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罪
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1:
◆5EJ71eKlNQ
許せない人がいる。
幼かった私の平穏な日々な日々を壊したあいつが…
15年経った今でも憎い。2006-06-10 13:45:00 -
206:
◆5EJ71eKlNQ
静かに振り返ると昔のままの優しい笑顔の彼がいた。
『キムタク風』とおどけて言っていた茶髪のロン毛が、さわやかに切られていて…『空白の3年間』をまのあたりにした。2006-06-20 14:55:00 -
207:
◆5EJ71eKlNQ
「優菜。逢いたかった」
溢れ出る涙を止めることが出来なかった。
ふたりに言葉などいらなかった。彼の車まで歩いた。2006-06-20 14:58:00 -
208:
◆5EJ71eKlNQ
助手席に座った瞬間、私の腕は彼の首に巻き付いた。
甘いキスをした。
「…いい?」彼の不安気な質問に、私はニコッと笑ってまたキスをした。2006-06-20 15:00:00 -
209:
◆5EJ71eKlNQ
ホテルの部屋につくと、ふたりとも仕事帰りにも関わらずシャワーも浴びずに抱き合った。
空白の3年間を埋めるように何度も何度も抱き合った。2006-06-20 15:02:00 -
210:
◆5EJ71eKlNQ
目覚めるとまだ朝にもなっていなかった。
隣で寝ている彼を見つめ、色々と過去を思い返していた。2006-06-20 15:03:00 -
211:
◆5EJ71eKlNQ
幸せなはずなのに胸が痛く苦しかった…。
―――『もう戻れない』。
彼は…世界中の誰よりも憎い永井春美の息子。2006-06-20 15:06:00 -
212:
◆5EJ71eKlNQ
そして彼は…世界中の誰よりも愛しい永井泰輝。
2006-06-20 15:07:00 -
213:
コアラ
しおリ?
2006-06-20 18:05:00 -
214:
名無しさん
主さんせつなすぎですね(;_;)これからも頑張って下さい!!
2006-06-20 20:42:00 -
216:
◆5EJ71eKlNQ
私は寝ている彼を見ずにホテルを後にした。
決心が揺るいでしまうから。2006-06-21 14:57:00 -
217:
◆5EJ71eKlNQ
はぁ。
2006-06-21 15:04:00 -
218:
◆5EJ71eKlNQ
でもそんな事いまの私にはどうでも良かった。
それよりも…2006-06-21 15:05:00 -
219:
名無しさん
doragon.ballz4
2006-06-21 17:27:00 -
220:
名無しさん
hokuto.shinken2
2006-06-21 17:27:00 -
221:
名無しさん
上の奴は何が言いたいんだ?
2006-06-22 00:00:00 -
222:
◆5EJ71eKlNQ
2006-06-22 04:58:00 -
223:
◆5EJ71eKlNQ
私は愛菜(めぐな)
今年18歳になったばかりの至って普通の女の子…
のはずだった。2006-06-22 05:00:00 -
224:
◆5EJ71eKlNQ
日岡家の長女として、物心ついた頃から育ってきた。
両親は私を可愛がってくれた…中学生までは。
何故か私は道を間違えてしまった。2006-06-22 05:03:00 -
225:
◆5EJ71eKlNQ
この頃から少しずつ私と私の周りは変わった。
良くない先輩と仲良くなり、良くない事を平気でしてきた。2006-06-22 05:05:00 -
226:
◆5EJ71eKlNQ
深夜2時――――。
駅前とはほど遠い田舎の空き地、『いつもの場所』。
数人のグループで煙草の自販機を荒らした。
意味なんてない。2006-06-22 05:08:00 -
227:
◆5EJ71eKlNQ
通報により駆け付けた警察に捕まった。
夜中にも関わらず両親は飛んできてくれた。2006-06-22 05:10:00 -
228:
◆5EJ71eKlNQ
そんな両親に対し、これっぽっちも悪いと思わなかった。
しばらくして原付窃盗、無免許運転で捕まった。
両親は迎えに来てくれた。2006-06-22 05:12:00 -
229:
◆5EJ71eKlNQ
そしてその後は傷害事件で捕まった。
家庭裁判所に行った。
運よく何もならなかった。2006-06-22 05:14:00 -
230:
◆5EJ71eKlNQ
学校は行かなかった。行ったとしても説教されて帰された。
金髪、化粧、規定外の制服…全てが反抗のかたまりだった。2006-06-22 05:16:00 -
231:
◆5EJ71eKlNQ
見かねた両親は私を鑑別所に入れた。
あっとゆう間に出てこれた。2006-06-22 05:18:00 -
232:
◆5EJ71eKlNQ
しかし以前の明るい家庭では無くなった。
私に無関心の両親。平気な顔して私のご飯なんてなかった。おこずかいも…。
「おかん〜?」2006-06-22 05:20:00 -
233:
◆5EJ71eKlNQ
母を呼んでも無視された。
「…おとん〜」
父さえも私を無視した。2006-06-22 05:21:00 -
234:
◆5EJ71eKlNQ
毎日コンビニで食べものを万引きした。
欲しかったら服や物も万引きした。
…しまいには、知らない人とsexをしてお金をもらってた。2006-06-22 05:22:00 -
235:
◆5EJ71eKlNQ
感情なんて何ひとつ無かった。
2006-06-22 05:23:00 -
236:
◆5EJ71eKlNQ
読者の皆様へ!
