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301:
蒼が、弱々しく、私を呼んだ。
『蒼!!!ママここやで!!!大丈夫!!!傍におるよ!!!』私は蒼の言葉に、必死にこたえる。
だけど、蒼は『――マ―マ―――パ―パ――・・・』しか言わない。2006-04-28 10:25:00 -
302:
『蒼!!!どうしたん?!!何か言いたいの?!!なぁに?!!』蒼が私達を何回も呼ぶ事に、私は何か言いたいんだと思い必死に問いかける。
だが、蒼の意識は徐々に薄れていき、蒼の体は段々冷たくなっていく。
『蒼!!!寒いの?!!寒いから、ママ達を呼ぶの?!!こんなに体が冷たかったから、そら寒いよね!!!ママとパパがあっためてあげるからね!!!』私と慶太は、必死に蒼の体を擦り暖める。2006-04-28 10:26:00 -
303:
擦っていると、冷たい蒼の体はあったかくなっていった。
でも、それは擦っている所だけであって、他の所は冷たく、そればかりか冷たさは増していくばかりだ――・・・
『蒼!!!こんなに体が冷えちゃったら、寒くて仕方ないよね??ママとパパが一生懸命あっためてあげるからね―!!☆スグに、あったかくなるよ―!!☆』私と慶太の手は、とまる事なく蒼の体を擦り続ける。2006-04-28 10:28:00 -
304:
『蒼〜―!!☆どう―??あったかくなってきた―??――ねぇ――お願いだから、なんか喋って――・・・』私は蒼の体を擦りながら、話しかける。
『蒼―!!☆寒かったら、ちゃんとゆえよ―??パパ達、いっぱいあっためたるから―!!☆』慶太も体を擦りながら、話しかける。
私と慶太は必死に蒼の体を擦りながらいっぱい話しかけるけど、蒼はこたえる事なく、段々と目を閉じていき、心搏も弱まっていく。2006-04-28 10:29:00 -
305:
『蒼あかんっ!!!寝たらあかんっ!!!ママとパパが傍におるんやで!!!だから、寝たらあかんっ!!!起きてっ!!!』私は、蒼が目を閉じていくのを必死に起こしたてる。
『そうやぞ、蒼!!!今は寝たらあかんっ!!!眠たいかもしれんけど、今はねんといてくれ!!!なっ、蒼!!!』慶太も必死に起こしたてる。
私達がそうやって蒼を起こしたてると、閉じかけている蒼の目は、少し開いた。2006-04-28 10:30:00 -
306:
『そうやで、蒼―☆ほら、ママとパパおるやろ―??☆』蒼の目が少し開くと、私は蒼に話しかける。
すると、弱々しく蒼の口が動いた。
『何、蒼!!!何が言いたいの?!!言って、蒼!!!』口を動かす蒼に必死に喋りかける。2006-04-28 10:31:00 -
309:
蒼は少し笑ったようにして、小さな声でそう言ったのだ。
そして、蒼はそれだけ言い、蒼の目は徐々に閉じてしまい、蒼の目は開く事はなかった――・・・2006-04-28 10:35:00 -
313:
とゎ
めっさ胸が痛いゎ?ウチも二人子供おるけど下が1才半で、この時の蒼チャンに近いからダブらせてしまう?
2006-04-28 14:02:00 -
314:
とゎさんへ?
初めまして?お子さんが二人いらっしゃるんですね??きっと、とっても可愛いお子さんなんでしょうね?この時の蒼とかぶるんですか――・・・胸を痛めるような話しで申し訳ないです??
