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3Ldkの城・?
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1:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
?は、↓です。
http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1132987687/-52005-12-19 14:05:00 -
100:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「強引なことして‥ごめんな。俺、なんか‥張り切りすぎたっ」
自分のマフラーを彼女の首に通して、彼は恥ずかしそうに目を伏せた。
毛糸に残っている‥わずかな体温。
花は、髪の毛をかきあげ‥彼にピアスを見せた。2005-12-22 12:28:00 -
101:
?チャン?
今初めヵラ一気に読んだょッッ??この小説めたスチなったァ???頑張ってねぇ?完結までずっとぉ供しますぅ?
2005-12-22 15:34:00 -
105:
密子
初めまして☆友達からこのサイトを教えてもらって今、読み終わりました。あまり長い感想はここでは好ましくないみたいですが、本当に面白かったので言わずにいられなくて書いちゃいました(>_
2005-12-23 01:50:00 -
106:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
チャンさん、密子さん、あと読んでくれてる方。本当にありがとうございます。
2005-12-23 15:38:00 -
107:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
花と千草が街でデートをしている頃、陽平は家に帰ってきた。暗い表情のまま、タンスの前に立つ。
カタン‥。
引き出しの奥を見て、彼は唇に力を入れた。
‥手元にある写真は、この1枚だけ。
離婚して、自分に残されたものは‥孤独と屈辱感。2005-12-23 15:52:00 -
108:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
写真立てを持つ手に、怒りがこもっていく。
陽平は、再度‥それを引き出しの奥にしまい込んだ。
そして、テーブル上にあるリモコンを手にし‥テレビをつける。
‥箱の中から流れてくる笑い声。
陽平は、表情を変えることなく‥それを眺めていた。2005-12-23 15:57:00 -
109:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
目とテレビの間に浮かび上がるのは、帰り際‥デートに繰り出した2人の後ろ姿。
陽平は、目を伏せて‥煙草をくわえた。百円ライターが灯す小さな炎が、そっと先端を燃やしていく。
“お前は、どうなんよ?”
白い煙を吐くと、同時に千草の台詞が頭の中に流れる。
陽平は、煙草をくわえたまま‥床に寝転んだ。2005-12-23 16:08:00 -
110:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
ため息をついて、まぶたを閉じる。
“陽平っ”
親鳥からの餌を待つ‥雛のように、純粋な目をする花。2005-12-23 16:12:00 -
111:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
“‥陽平”
彼女の涙は、幼い頃から‥ずっと見てきた。
流さないように‥こらえても、溢れ出す涙は頬を濡らしていく。
強がって‥人に見せたりしない涙を、俺の前では素直に流してた。2005-12-23 16:18:00 -
112:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
“また遊ぼうっ”
1度突き放した俺を、彼女は‥優しく受け入れてくれた。
その日から、俺は“幼なじみ”として‥花を守り続けることを決意する。
もう2度と‥中途半端な手は差し伸べないことを誓って。2005-12-23 16:25:00 -
113:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
恋愛感情なんか‥持つ必要はない。
その方が、絶対いい。
“幼なじみ”という関係は、何年経っても‥崩れたりはしないから。
下手に恋愛へと踏み込めば、きっと‥花は涙を見せたりしなくなる。
彼女の唯一の逃げ場として、俺は存在したいから。2005-12-23 16:30:00 -
114:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
“陽平、聞いて聞いて”
“陽平っ‥”
“もぉー!陽平のアホ!!”