突然話が変わって意味がわからないと思いますが、全てつながるので。読みにくいとは思いますが、どうかご了承ください。また明日更新いたします。2006-06-22 05:25:00 -
240:
◆5EJ71eKlNQ
私は出ていかなかった。
すると言われた。
「お前なんかもらうんじゃなかったわ」2006-06-22 15:06:00 -
241:
◆5EJ71eKlNQ
私は日岡の養女だった。
2006-06-22 15:06:00 -
242:
◆5EJ71eKlNQ
小さい時に日岡家にひきとられた事、本当の両親は自殺した事、『浅岡優菜』という姉がいる事…
全て聞き終えた私は家を出た。2006-06-22 15:10:00 -
243:
◆5EJ71eKlNQ
行くあてのない私は、友達の紹介でキャバクラで働く事になった。
2006-06-22 15:13:00 -
244:
◆5EJ71eKlNQ
お客さんの涼と付き合って、涼の家に住みついた。
愛情は無かった。ただ寝る場所を提供してもらい、お礼にsexをしていた。2006-06-22 15:16:00 -
245:
◆5EJ71eKlNQ
私は彼の子供を身籠った。「涼…めぐ子供できた」
彼は意外と喜んでくれた。
「めぐな!産んでくれ」
初めて彼を愛しく思った。2006-06-22 15:18:00 -
246:
◆5EJ71eKlNQ
日曜の度にふたりで出掛けてベビー用品を買った。
彼はやさしかった。私の過去を聞いても笑ってくれた。
「りょう名前なにがいい?」2006-06-22 15:20:00 -
247:
◆5EJ71eKlNQ
「めぐなと姉ちゃんの名前とって…優愛チャンで!!」
こんな他愛ない会話に幸せを感じていた。2006-06-22 15:22:00 -
248:
◆5EJ71eKlNQ
妊娠4ヶ月―――。
深夜。彼が帰って来ない。何度も何度も携帯を鳴らす。…出ない。
次の日になっても帰ってこなかった。2006-06-22 15:24:00 -
249:
◆5EJ71eKlNQ
私は彼の事を何も知らなかった。探す事も出来ず待ち続けた。
幸い、援助やキャバのお金は手をつけてなくて助かった。
父親が消えたまま私は出産した。2006-06-22 15:26:00 -
250:
◆5EJ71eKlNQ
女の子が産まれ、
『優愛』と名付けた。
ゆあが産まれて2ヶ月がたった頃、私の全財産が底をつきた。
産まれたばかりの赤ちゃんを託児所に預け、風俗で働いた…。2006-06-22 15:39:00 -
251:
◆5EJ71eKlNQ
なんとか優愛を育てたかった…ただそれだけだった。
頼れる人など居なかった。
お客さんに応じて本番もした。お金がたくさん貰えた。そのお金で優愛と暮らせてる事を情けなく思った。2006-06-22 15:47:00 -
252:
◆5EJ71eKlNQ
『なんで私だけ…』
わずか17歳の私はひたすら憎んだ。2006-06-22 15:48:00 -
253:
◆5EJ71eKlNQ
優愛の父親を、日岡の両親を、浅岡の両親を、姉を…
憎んだ。
憎む事でどうにかやり切れた。2006-06-22 15:49:00 -
254:
◆5EJ71eKlNQ
同じ店で働くルイと仲良くなった。ルイもまた、19歳でシングルマザーだった。
ルイは子供を実家に預けて昼はショップ店員、夜は風俗嬢をしていた。2006-06-22 15:53:00 -
255:
◆5EJ71eKlNQ
ルイはよく泣いていた。
「めめチャン。ルイはねぇ、絶対今年中にヒナ(子供)を連れて帰るの。だからそれまで何があっても絶対頑張るょ…でもねぇ、疲れちゃうよねぇ。」
こんな風に言ってまた泣いた。2006-06-22 16:21:00 -
256:
◆5EJ71eKlNQ
ルイはよく私の名前を間違えた。
「ゆっちゃん」
「めぐやけど?」2006-06-22 16:23:00 -
