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  • 1:

    ◆5EJ71eKlNQ

    許せない人がいる。
    幼かった私の平穏な日々な日々を壊したあいつが…
    15年経った今でも憎い。

    2006-06-10 13:45:00
  • 150:

    ◆5EJ71eKlNQ

    涙があふれてきて、声も出さず泣いた。

    『なんで私いまここにおるんやろう…』

    と、考えたけど全ては自分が招いた事だった。

    2006-06-15 02:50:00
  • 151:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ホテルの真っ白なバスローブを羽織りカバンを持ち、泣きながら部屋を出た。

    着ていた服や下着など探す気にもなれずフラフラとミナミの街に出た。

    道ゆく人々が私を見てた。笑ってる人もいた。

    2006-06-15 02:56:00
  • 152:

    ◆5EJ71eKlNQ

    声をかけてくる人もいた。「きみ大丈夫?」「ヒューヒュー」…当たり前だ。
    バスローブ1枚の女の子が歩いているのだから。

    私は携帯を取り出した。

    2006-06-15 02:58:00
  • 153:

    ◆5EJ71eKlNQ

    午前4時―――。
    着信20件すべてが泰輝で埋められていた。
    プルルル…プルルル
    「……………泰輝」
    「ゆ−な!?大丈夫か!何あってん。お前いまどこや!」

    2006-06-15 03:00:00
  • 154:

    ◆5EJ71eKlNQ

    場所を告げ電話を切った。少しして迎えに来た泰輝は、哀れな私を見て相当驚いた。

    何も喋らず車は走りだした。
    家に着くと、泰輝の部屋に招かれた。

    2006-06-15 03:02:00
  • 155:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「疲れたやろ?寝ぇ」
    私をベッドに運ぶと泰輝も寝転び、私が寝るまでずっと背中を叩いてくれてた。

    こんな優しい泰輝を想うと胸がはりさけそうになった。

    2006-06-15 12:26:00
  • 156:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その日から毎夜、泰輝と一緒に寝た。泰輝の腕の中で眠るのは本当に心地よかった。

    ある日春美が言った。
    「ゆうな。。名字なに?」唐突な質問だった…

    2006-06-15 12:28:00
  • 157:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「た、田中!」
    適当な名字を言うと、春美は不愉快そうな顔で
    「そう…」
    と言った。

    2006-06-15 12:29:00
  • 158:

    ◆5EJ71eKlNQ



    『バレるのも時間の問題』

    2006-06-15 12:30:00
  • 159:

    ◆5EJ71eKlNQ

    数日間私は考えた。

    『罪』と『恨み』について頭がパンクする程考えた。

    そして答えが出た。

    2006-06-15 12:34:00
  • 160:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「泰輝…」
    風呂上がりの濡れた髪にバスタオルを巻いて彼の部屋を訪れた。

    「ちょ、おま!なんちゅ格好しとんねん」

    慌てて目を反らす彼の元へ向かった。

    2006-06-15 13:10:00
  • 161:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ベッドに座ってる泰輝の横に腰掛ける私。

    「なぁ泰輝?」

    「何やねん。ちゅかお前さき服きれや?」

    2006-06-15 13:12:00
  • 162:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「…好き」

    「ぇえ!?」

    「ゆう…泰輝の事すきっ」

    2006-06-15 13:13:00
  • 163:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そう言って私は彼に抱きついた。

    彼は何も言わずに振り返ると、私の肩を抱いてキスをした…。

    そして流れるようにベッドに横たわった。

    2006-06-15 13:16:00
  • 164:

    ◆5EJ71eKlNQ

    1つになるのがこんなに気持ちいいものだなんて知らなかった。

    彼の胸の中で私は枯れる程に涙した。

    そして想った。

    2006-06-15 18:26:00
  • 165:

    ◆5EJ71eKlNQ

    春美だけを責め憎しんで来たが、自分自身はどうなのか。

    泰輝を裏切り、春美までもを裏切った。

    自分こそ憎まれるべき人間ではないのか。

    2006-06-15 18:30:00
  • 166:

    名無しさん

    >>1ー202

    2006-06-15 21:10:00
  • 167:

    名無しさん

    2006-06-15 21:13:00
  • 168:

    名無しさん

    書く気ないなら始めからかくな!

    2006-06-17 17:53:00
  • 169:

    名無しさん

    ちょっと書かんだけでそれは言いすぎなんちゃん。どんなけ心せまいやつやねん

    2006-06-17 20:07:00
  • 170:

    名無しさん

    あたしも楽しみにしてるから、いちいち荒らし入れんのやめろや

    2006-06-17 21:27:00
  • 171:

    名無しさん

    2006-06-17 23:07:00
  • 172:

    名無しさん

    かくな

    2006-06-18 11:49:00
  • 173:

    名無しさん

    ↑スルーで?