部屋中に広がる白い煙を、彼はぼんやりと眺めていた。2005-12-23 16:40:00 -
115:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
嬉しそうに‥駆け寄ってくる姿。
今にも泣き出しそうな顔で‥名を呼ぶ声。
からかうと、彼女はいつも‥頬を膨らませて怒る。
「‥うるさい」2005-12-23 16:47:00 -
116:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
陽平は、煙草を灰皿に擦り付け‥目を閉じた。
だが、彼女の面影は‥まぶたの裏に焼き付いている。
陽平は、決意とは裏腹な感情に狂いかけていた。2005-12-23 16:50:00 -
117:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「‥俺には、恋愛してる余裕なんか‥ないねん」
彼は、自分に言い聞かすかのように‥つぶやき続けた。
俺には、恋愛よりも‥せなあかんことがある。じゃなきゃ、ここに住み続けてる‥意味がない。
余計な感情を捨てるために、陽平は前髪をきつく掴み‥歯を食いしばっていた。2005-12-23 17:06:00 -
118:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「おいしいっ!」
細長いスプーンを持ちながら、満足げにニカッと微笑む花。
「そんなんばっか食ってるから‥ブクブク太るんやでぇ、はなぶぅ」
彼女の笑顔をクスクスと笑いながら、千草はホットコーヒーを静かに飲む。
2人は、宝石店の近くにある‥飲食店に足を運んでいた。2005-12-23 17:16:00 -
119:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
テーブルの上には、先に平らげた料理の皿が‥数枚並んでいる。
「太ったら、ダイエットすればいい話やん」
生クリームをすくったスプーンを口に放り込み、花はツーンとした顔をした。
「じゃあ、今ダイエットせなあかんやん。パフェとか食ってる場合ちゃうで」
余裕を見せる彼女に、千草は皮肉を口にする。2005-12-23 17:27:00 -
120:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「うるさい!」
ムゥっと口を尖らせ‥膨れる彼女。
コロコロと表情を変える彼女に、千草はケラケラを笑い出した。
花は、ブツブツと文句をこぼしながらも‥パフェを頬張っている。2005-12-23 17:37:00 -
121:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「怒んなって、機嫌直せよっ。冗談やん」
視線がかち合うと、花は頬を膨らませて‥プィッと顔を背ける。
千草は、クシャッと笑顔を作り‥機嫌を取った。
彼女は、チラリと彼を見る。2005-12-23 17:56:00 -
122:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「‥チーズケーキ」
にこやかに見つめてくる彼に、花は一言囁いた。
千草は、あごを乗せていたヒジを‥ガクッと倒した。
「まだ食う気!?」
「デザートは別腹やの!」2005-12-23 18:02:00 -
123:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
呆れ果てる千草を無視して、花は店員を呼ぶ。
ため息をつき‥コーヒーのお代わりを頼む彼を眺め、花は口元を緩ませた。
最近、こんな風に‥時間を楽しんだりしてなかったな。
千草とおったら、しんどい気持ちが‥少し楽になった。
憎まれ口を言い合いながら、花は千草の笑顔に癒されていく。2005-12-23 18:13:00 -
124:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
【つづく】
2005-12-23 18:15:00 -
126:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
129サン(TдT)読んでくれてありがとぅ!!今日は頑張って更新しますょ!!!!
2005-12-23 23:27:00 -
127:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
時計の針は、午後11時を表している。
2本の針を眺め、陽平は深く息を吐いた。
テレビの音さえも‥苛立ちを増していく。
彼は、荒々しく画面を黒くした。2005-12-23 23:35:00 -
129:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「ただいまぁ」
長針が“3”にたどり着く頃、笑い声と共に帰宅する2人。陽平は、彼らを迎えることもなく‥手元にある新聞を開いた。
「あ、起きてたん?返事ないから、寝たんかと思った」
リビングのドアを開けた千草は、彼を見下ろし‥声をかけてくる。
陽平は、平然を装い‥軽く返事を交わす。2005-12-23 23:43:00 -
130:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
132サン
ありがとぅ(>д2005-12-23 23:44:00 -
131:
あゆみ
はじめて書き込みするケド、ずっと読んでるょ?読みやすくて、書き方がすごぃ情景が想像できるからハマってます?頑張ってね?
2005-12-24 00:08:00 -
132:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
上着を脱ぐ彼は、幸せそうに笑いかけてくる。
ざわめく‥胸。
陽平は、表情を曇らせた。
「ただいまっ」
夜風で赤く冷え切った頬に手を当て、花がリビングに入ってくる。2005-12-24 00:17:00 -
133:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
あゆみチャン(_
2005-12-24 00:20:00 -
134:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
相当‥楽しかったのだろう。2人は、勢いよく会話を続けている。
陽平の手は、新聞紙にシワを作っていく。
「あ、千草。これ‥ありがとう」
追い打ちをかけるかのように、花は首に巻いたマフラーを彼に手渡した。
その光景を眺める陽平は、ある物を目にし‥目が点になる。2005-12-24 00:26:00 -
135:
名無しさん
しおり
2005-12-24 00:34:00 -
136:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
モヤモヤとした感情が、背後から覆い被さってくる。
たった数時間で、こんなにも近くなって‥帰ってくるなんて。
微笑み合う2人を見つめ、陽平は冷や汗をかいた。
‥付き合ったん?