257:
◆5EJ71eKlNQ
「あ〜ゴメン。めめチャン!あんねぇ、めめはゆっチャンにそっくりやねん」
「ゆっちゃんって?」
「昼の仕事仲間でねぇ、ルイの大好きな子。愛想なくて笑わないとこと、たまに笑ったらめっちゃ可愛いとこが似てるねんっ」2006-06-22 16:26:00 -
258:
◆5EJ71eKlNQ
そう言うとルイはプリクラを私に見せた。
2006-06-22 16:27:00 -
259:
◆5EJ71eKlNQ
「めっちゃ可愛いやろぉ!浅岡優菜チャンってゆうの」
『浅岡優菜』
その名前を聞いた瞬間、私の心臓がひどく揺れた。2006-06-22 16:30:00 -
260:
◆5EJ71eKlNQ
プリクラの中で無愛想に立ってニコリともしない女に目をやった。
これが…私の……姉?
私を捨てた姉…。2006-06-22 16:36:00 -
261:
コアラ
しおリ?
2006-06-22 17:39:00 -
262:
名無しさん
しおり?
2006-06-22 17:46:00 -
264:
名無しさん
全然話が噛み合わないんだけどそう思ってるのは折れだけ?
2006-06-23 02:40:00 -
265:
名無しさん
俺だけと思う。最初からよんでる?
2006-06-23 03:17:00 -
267:
◆5EJ71eKlNQ
皆様書き込みありがとうございます。噛み合わないデスよね(*д*)すみません。
2006-06-23 14:59:00 -
269:
◆5EJ71eKlNQ
あまりに突然の事で私の頭は空っぽになった。
何も考える事さえ出来ず、ただただ心臓だけが強く動いていた―――。
2006-06-23 15:03:00 -
270:
◆5EJ71eKlNQ
世間の狭さに唖然としながら淡々と仕事をした。
常連客の『香山さん』が今日も私を指名してくれた。
この人は指1本私の体に触れない少し変わった人だ。2006-06-23 15:05:00 -
271:
◆5EJ71eKlNQ
「香山さんこんばんわ。いつもありがとう」
彼の隣に腰かけ、ニッコリ笑った。
「めぐなチャンおはよう。今日は話あるねん…」2006-06-23 15:06:00 -
272:
◆5EJ71eKlNQ
「何ぃ?」
語尾を伸ばすのは、普段の私ではない事を確認するため。そうしないと笑顔さえ作れないから…。
「俺…めぐチャン好きやねん」2006-06-23 15:07:00 -
273:
◆5EJ71eKlNQ
「めぐも香山さん大好きですよぉー。優しいし紳士でぇ〜」
「ありがとう。でも俺本間に好きやねん。…付き合って」2006-06-23 15:08:00 -
274:
◆5EJ71eKlNQ
「それはぁ…。めぐ赤ちゃんいてるんですょ。」
私は話した。シングルマザーになった事を。彼は黙って聞いたあと、意外にもこう言った。2006-06-23 15:09:00 -
275:
◆5EJ71eKlNQ
「俺が愛菜チャンも優愛チャンも幸せにするから」
2006-06-23 15:10:00 -
276:
◆5EJ71eKlNQ
ここで私は最低な決断をした。
香山さんと一緒になれば、優愛も幸せで私も風俗を辞めれる。ずっと優愛とおれる…。
彼を使おう。幸せになるために。2006-06-23 15:12:00 -
277:
◆5EJ71eKlNQ
「はぃ。よろしくねぇ」
2006-06-23 15:12:00 -
278:
◆5EJ71eKlNQ
初めて彼に抱かれた。
彼の胸に顔を埋めながら、未来の幸せを思い浮かべた。
『優愛。ママがあなたを守るからね。』2006-06-23 15:14:00 -
279:
◆5EJ71eKlNQ
その日私は店を辞めた。
優愛を連れて香山さんの家へ帰った。
香山さんは会社を経営していて、とても贅沢な暮らしをしていた。2006-06-23 15:16:00 -