    2006-06-18 11:59:00
  • 174:

    ◆5EJ71eKlNQ

    皆様おそくなって申し訳ございません。書く気ないなんてとんでもない、完結させるつもりです。時間がある時にたくさん更新したいので、3日ほど間があいてしまいました。お待たせして申し訳ないです。今日の用事がすんだら更新できると思いますのでお待ちください。

    2006-06-18 15:24:00
  • 175:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>202〜。

    今さらながら、1からやり直そうと思った。

    もう誰も憎まない、憎めない…。

    2006-06-18 23:12:00
  • 176:

    ◆5EJ71eKlNQ



    朝起きると大変な事になっていた―――。

    2006-06-18 23:12:00
  • 177:

    ◆5EJ71eKlNQ

    昨晩の出来事(泰輝とのsex)を思い返しながら、幸せに浸っていた。

    にやけながら1階におりた。

    春美が待つ1階に…。

    2006-06-18 23:17:00
  • 178:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「春美さんおはよう」

    「おはよう浅岡優菜チャン」

    「…え?」

    2006-06-18 23:18:00
  • 179:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「最低やね」

    「…何が?」

    「騙しとったんやね」

    2006-06-18 23:19:00
  • 180:

    ◆5EJ71eKlNQ

    春美はテーブルの上に私の保険証を置いた。

    「なんで持ってるん!?」

    「悪いけど財布みしてもらったわ。」

    2006-06-18 23:21:00
  • 181:

    ◆5EJ71eKlNQ

    昨晩私が泰輝の部屋にいる時に、春美は私の部屋に入ってたようだ。

    「勝手に見んといて」

    「…ゆうなが貴子の娘とはねぇ」

    2006-06-18 23:23:00
  • 182:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「私が貴子の娘やったら何か都合悪い事でもあるん」

    「ほんっま…親も親やし子も子やわ。いやらしい女」

    この人、いやこの人殺しは何を言ってるんだろう。

    2006-06-18 23:25:00
  • 183:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「何がしたくて近付いたの?金か?」

    「金って…。そんなん違うでしょ」

    「じゃあ何!復讐でもするつもりやったん!逆恨みもいいとこやわ」

    2006-06-18 23:27:00
  • 184:

    ◆5EJ71eKlNQ

    全身の血の気が引いた。
    やばいキレる…と思った時にはもう遅かった。

    私は大声で気が狂ったように泣きながら叫んだ。

    泰輝がすぐ後ろにいた事にも気がつかなかった。

    2006-06-18 23:30:00
  • 185:

    ◆5EJ71eKlNQ

    略→泰輝がすぐ後ろにいた事にも気がつかなかった。

    2006-06-18 23:34:00
  • 186:

    ああ〜 続き気になって仕方ない。
    どんどん気になる展開になりそう。
    春美って嫌な女!!完結まで頑張ってね 

    2006-06-19 00:57:00
  • 187:

    名無しさん

    2006-06-19 05:16:00
  • 188:

    名無しさん

    楽しみにしてます更新して〜

    2006-06-19 11:06:00
  • 189:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>223さん>>225さんありがとうございます。

    >>222〜。

    「何がさかうらみやねん!お前がおかん殺したんじゃあ!」

    2006-06-19 13:14:00
  • 190:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「自殺やろが!殺したとか泰輝の前で言うなや!!勝手好んで死んでった奴なんか知るか」

    あぁ、もう無理。こいつには何言っても無駄だ。

    「…もういい。今までお世話になりました、さよなら」

    2006-06-19 13:17:00
  • 191:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そう言って私は自分の部屋に行って荷物をまとめた。

    「おぃ…ゆうな…」

    泰輝が後を追ってきた。

    2006-06-19 13:18:00
  • 192:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「泰輝ありがとう。ゆう本間に初めはあんたの母親が憎くてあんたに近付いてんよ。
    でもな、今は本間にあんたが好きやねん…
    だけどやっぱり無理やねんよ、
    あんたが春美の子って事すらゆうを苦しめるねん」

    2006-06-19 13:21:00
  • 193:

    ◆5EJ71eKlNQ

    言い残して私は『永井家』を後にした―――。

    17歳の夏だった。

    2006-06-19 13:22:00
  • 194:

    ◆5EJ71eKlNQ

    昨夜の泰輝とのsexとは違い、感情のないそれはとても虚しかった。

    ただただ天井の鏡に映る滑稽な男女の性行為を見ながら、気持ちをなくした。

    2006-06-19 13:28:00
  • 195:

    名無しさん

    2006-06-19 14:41:00
  • 196:

    名無しさん

    2006-06-19 14:43:00
  • 197:

    名無しさん

    臨場感溢れるって言うか、読んでると自然に場面が思い浮かびます。更新頑張って下さい

    2006-06-19 17:12:00
  • 198:

    名無しさん

    あたしも続き楽しみにしてますっ??
    ぁげ??

