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明日への後悔
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1:
柚子
あの日、後悔をしたから今がある
貴方も私も、あの日はもぅ無いけど今がある
沢山の人に囲まれて思い出す過去はどれもこれも綺麗すぎて、悲しい
後悔が明日へ繋がる様に、そう信じて悲しい過去を思い出してみる2006-01-29 00:24:00 -
101:
柚子
これで終わるの?
これで私とすばるは終わってしまったの?
ぬるくなったコーヒーを音をたててすする誠汰朗を前に、私は動揺する心を隠せずにいた2006-01-31 12:48:00 -
102:
柚子
嫌いなんだからもういいじゃん。
違う、スキだった時もあった、24時間すばるで構成されていた日も
どんなひどい扱いをされても、騙されていてもすばるがいなくなる事なんて考えられない。
彼がいなくなったらどうやってそれを埋めればいいの?どーしたら…2006-01-31 12:50:00 -
103:
名無しさん
リアルタイムやぁ?頑張ってなぁ??めっちゃおもしろい?
2006-01-31 12:53:00 -
105:
柚子
「アンタは…ゆなは彼女なん?」
誠汰朗は、タオルを押さえていた私の手の上から自分の手を重ね、今にも泣きそうな私の顔を覗き込んだ
「ただの色彼…」
そう答えたら涙が込み上げてきた2006-01-31 13:02:00 -
106:
柚子
本当は分かってた
たったの一度もすばるの彼女だった事はないって…
自分を隠し、いい客を都合のいい女を演じた私
バカらしい女。情けない女。2006-01-31 15:17:00 -
107:
柚子
涙がでる程好きなまま何も捨てられない私は、失うのを恐れて本当に愛を無くしてしまった
分かり切っている偽物にすがりついて、『嫌いなのに捨てられない』なんて矛盾が渦巻いてる
ねぇ、あたしはすばるの何だったの?2006-01-31 15:23:00 -
108:
柚子
━誰かの優しい腕の中━
私はすばるの中のただの一人で、すばるは私の中のたった一人だった
同じ一人なのにこんなにも違うんだな2006-01-31 15:25:00 -
109:
柚子
誠汰朗のあったかい腕に抱かれながらそう考えていた。
いつの間にか泣きそうな私は、誠汰朗に抱き締められていてそんな優しさにつられて吐き出した言葉
「アタシ…すばるがまだ好きなんだよ」
そう小さく呟いて、溢れてくる涙が零れない様に上を向いた2006-01-31 15:29:00 -
110:
柚子
誠汰朗の左頬はまだ少し腫れていて、私の頬を伝いその熱を鎮めつつあった。
この痛みは私が一番分かってるのに…ね
「すばるさんがうらやましい」2006-01-31 15:32:00 -
111:
柚子
急に誠汰朗はそう言って、私を抱き締める手に力を入れた。
「なぁ、俺にもそうやって思ってくれる子が居るのかな?」
顔は見えなかったけど悲しい声だった2006-01-31 15:33:00 -
112:
柚子
「いるんじゃない?セータロー優しいし」
そう言って私も抱き締め返す。
馴れ合いだって分かってる。この人だってホストなんだと分かってる。
だけど今はこの馴れ合いに溺れたかった、ずるい女2006-01-31 15:37:00 -
113:
柚子
私の肩に顔を埋め
「セータロウ君振られちゃったのよ」
誠汰朗は、そう話しだした。
「もーマジで疲れたわ。嘘や見栄に振り回されてさぁ。アンタはすばサンが好きで、きっとあの人がホストじゃなくても好きなんだろうと思う。だけど俺は、ホストとしてしか愛して貰えない。ホストじゃない俺はどこにも居ないんだよ」2006-01-31 15:38:00 -
114:
柚子
抱き締め合ったまま、狭い部屋でヒソヒソと語られる話。
それは誠汰朗の作り話しかもしれないし、仕事用のネタなのかもしれない
だけど例えばそうだとしても、私は彼の迫真の演技に感謝をした
誠汰朗は優しい。まだもう少しだけ、都合のいい客を脱ぎ捨てていたい2006-01-31 15:41:00 -