今日中に完結させますので、よかったら最後までお付き合いの方よろしくお願いいたします??2006-04-28 14:30:00 -
315:
先生はずっと後ろにおり、蒼のもとへ近寄る。
脈を確かめ、蒼の目にライトをあて、私達に蒼が死んだ事を告げ、深々と頭を下げ病室を出ていった。
私と慶太が放心状態のなか、看護婦さんが蒼の体につけられていた管を取り外し、痛々しい姿の蒼ではなく、私達の愛しいそのままの姿の蒼になった。2006-04-28 14:31:00 -
316:
何がおこり、何がどうなったのか、わからなくなっていた――・・・
『――あ・・・蒼―☆―いつまで・・・寝てるの―??☆―ほら・・・起きないと・・・ママ達と・・・遊べないよ―??☆―ねぇ・・・蒼―??☆―聞こえてるんでしょ―??☆―蒼ったらぁ――・・・』
私は、蒼の手を強く握りゆさぶり起こす。2006-04-28 14:47:00 -
317:
こんなに笑顔で、蒼と一緒に遊びたくて言っているのに――なんでだろう――・・・
声が凄く震えてたまらない――・・・
涙もでなくて信じていないのに、体が震える――・・・2006-04-28 14:50:00 -
318:
『―蒼―☆―大好きなアンパンマンのお人形が・・・寂しがってるよ―??☆―いつも・・・肌身離さず・・・持ってたやんか―☆―なのに・・・何で今は・・・持ってないの―??―ねぇ・・・蒼ィィ――・・・』
蒼の大好きなアンパンマンのお人形を、蒼に握らせようとする。
でも、何回やっても、蒼は握ってくれはしない――・・・2006-04-28 14:52:00 -
319:
『―蒼―☆―ふざけてないで・・・早くアンパンマンのお人形・・・抱いてあげて―??―ぢゃないと・・・アンパンマンのお人形・・・寂しくて・・・泣いちゃうよ―??―だから・・・蒼――お願いだから・・・ママの手を・・・握って――・・・』
蒼の手は、私の手を冷たくする程冷えきり、私の手を握ってくれる事もなければ、あったかくなる事もなかった――・・・2006-04-28 14:54:00 -
320:
それでも、私は蒼の死など、認めたくなかった――・・・
蒼が死んだなんて、うけいれる事なんてできなかった――・・・
蒼はただ寝ているだけ・・・そう自分に思いこませていた――・・・2006-04-28 14:55:00 -
321:
『―蒼―☆―もうお家に帰ろう―☆―蒼の大好きな・・・蒼が帰りたがっていたお家に・・・帰ろう―☆』
私はそう言い、蒼を抱き上げた。2006-04-28 14:56:00 -
323:
新生児の様に、すわっていない様なだらんとした蒼の首――・・・
全く力の入っていない、小さく軽い蒼の体――・・・
私達を安心させ、元気づけてくれていた笑顔の消えた蒼の顔――・・・2006-04-28 14:59:00 -
324:
なによりも、ずっと肌で、傍で感じていたかった温もりを消した、蒼の体温――・・・
全てを取りのぞかれた蒼――・・・
抱き上げて、初めて実感した――・・・2006-04-28 15:00:00 -
325:
『――蒼ィィ〜――ママ達をおいてかないで〜――・・・』
蒼を抱き締めながら、この時初めて涙を流し、震える声で蒼に言う。2006-04-28 15:02:00 -
326:
私の目から溢れでる涙が、私の頬を伝い、蒼の顔に流れおちる――・・・
静まりかえった病室は、ポタポタと静かに零れおちる涙を、悲しく音たてる――・・・
もう笑う事のない蒼の顔に何滴も何滴も零れおちる私の涙は、蒼も泣いているかのように蒼の顔を濡らす――・・・2006-04-28 15:03:00 -
327:
絶対に泣かないと、心に強く誓い決めたのに――・・・
蒼が退院する日がくるまで、大切にしまっていた涙が、私の頬を虚しく流れていく――・・・2006-04-28 15:06:00 -
328:
私の胸はしめつけられ、苦しくて言葉がでなくなり、蒼を抱き締めたまま私はイスの上にくずれおちた。
慶太は、横のイスに座ったままで、俯きながら涙を流していた。2006-04-28 15:08:00 -
329:
私は蒼を抱いたまま病室の外のイスに座り、慶太は手続きなどをしていた。