    2006-06-20 00:03:00
  • 199:

    >>236さんありがとうございます。そんな風に言ってもらえると物凄くやる気になります、>>237さんありがとうございます。続き頑張るから見ててくださいね。今日は眠たいので、明日更新します。

    2006-06-20 03:06:00
  • 200:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>233〜。

    それから私は本当によく働いた。そしてそんな日々の中3年ほどの月日が流れた。

    もうすぐ―――二十歳。

    2006-06-20 14:42:00
  • 201:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「はい…」

    「おうゆうな。半年ぶり。今晩2時にあがりなさい」

    「何でですか」

    2006-06-20 14:45:00
  • 202:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「部屋に行くからな。」

    ガチャ。プー、プー。

    何故か私は物凄く寒気がした。仕事に行く気にもなれず、携帯の電源を落としてぼ−っと夜のミナミを眺めていた。

    2006-06-20 14:47:00
  • 203:

    ◆5EJ71eKlNQ



    どれくらい歩いただろうか。

    「ゆ…うな?」 聞き覚えのある声にハッとした。

    2006-06-20 14:48:00
  • 204:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「…泰輝?」

    後ろは振り返らずに答えた。目から涙が流れていた。

    突然抱きしめられた。

    2006-06-20 14:50:00
  • 205:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ハスキーな声…香水の香り…抱きしめ方…ゴツゴツとした手……

    やっぱり泰輝だった。

    泰輝の誕生日プレゼントに私が買ったクロムの指輪が何よりも輝いて見えた。

    2006-06-20 14:52:00
  • 206:

    ◆5EJ71eKlNQ

    静かに振り返ると昔のままの優しい笑顔の彼がいた。

    『キムタク風』とおどけて言っていた茶髪のロン毛が、さわやかに切られていて…『空白の3年間』をまのあたりにした。

    2006-06-20 14:55:00
  • 207:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「優菜。逢いたかった」

    溢れ出る涙を止めることが出来なかった。

    ふたりに言葉などいらなかった。彼の車まで歩いた。

    2006-06-20 14:58:00
  • 208:

    ◆5EJ71eKlNQ

    助手席に座った瞬間、私の腕は彼の首に巻き付いた。
    甘いキスをした。

    「…いい?」彼の不安気な質問に、私はニコッと笑ってまたキスをした。

    2006-06-20 15:00:00
  • 209:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ホテルの部屋につくと、ふたりとも仕事帰りにも関わらずシャワーも浴びずに抱き合った。

    空白の3年間を埋めるように何度も何度も抱き合った。

    2006-06-20 15:02:00
  • 210:

    ◆5EJ71eKlNQ

    目覚めるとまだ朝にもなっていなかった。

    隣で寝ている彼を見つめ、色々と過去を思い返していた。

    2006-06-20 15:03:00
  • 211:

    ◆5EJ71eKlNQ

    幸せなはずなのに胸が痛く苦しかった…。

    ―――『もう戻れない』。

    彼は…世界中の誰よりも憎い永井春美の息子。

    2006-06-20 15:06:00
  • 212:

    ◆5EJ71eKlNQ



    そして彼は…世界中の誰よりも愛しい永井泰輝。

    2006-06-20 15:07:00
  • 213:

    コアラ

    しおリ?

    2006-06-20 18:05:00
  • 214:

    名無しさん

    主さんせつなすぎですね(;_;)これからも頑張って下さい!!

    2006-06-20 20:42:00
  • 215:

    ◆5EJ71eKlNQ

    コアラさん、>>254さん
    ありがとうございます。

    >>252〜。

    2006-06-21 14:56:00
  • 216:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は寝ている彼を見ずにホテルを後にした。



    決心が揺るいでしまうから。

    2006-06-21 14:57:00
  • 217:

    ◆5EJ71eKlNQ



    はぁ。

    2006-06-21 15:04:00
  • 218:

    ◆5EJ71eKlNQ



    でもそんな事いまの私にはどうでも良かった。

    それよりも…

    2006-06-21 15:05:00
  • 219:

    名無しさん

    doragon.ballz4

    2006-06-21 17:27:00
  • 220:

    名無しさん

    hokuto.shinken2

    2006-06-21 17:27:00
  • 221:

    名無しさん

    上の奴は何が言いたいんだ?

    2006-06-22 00:00:00
  • 222:

    ◆5EJ71eKlNQ





    2006-06-22 04:58:00
  • 223:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は愛菜(めぐな)
    今年18歳になったばかりの至って普通の女の子…

    のはずだった。

    2006-06-22 05:00:00
  • 224:

    ◆5EJ71eKlNQ

    日岡家の長女として、物心ついた頃から育ってきた。
    両親は私を可愛がってくれた…中学生までは。

    何故か私は道を間違えてしまった。

    2006-06-22 05:03:00
  • 225:

    ◆5EJ71eKlNQ

    この頃から少しずつ私と私の周りは変わった。

    良くない先輩と仲良くなり、良くない事を平気でしてきた。

    2006-06-22 05:05:00
  • 226:

    ◆5EJ71eKlNQ

    深夜2時――――。
    駅前とはほど遠い田舎の空き地、『いつもの場所』。
    数人のグループで煙草の自販機を荒らした。

    意味なんてない。

    2006-06-22 05:08:00
  • 227:

    ◆5EJ71eKlNQ

    通報により駆け付けた警察に捕まった。

    夜中にも関わらず両親は飛んできてくれた。

    2006-06-22 05:10:00
  • 228:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そんな両親に対し、これっぽっちも悪いと思わなかった。

    しばらくして原付窃盗、無免許運転で捕まった。

    両親は迎えに来てくれた。

    2006-06-22 05:12:00
  • 229:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そしてその後は傷害事件で捕まった。

    家庭裁判所に行った。

    運よく何もならなかった。

    2006-06-22 05:14:00
  • 230:

    ◆5EJ71eKlNQ

    学校は行かなかった。行ったとしても説教されて帰された。

    金髪、化粧、規定外の制服…全てが反抗のかたまりだった。

    2006-06-22 05:16:00
  • 231:

    ◆5EJ71eKlNQ

    見かねた両親は私を鑑別所に入れた。

    あっとゆう間に出てこれた。

    2006-06-22 05:18:00
  • 232:

    ◆5EJ71eKlNQ

    しかし以前の明るい家庭では無くなった。

    私に無関心の両親。平気な顔して私のご飯なんてなかった。おこずかいも…。

    「おかん〜?」

    2006-06-22 05:20:00
  • 233:

    ◆5EJ71eKlNQ

    母を呼んでも無視された。
    「…おとん〜」

    父さえも私を無視した。

    2006-06-22 05:21:00
  • 234:

    ◆5EJ71eKlNQ

    毎日コンビニで食べものを万引きした。

    欲しかったら服や物も万引きした。

    …しまいには、知らない人とsexをしてお金をもらってた。

    2006-06-22 05:22:00
  • 235:

    ◆5EJ71eKlNQ



    感情なんて何ひとつ無かった。

    2006-06-22 05:23:00
  • 236:

    ◆5EJ71eKlNQ

    読者の皆様へ!
    突然話が変わって意味がわからないと思いますが、全てつながるので。読みにくいとは思いますが、どうかご了承ください。また明日更新いたします。

    2006-06-22 05:25:00
  • 237:

    名無しさん

    2006-06-22 06:26:00
  • 238:

    名無しさん

    2006-06-22 13:23:00
  • 239:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>277〜。

    中学を卒業すると、突然両親に言われた。

    「出ていけ」

    2006-06-22 15:05:00
  • 240:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は出ていかなかった。

    すると言われた。

    「お前なんかもらうんじゃなかったわ」

    2006-06-22 15:06:00
  • 241:

    ◆5EJ71eKlNQ



    私は日岡の養女だった。

    2006-06-22 15:06:00
  • 242:

    ◆5EJ71eKlNQ

    小さい時に日岡家にひきとられた事、本当の両親は自殺した事、『浅岡優菜』という姉がいる事…

    全て聞き終えた私は家を出た。

    2006-06-22 15:10:00
  • 243:

    ◆5EJ71eKlNQ



    行くあてのない私は、友達の紹介でキャバクラで働く事になった。

    2006-06-22 15:13:00
  • 244:

    ◆5EJ71eKlNQ

    お客さんの涼と付き合って、涼の家に住みついた。

    愛情は無かった。ただ寝る場所を提供してもらい、お礼にsexをしていた。

    2006-06-22 15:16:00
  • 245:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は彼の子供を身籠った。「涼…めぐ子供できた」
    彼は意外と喜んでくれた。
    「めぐな!産んでくれ」

    初めて彼を愛しく思った。

    2006-06-22 15:18:00
  • 246:

    ◆5EJ71eKlNQ

    日曜の度にふたりで出掛けてベビー用品を買った。

    彼はやさしかった。私の過去を聞いても笑ってくれた。

    「りょう名前なにがいい?」

    2006-06-22 15:20:00
  • 247:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「めぐなと姉ちゃんの名前とって…優愛チャンで!!」

    こんな他愛ない会話に幸せを感じていた。

    2006-06-22 15:22:00
  • 248:

    ◆5EJ71eKlNQ

    妊娠4ヶ月―――。
    深夜。彼が帰って来ない。何度も何度も携帯を鳴らす。…出ない。

    次の日になっても帰ってこなかった。

    2006-06-22 15:24:00
  • 249:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は彼の事を何も知らなかった。探す事も出来ず待ち続けた。

    幸い、援助やキャバのお金は手をつけてなくて助かった。

    父親が消えたまま私は出産した。

    2006-06-22 15:26:00
  • 250:

    ◆5EJ71eKlNQ

    女の子が産まれ、
    『優愛』と名付けた。

    ゆあが産まれて2ヶ月がたった頃、私の全財産が底をつきた。
    産まれたばかりの赤ちゃんを託児所に預け、風俗で働いた…。

    2006-06-22 15:39:00
  • 251:

    ◆5EJ71eKlNQ

    なんとか優愛を育てたかった…ただそれだけだった。
    頼れる人など居なかった。
    お客さんに応じて本番もした。お金がたくさん貰えた。そのお金で優愛と暮らせてる事を情けなく思った。

    2006-06-22 15:47:00
  • 252:

    ◆5EJ71eKlNQ



    『なんで私だけ…』

    わずか17歳の私はひたすら憎んだ。

    2006-06-22 15:48:00
  • 253:

    ◆5EJ71eKlNQ

    優愛の父親を、日岡の両親を、浅岡の両親を、姉を…

    憎んだ。

    憎む事でどうにかやり切れた。

    2006-06-22 15:49:00
  • 254:

    ◆5EJ71eKlNQ

    同じ店で働くルイと仲良くなった。ルイもまた、19歳でシングルマザーだった。

    ルイは子供を実家に預けて昼はショップ店員、夜は風俗嬢をしていた。

    2006-06-22 15:53:00
  • 255:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ルイはよく泣いていた。

    「めめチャン。ルイはねぇ、絶対今年中にヒナ(子供)を連れて帰るの。だからそれまで何があっても絶対頑張るょ…でもねぇ、疲れちゃうよねぇ。」

    こんな風に言ってまた泣いた。

    2006-06-22 16:21:00
  • 256:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ルイはよく私の名前を間違えた。

    「ゆっちゃん」

    「めぐやけど?」

    2006-06-22 16:23:00
  • 257:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「あ〜ゴメン。めめチャン!あんねぇ、めめはゆっチャンにそっくりやねん」

    「ゆっちゃんって?」

    「昼の仕事仲間でねぇ、ルイの大好きな子。愛想なくて笑わないとこと、たまに笑ったらめっちゃ可愛いとこが似てるねんっ」

    2006-06-22 16:26:00
  • 258:

    ◆5EJ71eKlNQ



    そう言うとルイはプリクラを私に見せた。

    2006-06-22 16:27:00
  • 259:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「めっちゃ可愛いやろぉ!浅岡優菜チャンってゆうの」

    『浅岡優菜』
    その名前を聞いた瞬間、私の心臓がひどく揺れた。

    2006-06-22 16:30:00
  • 260:

    ◆5EJ71eKlNQ

    プリクラの中で無愛想に立ってニコリともしない女に目をやった。

    これが…私の……姉?

    私を捨てた姉…。

    2006-06-22 16:36:00
  • 261:

    コアラ

    しおリ?

    2006-06-22 17:39:00
  • 262:

    名無しさん

    しおり?

    2006-06-22 17:46:00
  • 264:

    名無しさん

    全然話が噛み合わないんだけどそう思ってるのは折れだけ?

    2006-06-23 02:40:00
  • 265:

    名無しさん

    俺だけと思う。最初からよんでる?

    2006-06-23 03:17:00
  • 266:

    名無しさん

    >>306
    噛み合ってくるんワこれからゃん?ぁせらず行こーゼ??

    2006-06-23 04:26:00
  • 267:

    ◆5EJ71eKlNQ

    皆様書き込みありがとうございます。噛み合わないデスよね(*д*)すみません。

    2006-06-23 14:59:00
  • 268:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>302〜。

    私は初めて見る実の姉を長い時間見つめていた。

    「めめどしたん?ルイ指名やから行ってくるねぇ」

    2006-06-23 15:01:00
  • 269:

    ◆5EJ71eKlNQ

    あまりに突然の事で私の頭は空っぽになった。

    何も考える事さえ出来ず、ただただ心臓だけが強く動いていた―――。

    2006-06-23 15:03:00
  • 270:

    ◆5EJ71eKlNQ

    世間の狭さに唖然としながら淡々と仕事をした。

    常連客の『香山さん』が今日も私を指名してくれた。

    この人は指1本私の体に触れない少し変わった人だ。

    2006-06-23 15:05:00
  • 271:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「香山さんこんばんわ。いつもありがとう」

    彼の隣に腰かけ、ニッコリ笑った。

    「めぐなチャンおはよう。今日は話あるねん…」

    2006-06-23 15:06:00
  • 272:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「何ぃ?」

    語尾を伸ばすのは、普段の私ではない事を確認するため。そうしないと笑顔さえ作れないから…。

    「俺…めぐチャン好きやねん」

    2006-06-23 15:07:00
  • 273:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「めぐも香山さん大好きですよぉー。優しいし紳士でぇ〜」

    「ありがとう。でも俺本間に好きやねん。…付き合って」

    2006-06-23 15:08:00
  • 274:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「それはぁ…。めぐ赤ちゃんいてるんですょ。」

    私は話した。シングルマザーになった事を。彼は黙って聞いたあと、意外にもこう言った。

    2006-06-23 15:09:00
  • 275:

    ◆5EJ71eKlNQ



    「俺が愛菜チャンも優愛チャンも幸せにするから」

    2006-06-23 15:10:00
  • 276:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ここで私は最低な決断をした。

    香山さんと一緒になれば、優愛も幸せで私も風俗を辞めれる。ずっと優愛とおれる…。

    彼を使おう。幸せになるために。

    2006-06-23 15:12:00
  • 277:

    ◆5EJ71eKlNQ



    「はぃ。よろしくねぇ」

    2006-06-23 15:12:00
  • 278:

    ◆5EJ71eKlNQ

    初めて彼に抱かれた。
    彼の胸に顔を埋めながら、未来の幸せを思い浮かべた。

    『優愛。ママがあなたを守るからね。』

    2006-06-23 15:14:00
  • 279:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その日私は店を辞めた。

    優愛を連れて香山さんの家へ帰った。

    香山さんは会社を経営していて、とても贅沢な暮らしをしていた。

    2006-06-23 15:16:00
  • 280:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ひと月も経たない内に籍を入れた。

    私は、愛のない幸せを手に入れた。

    2006-06-23 15:17:00
  • 281:

    ◆5EJ71eKlNQ

    半年後―――。

    愛菜18歳。優愛1歳。

    2006-06-23 15:18:00
  • 282:

    ◆5EJ71eKlNQ

    優愛を連れて晩御飯の買い物に出かけた。

    着信【ルイ】

    2006-06-23 15:19:00
  • 283:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私はルイからの着信を無視した。

    しかしけたたましく鳴る携帯は一向に止む気配がなく、仕方なく出る事にした。

    「はい…」

    2006-06-23 15:20:00
  • 284:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「めめ〜!久しぶり。元気?今から逢お」

    懐かしさもあり、私は家にルイを呼んだ。

    2006-06-23 15:21:00
  • 285:

    ◆5EJ71eKlNQ

    子供のヒナを連れてやって来たルイは、いきいきしていた。

    「ルイねぇ、店辞めたねん。これからは昼職だけでヒナと頑張るの。今日はその報告に来たのー。」

    2006-06-23 15:24:00
  • 286:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「良かったね。ヒナチャン。ママを守ってあげてね。」
    私がそう言うと、ルイは悲しそうな顔をしながら私に言った。

    「前さぁ、ゆっチャンって子の話したこと覚えてる?」

    2006-06-23 15:40:00
  • 287:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「あぁ、うん。覚えてるよ…なんで?」

    「……わかってるやろ?ゆっちゃんは…めめのお姉ちゃんやねんょ」

    「………」

    2006-06-23 15:41:00
  • 288:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ゆっチャンねぇ、本当にめめの事…愛してるねんょ。いつも言ってたょ。私には愛菜ってゆう妹がいるって…」

    「………」

    2006-06-23 15:42:00
  • 289:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ルイすぐわかった。めめの事って…。愛菜って名前もやし、何よりふたりはそっくりやねん。声も顔も笑い方も…。こんなに似てる姉妹なんてそういないよ」

    「……ルイは何が言いたいの。」

    2006-06-23 15:45:00
  • 290:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は姉の存在を心から消していた。
    姉なんて初めから居なかった。
    私には…家族なんて優愛だけだから。

    2006-06-23 15:46:00
  • 291:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「ゆっちゃんね、3日前から仕事に来ないの。」

    「…へぇ。私には関係ないょ。優菜って人の事なんて」

    「めめ!!いい加減スナオになりぃや。…血つながった姉やろ?」

    2006-06-23 15:49:00
  • 292:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ルイは泣き出した。

    そして1枚のメモを私に渡した。

    「これゆっチャンの住所やから!優愛チャンはルイが見てるから…行ったげて。。お願い。」

    2006-06-24 13:10:00
  • 293:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は複雑な気持ちで胸がいっぱいになった。

    いまさら行って何になるの。

    本当に逢ってもいいの…

    2006-06-24 13:11:00
  • 294:

    ◆5EJ71eKlNQ



    とりあえず家を出た。

    2006-06-24 13:11:00
  • 295:

    ◆5EJ71eKlNQ

    タクシーに乗った。

    「ここにお願いします」

    運転手にメモを渡し、目を閉じた。

    2006-06-24 13:12:00
  • 296:

    ◆5EJ71eKlNQ

    優愛の顔が浮かんだ。

    姉に…優菜に、娘を見せてあげたかった。

    そこらじゅう歩いてる仲良さげな姉妹。

    2006-06-24 13:14:00
  • 297:

    ◆5EJ71eKlNQ

    いっぱい笑っていっぱい喧嘩もして…だけど『血』が解決してくれる。

    私はそんな姉妹に憧れていた。

    今からでもまだ間に合うなら…

    2006-06-24 13:15:00
  • 298:

    ◆5EJ71eKlNQ



    色んな話をしよう。自己紹介はいらない。

    …姉妹だから。

    2006-06-24 13:17:00
  • 299:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「つきましたよ」

    運転手の声。お金を置き、開いた扉から駆け出した。

    茶色いコンクリートの大きなマンションが私を緊張させた。

    2006-06-24 13:19:00
  • 300:

    ◆5EJ71eKlNQ

    姉の住む部屋に向かうためエレベーターにのり『7』のボタンを押す。

    えらくゆっくり進むエレベーターのおかげで、いくらか動悸も落ち着いた。

    2006-06-24 13:20:00
  • 301:

    ◆5EJ71eKlNQ

    『702浅岡』

    ここだ!この扉のむこうに姉がいる。深呼吸をしてベルを鳴らす。

    押す人差し指が震えていた。

    2006-06-24 13:21:00
  • 302:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ………………。

