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  • 1:

    ◆5EJ71eKlNQ

    許せない人がいる。
    幼かった私の平穏な日々な日々を壊したあいつが…
    15年経った今でも憎い。

    2006-06-10 13:45:00
  • 201:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「はい…」

    「おうゆうな。半年ぶり。今晩2時にあがりなさい」

    「何でですか」

    2006-06-20 14:45:00
  • 202:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「部屋に行くからな。」

    ガチャ。プー、プー。

    何故か私は物凄く寒気がした。仕事に行く気にもなれず、携帯の電源を落としてぼ−っと夜のミナミを眺めていた。

    2006-06-20 14:47:00
  • 203:

    ◆5EJ71eKlNQ



    どれくらい歩いただろうか。

    「ゆ…うな?」 聞き覚えのある声にハッとした。

    2006-06-20 14:48:00
  • 204:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「…泰輝?」

    後ろは振り返らずに答えた。目から涙が流れていた。

    突然抱きしめられた。

    2006-06-20 14:50:00
  • 205:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ハスキーな声…香水の香り…抱きしめ方…ゴツゴツとした手……

    やっぱり泰輝だった。

    泰輝の誕生日プレゼントに私が買ったクロムの指輪が何よりも輝いて見えた。

    2006-06-20 14:52:00
  • 206:

    ◆5EJ71eKlNQ

    静かに振り返ると昔のままの優しい笑顔の彼がいた。

    『キムタク風』とおどけて言っていた茶髪のロン毛が、さわやかに切られていて…『空白の3年間』をまのあたりにした。

    2006-06-20 14:55:00
  • 207:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「優菜。逢いたかった」

    溢れ出る涙を止めることが出来なかった。

    ふたりに言葉などいらなかった。彼の車まで歩いた。

    2006-06-20 14:58:00
  • 208:

    ◆5EJ71eKlNQ

    助手席に座った瞬間、私の腕は彼の首に巻き付いた。
    甘いキスをした。

    「…いい?」彼の不安気な質問に、私はニコッと笑ってまたキスをした。

    2006-06-20 15:00:00
  • 209:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ホテルの部屋につくと、ふたりとも仕事帰りにも関わらずシャワーも浴びずに抱き合った。

    空白の3年間を埋めるように何度も何度も抱き合った。

    2006-06-20 15:02:00
  • 210:

    ◆5EJ71eKlNQ

    目覚めるとまだ朝にもなっていなかった。

    隣で寝ている彼を見つめ、色々と過去を思い返していた。

    2006-06-20 15:03:00
  • 211:

    ◆5EJ71eKlNQ

    幸せなはずなのに胸が痛く苦しかった…。

    ―――『もう戻れない』。

    彼は…世界中の誰よりも憎い永井春美の息子。

    2006-06-20 15:06:00
  • 212:

    ◆5EJ71eKlNQ



    そして彼は…世界中の誰よりも愛しい永井泰輝。

    2006-06-20 15:07:00
  • 213:

    コアラ

    しおリ?

    2006-06-20 18:05:00
  • 214:

    名無しさん

    主さんせつなすぎですね(;_;)これからも頑張って下さい!!

    2006-06-20 20:42:00
  • 215:

    ◆5EJ71eKlNQ

    コアラさん、>>254さん
    ありがとうございます。

    >>252〜。

    2006-06-21 14:56:00
  • 216:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は寝ている彼を見ずにホテルを後にした。



    決心が揺るいでしまうから。

    2006-06-21 14:57:00
  • 217:

    ◆5EJ71eKlNQ



    はぁ。

    2006-06-21 15:04:00
  • 218:

    ◆5EJ71eKlNQ



    でもそんな事いまの私にはどうでも良かった。

    それよりも…

    2006-06-21 15:05:00
  • 219:

    名無しさん

    doragon.ballz4

    2006-06-21 17:27:00
  • 220:

    名無しさん

    hokuto.shinken2

    2006-06-21 17:27:00
  • 221:

    名無しさん

    上の奴は何が言いたいんだ?