慶太は先生から話しをされたらしく、私に力なく言ってきた。
『俺達が帰って、しばらくはあのまま落ち着いていたそうや――・・・でも、夜中になって急に容態が急変したらしくて――・・・先生も、あらゆる手をつくしてくれたらしいんやけど、助けてやれる事ができなかったらしい――・・・』2006-04-28 15:10:00 -
330:
慶太から蒼の死因を聞き、また涙が溢れでてきた。
蒼の病気は、5年の生存確立も低いと言われていた――・・・
それでも私達は蒼が助かると信じて、蒼と一緒に闘ってきた――・・・2006-04-28 15:18:00 -
331:
この日がくる事なんて考えてもみなかった――・・・
私達、親よりも先に逝ってしまった蒼――・・・
こんなにも、この日が早くにくるなんて――・・・2006-04-28 15:19:00 -
332:
私は、先生を責める気など全くなければそんな気も全くおこらなかった。
逆に、先生には大変お世話になりっぱなしで、感謝の気持ちでいっぱいだった。
でも、今は蒼の事でいっぱいいっぱいで、頭を下げる事しかできなかった。後日、また改めて病院を訪れる事にして、私と慶太と蒼は、我が家に帰る事にした。2006-04-28 15:21:00 -
333:
家に着き、黙ったまま私は蒼を寝室に連れて行った。
『蒼―☆―お家だよ―☆―久々に帰ってきたね〜―☆―もうどれぐらいぶりだろう――3ヵ月もお家に帰ってこれなかったんだね――やっぱりお家が落ち着くやろ―??☆―だって、蒼がずっと帰ってきたがってたお家やもんな―☆―』
ベッドへ寝かせた蒼に私は、蒼の頭を撫でながら、声を震わし泣きながら笑顔で言う。2006-04-28 15:23:00 -
334:
『―ママ、ホンマ泣き虫さんやわ―☆―蒼を不安にさせない為に、泣けへんって決めたのに、何でやろう―――ママの目からいっぱい涙が溢れでてくるわ―――駄目やね、ママ―☆―本当は、蒼が一番泣きたいのにね――痛かったやろう―??―苦しかったやろう―??―辛かったやろう―??―蒼は偉いね―☆―だって、ママみたいに泣いたりしなかったもんね―☆―でも、もっと甘えて良かったんよ―??―もっと泣いて良かったんよ―??―そんな蒼が可愛いんやし、それで当たり前やったんやから―☆―でも、蒼―――何で―――何で最後まで――泣かずに笑って逝っちゃったん―??―ねぇ、蒼―――ママ達――寂しいよ――・・・』
2006-04-28 15:24:00 -
335:
泣きながら笑顔で言っていた私は、笑顔などなくなり、悲しい顔をして声をあげ泣いた。
今まで我慢していた我慢の糸が、大きな音をたててプツンと、切れた――・・・2006-04-28 15:25:00 -
336:
私達、夫婦の生きがいだった蒼――・・・
天使の様な笑顔でいつづけ、天使の様な顔で産まれてきてくれた蒼――・・・
その蒼が、この日、本当に天使になってしまった――・・・2006-04-28 15:27:00 -
337:
気付けば、もう朝になっていた。
私は思いっきり泣き、ずっと蒼の傍にいつづけ、蒼の手を握っていた。
もう握りかえしてくれるわけぢゃないのに、ずっと握り続けていた。2006-04-28 15:28:00 -
338:
慶太は、親達に連絡をしていた。そして、真樹にも――・・・
いつ来たのだろうか。寝室のドアの所に口に手をあて、左手には潤くんと手を繋ぎ涙を流している真樹がいた。
『あ――・・・真樹――☆―蒼帰ってきてん―☆―ずっと帰ってきたがってた、私達3人の家に帰ってきてん―☆―』私は笑顔で真樹に言う。2006-04-28 15:29:00 -
339:
この時真樹には、ぬけ殻のような魂がぬけているかのように、私はみえただろう。
体に力がはいらず、はいつくばるように真樹に近寄り手をとり『蒼に触れてあげて―☆―蒼――喜ぶから―☆』そう言って、蒼の近くに真樹の手をひく。
真樹は、私にひかれるがままに、潤くんを連れて蒼の傍にくる。2006-04-28 15:30:00 -
340:
