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明日への後悔

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  • 1:

    柚子

    あの日、後悔をしたから今がある
    貴方も私も、あの日はもぅ無いけど今がある
    沢山の人に囲まれて思い出す過去はどれもこれも綺麗すぎて、悲しい
    後悔が明日へ繋がる様に、そう信じて悲しい過去を思い出してみる

    2006-01-29 00:24:00
  • 401:

    柚子

    「急にごめん、今店の前に来てるんだけど」
    自分からそう言って、何だか懐かしい気分になっていた。
    最近はいつもすばるに呼ばれて行く事ばかりだったから…

    2006-02-08 19:22:00
  • 402:

    柚子

    「マジで?そんじゃー迎えに行くわ」
    ご機嫌なすばるの声が、まさに嵐の前の静けさの様だった。
    「ゆなから来るなんて珍しいやん。ほんじゃ入ろか!」
    そう言って、笑顔のすばるは私の肩を抱く

    2006-02-08 19:24:00
  • 403:

    柚子

    「入りたくない。‥ここで話すから」
    肩に回された腕を振り解いた私に、すばるは短いため息をついた
    「は?だるいなぁーお前。またあの話し?」
    呆れたような、怒っているようなそんな顔をしていた

    2006-02-08 19:25:00
  • 404:

    柚子

    「もう会わない。家にもこないで」
    何度も繰り返ししてきた話し。
    「またセータロー君やろ?別にええで俺は!セータロー君が困るだけやし(笑」
    そう言ってすばるが私の腕を掴んだ。血が止まるんじゃないだろうかと思う程きつく…

    2006-02-08 19:27:00
  • 405:

    柚子

    「誠汰朗は関係ない。私がすば君と離れたいだけやん。」

    今度は腕を、振り払えなかった。

    2006-02-08 19:31:00
  • 406:

    柚子

    「関係ないならええやん、客取られたって俺が騒げばアイツが迷惑するだけやろ。」
    「卑怯やわッ」

    その言葉とほぼ同時に、すばるの手の平は私の顔へと振り下ろされていた

    2006-02-08 19:34:00
  • 407:

    柚子

    「調子のんなよ?アイツも同じホストやでな。お前は俺に騙されとったらええねん!」
    「…違うかもしれないじゃん!」
    「一緒じゃッ!!」
    2発目はミゾオチ。咳き込んでうずくまっている私を蹴ったのが、確か3発目だった

    2006-02-08 19:37:00
  • 408:

    柚子

    ―どんだけ勇気を振り絞っても、神様は私に味方してくれない。

    冷たい地面から上半身だけをどうにか起こし、すばるを見上げていた

    2006-02-08 19:38:00
  • 409:

    柚子

    ―お願いだから、誰か‥頑張れって言ってよ。

    今が変わってしまう事が恐かった。
    もっとひどくなるくらいなら、今のままの方がマシなんじゃないかとさえこの時は思ったの。

    2006-02-08 19:40:00
  • 410:

    柚子

    「ゆなちゃんッッ!」
    まだ座り込んだままの私に駆け寄り
    「大丈夫?泣いたら駄目やで!がんばれ!」
    そう声をかけたのは誠汰朗ではなくて、神出鬼没のるぅ君だった

    2006-02-08 19:46:00
  • 411:

    名無しさん

    うぉぉぉああ?柚子ー?愛してるぜぇぇぇ?

    2006-02-08 20:00:00
  • 412:

    岡ちゃン

    岡ちゃンゎメンズです(`・ω・´)シャキーン!!俺ゎュックリ静かに暮らしますo(・∀・*(*・∀・)o完結まで頑張って書いてゃ(ノ∀ヽ*)*〃∀)

    2006-02-09 00:20:00
  • 413:

    名無しさん

    2006-02-09 01:03:00
  • 415:

    柚子

    >>413サン
    その愛、つつしんでぉ受け致しますm(__)m愛ってぃいょねッ( ´∀`)
    注:金品の請求は承ってござぃません、御了承くださいませ。

    2006-02-09 11:19:00
  • 416:

    柚子

    >>岡ちゃン
    メンズ報告ぁりがとぅゴザィマス ( ´∀`)そぅですね!ヒッソリ★ズンヤリを人生のテーマに共に頑張りましょぅ((*^∪^*))
    以後「ゃってしまった!」感溢れる作品になって行きますが、完結マデ頑張ります(*′艸`*)

    2006-02-09 11:20:00
  • 417:

    柚子

    「あれ?なんで…」
    そう言ってるぅ君を見たら、彼の視線は既にすばるへ向けられていた

    「すば君、もぅやめてあげて下さい。警察よびますよ」

    2006-02-09 11:22:00
  • 418:

    柚子

    私を道端に座らせ、すばるの前に立つるぅ君は言った。
    「お前は偉そうな口聞くな!」
    そう言って殴りかかろうとするすばるに
    「ちょっ…すばッ!!」

    2006-02-09 11:24:00
  • 419:

    柚子

    そんな光景に私はそう叫ぶしか出来なかった。

    ―カツンッ
    「いってぇ‥お前!」

    2006-02-09 11:25:00
  • 420:

    柚子

    随分マヌケな音を立てて、コンクリートに頭を打ち付けたのは意外にもすばるの方だった。
    それに比べてるぅ君は、何もなかった様にさらっと笑っていた
    「あっ仲間呼びます?そしたら6つも下の後輩に殴られた事ばれますけど…それは‥ダサイよな?」
    そう見降ろされたすばるは、まだ勢いを緩めずに怒鳴り散らした

    2006-02-09 11:27:00
  • 421:

    柚子

    「お前、仕事出来へん様にするぞッ」

    本日二度目のその台詞は、何だかものすごく惨めだった。

    2006-02-09 11:27:00
  • 422:

    柚子


    「え?そんなんできるんですか?」

    そう答えたるぅ君を凝視しながら、私は迂闊にも笑ってしまいそうになった。

    2006-02-09 11:29:00
  • 423:

    柚子

    当のすばるも呆気に取られた様に小さく
    「へっ?」
    と声を洩らしたまま、壊れたカラクリ人形の様にケタケタと音を立てて笑うるぅ君を見上げていただけだった。

    2006-02-09 11:30:00
  • 424:

    柚子

    ━奈央と龍━

    「市民病院までッ!あっ、僕三千円しかないからッ遠回りしたら払えないよ!!」
    るぅ君は、中途半端に立ち上がったまま静止していた私をタクシーに押し込んで、運転手にそう言っていた

    2006-02-09 11:39:00
  • 425:

    柚子

    それから、まだ少し状況を把握できない私に
    「ゆなちゃん…お金もってる?」
    と真剣な顔で聞いてくる彼がやっぱり可笑しくて、私は笑いながら「大丈夫」と言って頷いた。

    2006-02-09 11:43:00
  • 426:

    柚子

    タクシーに乗って10分後…すばるからメールが届いた。
    それは「ごめん」から始まる、長いながい言い訳の様だった。
    使い古されて意味を無くした愛の言葉
    どんなに探しても、見つかりはしない『好き』の2文字

    2006-02-09 11:48:00
  • 427:

    柚子

    そんなメールの影には
    『格好悪くなりたくない』とか『プライドが捨てられない』とかそんな男が見え隠れしていて、
    ―絶対にお前は戻ってくるんだ
    と、そう笑ってる彼が居た気さえした。

    2006-02-09 11:49:00
  • 428:

    柚子

    ―ゆなを離したくない―

    そう締め括られた液晶の上に、小さな水溜まりを作った私の涙。
    ―私は奈央で、すばるが離したくないのは『風俗嬢のゆな』?『都合のいいゆな』?

    2006-02-09 11:51:00
  • 429:

    柚子

    ―読まずに消してしまえば良かった。
    そうすりゃ、すばるに出会った事まで後悔しなくてすんだのに…

    手に取るように分かるすばるの心の内は、私にはまだ苦しかった。

    2006-02-09 11:52:00
  • 430:

    柚子

    「すば君から?」
    俯いて泣いていた私は、るぅ君のその質問にも答えられなかった。
    そんな私を気遣うように、優しい声でるぅ君は「あのさ…」と話し掛けた
    「返事するのは明日まで待ってよ」

    2006-02-09 11:53:00
  • 431:

    柚子


    ―明日?