口には出せない質問が、頭の中をグルグルと回っていく。2005-12-24 00:40:00 -
137:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
139サン(>д
2005-12-24 00:41:00 -
138:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
‥30分後。
「ん?‥どうしたん?」
千草が体を暖めている頃、先に風呂から上がった花は‥コットンを化粧水で濡らしていた。
彼女は、いつもと変わらないジャージ姿で‥髪の毛をお団子に結いでいる。
しかし、どこか楽しげで‥明るい表情が目立っていた。2005-12-24 00:58:00 -
139:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
陽平は、表情を1つも変えずに‥彼女のスッピンを眺めている。
「‥何よ?‥肌荒れてる?」
手前にある鏡に顔を近づけ、花は不安げに問いかけた。
そんな彼女の態度に、陽平は目つきを鋭くする。2005-12-24 01:06:00 -
140:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「似合ってるよ、ピアス」
刺々しく、皮肉を口にする。
「あ‥うん。‥ありがとう」
花は、耳に向けられる視線から逃れるかのように‥目を逸らした。2005-12-24 01:10:00 -
141:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「楽しかった?デート」
気まずそうな彼女の振る舞いが、余計に苛立たせていく。
陽平は、無表情のまま‥質問を投げ続けた。
シーンと静まり返ったリビングでは、逃げ場など‥見つからない。
花は開き直り、彼を見た。2005-12-24 01:18:00 -
142:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「なんやぁ?妬いてんのかぁ?」
彼女は、明るい口調で彼をからかった。ニカニカと歯を見せて、笑いかける。
しかし、視界に映るのは‥真面目な顔。
花は、言葉を失った。次第に、笑顔も乾いていく。2005-12-24 01:26:00 -
143:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
陽平は、鋭い視線で彼女の体を凍らせた。張り詰めた沈黙が、彼女の体に突き刺さっていく。
「マフラーまで借りて、えらい仲良ぉなったんやな」
囁かれる言葉は、彼女の不安を増していく。
「好きになった?千草のこと」2005-12-24 01:37:00 -
144:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
陽平は、震える唇に力を込めて‥問いかけた。
「そんなんじゃ‥」
花は、慌てて否定しようとした。だが、開きかけた唇を‥再び閉じる。
頭の中によぎった‥千草の笑顔。振り向かせようとする‥必死な姿。
花は、視線を落としていく。2005-12-24 01:52:00 -
145:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
戸惑う彼女の姿に、陽平の苛立ちは頂点へと達した。
次の瞬間、彼はテーブルの上にヒジを置き‥身を乗り出していく。
急な彼の行動に、花は驚いて‥動けない。2005-12-24 01:57:00 -
146:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
後頭部に触れる‥大きな手。
近づいてくる‥真剣な顔。
乾いた唇に重ねられた‥柔らかい感触。2005-12-24 02:00:00 -
147:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
‥彼の前髪が、左目を撫でていく。
花は、1度‥まばたきをした。
だが、思考回路は停止し‥何も浮かばない。
2005-12-24 02:07:00 -
148:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
閉じていた彼のまぶたは、ゆっくりと開いた。
そして、まばたきもせず‥静かに唇を離していく。
数センチ離れた距離から、陽平は彼女の顔を眺めた。
花は、一点を見つめたまま‥凍り付いている。
彼は視線を逸らし、リビングを後にした。2005-12-24 02:15:00 -
149:
ぁ?チャン
リァルタイム????初??カキコだぁ???頑張ってね??
2005-12-24 02:16:00 -
150:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
1人‥残された彼女は、呆然とする。
そして数秒後、右手の中指で‥そっと触れた部分をなぞった。
‥キス‥された?
2005-12-24 02:19:00 -
151:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
アーチャン(o^ー^o)ありがとうです!!!!
2005-12-24 02:20:00 -
152:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
状況を把握しようとしても、脳内は混乱し‥はっきりと読みとれない。
彼女は、両手で口を塞いだ。
波打つ鼓動は、急な早さで動いていく。
‥突然のキスに、花の思考は混乱の渦に巻き込まれていた。2005-12-24 02:29:00 -
153:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
【つづく】
2005-12-24 02:32:00 -
154:
きさ
めっちゃ更新されてうれしい???これからどぅなるんかめっちゃ気になる??