『――蒼ちゃん―☆―昨日会ってまだ24時間も経ってないのに、また会えたね―☆―こんな早くに―☆―やっとお家に帰ってこれたんやね―☆―安心したやろ―??☆―潤もちゃんと連れてきたんよ―☆―ほら、潤―☆―蒼ちゃんやで―☆―』真樹は私と同じ様に、蒼の手を握り、泣きながら笑顔で蒼に話しかけてくれ、潤くんに蒼の手を握らせた。
潤くんは、蒼の手を握り感じたのか、寂しそうな悲しそうな顔をしていた。
まだ3歳だから、涙を流しはしなかった。わからないのだろう。蒼が天使になった事を――・・・2006-04-28 15:32:00 -
341:
しばらく真樹と潤くんは、蒼に話しかけていた。
そして、真樹が私に近付き話しかけてきた。
『――咲緒梨――・・・なんて言ったらいいのかわからないけど―――最後まで、蒼ちゃんのお母さんをしてあげな―――咲緒梨は、いつまでも蒼ちゃんのお母さんなんやから!!!』2006-04-28 15:33:00 -
342:
『――ありがとう――・・・』真樹にそう言われ、とまっていた涙がまた溢れでてきた。
真樹に言われた言葉が、胸に熱く焼きつく。
『最後まで、蒼ちゃんのお母さんをしてあげな――・・・』『いつまでも蒼ちゃんのお母さんなんやから――・・・』2006-04-28 15:35:00 -
343:
【蒼――・・・ママは――ママはずっと蒼のママでいていいの―??――蒼を守ってやれなかったんだよ―??――蒼を支える事も、蒼を助けてあげる事もできなかったんよ―??―――こんな情けなくみっともないママを―――ずっと・・・ずっと永遠に、蒼のママでいさせてくれるの―??―――ママに、これからもずっと、蒼のママでいれる資格なんて、あるのかなぁ――・・・ねぇ、蒼――・・・】
2006-04-28 15:38:00 -
346:
私は、真樹になだめられながら泣いていると『蒼――・・・』私の両親がきた。
真樹は私の両親に頭を下げ、私の傍にいてくれずっと手を握ってくれていた。
両親は、大声あげて泣きわめき、蒼の顔を何度も撫でていた。2006-04-30 02:36:00 -
347:
すると『蒼!!!』慶太の両親もきた。
私の両親と慶太の両親は、挨拶を交わさず蒼の傍で泣き続けていた。
私は、真樹のおかげで涙はとまり、少し冷静さを保っていた。2006-04-30 02:37:00 -
348:
私の母親は泣きやみ、私に近付き話しかけてきた。
『咲緒梨――何の力にもなってやれなくて、ごめんね!!!蒼が一番辛くて悲しいけど、あんたも辛くて悲しいわな!!!あんたはようやった!!!頑張ったよ!!!あんたと慶太くんがいたから、蒼はこんな幸せそうな顔して逝けたと思う――・・・これから、辛く悲しい生活になるかもしれないけど、蒼の為にもしっかり生きていかなあかんで!!!これはあんたの親としてゆうてるんやないで――・・・おんなじ一人の母親として、ゆうてるんやからね!!!』2006-04-30 02:38:00 -
349:
『そうよ、咲緒梨さん――・・・蒼の為に、あなた達夫婦がしっかり生きていかなきゃいかんのよ!!!ぢゃないと、蒼が産まれてきた意味がなくなるぢゃない!!!蒼の事を本当に想うなら、しっかり地に足をつけて、生きていきなさい!!!』
私の母親と、慶太の母親の言葉が凄く嬉しく励みになった。
でも、そんなスグに立ち直れるわけがなく、とりあえず私は『ありがとうございます――・・・』とだけ、言っておいた。2006-04-30 02:46:00 -
350:
そんな中、真樹が気を遣ってくれ『咲緒梨――・・・あたし、そろそろ帰るね―☆』と言い、私の両親と慶太の両親に頭を下げ寝室をでた。
真樹は慶太のいるリビングにいき『慶太さん――・・・辛い気持ちはわかります――・・・でも、蒼ちゃんはみてるんです!!!咲緒梨と慶太さんを、ちゃんとみてるんです!!!だから、蒼ちゃんの為にも、気をしっかりもって下さい―!!!――生意気な事を言って、すいません――・・・』『いいえ――・・・その通りです――・・・ありがとうございます。』
真樹と慶太はそう言葉を交わし、私は真樹を見送る。2006-04-30 02:49:00 -
351:
『―真樹――今日は―ありがとう――・・・嬉しい言葉をたくさん―ありがとうね―☆―』私は真樹に言う。