    2006-06-22 00:00:00
  • 222:

    ◆5EJ71eKlNQ





    2006-06-22 04:58:00
  • 223:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は愛菜(めぐな)
    今年18歳になったばかりの至って普通の女の子…

    のはずだった。

    2006-06-22 05:00:00
  • 224:

    ◆5EJ71eKlNQ

    日岡家の長女として、物心ついた頃から育ってきた。
    両親は私を可愛がってくれた…中学生までは。

    何故か私は道を間違えてしまった。

    2006-06-22 05:03:00
  • 225:

    ◆5EJ71eKlNQ

    この頃から少しずつ私と私の周りは変わった。

    良くない先輩と仲良くなり、良くない事を平気でしてきた。

    2006-06-22 05:05:00
  • 226:

    ◆5EJ71eKlNQ

    深夜2時――――。
    駅前とはほど遠い田舎の空き地、『いつもの場所』。
    数人のグループで煙草の自販機を荒らした。

    意味なんてない。

    2006-06-22 05:08:00
  • 227:

    ◆5EJ71eKlNQ

    通報により駆け付けた警察に捕まった。

    夜中にも関わらず両親は飛んできてくれた。

    2006-06-22 05:10:00
  • 228:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そんな両親に対し、これっぽっちも悪いと思わなかった。

    しばらくして原付窃盗、無免許運転で捕まった。

    両親は迎えに来てくれた。

    2006-06-22 05:12:00
  • 229:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そしてその後は傷害事件で捕まった。

    家庭裁判所に行った。

    運よく何もならなかった。

    2006-06-22 05:14:00
  • 230:

    ◆5EJ71eKlNQ

    学校は行かなかった。行ったとしても説教されて帰された。

    金髪、化粧、規定外の制服…全てが反抗のかたまりだった。

    2006-06-22 05:16:00
  • 231:

    ◆5EJ71eKlNQ

    見かねた両親は私を鑑別所に入れた。

    あっとゆう間に出てこれた。

    2006-06-22 05:18:00
  • 232:

    ◆5EJ71eKlNQ

    しかし以前の明るい家庭では無くなった。

    私に無関心の両親。平気な顔して私のご飯なんてなかった。おこずかいも…。

    「おかん〜?」

    2006-06-22 05:20:00
  • 233:

    ◆5EJ71eKlNQ

    母を呼んでも無視された。
    「…おとん〜」

    父さえも私を無視した。

    2006-06-22 05:21:00
  • 234:

    ◆5EJ71eKlNQ

    毎日コンビニで食べものを万引きした。

    欲しかったら服や物も万引きした。

    …しまいには、知らない人とsexをしてお金をもらってた。

    2006-06-22 05:22:00
  • 235:

    ◆5EJ71eKlNQ



    感情なんて何ひとつ無かった。

    2006-06-22 05:23:00
  • 236:

    ◆5EJ71eKlNQ

    読者の皆様へ!
    突然話が変わって意味がわからないと思いますが、全てつながるので。読みにくいとは思いますが、どうかご了承ください。また明日更新いたします。

    2006-06-22 05:25:00
  • 237:

    名無しさん

    2006-06-22 06:26:00
  • 238:

    名無しさん

    2006-06-22 13:23:00
  • 239:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>277〜。

    中学を卒業すると、突然両親に言われた。

    「出ていけ」

    2006-06-22 15:05:00
  • 240:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は出ていかなかった。

    すると言われた。

    「お前なんかもらうんじゃなかったわ」

    2006-06-22 15:06:00
  • 241:

    ◆5EJ71eKlNQ



    私は日岡の養女だった。

    2006-06-22 15:06:00
  • 242:

    ◆5EJ71eKlNQ

    小さい時に日岡家にひきとられた事、本当の両親は自殺した事、『浅岡優菜』という姉がいる事…

    全て聞き終えた私は家を出た。

    2006-06-22 15:10:00
  • 243:

    ◆5EJ71eKlNQ



    行くあてのない私は、友達の紹介でキャバクラで働く事になった。

    2006-06-22 15:13:00
  • 244:

    ◆5EJ71eKlNQ

    お客さんの涼と付き合って、涼の家に住みついた。

    愛情は無かった。ただ寝る場所を提供してもらい、お礼にsexをしていた。

    2006-06-22 15:16:00
  • 245:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は彼の子供を身籠った。「涼…めぐ子供できた」
    彼は意外と喜んでくれた。
    「めぐな!産んでくれ」

    初めて彼を愛しく思った。

    2006-06-22 15:18:00
  • 246:

    ◆5EJ71eKlNQ

    日曜の度にふたりで出掛けてベビー用品を買った。

    彼はやさしかった。私の過去を聞いても笑ってくれた。

    「りょう名前なにがいい?」

    2006-06-22 15:20:00
  • 247:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「めぐなと姉ちゃんの名前とって…優愛チャンで!!」

    こんな他愛ない会話に幸せを感じていた。

    2006-06-22 15:22:00
  • 248:

    ◆5EJ71eKlNQ

    妊娠4ヶ月―――。
    深夜。彼が帰って来ない。何度も何度も携帯を鳴らす。…出ない。

    次の日になっても帰ってこなかった。

    2006-06-22 15:24:00
  • 249:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は彼の事を何も知らなかった。探す事も出来ず待ち続けた。

    幸い、援助やキャバのお金は手をつけてなくて助かった。

    父親が消えたまま私は出産した。

    2006-06-22 15:26:00
  • 250:

    ◆5EJ71eKlNQ

    女の子が産まれ、
    『優愛』と名付けた。

    ゆあが産まれて2ヶ月がたった頃、私の全財産が底をつきた。
    産まれたばかりの赤ちゃんを託児所に預け、風俗で働いた…。

    2006-06-22 15:39:00
  • 251:

    ◆5EJ71eKlNQ

    なんとか優愛を育てたかった…ただそれだけだった。
    頼れる人など居なかった。
    お客さんに応じて本番もした。お金がたくさん貰えた。そのお金で優愛と暮らせてる事を情けなく思った。

    2006-06-22 15:47:00
  • 252:

    ◆5EJ71eKlNQ



    『なんで私だけ…』

    わずか17歳の私はひたすら憎んだ。

    2006-06-22 15:48:00
  • 253:

    ◆5EJ71eKlNQ

    優愛の父親を、日岡の両親を、浅岡の両親を、姉を…

    憎んだ。

    憎む事でどうにかやり切れた。

    2006-06-22 15:49:00
  • 254:

    ◆5EJ71eKlNQ

    同じ店で働くルイと仲良くなった。ルイもまた、19歳でシングルマザーだった。

    ルイは子供を実家に預けて昼はショップ店員、夜は風俗嬢をしていた。

    2006-06-22 15:53:00
  • 255:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ルイはよく泣いていた。

    「めめチャン。ルイはねぇ、絶対今年中にヒナ(子供)を連れて帰るの。だからそれまで何があっても絶対頑張るょ…でもねぇ、疲れちゃうよねぇ。」

    こんな風に言ってまた泣いた。

    2006-06-22 16:21:00
  • 256:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ルイはよく私の名前を間違えた。

    「ゆっちゃん」

    「めぐやけど?」

    2006-06-22 16:23:00
  • 257:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「あ〜ゴメン。めめチャン!あんねぇ、めめはゆっチャンにそっくりやねん」

    「ゆっちゃんって?」

    「昼の仕事仲間でねぇ、ルイの大好きな子。愛想なくて笑わないとこと、たまに笑ったらめっちゃ可愛いとこが似てるねんっ」

    2006-06-22 16:26:00
  • 258:

    ◆5EJ71eKlNQ



    そう言うとルイはプリクラを私に見せた。

    2006-06-22 16:27:00
  • 259:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「めっちゃ可愛いやろぉ!浅岡優菜チャンってゆうの」

    『浅岡優菜』
    その名前を聞いた瞬間、私の心臓がひどく揺れた。

    2006-06-22 16:30:00
  • 260:

    ◆5EJ71eKlNQ

    プリクラの中で無愛想に立ってニコリともしない女に目をやった。

    これが…私の……姉?