    2006-02-09 11:56:00
  • 432:

    柚子

    「そぅ、明日!明日になったら泣かずに、それ読めるようになってるから」

    顔を上げると、いつもよりもっともっと優しい笑顔のるぅ君がいた

    2006-02-09 11:58:00
  • 433:

    柚子

    ―そうだといいな。

    何の根拠もないんだけど…ただ単純に、ただ純粋にそう思った。
    るぅ君の優しい優しい手が私の頭に届いた時には、産声をあげる子供みたいに声を上げて泣いていた。

    2006-02-09 12:04:00
  • 434:

    ?柚子ちゃω?ぁみちゃω?

    毎日読んでるょ???
    この時間になるのが楽しみょ?

    2006-02-09 14:20:00
  • 435:

    柚子

    >>?ぁみちゃω?サン
    毎日デスカッΣΣ(゚Д゚!)それゎ?楽しみにして頂きましてぁりがとぅござぃます(*′艸`*)
    今からマタ更新しますね┗(*^∨^*)┛

    2006-02-09 16:15:00
  • 436:

    柚子

    午前8:02
    るぅ君は薄暗い病院の診察室に私を放り込んで
    「少し大げさに診断書書いてよ!色々あるから」
    不機嫌そうなお医者サンにそう言って、ガチャンと扉を閉めた

    2006-02-09 16:16:00
  • 437:

    柚子

    「龍、お前さぁ!診察時間早めてるだけでも有り難く思ってよ!」
    とそのお医者サンは閉まってしまった扉に答え
    「アイツは医者にはならへんな…」
    と今度は独り言の様に言った

    2006-02-09 16:17:00
  • 438:

    柚子

    「龍君…?えっと…お知り合いなんですか?」
    肩の傷と、擦り剥いた膝を見てもらいながら私が聞くと
    「アレ?息子なんよ(笑」
    と恥ずかしそうに答え、ペカペカ頭に手を置いた。

    2006-02-09 16:19:00
  • 439:

    柚子

    ―龍君って言うんだ…。
    あんなに明るい少年でさえ、本名を捨ててしまいたいと思う程の過去があったんだ…
    そんな風に考えて、もしかしたら今でも必死にそんな過去を隠しているのかもしれないと思った。
    「末っ子でね、やりたい放題なんだよ」

    2006-02-09 16:34:00
  • 440:

    柚子

    私の勝手な想像に気付いたのか、るぅ君のパパはそう言って笑った。
    「譲る病院がある訳でもないし、龍の好きな様にすればいいんだけど…医者になるって聞かなくて」
    庭先の世間話の様ににこやかにパパはそう語り、私はただウンウンと笑いながら聞いていた
    正直、どうして私にそんな事を話すのか分からなくて戸惑っていた

    2006-02-09 16:47:00
  • 441:

    柚子

    「なんでこんな話って思ってる?」
    一瞬心を見抜かれたのかと思って
    「いや…そんな事は…ない?です」
    驚いてそんな訳の分からない返事をしていた

    2006-02-09 16:53:00
  • 442:

    柚子

    その時の私のひきつった笑顔が可笑しかったのかパパは少しだけ笑って、次は悲しい顔をした
    「龍はね、お嬢チャンみたいな女の子を救いたいって言ってたよ」
    ―お嬢チャンみたいな女の子…?
    そうやってパパが始めたるぅ君の話は、今の明るい少年からはまるで想像できないものだった

    2006-02-09 17:12:00
  • 443:

    柚子

    「僕はね、彼をどう愛していいのか分からないんだよ」
    そんな言葉に返事を飲み込んでしまった私に、パパは話しを続ける。
    「僕の母親はとても厳しい人でね、今だに僕はあの母親を愛したかどうか分からない。僕自身…愛されていたかどうかも分からない」
    パパが消毒をしていた肩の傷が、少し痛かった

    2006-02-09 17:39:00
  • 444:

    柚子

    「愛し方が分からなくて、今まで龍をほったらかしにしてたんだ。ずっと…無関心な父親だったと思う。おじちゃん情けないやろ?」
    そう悲しい顔のまま笑ったパパは、私の相づちを待たずに
    「龍が君を助けたいと言うなら力になってやりたいんだ」
    とそう言った。