『ううん―☆―あたし、偉そうな事言いすぎちゃった――・・・ごめんね――・・・』『ううん!!!全然!!!ほんと、嬉しかった――・・・』『そっか――☆なら良かった―☆――咲緒梨――大丈夫―???』『―うん――なんとか―☆』『無理したら、あかんよ―??なんかあったら、いつでもあたしに頼っていいからね?!!役にたてないかもしれないけど、あたし咲緒梨達の為なら、なんだって力になるから!!!―ねっ―??』『ありがとう―☆』2006-04-30 02:51:00 -
352:
そうして、真樹は潤くんと手を繋ぎ帰っていった。
私は慶太のとこにいき、横に座る。
『慶太ぁ〜――・・・どうして変わってあげられないんだろうね――・・・どうして蒼が、こんな小さな時にこんなめにあって、蒼が逝かなくちゃいけないんだろうね――・・・ほんと世の中って・・・・不公平だよ――・・・』少し泣きながら、慶太に言う。2006-04-30 02:52:00 -
353:
『――ホンマやな〜―――何で蒼やねんなぁ〜――・・・――親やのになぁ〜――・・・』慶太は私の手を力強く握り、肩や声を震わせて私に言う。
外は、今日も気持ちいいぐらいに晴れている。
この広い空に、蒼は逝ってしまった。蒼の大好きな、この空に――・・・2006-04-30 02:53:00 -
354:
夕方まで両親はおり、私達に『気をしっかりもつんやで―!!!』とだけ言い、帰っていった。
家には、家族3人になった。蒼は、違う形で帰ってきたけど――・・・
私は寝室で蒼の手を握り、ずっと蒼の傍にいた。慶太はご飯を作っているようだった。2006-04-30 02:54:00 -
355:
蒼がこの世にいなくなってしまって、何もする気がおこらない。蒼のいない人生など、考えられない。
両親や真樹が色々と言ってくれたのは嬉しいし、ありがたい。頭の中にちゃんとはいっている。
だけど、息をしていない蒼を前にして、今の私にはまだ理解できる事も、行動にうつす事もできない。2006-04-30 02:55:00 -
356:
『咲緒梨――・・・飯できたから、食おう――・・・』何も考えれず、頭が真っ白な私には、慶太の言う事も理解できなくなっていた。
『いらない――・・・』蒼の顔を撫でながら言う。『食べな体もたんぞ――・・・』慶太がそういってくれる。
でも、私は食欲もなく食べる気にもならなかった。私の体などどうなってもいい。いっその事、このまま私も死んでしまいたいと、そう思っていた。2006-04-30 02:56:00 -
357:
蒼のいない人生なんて、生きている意味がない。蒼がいたから、一生懸命やってこれた。辛い事も、しんどい事も、蒼がいたから頑張ってこれた。蒼の顔をみるだけで、癒されたし元気になれ、嫌な事など全て吹っ飛び生きてこれた。
でも、もう蒼はいない――・・・今、私の目の前にいる蒼は、私を求めてくれる事もなければ、笑ってもくれない――・・・
【蒼――ねぇ、笑ってよ――・・・ママの大好きな笑顔をみせてよ――・・・また『ママ、抱っこ』って言ってよ――・・・蒼とママの大好きな空を、また3人で見上げようよ――・・・お願いだから、ママの手を、また握ってよ――蒼――・・・】2006-04-30 02:58:00 -
358:
削除削除されますた
あぼ~ん -
359:
慶太が私の肩を掴み自分の方にふりむかせ、鈍い音を響かせたて私の頬をはたいた。
『咲緒梨!!!しっかりしろよ!!!俺かて辛いねん―!!でも、親の俺達がこんなんでどないすんねん!!!蒼が可哀相と思わんか?!!いつまでもこんなんぢゃ、蒼は逝かれへんねんぞ?!!咲緒梨は、蒼をずっと縛り付けるんか?!!逝かなあかん場所にいけず、悲しい想いをさせたまま、蒼をずっとこのまま縛り付けるんか?!!蒼がそれで幸せになれるとでも思ってるんか?!!ちゃうやろ!!!あっちの世界にいっても、蒼をこれからもずっと幸せにすごしていけるようにおくってやるんが、俺等、“親”とちゃうんか――・・・なぁ、違うか??咲緒梨――・・・』2006-04-30 03:08:00 -
360:
とゎ
主さん、思い出して辛いかもやけど完結まで頑張ってねっ?応援してます。
2006-05-03 20:52:00 -
361:
名無しさん
えっこれはフィクションでしょ!