    ……………。

    ………。

    2006-06-24 13:22:00
  • 303:

    ◆5EJ71eKlNQ

    静まりかえったマンションの廊下に機械音が響く。

    【ドンドンドン!】

    必死に扉を叩く。

    2006-06-24 13:23:00
  • 304:

    ◆5EJ71eKlNQ

    すると隣の『701』の部屋から出てきた主婦が言った。

    「浅岡さんならここ何日か帰ってませんけど…」

    せっかく来たんだ。何もせず帰るわけには行かない。

    2006-06-24 13:24:00
  • 305:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は急いでさっきのエレベーターに乗りこみ、1階まで降りた。

    管理人室の窓口に設置されたカーテンのような物を勢いよく開けると、おじいさんがテレビを見ていた。

    2006-06-24 13:26:00
  • 306:

    ◆5EJ71eKlNQ

    「702の浅岡の妹です」
    と言うとすぐに鍵を開けてくれた。

    部屋に入ると、これが20歳の女の子の部屋?というぐらいシンプルだった。

    2006-06-24 13:27:00
  • 307:

    ◆5EJ71eKlNQ

    もちろん姉は居ない。

    待ってたら帰ってくるだろう。と思い、ソファに腰掛けた。

    テーブルの真ん中にきっちり置かれた白い封筒に目をやった。

    2006-06-24 13:29:00
  • 308:

    名無しさん

    2006-06-24 20:04:00
  • 309:

    名無しさん

    続きみたい?

    2006-06-25 15:02:00
  • 310:

    名無しさん

    ぁげちゃおっ???

    2006-06-27 04:33:00
  • 311:

    名無しさん

    早く書いて楽しみにしてます?

    2006-06-27 11:26:00
  • 312:

    ◆5EJ71eKlNQ

    皆様ありがとうございます。今日はゆっくりながらたくさん書くのでお付き合いお願いします。

    >>349〜。

    2006-06-27 12:17:00
  • 313:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その封筒の中身を見て私は心底落胆した。

    『ここにいても姉は帰ってこない』という事実と
    『もしや姉は…』………。
    無気力なまま、姉の部屋を見渡した。

    2006-06-27 12:19:00
  • 314:

    ◆5EJ71eKlNQ

    ベッドの下にある引き出しを開けた。

    木の箱の中を確認して、それと封筒を持って姉の部屋を後にした。

    2006-06-27 12:21:00
  • 315:

    ◆5EJ71eKlNQ

    どうやって我が家に帰ったのかは覚えていない。

    家につくとルイが出迎えてくれた。

    「めめおかえり!」

    2006-06-27 12:24:00
  • 316:

    ◆5EJ71eKlNQ

    優愛を抱っこすると私の涙がこぼれた。

    「めめ!?」

    ルイが心配している…。

    2006-06-27 12:24:00
  • 317:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私は彼女に封筒を渡した。

    彼女は黙って読み出した。
    全部読み終えたのか、声を上げて泣いていた。

    2006-06-27 12:26:00
  • 318:

    ◆5EJ71eKlNQ

    手紙にはこう書いてあった。
    【大好きなおかんへ。

    なぁ…おかん。あれからもう15年やなぁ。。優ハタチなってんで?

    2006-06-27 14:51:00
  • 319:

    ◆5EJ71eKlNQ

    15年のけじめとして、優は貴方に手紙を書きます。

    貴方と過ごした5年はとても短かった。だけど優は覚えてるよ?忘れた事なんてないよ…?

    本間に大好きやったよ。笑顔も匂いもオムライスも。

    2006-06-27 14:55:00
  • 320:

    ◆5EJ71eKlNQ

    大人になった今、優は毎日毎日考えてます。罪について考えます。

    貴方を死に追いやったあいつを私は憎しみ続けてきました。

    一時は許そうと思いました。そのたびに私は苦しみました。

    2006-06-27 14:57:00
  • 321:

    ◆5EJ71eKlNQ

    私には彼女を許す事なんて出来ませんでした。

    でも…彼女の息子を愛してしまいました…。

    彼は私の汚い心を癒してくれました。永井泰輝…彼を本当に愛しました。

    2006-06-27 15:01:00
  • 322:

    ◆5EJ71eKlNQ

    それでも私は、母である彼女を許す事は出来ませんでした。

    一層彼女が憎くなりました。憎んで憎んで…心がボロボロになるくらい憎みました。

    2006-06-27 15:03:00
  • 323:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その時私はわかったのです。貴方の残した『遺書』の気持ちが…。

    このまま生きていても憎み続けるだけ…

    そう残した貴方の言葉は私に深く影響を与えました。

    2006-06-27 15:05:00
  • 324:

    ◆5EJ71eKlNQ

    そして…貴方を憎みました。貴方さえ生きていてくれたら…私は。

    憎しみだけが私を生かせてる。

    …もう終わらせていいかな。おかん。

    2006-06-27 15:17:00
  • 325:

    ◆5EJ71eKlNQ

    人間が生きていく上で一番の罪とは…それは………


    人を憎む事。私は最大の罪を犯してしまいました。

    2006-06-27 15:19:00
  • 326:

    ◆5EJ71eKlNQ

    疲れてしまいました。
    生きる糧である『憎む』事にすら疲れました。

    もう辛い…貴方のところへ行ってもいいですか?