115:
柚子
そんな私の願いも虚しく、その静かな空間を打ち壊したのはやっぱり、すばるだった。
「アタシの携帯…かな?」
机の上に置き去りにされ、不機嫌そうに唸る携帯。
私は、彼の腕の中でそのぬくもりと優しさをヌクヌクと奪いながら彼を見上げた2006-01-31 15:43:00 -
116:
柚子
「やーだぁ!コッチも鳴ってるじゃん!!すばるサンの携帯勝手に取ったのバレたかも(笑」
1分前の真面目な誠汰朗は跡形もなく消え、ふざけながら片手で携帯を取出しそう言った
「勝手にッテ…アンタ。すばるだったらどーしよ?」
私はまだ彼の膝の間にスッポリと納まったまま、開けない携帯と誠汰朗を見比べた2006-01-31 15:56:00 -
117:
柚子
誠汰朗は何を思ったのか、彼を見上げている私にキスをしてニッコリ笑った
「電話出て、セイタロー君に乗り換えたって言いなさいよ。あっ!アタイはビシッと謝ったダケだから、すばサン、ゆなには怒ってないと思うよ?」
そう早口で言って立ち上がり、自分の携帯を手にベランダに出て行った
状況把握に30秒間を費やし、その後軽い殺意を覚えた2006-01-31 16:01:00 -
118:
柚子
涙に謝れ、後悔を取り消せ、そして私の唇を返してくれ
ガラス窓の向こう、携帯片手に私に手を振っているバカが一匹。
あのスーツが憎い、あのキンパツが憎い、あのお調子者が憎い…
ベランダを見下げる奴の背中を突き飛ばしてやりたい衝動に駆られた2006-01-31 16:04:00 -
119:
柚子
そう恨みがましい目で怨念を送りつつも、携帯を開く勇気をくれたのは誠汰朗だと分かっていた
ねぇ誠汰朗…今ならきっとがんばれるよね?2006-01-31 16:08:00 -
121:
柚子
━トライアングル━
勇気を出した結果は散々だった。すばるからのメールを開くと
―今から家行くわ―
たった7文字の電子文字が残されていた。ん?どこに行くって?2006-01-31 23:26:00 -
122:
柚子
―ピンポーン
抜群のタイミングで鳴り響くインターフォン
ゆっくり振り返ると、電話を終えコーヒーをすするバカが平然とソファーに座っていた2006-01-31 23:28:00 -
123:
削除削除されますた
あぼ~ん -
124:
柚子
携帯にはすばるからの着信。
こりゃぁ、まずいな…と気付いた時には、もう遅かった
「すばサン?そーいや、さっき似た人がベランダから見えたわ」
誠汰朗が私の隣に立ち言った2006-01-31 23:35:00 -
125:
削除削除されますた
あぼ~ん -
126:
柚子
居留守使おうかな…そんな事を考えている私を気にもせず、誠汰朗はオートロックを解除した
―ピッピ、ガチャ
「どーぞー入ってぇー」
そう言ったのはもちろん誠汰朗だった2006-01-31 23:46:00 -
127:
柚子
「お迎えに行ってきます」
と私に敬礼のポーズをとり、それから玄関へ走って行った。
「どーなん、それ…」
諦めというより観念して、ため息混じりに玄関につぶやいた2006-01-31 23:50:00 -
128:
名無しさん
「ゆなぁー、すばサンだよーん」
そう言って並んだ二人は、称して不機嫌王子と元気なバカ
「何してたん、コイツと」
低い声で王子は、気まずそうに笑う私と誠汰朗を交互に睨み聞いた2006-02-01 00:00:00 -
130:
柚子
「事情を…話に来てくれて、…話を…して、ました。」
そう答えた私を、納得できないと言う顔で睨むすばる。
誠汰朗と言えば、さっさとソファーに座り、部屋に置いてある雑誌をパラパラとめくり、ヘヘヘと笑っていた。
「…で、お前いつまでおるんよ」2006-02-01 10:59:00 -
131:
柚子
不機嫌王子の怒りの矛先は誠汰朗に向けられる
「後から来た奴が、偉そーに」
態度を一変させ、なぜか誠汰朗まで不機嫌になってしまった2006-02-01 11:02:00 -
132:
柚子
―挑発しないでよ
顔の前で手を合わせ、困った様に誠汰朗に見つめた2006-02-01 11:04:00 -
133:
柚子
「二人で話し、させて?」
紅茶を二つ、テーブルに置いて無言を打ち破ったのは私。
