛さを忘れていたら、いつか母親が帰ってくるのを期待して・・・。2005-11-30 06:30:00 -
221:
トウヤ
「…トウヤ。コーヒー」
その紫苑の言葉で現実に引き戻された。
握りつぶした紙コップからコーヒーがこぼれ、派手にトウヤのジーンズにしみを作っていた。
「今の話…」2005-11-30 06:36:00 -
222:
トウヤ
「ほんとだよ」
「緊急で運ばれた女性のお連れの方ですよね?処置が終わりました。もう面会できますよ」
白衣を着た看護士が話をさえぎり、声をかけてきた。
「分かりました。トウヤ、行こう」2005-11-30 06:39:00 -
224:
みほ
これって実話ですか?
2005-11-30 14:54:00 -
225:
さく
更新されてる?
2005-11-30 14:55:00 -
226:
名無しさん
????????????????????????
2005-11-30 18:47:00 -
227:
名無しさん
?…?
2005-12-01 01:54:00 -
228:
名無しさん
あげ??
2005-12-02 09:04:00 -
229:
さく
アゲッ
2005-12-02 12:42:00 -
231:
名無しさん
気になりゅ???
2005-12-02 14:44:00 -
232:
さく
待ってます
2005-12-02 19:04:00 -
233:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
なかなか毎日更新できず申し訳ないです。
さくさん、いつもありがとうございます。
みほさん、コレはフィクションです。一応登場人物は実在人物を参考にはしていますが、脚色がおおいです。
名無しの皆さん、見てくださってありがとうございます。なかなか毎日更新できず心苦しいです。気長に見てやってください。2005-12-03 07:18:00 -
234:
トウヤ
白くて無機質な個室のドアをあけると、ベッドに横たわるヒカリがこちらを見た。
顔は青白かったが、意識はしっかりしているようだ。右手は点滴に繋がれている。
「ヒカリ、どう〜??またやったんだって?こんななってちゃダメじゃん」
さっきの感じとはうって変わって、すこぶる明るく紫苑が話しかけた。2005-12-04 08:07:00 -
235:
トウヤ
申し訳なさそうなに、ヒカリが少し笑う。
「ごめんな。また…迷惑かけてもうたな。トウヤもごめんね??」
そう声をかけられて、かたがビクッとなった。
「お…おうっ!!体調はどうだ?」2005-12-04 08:09:00 -
236:
トウヤ
しまった、声がおかしかったか…。
個室用に設けられた椅子に座りながら、なんて声をかけていいのか必死に頭を回転させる。
ぎこちない感じが彼女に伝わってないだろうか?
引いた…というよりも、驚きと同様がトウヤの頭を支配している。
2005-12-04 08:12:00 -
237:
トウヤ
「僕、お医者さんに話し聞きに行って清算とかしてくるね〜」
そういい残し、紫苑が静かに席を立った。
沈黙。
開けた窓から風が吹き込み、カーテンをなびかせる。2005-12-04 08:15:00 -
238:
トウヤ
「…その様子やったら、紫苑に聞いたんかなぁ?」
すこしうつむきながら。フフっと自嘲気味に笑った。
「ゴメン」
何を謝る事があるのかそれさえも分からなかったが、謝罪の言葉が口から出た。2005-12-04 08:17:00 -
239:
トウヤ
なんだか聞いてしまったことが申し訳ないような気がした。
「なんで謝るん?謝る必要ないやろ?」
いつものように優しく響くヒカリの声。
押し殺したような、優しくかぶせかけるようなヒカリの声。2005-12-04 08:18:00 -
240:
トウヤ
不意に涙が頬を伝った。
泣いている自分に驚く。
「何を泣いてるんねん男の子が。ビックリさせたんやな。こっちこそゴメンな?変な身体に育ってしまってん。でも大丈夫やで?あたしは大丈夫」
そう言いながら点滴のついていない左手で、優しくトウヤの頭を撫でた。2005-12-04 08:21:00 -
241:
トウヤ
「トウヤは優しい子なんやね。人のことで涙を流して…。泣かんでもいいよ。もう大丈夫やからね」
優しい羽毛のような言葉と、血の気を失い、少し冷たくなった手がなんとも言えず心地よかった。
たったそれだけの行為が、トウヤの心に響く。
2005-12-04 08:23:00 -
242:
トウヤ
「聖母」という人がこの世の中にいたとしたら、それはこういう人のことを言うんだろう。
どっちがお見舞いに来ているのかコレじゃ分からない。
「…いろいろ聞いた。正直驚いた。…でもヒカリが無事でいてよかった。心配した」2005-12-04 08:25:00 -
243:
トウヤ
嘘偽りなく。
出会ってたった2ヶ月だ。
でもいつの間にかすごくすごく大事だ。
…俺は2ヶ月前、出会ったのではなく本当に拾われたんだ。…聖母に。自分の血を流す聖母に。2005-12-04 08:27:00 -
244:
さく
更新されてたっ?気長に待ってます!!
2005-12-04 08:50:00 -
245:
名無しさん
おもしぃろい(*´ω`*)気長に更新待ってます?
2005-12-04 12:29:00 -
247:
名無しさん
???
2005-12-05 01:00:00 -
248:
☆
アゲ〜!!
2005-12-05 23:45:00 -
250:
名無しさん
?
2005-12-09 17:56:00