2005-12-24 02:49:00 -
155:
闇読者
また、ええとこで
終わっとるがな?(OДO;)
BOOKMARKOK(゚∀゚)ъ2005-12-24 02:54:00 -
157:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
きさサン、闇読者サン、読んでくださっている方々へ。いつもありがとぅです(>∀
2005-12-25 04:49:00 -
158:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
パタン‥。
部屋へと移動した陽平は、閉めたドアにもたれ掛かる。
真っ暗な部屋の中で呆然と立ち尽くし、彼は瞳を閉じた。
自己の突発的な行動は、彼自身も驚いていた。
彼女に触れた唇を前歯でなぞり、荒々しく髪の毛を乱していく。2005-12-25 05:10:00 -
159:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「‥‥何やってんねん、俺は」
今更‥悔やんでも、消すことの出来ない行為。
髪の毛を掴んでいた手のひらは、スルスルとずれ落ちていく。
‥びっくりしていた彼女の顔が、目に焼き付いて‥離れない。
陽平のため息は、六畳一間の闇に吸い込まれていった。2005-12-25 05:39:00 -
160:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「ちょっとぉ‥ちゃんと聞いてくれてますぅ?」
日中‥あくびばかりする彼女に、リンリンはムッとした顔をする。
「‥あ、うん。‥聞いてるよ」
花は、すまなさそうに両手を合わせた。
「‥でねっ、何回も電話したんやけど‥拒否られてて‥連絡取られへんようになってねっ」2005-12-25 05:55:00 -
161:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
リンリンは、気を取り直して‥再び語り出す。
昨夜‥彼氏に振られた彼女は、朝からずっと彼氏への未練を訴えかけてくる。
ところが、花は睡眠不足で‥話の大半は耳を通していない。
目に涙を浮かべるリンリンの隣で、彼女はぼんやりと昨夜の出来事を思い出していた。2005-12-25 06:14:00 -
162:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
ゆうべの‥キス。
昨晩、花は一睡も出来なかった。
なんで、あんなことするん?
どんなに考えても、答えは出てこなかった。
そして‥どんな顔をして接しればいいのかわからず、明け方から用意をして‥足早に家を出てきた。2005-12-25 06:28:00 -
163:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
彼らが出勤する時間には、それとなく女子トイレに閉じこもり‥姿を隠す。
花の頭の中は、いまだに整理が出来ていなかった。
「もぉーっ!!また聞いてないでしょぉ!!」
ぼんやりと考えごとをしている彼女を見て、リンリンは泣き叫ぶ。
その声で我に返り、花は慌てて彼女に謝った。2005-12-25 06:44:00 -
164:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
一方、静かな社内で千草は彼女に異変を感じていた。
「俺‥なんかしたかな?」
ポツリとつぶやきながら、首を傾げる。
起きた頃には、彼女はとっくに出勤していた。そして、駅でも姿は見あたらなかった。
どう考えても‥おかしい。2005-12-25 06:57:00 -
165:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
あの花が早起きしたり‥見送ってくれへんとか、絶対‥おかしい。
千草は、昨日の言動を振り返り‥考え込む。
‥だが、特に思い当たることはない。
「‥俺じゃなかったら」
彼は、ふと陽平を見た。2005-12-25 07:04:00 -
166:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「花のやつ、何かあったんかなぁ?朝‥見送ってくれへんとか、おかしいと思わん?悩み事でもあるんかな?」
千草は、彼の隣に並んで‥カマをかける。
案の定、彼の表情はかたくなる。
千草は、それを見逃さなかった。2005-12-25 07:10:00 -
167:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「‥‥さぁ」
陽平は素っ気なく返答し、スタスタと去っていく。千草は、鋭い瞳で彼の背中を眺めた。
「‥ビンゴ」
‥花が避けてるのは、コイツか。
千草は“2人に何かあった”と確信した。
2005-12-25 08:51:00 -
168:
名無しさん
略‥ナシ。
【つづく】2005-12-25 08:52:00 -
169:
かな
しおり?
完結楽しみにしてます?2005-12-25 15:53:00 -
171:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
かなサン、名無しサン、ありがとぅです(_
2005-12-25 23:20:00 -
172:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「でも今思えば、あの男‥“梅子”って名前で引いてたし。スッピン見て、機嫌悪くなるし。別れて正解かもっ」
リンリンの悲しみが怒りに変わる頃、花の気持ちも落ち着きを持ち始めていた。
窓ガラスを拭きながら、花は昨日の彼を思い返す。
‥あんな真剣な顔。
千草とデートしたことを、妬いているかのような発言。2005-12-25 23:33:00 -
173:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
‥陽平は、あたしのことが‥好き?