紅茶の湯気が揺れ、私の心も揺れる。
覚えてる?このティーカップはすばると買いにいったんだよ?2006-02-01 11:08:00 -
134:
柚子
立ち上っては消えてゆく紅茶の湯気の様に、私の心も消えてなくなってくれ。
神様なんて居ない…と分かってはいても、そう祈らずにはいられなかった
一度は打ち破ったはずの沈黙は、この奇妙なトライアングルに再び襲い掛かっていた2006-02-01 11:17:00 -
135:
柚子
午前4:00
誠汰朗はソファーから立ち上がったのは、置時計が四時の時報を知らせた時だった。
すばるの前に置いた紅茶を一気に飲み干し、口を開く
「玄関まででいい、送って」2006-02-01 11:27:00 -
136:
名無しさん
http://01.xmbs.jp/kasegijgm/
2006-02-01 11:32:00 -
137:
柚子
誠汰朗は私にそう言って、誇らしげに笑ってたすばるを見下ろす
「タクシー呼ぼうか?」
玄関のドアを開ける誠汰朗の背中に小さく聞いた2006-02-01 11:33:00 -
138:
柚子
「外で待ってる」
「寒いから」
「どっか入るよ」
「今日も仕事でしょ?」2006-02-01 11:34:00 -
139:
柚子
「休むもん」
「でも…」
「でもじゃない」
―バタンッ…2006-02-01 11:35:00 -
140:
柚子
「でも…」
閉まってしまった扉に、もう一度呟いた
かわいい誠汰朗の笑顔はどこにもなくて、その時グッと胸が痛くなったのを覚えてる2006-02-01 11:39:00 -
141:
柚子
━俺のココロ━
「何やってんだ…俺」
テーブルに俯せ、一人呟く。ゆなの家の傍にあるマンガ喫茶の一室だった2006-02-01 11:45:00 -
142:
柚子
彼女と出会った日、佐奈と別れた日だった。
「せーちゃんの優しさは偽物だよ」
それが最後の言葉で別れだった
好きかどーかも分からないまま、一ヵ月で終わってしまった恋2006-02-01 11:46:00 -
143:
柚子
―アンタが俺の事好きやって言ったんやん…
俺だって好きになろうとしてた、偽物で何が悪い。
ホストと言うだけで嫌いになる女が居て、ホストと言うだけで好きになる女が居て。俺はいつもそこには居なかった2006-02-01 11:50:00 -
144:
柚子
何だってした、偉くなるために。
その犠牲になったのは俺の毎日
疲れて眠るだけの日々を過ごしながら、愛を水で溶かして薄っべらにしてしまった俺は、何も分からなくなっていく
愛ってなに?誰のもの?どこにあって、どこに行く?2006-02-01 12:00:00 -
145:
柚子
苛立ちの中でも、仕事に行かなきゃいけない自分にまた腹がたった
1月4日、午前7:102006-02-01 12:08:00 -
146:
柚子
「セータロー全然連絡くれないじゃーん!」
「マジで!?メアド間違ってんじゃない?それ(笑」
「間違ってねぇーよ!(笑」
優が大口でバカそうに笑う2006-02-01 13:12:00 -
147:
柚子
気ィ狂いそうだった
ドリンク一本で、いつまで居る気だよ
そう思いながらも笑顔を作る
しばらくしてから席を立ち、バックヤードの暇そうな新人に声を掛けた2006-02-01 13:14:00 -
148:
柚子
「優の席、ヘルプでチェック釣り上げて。るぅ君だっけ?お願いできる?」
ハイ。と答え、るぅはフロアーに出て行く。
ホントに息つく暇もない2006-02-01 13:17:00 -
149:
柚子
「道が分からん」
そう不機嫌な声で電話してきた新規2名席を、柱の影覗いた
淋しそうに笑い、つまならそうに酒を飲む女がそこにいた2006-02-01 13:19:00 -
150:
柚子
寒空の中、ワザワザ下まで迎えに行ったのに不機嫌な女は勝手に店に入って行った。
その時俺に
「寒い中ありがとう」
とまだマトモな対応をした方の女だった2006-02-01 13:21:00 -
151:
柚子
━俺に似てる
彼女を見てそう思った。
何が悲しいんだ?そう感じさせるはしゃぎっぷりだった2006-02-01 13:23:00 -