    2006-06-27 15:21:00
  • 327:

    ◆5EJ71eKlNQ

    愛菜…こんな馬鹿な姉を許して。貴方は決して人を憎まないで。私と母のようにはならないで。

    浅岡優菜】

    2006-06-27 15:23:00
  • 328:

    ちぃ

    早く書いてぇ。まぢ気になる?

    2006-06-27 16:04:00
  • 329:

    コアラ

    ???

    2006-06-27 17:08:00
  • 330:

    名無しさん

    2006-06-27 18:36:00
  • 331:

    名無しさん

    あげ

    2006-06-28 08:04:00
  • 332:

    ◆5EJ71eKlNQ

    >>369〜。

    姉はどこへ行ったんだろう。もし…

    死を選んだとしたなら。

    2006-06-28 14:07:00
  • 333:

    ◆5EJ71eKlNQ



    私は。

    2006-06-28 14:07:00
  • 334:

    ◆5EJ71eKlNQ



    あなたを憎みます―――。

    2006-06-28 14:07:00
  • 335:

    ◆5EJ71eKlNQ

    貴方が私に残した最初で最後の『願い』なんて聞かない。

    『人を憎んではいけない』

    と貴方が言うのなら…

    2006-06-28 14:09:00
  • 336:

    ◆5EJ71eKlNQ



    私は貴方を憎みます。

    2006-06-28 14:09:00
  • 337:

    ◆5EJ71eKlNQ

    それが『罪』でも構わない。だって―――――

    憎んで憎んで憎んで…それでも憎み続けたら…

    2006-06-28 14:10:00
  • 338:

    ◆5EJ71eKlNQ



    貴方は私に言いに来てくれるでしょ?

    「人を憎んだらダメ」って教えてくれるでしょ?

    2006-06-28 14:11:00
  • 339:

    ◆5EJ71eKlNQ



    だって私の血の繋がった姉でしょ?もっと教えてよ、大事な事。罪について教えてよ。あんな短い文じゃ伝わらないよ…紙きれなんかじゃ。

    2006-06-28 14:12:00
  • 340:

    ◆5EJ71eKlNQ

    統一されない気持ちのまま、私は木でできた箱に目をやった。

    中を開け、1つ1つをじっくり見た。

    2006-06-28 14:26:00
  • 341:

    ◆5EJ71eKlNQ

    写真…。目が大きく色の黒い今どきの男の子。その人の隣で笑っているのは姉。
    どこか戸惑いさえ感じさせるその姉の目は、妹である私によく似ていて…改めて姉妹なんだ。と…。

    2006-06-28 14:28:00
  • 342:

    ◆5EJ71eKlNQ

    何枚か彼との写真を見るうちに、あぁ。愛し合ってるんだなぁ…なんて場違いに幸せな気持ちにさせられて。
    彼が【永井泰輝】である事を理解するのにそう時間はかからなくて…。

    2006-06-28 14:30:00
  • 343:

    ◆5EJ71eKlNQ

    何枚か見ていく内に、ルイが無理矢理撮ったであろう姉の姿が写っていて。

    驚いたその表情が可愛くて…次の写真にはルイも一緒に写っていた。

    2006-06-28 14:32:00
  • 344:

    ◆5EJ71eKlNQ

    最後の写真は…私の家族。
    すぐにわかった。

    まだ幼稚園くらいの姉がニコッと笑っていて…本当に無垢な子供の頃。

    2006-06-28 14:33:00
  • 345:

    ◆5EJ71eKlNQ

    母は私を抱いていて、姉の手をひいて…これもまた幸せそうに笑っている。

    「お母さん…?」

    記憶にない母の姿。私はこらえきれず泣き崩れた。

    2006-06-28 14:35:00
  • 346:

    ◆5EJ71eKlNQ

    箱には日記のような物が入っていた。

    姉の【想い】がたくさん綴られているそれは…『憎しみ』で一杯だった。

    2006-06-28 14:36:00
  • 347:

    ◆5EJ71eKlNQ

    その『憎しみ』は、ひしひしと私の胸に伝わって…

    私は苦しんだ。

    姉の気持ちが、痛くて。

    2006-06-28 14:38:00
  • 348:

    ◆5EJ71eKlNQ

    日記を読んで姉の全てが分かった気がした。ダレが憎いのか、ナニがあったのか…何故こんなに憎いのか。

    私は泣いた。泣いて泣いて…涙が枯れてもまだ泣いていた。

    2006-06-28 14:40:00
  • 349:

    ◆5EJ71eKlNQ





    2006-06-28 14:40:00
  • 350:

    ◆5EJ71eKlNQ




    2006-06-28 14:40:00
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