自惚れ‥かもしれない。
でも、やっぱり‥期待してしまう。
口元は緩み、身の動きも軽くなる。
花の心は、陽平への想いを再発させていた。2005-12-25 23:42:00 -
174:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「お姉ぇさんっ、上の方‥ちゃんと拭けてないでぇ」
ぼんやりと外を眺め‥ガラスを拭いていると、背後から注意を受ける。
聞き覚えのある声に、ピタリと動きが止まる体。
花は、恐る恐る‥振り返る。
「代わりに拭いたろか?」2005-12-25 23:49:00 -
176:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
驚く彼女に、彼はケラケラと笑っている。
「‥千草」
声の主は、ベンチに腰掛け‥ネクタイを緩めていた。彼の姿を見て、花の胸は複雑になっていく。
「なんで?まだ4時過ぎやで」
彼女は、時計を眺め‥問いかけた。2005-12-25 23:58:00 -
177:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
‥まだ仕事中じゃないん?なんで、こんなところにおるん?
頭の上で、ハテナを浮かべる。
すると彼は、彼女に近づき‥スプレーと雑巾を奪い取る。
「基盤先に行くついでに、寄った。‥今日、まだ会ってなかったから」
そう囁きながら、スプレーを片手に‥届かなかった場所を拭いていく。2005-12-26 00:05:00 -
178:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
179サン、ありがとぅです(T_T)
2005-12-26 00:06:00 -
179:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
花は、彼の横顔を眺め‥うつむいた。
「‥陽平から聞いた」
ぎこちない彼女の態度を横目に、千草は再びカマをかける。
その台詞で、彼女は複雑な表情で顔をあげる。
‥やっぱり。‥何があったんなよ?2005-12-26 00:10:00 -
180:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
千草は、平然を装いながら‥ツバを飲む。
彼女が流す沈黙に、不安が増していく。
彼は、静かに彼女の声を待った。
「‥陽平、何て言うてた?」2005-12-26 00:15:00 -
181:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
花は、頬をほんのり赤く染め‥問いかけてくる。
「‥別に‥何も言うてなかったけど」
ていうか、何があったんか聞いてないし。
千草は、当たり障りのない答えを出す。
‥なんなよ?何があったんなよ?2005-12-26 00:19:00 -
182:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
‥2人のことやから、直接聞いても‥答えるわけがない。だから、遠回しに聞き出している。
だが、なかなか見えてこない真相に、千草は苛立ち始めていた。
「‥そっか」
花は、がっかりした顔をする。
千草は、窓ガラスから雑巾を放し‥彼女を眺めた。2005-12-26 00:23:00 -
183:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
1つだけ、わかることがある。
‥2人の反応からして、今から聞き出そうとしていることは、きっと‥俺にとって良くないことだということ。
‥嫌な予感がする。
「花は、どう思ってんの?」
千草は、意を決して‥問いかける。2005-12-26 00:27:00 -
184:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
すると、彼女は‥チラリと千草を見た。そして、気まずそうに口を開いた。
「‥キスした‥理由を知りたい」
その言葉は、途切れ途切れにつぶやかれた。2005-12-26 00:33:00 -
185:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
千草は、目を見開いた。
目の前が暗くなり、気が遠くなっていく。
見下ろせば、彼女は切なさに溺れた顔をしている。
彼は、ゆっくりとまぶたを閉じた。
震える手に力を入れて、拳を作っていく。2005-12-26 00:56:00 -
186:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「‥俺、基盤行かな」
千草は、平然を装い‥時計を見た。そして、彼女に背を向け‥ベンチに置いていた鞄に手を伸ばす。
今‥口開けたら、絶対あかん。絶対、きついこと言うてしまう。
「気ぃつけてな!」
見送る彼女の声に、千草は振り返らなかった。無言のまま、その場から逃れていく。2005-12-26 01:07:00 -
187:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
【つづく】
2005-12-26 01:08:00 -
189:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
192サン、ありがとぅですm(_ _)m
2005-12-26 03:42:00 -
190:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
小さくなる背中を眺め、花は振っていた手を下ろした。そして、再度仕事に取りかかろうとする。
「‥キスってマジですか?」
「ひっっ」
突如、目の前に現れたリンリンの顔。花は驚いて、肩に力を入れた。
「そんなトロピカルな気分なんですか!?」2005-12-26 03:50:00 -
191:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
羨ましそうな顔を近づけて、目をウルウルとさせる彼女。花は、ハァッとため息をついた。
「そんな‥えぇもんちゃうよ」
なんでキスされたんか‥わからんし。
そう呟いて、花は淡々と仕事を続行していく。
そんな彼女を眺め、リンリンは冷静を取り戻した。2005-12-26 03:57:00 -
192:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
「“陽平”って、あの人でしょ?いつも常盤千草とおる‥」
ゴミ箱の袋を交換しながら、リンリンは彼女に問いかけた。
だが、花は何も答えず‥背を向けたまま。
「あたし、てっきり松浦さんは‥常盤千草と出来てんやと思ってました。‥もう1人の方やったんですね」
リンリンは、彼女の後ろ姿から視線を外し‥囁いた。2005-12-26 04:05:00 -
194:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
彼女の言葉で、花の表情は一変する。
“千草”
‥最低や、あたし。自分のことばっかで、全然‥千草のこと考えてない。2005-12-26 04:12:00 -
195:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
197サン、ありがとぅです(>д
2005-12-26 04:13:00 -
196:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
千草は、あたしのことが好きやのに。キスのこと‥相談するとか、最低やん。
「‥ごめん」
ポツリとつぶやき、花は目をぎゅっと閉じた。
‥あたし、千草の優しさに‥甘えてる。2005-12-26 04:18:00 -
197:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
優しいから、どうしても甘えてしまって。‥そして、傷つけてる。
「返事‥せな」
‥このままで良いわけがない。ちゃんと、答えを出してあげないと。
花は、窓の外を眺めた。
‥町はオレンジ色に染められ、華やかに飾られている。2005-12-26 04:44:00 -
198:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
それは、まるで‥花の心を映しているかのようだった。
彼女は、はっきりと‥自分の気持ちが見えていた。
“陽平のことが‥好き”
2005-12-26 04:48:00 -
199:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
キスされて‥思った。
あたし、もう隠されへん。‥これ以上、幼なじみなんか‥続けられへん。
陽平が結婚したとき‥悲しかった。でも、諦める‥良いチャンスやと思った。2005-12-26 04:53:00 -
200:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
陽平の瞳に映るときは、いつも幼なじみを演じてた。でも、陽平の背中をみる‥あたしの瞳は、いつだって‥中学生んときと同じ色。
結婚して‥距離が余計に広がって、内心‥ホッとしてた。
理性を保てる自分に‥安心してた。
でも、陽平は離婚した。2005-12-26 05:01:00 -
201:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
彼の離婚で、あたしは‥醜い自分を見てしまう。
『‥離婚してん』
電話越しに囁かれる言葉に、あたしは喜んでいた。
途切れながらも言葉を繋げ、理由を語る‥辛そうな声を、あたしは真剣に聞いてた。
‥‥真剣なフリをしてた。2005-12-26 05:07:00 -
202:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
本当は、嬉しかった。‥まだ好きやったから。
でも、また‥傷つきたくない。そう思う気持ちがあった。
だから、演じ続けた。2005-12-26 05:10:00 -
203:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
執着しないように‥心がけて。
でも、無理やった。
一緒に住んでから、あたしは‥演じることが出来なくなっていた。2005-12-26 05:13:00 -
204:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
得意だった泣き真似さえ出来なくなり、無意識に‥本当の涙ばかり流して。
執着しないって決めてたのに、気がつけば‥求めてる。
彼の表情や仕草‥ひとつひとつに、ドキドキしてた。2005-12-26 05:21:00 -
205:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
今までは、やばいなって思えば‥離れていた。離れることで、感情は薄らいでいくから。
でも、同じ屋根の下に身を置いてからは‥心の調節が出来なくなっていた。
陽平、もう‥無理やよ。
キスなんかされたら、期待してしまう。2005-12-26 05:28:00 -
206:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
‥好き。
陽平のことが、ほんまに好き。
2005-12-26 05:30:00 -
207:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
数年秘めていた想いは我慢を捨て、彼女の胸に広がっていく。
花は凛とした表情で、夕暮れを吸い込む月を眺めていた。
【つづく】2005-12-26 05:38:00 -
212:
ゅら
しおり☆頑張ってね(>ω
2005-12-27 00:53:00 -
214:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
シオリを付けてくれた『ゅらサン』、読んでくれてる方、ありがとうございます。
3Ldkも、あと4分の1になりました。
最後までお付き合いくださると嬉しいですo(_ _)o2005-12-27 03:35:00 -
215:
芽衣 ◆rd1jJ3btsE
数時間後、残業を終えた陽平は1人で会社を出た。強い風が頬を冷やし、彼は身を潜めた。
そして数歩‥先に目をやり、足を止める。
「何してん?」
「‥残業お疲れ」
ガードレールに腰掛け‥こちらを見る彼に声をかける。‥千草は、陽平の帰りを待っていた。2005-12-27 03:45:00