152:
柚子
手を握った時。
ゆなの手を捕まえた時。その手があまりに冷たくて、迷信を確かめたくなった
―冷たい手の持ち主は、ココロがあったかい―ってヤツ2006-02-01 13:25:00 -
153:
柚子
俺に指名を決めた時
ボトルを卸すと騒いだ時
まるで心が何処かに奪われた様に笑っていた
なぜか分からない…ただ君が自分に重なって見えたから、俺を知りたくて君に近づいた2006-02-01 13:30:00 -
154:
柚子
翌日―午後11:25
まだ開店前の店に従業員が集まり始める。
「るぅは無欠かよ」
その集団を覗き、ぼやく俺。2006-02-01 13:33:00 -
155:
削除削除されますた
あぼ~ん -
156:
柚子
昨日の不機嫌女は意外な程金を使い、るぅを喜ばせた。
―余裕ぶっこきやがって…続くようなら注意しなきゃな
「Dですか?何もないと思いますけどぉ?」
るぅへの苛立ちを体の底に押し込み、代表の質問に答える2006-02-01 13:49:00 -
157:
柚子
「すばるって知ってんの?女取られたとかなんとか…」
自慢じゃないけど取ってないです。すばる…すばる…?
「あー、昨日の新規の!」
ゆなの口座の名前が確かすばるだった。と思い出した2006-02-01 13:50:00 -
158:
名無しさん
頑張って下さい?
楽しみにしています?2006-02-01 14:19:00 -
160:
柚子
「やっぱお前じゃーん!店いいから、セータロー行って片付けて来い。絶対モメんなよ?あっ、偉いサンらしいから、敬語使ってね」
そう言って代表は、さっさと奥へ引っ込んでしまった。
「俺だって役職やん…」
相変わらずぼやきながら、うだうだとタクシーに乗り、るぅの家に向かった。ホントねみーよ2006-02-01 16:08:00 -
161:
柚子
るぅの部屋は寿司詰め状態で、黒服の恐いお兄さん達が何やらモメていた。
その中でも一際、威張り散らしていたのがすばるサンだった
「お前がセータロー?」
俺の3、4コ上くらいだろうか?そいつは玄関に立っている俺に、眉を潜めそう言った2006-02-01 16:09:00 -
162:
柚子
「ですけど?」
代表に言われた通り敬語を使う
「あの女、俺のエースやからちょっかい出すなよ」
あの女…あぁ、ゆなか?へぇ、エースなんだ。だから何?2006-02-01 16:10:00 -
163:
柚子
「ちょっかいって(笑」
バカにしたような俺がそう言うと、すばるが更に台詞を重ねた
「アイツなぁ、アホやからしばかな分からへんのよ。お前もやってみ?2、3発殴ったらゆー事聞くから」
ニタニタ笑うこいつの顔をぶっとばしてやりたいと思った。まぁ昨日、今日会ったばかりの女にきれてやる事はない、とは思う。だけどもう止まらない2006-02-01 16:17:00 -
164:
柚子
「アホはアンタと違います?ゆなにも選ぶ権利はあるし、オタクは一体何様ですか?って話し。女殴って偉そうにしてんな、ジジィ!!」
正直ジジィは言いすぎた。
そう思った時には俺は、大きな音をたてて床に倒れた後だった。2006-02-01 16:19:00 -
165:
柚子
―ゆな…アンタはこんな奴のドコが好きなんだ
倒れたままそんな事を考えていた
それから、代表を呼び出し主要者以外は解散になった。一応、被害者の俺も残る2006-02-01 16:19:00 -
166:
柚子
「モメんなって言ったのに…。顔腫れてるし、今日は休みやな」
駆け付けた代表にそう言われ、少しヘコんで部屋の隅でうずかっていた俺は、
―着信・ゆな(風俗)
すばるサンの携帯が震えながら、そう点滅するのを見つけた2006-02-01 20:54:00 -
167:
柚子
怒られているすばるサンのまだ着信に気が付いていない。
それをいい事にその携帯を持ってこそこそと外へ出て電話をとった
―ゆなは風俗嬢
少しショックだったものの、そんな事より表示に腹が立つ俺がいたんだ2006-02-01 23:11:00 -
168:
柚子
―「すば君…の携帯…だよね?」
電波の先に俺は居るのに、アンタはどうして、コイツの名前を呼ぶの?