    私を捨てた姉…。

    2006-06-22 16:36:00
  • 261:

    コアラ

    しおリ?

    2006-06-22 17:39:00
  • 262:

    名無しさん

    しおり?

    2006-06-22 17:46:00
  • 264:

    名無しさん

    全然話が噛み合わないんだけどそう思ってるのは折れだけ?

    2006-06-23 02:40:00
  • 265:

    名無しさん

    俺だけと思う。最初からよんでる?

    2006-06-23 03:17:00
  • 266:

    名無しさん

    >>306
    噛み合ってくるんワこれからゃん?ぁせらず行こーゼ??

    2006-06-23 04:26:00
  • 267:

    ◆5EJ71eKlNQ

    皆様書き込みありがとうございます。噛み合わないデスよね(*д*)すみません。

    2006-06-23 14:59:00
  • 268:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>302〜。

    私は初めて見る実の姉を長い時間見つめていた。

    「めめどしたん?ルイ指名やから行ってくるねぇ」

    2006-06-23 15:01:00
  • 269:

    ◆5EJ71eKlNQ

    あまりに突然の事で私の頭は空っぽになった。

    何も考える事さえ出来ず、ただただ心臓だけが強く動いていた―――。

    2006-06-23 15:03:00
  • 270:

    ◆5EJ71eKlNQ

    世間の狭さに唖然としながら淡々と仕事をした。

    常連客の『香山さん』が今日も私を指名してくれた。

    この人は指1本私の体に触れない少し変わった人だ。

    2006-06-23 15:05:00
  • 271:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「香山さんこんばんわ。いつもありがとう」

    彼の隣に腰かけ、ニッコリ笑った。

    「めぐなチャンおはよう。今日は話あるねん…」

    2006-06-23 15:06:00
  • 272:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「何ぃ?」

    語尾を伸ばすのは、普段の私ではない事を確認するため。そうしないと笑顔さえ作れないから…。

    「俺…めぐチャン好きやねん」

    2006-06-23 15:07:00
  • 273:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「めぐも香山さん大好きですよぉー。優しいし紳士でぇ〜」

    「ありがとう。でも俺本間に好きやねん。…付き合って」

    2006-06-23 15:08:00
  • 274:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「それはぁ…。めぐ赤ちゃんいてるんですょ。」

    私は話した。シングルマザーになった事を。彼は黙って聞いたあと、意外にもこう言った。

    2006-06-23 15:09:00
  • 275:

    ◆5EJ71eKlNQ



    「俺が愛菜チャンも優愛チャンも幸せにするから」

    2006-06-23 15:10:00
  • 276:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ここで私は最低な決断をした。

    香山さんと一緒になれば、優愛も幸せで私も風俗を辞めれる。ずっと優愛とおれる…。

    彼を使おう。幸せになるために。

    2006-06-23 15:12:00
  • 277:

    ◆5EJ71eKlNQ



    「はぃ。よろしくねぇ」

    2006-06-23 15:12:00
  • 278:

    ◆5EJ71eKlNQ

    初めて彼に抱かれた。
    彼の胸に顔を埋めながら、未来の幸せを思い浮かべた。

    『優愛。ママがあなたを守るからね。』

    2006-06-23 15:14:00
  • 279:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その日私は店を辞めた。

    優愛を連れて香山さんの家へ帰った。

    香山さんは会社を経営していて、とても贅沢な暮らしをしていた。

    2006-06-23 15:16:00
  • 280:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ひと月も経たない内に籍を入れた。

    私は、愛のない幸せを手に入れた。

    2006-06-23 15:17:00
  • 281:

    ◆5EJ71eKlNQ

    半年後―――。

    愛菜18歳。優愛1歳。

    2006-06-23 15:18:00
  • 282:

    ◆5EJ71eKlNQ

    優愛を連れて晩御飯の買い物に出かけた。

    着信【ルイ】

    2006-06-23 15:19:00
  • 283:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私はルイからの着信を無視した。