280:
◆5EJ71eKlNQ
ひと月も経たない内に籍を入れた。
私は、愛のない幸せを手に入れた。2006-06-23 15:17:00 -
281:
◆5EJ71eKlNQ
半年後―――。
愛菜18歳。優愛1歳。
2006-06-23 15:18:00 -
282:
◆5EJ71eKlNQ
優愛を連れて晩御飯の買い物に出かけた。
着信【ルイ】
2006-06-23 15:19:00 -
283:
◆5EJ71eKlNQ
私はルイからの着信を無視した。
しかしけたたましく鳴る携帯は一向に止む気配がなく、仕方なく出る事にした。
「はい…」2006-06-23 15:20:00 -
284:
◆5EJ71eKlNQ
「めめ〜!久しぶり。元気?今から逢お」
懐かしさもあり、私は家にルイを呼んだ。
2006-06-23 15:21:00 -
285:
◆5EJ71eKlNQ
子供のヒナを連れてやって来たルイは、いきいきしていた。
「ルイねぇ、店辞めたねん。これからは昼職だけでヒナと頑張るの。今日はその報告に来たのー。」2006-06-23 15:24:00 -
286:
◆5EJ71eKlNQ
「良かったね。ヒナチャン。ママを守ってあげてね。」
私がそう言うと、ルイは悲しそうな顔をしながら私に言った。
「前さぁ、ゆっチャンって子の話したこと覚えてる?」2006-06-23 15:40:00 -
287:
◆5EJ71eKlNQ
「あぁ、うん。覚えてるよ…なんで?」
「……わかってるやろ?ゆっちゃんは…めめのお姉ちゃんやねんょ」
「………」2006-06-23 15:41:00 -
288:
◆5EJ71eKlNQ
「ゆっチャンねぇ、本当にめめの事…愛してるねんょ。いつも言ってたょ。私には愛菜ってゆう妹がいるって…」
「………」2006-06-23 15:42:00 -
289:
◆5EJ71eKlNQ
「ルイすぐわかった。めめの事って…。愛菜って名前もやし、何よりふたりはそっくりやねん。声も顔も笑い方も…。こんなに似てる姉妹なんてそういないよ」
「……ルイは何が言いたいの。」2006-06-23 15:45:00 -
290:
◆5EJ71eKlNQ
私は姉の存在を心から消していた。
姉なんて初めから居なかった。
私には…家族なんて優愛だけだから。2006-06-23 15:46:00 -
291:
◆5EJ71eKlNQ
「ゆっちゃんね、3日前から仕事に来ないの。」
「…へぇ。私には関係ないょ。優菜って人の事なんて」
「めめ!!いい加減スナオになりぃや。…血つながった姉やろ?」2006-06-23 15:49:00 -
292:
◆5EJ71eKlNQ
ルイは泣き出した。
そして1枚のメモを私に渡した。
「これゆっチャンの住所やから!優愛チャンはルイが見てるから…行ったげて。。お願い。」2006-06-24 13:10:00 -
293:
◆5EJ71eKlNQ
私は複雑な気持ちで胸がいっぱいになった。
いまさら行って何になるの。
本当に逢ってもいいの…2006-06-24 13:11:00 -
294:
◆5EJ71eKlNQ
とりあえず家を出た。
2006-06-24 13:11:00 -
295:
◆5EJ71eKlNQ
タクシーに乗った。
「ここにお願いします」
運転手にメモを渡し、目を閉じた。2006-06-24 13:12:00 -
296:
◆5EJ71eKlNQ
優愛の顔が浮かんだ。
姉に…優菜に、娘を見せてあげたかった。
そこらじゅう歩いてる仲良さげな姉妹。2006-06-24 13:14:00 -
297:
◆5EJ71eKlNQ
いっぱい笑っていっぱい喧嘩もして…だけど『血』が解決してくれる。
私はそんな姉妹に憧れていた。
今からでもまだ間に合うなら…2006-06-24 13:15:00 -
298:
◆5EJ71eKlNQ
色んな話をしよう。自己紹介はいらない。