    2006-02-09 17:55:00
  • 445:

    柚子

    それからパパは私にグルグルと包帯を巻き、捻挫や打撲などが大げさに書き込んだ診断書を私に渡した
    「龍はこの紙切れで、君を守ると言ってるんだよ。だったら僕は君を助ける事で、龍の愛したいんだ」
    そう言って笑ったパパは、やっぱりるぅ君と同じ顔をしていた。

    2006-02-09 18:10:00
  • 446:

    柚子

    「龍は…俺より先に愛を探し出したんだな」
    お礼を言って診察室の扉に手を掛けた時、パパは私の背中にそう言った。
    その言葉の意味を考えなかった訳じゃない、ただ考えたくなかった。
    だって…もしもそうだとしたら、私は本当にひどい人間だと思ったから

    2006-02-09 19:41:00
  • 447:

    名無しさん

    柚子はあたしのもんや?

    2006-02-10 06:17:00
  • 448:

    柚子

    >>449サン
    その闘争心しかと受け取りました。ぜひとも私を二等分して戴ければと思う次第でございます ( ´∀`)
    ではただ今より更新いたしますので、ぜひ続きも読んでくださいませm(__)m

    2006-02-10 11:07:00
  • 449:

    柚子

    「あははっ!スッゴイ包帯!ッ!(笑」

    その扉を開けると、私の膝を指差して子供みたいに騒ぐるぅ君がいた。

    2006-02-10 11:08:00
  • 450:

    柚子

    「るぅ君のパパ、お医者さんだったんだね」
    何だか一人で気まずい空気を感じながら、彼にそう聞いたら
    「もうすぐ僕も、お医者さんになるんよ?」
    まるで当たり前かの様にそう真面目に言って、手に持っていた携帯をポケットに押し込んだ。

    2006-02-10 11:09:00
  • 451:

    柚子

    「あっ、コレ…」
    その素振りで、自分が手に持っていた診断書を思い出して彼に差出した。
    「ああ、それゆなチャンのな!今度すば君が来たら、それ見せて『警察いくぞ!』ッテ言ってやりな?あの人結構ヤバいから(笑」
    ―私を守るって‥その事だったんだ…

    2006-02-10 11:10:00
  • 452:

    柚子

    そう分かった瞬間に、打ち消したはずの考えがまた浮かんだ

    ―もしもパパの言葉の様にるぅ君が私をスキだったら…?

    2006-02-10 11:10:00
  • 453:

    柚子

    目の前で「よかったね!」と笑うるぅ君。

    ―私はこの子にすごくひどい事をしているんじゃないんだろうか

    2006-02-10 11:11:00
  • 454:

    柚子

    彼に与えてもらった自由を、私はどうして誠汰朗に使えるの?
    私は自分でも知らない間に、他人を利用して生きていた。
    愛も恋も、るぅ君が独りぼっちで必死に探してきた大切な物をバカにしながら利用していた。
    そして今それに気付かせてくれたのはるぅ君なのに、私には何もあげられない。

    2006-02-10 11:13:00
  • 455:

    柚子

    一層の事、るぅ君を愛せばいいのだろうか…


    そう思った私はやっぱりまだずるい大人。

    2006-02-10 11:13:00
  • 456:

    柚子

    「あのさ…セイタローさんはゆなチャンにあんな事言っちゃってすごく後悔してるんだよ」
    何の前触れもなく突然るぅ君はそう言って、私はそれをただ呆然と聞いていた。

    「僕が…あみの事で問題起こして、そんで二人は仲良くなったんだよね?僕は…キューピットなんだよね?」

    2006-02-10 11:16:00
  • 457:

    柚子

    ―答えられなかった。
    息が、胸が、そして心が苦しくて。

    例えば小さく頷くだけで、私はきっとるぅ君を傷つけてしまうから。

    2006-02-10 11:18:00
  • 458:

    柚子

    そんな事を考えながら、手を持っていた診断書をただ見つめていた。

    その時隣のるぅ君が、小さく短い深呼吸をしたのが分かった

    2006-02-10 11:22:00
  • 459:

    柚子



    「できる事なら最後まで、僕は天使のままでいたい」

    2006-02-10 11:24:00
  • 460:

    柚子

    まだ人気のない待合室にるぅ君の声が響いて、その言葉が空気の中に溶けてしまうのをほんの少し待っていた私。
    「後悔するかもよ?私も誠汰朗も…るぅ君も…」
    そう言いながら彼から目が離せなかった。
    いつもの様に笑っているだけなのに私は…笑い返せなかったんだ。

    2006-02-10 11:25:00
  • 461:

    柚子

    「僕は…自分が産まれた事を後悔した日に、全部置いてきたんだ。あの日に僕は泣いたからもう…ずっと笑ってられる気がする」
    少しだけ曇った彼の笑顔がすぐそばにあって
    「今は?パパの事…嫌い?」
    同じように笑うるぅ君のパパを思い出した。

    2006-02-10 11:30:00
  • 462:

    柚子

    「昔は大嫌いで、とにかく反抗して家飛び出したけど…社会に出たら僕は、診断書の一枚すら書けなくて。ゆなチャンの怪我だって治してあげられない。
    今、それができるパパを今は尊敬してる。あんな風になりたいんだ」
    ―パパの愛はちゃんと龍君に届いてるんじゃん。
    走って行って、パパにそう伝えてあげたかった。

    2006-02-10 11:32:00
  • 463:

    柚子

    でもそれができなかったのは
    「…ゆなチャンを好きになって分かった事なんだけどね?」
    まるで何かのオマケみたいに付け足したその言葉が、私の腕を掴んだから。

    2006-02-10 11:33:00
  • 464:

    柚子

    ―最後まで僕は天使のままでいたい。
    私はその時、そう言ったるぅ君を思い出していた。

    例えこの子を悪魔に変えても、私が愛してあげれば救われるのかな。

    2006-02-10 11:35:00
  • 465:

    柚子

    だけどもう…分かってたよ。

    ―誰かに心を奪われたまんま、優しい腕の中で恋をしてもその優しさを傷つけるだけ。
    それはすばるが教えてくれた後悔

    2006-02-10 11:37:00
  • 466:

    柚子

    だからもう二度と…私や誠汰朗、それにるぅ君にだって後悔はさせたくなくて、
    「ごめん…でもッ、私ね…」
    ―誠汰朗に会いたいんだよ。
    そう言おうとした

    2006-02-10 11:39:00
  • 467:

    柚子


    「うん、頑張ってね!」

    何も言っていないはずなのわたしに、るぅ君はそう答えていた。

    2006-02-10 11:41:00
  • 468:

    柚子

    「いいから行きな?僕ね『ゆなチャンが今から行くからね!』って、メッチャ張り切ってセイタローさんに電話しといたんだから!きっと待ってくれてるよ!!」

    るぅ君はそう話しながら、病院の前に止まっていたタクシーに私を乗せた。
    タクシーの運転手に、誠汰朗の家の住所を伝える彼の心の中が、どんなに傷ついていたかは私には分からなかったけど

    2006-02-10 11:58:00
  • 469:

    柚子

    タクシーが動きだしたその時に
    「ありがとう」
    そう伝えたくてガラス越しに彼を振り返ったら
    手を振っていたるぅ君が、初めて泣きそうな顔をしていたのが見えたんだ

    2006-02-10 11:59:00
  • 470:

    ?

    ?

    2006-02-11 01:07:00
  • 471:

    らいむのしぉり?

    2006-02-11 02:02:00
  • 472:

    名無しさん

    ユズさんいつも読んでるよ?この話好き?頑張れ?