2006-05-04 00:06:00 -
362:
名無しさん
うん、これは実話じゃないよ
2006-05-04 08:14:00 -
363:
とゎ
そーだったんですか?確認不足でゴメンなさぃ(^o^; 教えてくれた方ぁりがとうデシタ(o^o^o
2006-05-04 10:57:00 -
364:
慶太にはたかれた意味も、言っている意味もわかってる。わかっているけど、実際そうできないのが現実。
『ごめん、慶太――・・・わかってる――わかってるんよ――・・・でも、今の私にはできない――・・・だって、私の目の前に蒼がおるもん――・・・ちゃんといてるもん――・・・それやのに、蒼をおくり――・・・』
私がまだ言ってる途中なのに、慶太は私を抱きしめ言ってきた。2006-05-08 05:26:00 -
365:
『スグにたちなおれとも、早く気持ちを整理しろとも言わん!!!咲緒梨が、いつかちゃんと整理できた時でいい!!!でもな、蒼はもう死んだんや!!!もう生きてないねん!!!辛いし悲しい事やけど、蒼はもうおらんようなったんや!!!』
慶太の言った言葉に、胸を切り刻さまれるように傷ついた。
『な・・んで―??蒼は・・・実際・・今・・目の前・・おるやん―!!!――慶太・・・意味・・わからん・・事・・言わん・・といてよ―!!!――なぁ・・・蒼――☆』2006-05-08 05:27:00 -
366:
私はわかっていても、やっぱり現実をうけいれる事ができず、蒼に話しかけた。
すると、慶太は息ができない程私を強く抱きしめた。
『咲緒梨―!!!現実から逃げるな!!!目を背けるな!!!しっかりしろ―!!!咲緒梨は1人ぢゃないやん!!!俺も1人ちゃう!!!俺には咲緒梨がいて、咲緒梨にも俺がおる―!!!だから・・・一緒に・・・蒼を見送ってやろう―・・・俺達やったら・・・蒼をちゃんと見送れるて――・・・だって・・・蒼の親やもん・・・俺達――・・・だから咲緒梨・・・一緒に頑張ろうや・・・家族やろ―??な―??』2006-05-08 05:28:00 -
367:
慶太の声や言葉が凄く優しくて、私の涙を余計に溢れさす。
どれぐらい泣き、どれぐらい涙を流しただろう――・・・
とまる事も枯れる事もなく、私はひたすら慶太の胸の中で泣き続けた。慶太も凄く辛いはずなのに、優しい声で私の背中をゆっくり擦りながら、なだめてくれた。2006-05-08 05:29:00 -
368:
しばらくして涙がとまり、私は蒼の手をとった。
ちゃんと現実と向き合い、親としてしなくちゃいけない。蒼をおくりださなくちゃいけない。
悲しく嫌だけども、親として最後ぐらい蒼にしてあげなあかん事をしてあげなと思い、蒼の手を握りながら眠りについた。2006-05-08 05:31:00 -
369:
それから、お葬式の段取りをして、お通夜には病院の先生、看護婦さん方や、真樹と潤くんと旦那さん、近所の方、両親やらたくさんの人が来てくれた。
そして夜中になり、私は離れる事なく蒼の傍にずっといた。
『蒼―☆今日はたくさんの人がきてくれたよ―☆良かったね〜―☆蒼は人気者やもんな〜―☆蒼ごめんね―ママ、蒼を助けてあげる事も、守ってあげる事も、変わってあげる事もできなかった――・・・役たたずやね、ママ―☆泣かないって―蒼が退院するまで泣かないって決めたのに、ママ泣き虫やからいっぱい涙がでてくるわ―☆蒼を退院させてあげて、またいっぱい一緒に遊んでお空を一緒にみようねって約束したのに、ママ果たせてあげられなかった――・・・こうなるんやったら、ママ蒼を病院から無理にでも連れ出して、蒼の好きな事いっぱいさせてあげれば良かった――・・・後悔の固まりだよ〜――・・・ごめんね〜、蒼〜――・・・』2006-05-08 05:36:00 -
370:
私は、たくさんの花がしきつめられ、アンパンマンのおもちゃや、蒼の大好きなアンパンマンのお人形などを入れた棺に、もたれかかるように泣き崩れた。
しばらくして慶太も来て、私の肩に腕をまわし一緒に泣きながら、蒼と最後の夜を過ごした。2006-05-08 05:38:00 -
371:
――お葬式当日・・・
昨日来てくれた方々が来てくれ、たくさんの方々が蒼の為に涙を流してくれた。
私は放心状態で、涙は流れなかった。慶太は、涙を流していた。2006-05-08 05:39:00 -