…姉妹だから。2006-06-24 13:17:00 -
299:
◆5EJ71eKlNQ
「つきましたよ」
運転手の声。お金を置き、開いた扉から駆け出した。
茶色いコンクリートの大きなマンションが私を緊張させた。2006-06-24 13:19:00 -
300:
◆5EJ71eKlNQ
姉の住む部屋に向かうためエレベーターにのり『7』のボタンを押す。
えらくゆっくり進むエレベーターのおかげで、いくらか動悸も落ち着いた。2006-06-24 13:20:00 -
301:
◆5EJ71eKlNQ
『702浅岡』
ここだ!この扉のむこうに姉がいる。深呼吸をしてベルを鳴らす。
押す人差し指が震えていた。2006-06-24 13:21:00 -
302:
◆5EJ71eKlNQ
………………。
……………。
………。2006-06-24 13:22:00 -
303:
◆5EJ71eKlNQ
静まりかえったマンションの廊下に機械音が響く。
【ドンドンドン!】
必死に扉を叩く。2006-06-24 13:23:00 -
304:
◆5EJ71eKlNQ
すると隣の『701』の部屋から出てきた主婦が言った。
「浅岡さんならここ何日か帰ってませんけど…」
せっかく来たんだ。何もせず帰るわけには行かない。2006-06-24 13:24:00 -
305:
◆5EJ71eKlNQ
私は急いでさっきのエレベーターに乗りこみ、1階まで降りた。
管理人室の窓口に設置されたカーテンのような物を勢いよく開けると、おじいさんがテレビを見ていた。2006-06-24 13:26:00 -
306:
◆5EJ71eKlNQ
「702の浅岡の妹です」
と言うとすぐに鍵を開けてくれた。
部屋に入ると、これが20歳の女の子の部屋?というぐらいシンプルだった。2006-06-24 13:27:00 -
307:
◆5EJ71eKlNQ
もちろん姉は居ない。
待ってたら帰ってくるだろう。と思い、ソファに腰掛けた。
テーブルの真ん中にきっちり置かれた白い封筒に目をやった。2006-06-24 13:29:00 -
309:
名無しさん
続きみたい?
2006-06-25 15:02:00 -
310:
名無しさん
ぁげちゃおっ???
2006-06-27 04:33:00 -
311:
名無しさん
早く書いて楽しみにしてます?
2006-06-27 11:26:00 -
313:
◆5EJ71eKlNQ
その封筒の中身を見て私は心底落胆した。
『ここにいても姉は帰ってこない』という事実と
『もしや姉は…』………。
無気力なまま、姉の部屋を見渡した。2006-06-27 12:19:00 -
314:
◆5EJ71eKlNQ
ベッドの下にある引き出しを開けた。
木の箱の中を確認して、それと封筒を持って姉の部屋を後にした。2006-06-27 12:21:00 -
315:
◆5EJ71eKlNQ
どうやって我が家に帰ったのかは覚えていない。
家につくとルイが出迎えてくれた。
「めめおかえり!」2006-06-27 12:24:00 -
316:
◆5EJ71eKlNQ
優愛を抱っこすると私の涙がこぼれた。
「めめ!?」
ルイが心配している…。2006-06-27 12:24:00 -
317:
◆5EJ71eKlNQ
私は彼女に封筒を渡した。
彼女は黙って読み出した。
全部読み終えたのか、声を上げて泣いていた。2006-06-27 12:26:00 -
318:
◆5EJ71eKlNQ
手紙にはこう書いてあった。
【大好きなおかんへ。
なぁ…おかん。あれからもう15年やなぁ。。優ハタチなってんで?2006-06-27 14:51:00 -
319:
◆5EJ71eKlNQ
15年のけじめとして、優は貴方に手紙を書きます。
貴方と過ごした5年はとても短かった。だけど優は覚えてるよ?忘れた事なんてないよ…?