    2006-02-11 11:58:00
  • 473:

    柚子

    >>らいむサン
    しぉり?ぁりがとぅゴザィマス(*′艸`*)中傷なんかに負けず、ここにはマタしぉりつけて下さいね (*^ー^)ノ
    >>474サン
    ぁりがとぅござぃます ( ´∀`)るぅパパの暴走が止められず、一人あせってぉりました(;□;)好きだと言って頂けたらスゴク励みになります((*^∪^*))

    2006-02-11 12:25:00
  • 474:

    柚子

    ━少年のカタチ━
    ―これもいつか、消えてしまうのだろうか?
    ベットにゴロンと転がると、ほんのりゆなの匂いがしてそんな事を思った。
    よくある香水や、彼女の煙草の匂いなんかじゃなくて、いつも飲んでたカフェオレの匂い

    2006-02-11 12:28:00
  • 475:

    柚子

    忘れられない人が誰でも一人はいたりする。
    それが彼女にとってすばるで、俺にとってのゆな…。
    だけど彼女は忘れようとしてくれていて、俺を好きでいてくれて
    わかってる、だから…どうしようもなく孤独なんだ。

    2006-02-11 12:29:00
  • 476:

    柚子

    追い掛けられない俺に、深い後悔と毛布の波が押し寄せる
    ただゼロに戻してやりたかった。
    すばるにすがりつく前の彼女に戻してやりたかった。
    ―「俺ってワガママなのかな…」

    2006-02-11 12:30:00
  • 477:

    柚子

    グチャグチャの毛布の波に飲み込まれ、ミノ虫みたいになった俺が独り言を言った時
    テーブルの上の携帯が鳴った。
    ―ゆな?
    そんな事を思わなかった訳じゃない。

    2006-02-11 12:31:00
  • 478:

    柚子

    だってこの時の俺は、ベットからテーブルまでを歩いた記憶がないくらい、ものすごく緊張していたから。

    ―…よく掛けてこれたな、ホントに。
    ディスプレイを確認して、期待はずれの電波の主に呆れながらも通話ボタンを押した。

    2006-02-11 12:34:00
  • 479:

    柚子

    「今どこですか?」
    唐突にそう切り出したのはるぅで、何だか脱力と言うか、ホッとしたと言うか…俺はそんな気分で、テーブルの周りをクルクルと回っていた。
    コイツが悪い訳じゃない、俺の機嫌が悪いのは自分の決断力のなさのせいだ。
    でもちょっぴり八つ当り…

    2006-02-11 12:35:00
  • 480:

    柚子

    「いまぁ?家や!つーか、お前さぁ無欠、当欠、無断早退!ホント首になるよ?俺助けないからな!」
    まぁ正直コイツは、罰金が売り上げを越えてるらしいよ?
    そんなるぅは俺の説教なんて基本無視。
    自分の用件だけを適切に伝えてくる。

    2006-02-11 12:36:00
  • 481:

    柚子

    「少ししたら、ゆなちゃんそっち行きますから!」
    テーブルの周りをまだ回り続けていた俺の足は、その言葉で止まった。
    「少しって…お前等一緒なん?どこ!?」
    彼女との細い細い糸は、どーにかまだ繋がっている。そんな風に思った。

    2006-02-11 12:37:00
  • 482:

    柚子

    「気になるなら自分で追い掛けりゃぁ良かったんですよ」
    生意気なガキはそう言って笑った。
    「…で、何で?」
    しかしまぁ、もっともな話に少し弱気な俺がいた。

    2006-02-11 12:42:00
  • 483:

    柚子

    「僕が追い掛けたんですぅ。すば君とこに居るって大体分かってたし。だから助けて下さいよ、クビ…」
    「やっぱり…」
    助けるかどうかはこれからの話次第
    ―ゆなはアイツと何をしてたんだ。

    2006-02-11 12:43:00
  • 484:

    柚子

    「勝手に勘違いしないで下さいよ。ゆなチャンはすば君と話付けに行ったんです。結局殴られちゃって…」
    格好悪いのは承知の上で聞いてください。
    「ちゃってってお前助けろよ!」
    なんて男の情けない台詞

    2006-02-11 12:44:00
  • 485:

    柚子

    「助けましたよぉー。本気だせばチョロイもん」
    そう言ってるぅが、フンと鼻で笑ったのが電話越しにでも分かった。
    チョロイそいつに殴られた俺は救い様がない。
    「でぇー病院連れて来てぇー、終わったらぁ、セータローさんち送りまっす!だから俺のクビなしですやん?ねっ?」

    2006-02-11 12:48:00
  • 486:

    柚子

    そんなるぅのふざけた口調を聞いていたら、何だか必死な自分が馬鹿らしく思えてきた
    「努力しますよ…でゆなの怪我は?」
    「自分で確かめて下さい」
    相変わらずの笑っている声だった。