    しかしけたたましく鳴る携帯は一向に止む気配がなく、仕方なく出る事にした。

    「はい…」

    2006-06-23 15:20:00
  • 284:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「めめ〜!久しぶり。元気?今から逢お」

    懐かしさもあり、私は家にルイを呼んだ。

    2006-06-23 15:21:00
  • 285:

    ◆5EJ71eKlNQ

    子供のヒナを連れてやって来たルイは、いきいきしていた。

    「ルイねぇ、店辞めたねん。これからは昼職だけでヒナと頑張るの。今日はその報告に来たのー。」

    2006-06-23 15:24:00
  • 286:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「良かったね。ヒナチャン。ママを守ってあげてね。」
    私がそう言うと、ルイは悲しそうな顔をしながら私に言った。

    「前さぁ、ゆっチャンって子の話したこと覚えてる?」

    2006-06-23 15:40:00
  • 287:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「あぁ、うん。覚えてるよ…なんで?」

    「……わかってるやろ?ゆっちゃんは…めめのお姉ちゃんやねんょ」

    「………」

    2006-06-23 15:41:00
  • 288:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ゆっチャンねぇ、本当にめめの事…愛してるねんょ。いつも言ってたょ。私には愛菜ってゆう妹がいるって…」

    「………」

    2006-06-23 15:42:00
  • 289:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ルイすぐわかった。めめの事って…。愛菜って名前もやし、何よりふたりはそっくりやねん。声も顔も笑い方も…。こんなに似てる姉妹なんてそういないよ」

    「……ルイは何が言いたいの。」

    2006-06-23 15:45:00
  • 290:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は姉の存在を心から消していた。
    姉なんて初めから居なかった。
    私には…家族なんて優愛だけだから。

    2006-06-23 15:46:00
  • 291:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ゆっちゃんね、3日前から仕事に来ないの。」

    「…へぇ。私には関係ないょ。優菜って人の事なんて」

    「めめ!!いい加減スナオになりぃや。…血つながった姉やろ?」

    2006-06-23 15:49:00
  • 292:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ルイは泣き出した。

    そして1枚のメモを私に渡した。

    「これゆっチャンの住所やから!優愛チャンはルイが見てるから…行ったげて。。お願い。」

    2006-06-24 13:10:00
  • 293:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は複雑な気持ちで胸がいっぱいになった。

    いまさら行って何になるの。

    本当に逢ってもいいの…

    2006-06-24 13:11:00
  • 294:

    ◆5EJ71eKlNQ



    とりあえず家を出た。

    2006-06-24 13:11:00
  • 295:

    ◆5EJ71eKlNQ

    タクシーに乗った。

    「ここにお願いします」

    運転手にメモを渡し、目を閉じた。

    2006-06-24 13:12:00
  • 296:

    ◆5EJ71eKlNQ

    優愛の顔が浮かんだ。

    姉に…優菜に、娘を見せてあげたかった。

    そこらじゅう歩いてる仲良さげな姉妹。

    2006-06-24 13:14:00
  • 297:

    ◆5EJ71eKlNQ

    いっぱい笑っていっぱい喧嘩もして…だけど『血』が解決してくれる。

    私はそんな姉妹に憧れていた。

    今からでもまだ間に合うなら…

    2006-06-24 13:15:00
  • 298:

    ◆5EJ71eKlNQ



    色んな話をしよう。自己紹介はいらない。

    …姉妹だから。

    2006-06-24 13:17:00
  • 299:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「つきましたよ」

    運転手の声。お金を置き、開いた扉から駆け出した。

    茶色いコンクリートの大きなマンションが私を緊張させた。

    2006-06-24 13:19:00
  • 300:

    ◆5EJ71eKlNQ

    姉の住む部屋に向かうためエレベーターにのり『7』のボタンを押す。

    えらくゆっくり進むエレベーターのおかげで、いくらか動悸も落ち着いた。

    2006-06-24 13:20:00
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