アンタが悲しく笑うのは、コイツのせいなんだろう?2006-02-01 23:12:00 -
169:
柚子
アンタが悲しく笑うのは、コイツのせいなんだろう?
仕事着だろうワンピースから覗く肩に、幾つものアザある事を知った時、俺まで悲しくなったんだ。
ゆなには心がない訳じゃなくて、アイツに取られたままなんだと気付いた日2006-02-01 23:13:00 -
170:
名無しさん
午前8:01
あれから2時間…
マンガ喫茶で寝こけていた俺は携帯を開いた
ゆなからの連絡は…なかった2006-02-01 23:15:00 -
171:
柚子
━独りぼっちのティーカップ━
そんな誠汰朗の心の中も分からないまま、私とすばると向かい合って入れ直した紅茶をすすっていた。
「アイツが好きなん?」
「誠汰朗の事?なんでよ、会ったばっかやん(笑」2006-02-01 23:17:00 -
172:
柚子
「アイツはお前好きなんちゃん?」
「だから何で(笑?」
そんな話しを繰り返していた2006-02-01 23:18:00 -
173:
柚子
―ガチャンッッ
2006-02-01 23:19:00 -
174:
柚子
私はソファーに押し倒され、不自然な態勢ですばるを見上げていた
ティーカップが片方、床へとすべり落ち割れてしまったのが見えた。
絨毯へと滴り落ちる紅茶。
それがまるで私の心が割れた様で、私の流した涙の様で2006-02-01 23:27:00 -
175:
柚子
でも心とは裏腹に
―シミ抜きあったかな。
そんな事を考えていた2006-02-01 23:28:00 -
176:
柚子
「アイツと…やったん?」
嫉妬じゃないと、わかってる。だから苦しい。
「何それ?」
私は呆れたように、上にかぶさったままのすばるに言った2006-02-01 23:30:00 -
177:
柚子
「スグ分かる事やから今のうちに白状してよ」
意地悪な顔。要するにやれば分かるって事でしょ?
「しないから…」
そう言ってすばるの肩を押し上げた2006-02-01 23:31:00 -
178:
名無しさん
―バシンッ
「やましい事あんの?」
左の頬が痛かった2006-02-01 23:34:00 -
179:
柚子
―誠汰朗も痛かったんだろうな
そう思いながら、すばるに抱かれた2006-02-01 23:36:00 -
180:
柚子
私はすばると、何度こうして体を重ねてきたんだろう。
泣きもせず、笑いもせず、喘ぎもせず、ただすばるの下敷きになったまま、ゆっくりと紅茶色に染まってゆく絨毯を眺め
たすけて…誰かタスケテ…
そう叫び続けた2006-02-01 23:40:00 -
181:
柚子
愛のないセックスは嫌
例え嘘でも、薄っぺらな愛でもいいから与えて欲しいと、彼の背中にしがみ付く。
ついさっき抱き締めたばかりの誠汰朗の背中を思い出したら、やっと涙が溢れだした2006-02-01 23:48:00 -
183:
柚子
━消えない染み━
染み抜きはやっぱり見つからなかった。
すばるが帰った後、私は割れたガラスを拾い集め、拭けば拭く程ひろがる染みを何度もこすっていた。2006-02-02 12:57:00 -
184:
柚子
あっ、誠汰朗…―
そう思い出して、まだ少し痛む頬に手を当てた
「ごめん、遅くなって。」そう言って誠汰朗に電話をかけたのは、8:30を過ぎた頃。2006-02-02 12:58:00 -
185:
柚子
「今から会おう」
何度もそう言う彼をなだめ、電話を切ったらまた一人ぼっちになった。