    2006-02-11 12:50:00
  • 487:

    柚子

    言っとくけど俺だって、るぅの気持ちには何となく気付いてた
    じゃなくちゃ、コイツの行動に説明がつかないじゃないか。
    だけどるぅはそんな素振りをちっとも見せたりしないからさ
    もしかしたら勘違いなのかな?…と何度となくそう思っていた訳よ

    2006-02-11 12:54:00
  • 488:

    柚子

    「僕はセイタローさん好きですよ?尊敬できるし…何よりその堅い頭が父親にそっくりで(笑」
    そう言って続ける

    「だから僕は…ゆなチャンを諦めますね」

    2006-02-11 12:55:00
  • 489:

    柚子

    ―そうなんだよな。
    るぅが何かと俺等に絡んでくるのは、ゆなが好きだったから…
    そう考えれば妙に納得できる奇行の数々…

    2006-02-11 12:57:00
  • 490:

    柚子

    いつ好きになったのか?とか
    どこが好きになったのか?とか
    そんな事までは俺にも分からないけど…でも…

    2006-02-11 13:02:00
  • 491:

    柚子

    るぅが朝に晩にこの街をウロウロしてるのは
    ―同じ街に住む誰かに、偶然会おうとしているからなのかな?
    ってそんな風に思って…「ゆなに会った」と俺に電話して来たあの日
    その誰かが『ゆな』だったんだと気付いた

    2006-02-11 13:04:00
  • 492:

    柚子

    でもさぁ…こんな情けない男に、ゆなを譲ってくれたんだよな?
    なぁ、俺はアイツを守れるのかな?
    お前みたいにケラケラ笑いながら、知らん顔で愛せるのかな?
    「なぁ、お前愛してるってカタチ…どんなのか知ってるか?」

    2006-02-11 13:06:00
  • 493:

    柚子

    考えがたまたま台詞になってしまった…と言った方が正しい。
    だけどるぅは知ってる気がしたんだ
    「はぁ…カタチですか?」
    ちょっと不思議そうに言葉を繰り返し、答えたるぅ

    2006-02-11 13:09:00
  • 494:

    柚子

    「そんなんないっしょ!あはは!カタチって(笑!!やっぱ考え方がヤバイよね?23にもなると、やたら哲学に走るんすかねぇー?いやーちょっと恐いなぁ、そんな大人。つーかハゲますよ?セータローさん…。カタチって(笑!!」
    そんなむごい回答が返ってきた。
    人生最大級の悩みを、生意気なガキに「ハゲる」だ「オッサン」だと笑い飛ばされ
    傷心+傷心=すごく傷心な俺

    2006-02-11 13:23:00
  • 495:

    柚子

    そんな傷心ボーイの俺ができる仕返しと言えば…
    まだ笑いが止まらないるぅに
    「クビになると今月の給料出ないらしいーよ」
    と負け惜しみを言って、一方的に電話を切ってやる事くらいだった

    2006-02-11 13:27:00
  • 496:

    柚子

    ―確かにね、心も言葉も愛にだってカタチなんてない。
    だから恐くて俺達は、ちっぽけな指輪や薄っぺらな紙切れで、それを型にはめていくんじゃないか
    小さな頃は友達も恋人も、言葉だけで繋がっていられたのに
    ゴメンナサイと言うだけで仲直りだって出来たのに

    2006-02-11 13:33:00
  • 497:

    柚子

    るぅはカッコよくも、賢くもない言葉で俺とゆなを繋いでゆく。
    愛なんかにしがみつかずに。
    自分なんかにしがみつがずに。
    アイツは小さい頃のまんま、生きているんだろうな

    2006-02-11 13:34:00
  • 498:

    名無しさん

    ?500柚子?

    2006-02-11 17:53:00
  • 499:

    名無しさん

    2006-02-11 18:56:00
  • 500:

    柚子

    俺はもう一度携帯を開き、代表に電話を掛けた。
    ―今日のるぅの早退は俺のにしといて下さい。

    それがるぅへの「ありがと」

    2006-02-11 19:04:00
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