373:
削除削除されますた
あぼ~ん -
374:
小田和正の曲が流れたのだ。真樹が用意してくれたらしく、流された。
曲が流れ、私の目から一気に涙が溢れだした。
我慢をしていたわけではない。ただ、涙を流す事ができず頭が真っ白だったのだ。でも、この曲の歌詞が頭に入ってきて、蒼への想い、愛しさが一気にこみあがってき、涙がでたのだ。2006-05-08 05:44:00 -
375:
曲は流れ続け、私達は涙を流しながら蒼の棺を霊柩車へ運ぶ。
棺が車にはいり、私も車に乗り込み皆に見守られながら、火葬場へ向かう。
火葬場に着き、蒼に最後の別れを告げる時がきた。2006-05-08 05:45:00 -
376:
『蒼〜―・・・ママやっぱり寂しい―・・・でも、こんなんゆうたらあかんよな―・・・蒼の方が寂しいし、お空にいかれへんようなるもんな―・・・蒼―ホンマにごめんな―・・・ママ恨まれてもいいから―・・・恨まれて当然やし―・・・蒼は絶対お空に逝ける―!!!お空に逝っても、蒼やったらいっぱい友達もできるやろうし、大丈夫―!!!でも、寂しくなったらいつでも帰ってきたらいいんやで―!!!蒼のお家なんやからな―!!!ママ達、絶対何があっても、一生蒼の事忘れへんからね―!!!蒼は、ママ達の大切な宝物やから―!!!』
2006-05-08 05:46:00 -
378:
しばらくして、私と慶太は病院へいき、色々と済ませて先生方に挨拶をした。それから、蒼が空へ逝ってしまってから、早2年が経った――・・・
蒼がいなくなってからの私は、ひどく落ち込み何もできず脱け殻の様になっていた。でも、慶太や真樹が支えてくれたおかげで、私は自分をとりもどす事ができた。
私は、必ず毎週蒼に会いに行っている。自分を失っていた当時は、毎日の様に行っていた。自分をとりもどしてから、毎日行っていては蒼を困らせてしまうんぢゃないかと思い、1週間に1回と決め慶太と一緒に行っている。2006-05-08 05:51:00 -
379:
蒼の誕生日も必ずしていた。蒼に喜んでほしいのと、これから先もずっと蒼は私達の大切な宝物とゆう想いをこめて。
雛祭りも、クリスマスも行事があるたんびに蒼の写真をおき、蒼と一緒にやっていた。2006-05-08 05:52:00 -
380:
そんな私と慶太の間には、新しい命を授かり、元気な女の子が産まれたのだ。
蒼の4歳の誕生日がきて、私は蒼に手紙を書いた。2006-05-08 05:56:00 -
381:
『蒼☆4歳のお誕生日、おめでとう☆大きくなったね☆立派なお姉ちゃんや☆そっちの生活はどうですか??風邪などひかず、元気に過ごしてる??友達はたくさんできた??蒼の事だから、いっぱいできたやろうね☆でもママは、蒼はヤンチャっ子やから、毎日空をみながら心配してます――・・・あ、そうそう!!今日は、蒼に報告があります☆蒼に妹ができました☆蒼、お姉ちゃんだよ☆名前はね、【空結魅(アユミ)】ってゆうんだよ☆蒼の大好きな空と、家族の深い絆で結ばれ、蒼の様に皆に好かれる様な魅力的な子に育ってほしいと思って、つけたんやよ☆可愛いでしょ??☆――ママ、毎日蒼の事考えてるんよ??☆蒼の事を忘れた日なんて、1日もない。蒼は、大切なママとパパの宝物やもん☆蒼☆本当に、ママとパパの子供に産まれてきてくれて、ありがとうね―☆ママとパパは、幸せです☆』
2006-05-08 05:57:00 -
382:
『ママ達、蒼に何もしてあげられなかった事を、今でも凄く後悔しています―・・・ごめんなさい―・・・蒼は、あんなに苦しく辛い闘病生活をしていたのにもかかわらず、ママとパパにいつも笑顔をくれ励ましていてくれたね―・・・凄く嬉しかったよ―☆でも、嬉しい反面ママ達は辛かったです―・・・だって、蒼が一番苦しくて辛かったのに、いつでも笑顔でいてくれていたでしょう??ママ達が頼りなさすぎたせいだね―・・・本当に、ごめんなさい―・・・でも、ママとパパは今でも蒼の笑顔を忘れていません―・・・この先もずっと、何があっても忘れません―・・・蒼の笑顔は、本当に天使の様な笑顔でした―☆今でも笑っていますか??蒼には、一番笑顔が似合ってるよ☆』
2006-05-08 05:59:00 -
383:
削除削除されますた
あぼ~ん -