腫れが引くまで誰にも会わない、そう決めていた2006-02-02 12:59:00 -
186:
柚子
すばるの手癖はあみちゃんにも言っていなかった。
―それでいい
カッとなると口より先に手が出る男なんだと諦めたのは、もうずっと昔のこと。
シャワーを浴びて、毛布に包まると地面に吸い込まれるように目をつぶった2006-02-02 13:01:00 -
187:
柚子
と急に、給料を貰ってない事を思い出した。
もう財布は空っぽ、寮の部屋も散らかしっぱなし。
面倒くさいと思いながらも、よっこらせっと起き上がり毛布から這い出した2006-02-02 13:02:00 -
188:
柚子
午前9:01
部屋着にコートを羽織り、帽子を深くかぶってタクシーに乗り込んだ
店長には、寮を片付けに行くから給料を部屋の新聞受けに入れるように頼んでおいた。
これなら誰にも会わなくて済む2006-02-02 13:03:00 -
189:
柚子
部屋を片付け、給料を取り、鍵をポストに入れて無事任務は終了
さっさと帰ろ…
タクシーを拾いに大通りへ向かった2006-02-02 13:05:00 -
190:
柚子
冷えた手で耳を覆ったら少しだけ街が静かになって
―全部夢ならいいのに
そう祈り目を閉じた。
弱くなったな私2006-02-02 13:06:00 -
191:
柚子
「ちょっ…!あれ?ゆなちゃん?」
やばい!!
私は瞬間的にそう思い、後ろも振り向かずに走った2006-02-02 13:07:00 -
192:
柚子
―こんな時に知り合いに会うなんて、まるでお約束じゃないか…
「ハァハァッ…ッ待ってって…」
腕を掴み、息切れしながら追い掛けてきたのは、意外にもスーツ姿のるぅ君だった。
まずそれにビックリし、なんで?と無意識に聞いていた。2006-02-02 13:16:00 -
193:
柚子
「タクシー拾おうと思って…、そしたらゆなちゃん居たから…」
タクシーかぁ、そっか…
「スッピンなのに分かった?」
と意味不明な納得と共に、一応るぅ君にそう尋ねたら「対して変わらんやん」と言って、すぐに「ごめんなさい」と俯いた2006-02-02 13:17:00 -
194:
柚子
それからもう一つ
「昨日は迷惑かけてごめんなさい」
そう言って深く頭を下げた。
昨日…?そういえばるぅ君が発端だったんだっけ2006-02-02 13:22:00 -
195:
柚子
「私は…あんま関係ないし、誠汰朗に謝りなよ」
そう言ってから、少し冷たかったかなと思ったけど、すばるを想うと今でも泣きそうな自分を押さえるのに必死だった。
「でも…」
とるぅ君は続ける2006-02-02 13:25:00 -
196:
柚子
「殴られたんじゃないんですか?」
私を見ながら、自分の左の頬を指差して言った
―頑張れ!私!2006-02-02 13:27:00 -
197:
柚子
「エッ?違う、違う(笑」
そう笑ってから、良い言い訳も思いつかず
「セ-タローさんっすか?」
とまだ聞き続けるるぅ君を通りかかったタクシーに押し込み帰らせた2006-02-02 13:28:00 -
198:
柚子
はぁ…何とかなった。
なったのか?
まぁ、いいや。早く帰って寝よう。
暖房の効きすぎたタクシーの車内は、私の眠気に拍車をかけた2006-02-02 13:29:00 -
199:
名無しさん
???
2006-02-02 13:53:00 -
200:
柚子
午前8:13
満喫を出て、俺はゆなのマンションの下に来ていた。
いい加減寒い。朝はこれまた寒い。
「俺が連絡するって言ったンだっけ?」2006-02-02 16:39:00