384:
蒼が闘病生活をおくっている時、皆で織りあげた千羽鶴。
蒼が早く退院できるように、早く元気になるようにと想いをこめて織った。意味がなかったのか、あったのかはわからない。
蒼を見送る為にあったのかもしれないし、わかっていて蒼が無事に逝ける様にあったのかもしれない。私達の願いは叶えてもらえなかったが、もう一つの願いは叶えてもらったと、私はそう信じている――・・・2006-05-08 06:06:00 -
385:
もう一つの願い―それは――・・・
【蒼がちゃんとお空に逝って、幸せにいれますように】
とゆう願いだ。蒼の大好きな空だから。私達は、必死に願っていた。2006-05-08 06:09:00 -
386:
蒼の大好きだったおもちゃや、2歳の誕生日の日に皆からもらったプレゼントも、全部残してある。
蒼は空で、私達がプレゼントした空模様のパジャマを着ていてくれてるだろうか。
蒼は今も、笑い続けていてくれてるだろうか。2006-05-08 06:10:00 -
387:
そう想いながら空結魅を抱き、蒼の写真を傍におき私は今日も空を眺める。
蒼が笑ってクリームをつけた手が写っている、2歳の誕生日の日の写真。誕生日だとゆうのに、最後に私達に大切なプレゼントをしてくれた、蒼。2006-05-08 06:12:00 -
388:
あなたの温もり。今でも鮮明に覚えています――・・・ずっと忘れません。最後まで離す事なく、最後に大切な思い出を残してくれたあなたの――・・・
―【小さな手】―
2006-05-08 06:13:00 -
390:
林檎 ◆Vm1DyOAhKo
読んでくださっていてくれた皆様、更新が大変遅れてしまい申し訳ありませんでしたm(__;)m多忙な日々が続き、更新をする事ができませんでした???心から、お詫び申し上げますm(__;)m
なんとか完結する事がでしました??これも、読んでくださっている皆様方のおかげです?本当にありがとうございましたm(__)m
途中、書き込みがありましたけども、このお話しはフィクションです??ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでしたm(__;)mまた、ご意見ご感想など頂けたら嬉しいです?本当に、ありがとうございました??2006-05-08 06:15:00 -
392:
とゎ
やばい?涙とまらへん?主さん、お疲れ様です?すごくイイ話をありがとうデシタ
2006-05-08 08:16:00 -
393:
林檎 ◆Vm1DyOAhKo
>>389さんへ☆
ありがとうございます☆読んでくださり、本当に嬉しいです☆本当にありがとうございました☆
とゎさんへ?
ありがとうございます?途中カキを頂いていたのに、返事できず申し訳ありませんでした??でも、最後まで読んでくださって嬉しいです?本当にありがとうございました??2006-05-08 14:57:00 -
394:
名無しさん
後から感動するんか知らんけど最初らへん全くおもんない?読む気失せたわ?
2006-05-09 16:21:00 -
395:
名無しさん
↑こんなんいちいち書かんでえ-やん?
うちはこの小説すごい色々考えさせられたし、小説読んで初めて泣いた
完結お疲れさま〜?2006-05-09 22:42:00 -
396:
名無しさん
全部読んでないくせに批判だけは一丁前にできるんやね
2006-05-10 03:10:00 -
397:
まり
めっちゃよかった?ボロボロ涙とまらんかった?他の小説はなんてゆうやつなんですか?
2006-05-10 15:17:00 -
399:
林檎 ◆Vm1DyOAhKo
>>394さんへ?
フォローしてくださって、ありがとうございます??読んでくださって頂けたのでしょうか??ありがとうございました?
まりさんへ?
読んで頂き、ありがとうございます??あたし、ヘタクソなので皆様に伝わらなかったりとか、色々と考えていたのですが、少しでも伝わって頂けて嬉しいです?他の小説は、【゚+スポーツジム+゚】と【●○BITTER SWEET○●】とゆう小説です?ヘタクソなんで、おもしろくないと思いますが、読んで頂けたら嬉しいです??本当にありがとうございました?2006-05-10 16:30:00