本間に大好きやったよ。笑顔も匂いもオムライスも。2006-06-27 14:55:00 -
320:
◆5EJ71eKlNQ
大人になった今、優は毎日毎日考えてます。罪について考えます。
貴方を死に追いやったあいつを私は憎しみ続けてきました。
一時は許そうと思いました。そのたびに私は苦しみました。2006-06-27 14:57:00 -
321:
◆5EJ71eKlNQ
私には彼女を許す事なんて出来ませんでした。
でも…彼女の息子を愛してしまいました…。
彼は私の汚い心を癒してくれました。永井泰輝…彼を本当に愛しました。2006-06-27 15:01:00 -
322:
◆5EJ71eKlNQ
それでも私は、母である彼女を許す事は出来ませんでした。
一層彼女が憎くなりました。憎んで憎んで…心がボロボロになるくらい憎みました。2006-06-27 15:03:00 -
323:
◆5EJ71eKlNQ
その時私はわかったのです。貴方の残した『遺書』の気持ちが…。
このまま生きていても憎み続けるだけ…
そう残した貴方の言葉は私に深く影響を与えました。2006-06-27 15:05:00 -
324:
◆5EJ71eKlNQ
そして…貴方を憎みました。貴方さえ生きていてくれたら…私は。
憎しみだけが私を生かせてる。
…もう終わらせていいかな。おかん。2006-06-27 15:17:00 -
325:
◆5EJ71eKlNQ
人間が生きていく上で一番の罪とは…それは………
人を憎む事。私は最大の罪を犯してしまいました。2006-06-27 15:19:00 -
326:
◆5EJ71eKlNQ
疲れてしまいました。
生きる糧である『憎む』事にすら疲れました。
もう辛い…貴方のところへ行ってもいいですか?
2006-06-27 15:21:00 -
327:
◆5EJ71eKlNQ
愛菜…こんな馬鹿な姉を許して。貴方は決して人を憎まないで。私と母のようにはならないで。
浅岡優菜】2006-06-27 15:23:00 -
328:
ちぃ
早く書いてぇ。まぢ気になる?
2006-06-27 16:04:00 -
329:
コアラ
???
2006-06-27 17:08:00 -
331:
名無しさん
あげ
2006-06-28 08:04:00 -
333:
◆5EJ71eKlNQ
私は。
2006-06-28 14:07:00 -
334:
◆5EJ71eKlNQ
あなたを憎みます―――。
2006-06-28 14:07:00 -
335:
◆5EJ71eKlNQ
貴方が私に残した最初で最後の『願い』なんて聞かない。
『人を憎んではいけない』
と貴方が言うのなら…2006-06-28 14:09:00 -
336:
◆5EJ71eKlNQ
私は貴方を憎みます。
2006-06-28 14:09:00 -
337:
◆5EJ71eKlNQ
それが『罪』でも構わない。だって―――――
憎んで憎んで憎んで…それでも憎み続けたら…
2006-06-28 14:10:00 -
338:
◆5EJ71eKlNQ
貴方は私に言いに来てくれるでしょ?
「人を憎んだらダメ」って教えてくれるでしょ?2006-06-28 14:11:00 -
339:
◆5EJ71eKlNQ
だって私の血の繋がった姉でしょ?もっと教えてよ、大事な事。罪について教えてよ。あんな短い文じゃ伝わらないよ…紙きれなんかじゃ。
2006-06-28 14:12:00 -
340:
◆5EJ71eKlNQ
統一されない気持ちのまま、私は木でできた箱に目をやった。
中を開け、1つ1つをじっくり見た。2006-06-28 14:26:00 -
341:
◆5EJ71eKlNQ
写真…。目が大きく色の黒い今どきの男の子。その人の隣で笑っているのは姉。
どこか戸惑いさえ感じさせるその姉の目は、妹である私によく似ていて…改めて姉妹なんだ。と…。2006-06-28 14:28:00 -
342:
◆5EJ71eKlNQ
何枚か彼との写真を見るうちに、あぁ。愛し合ってるんだなぁ…なんて場違いに幸せな気持ちにさせられて。
彼が【永井泰輝】である事を理解するのにそう時間はかからなくて…。2006-06-28 14:30:00 -
343:
◆5EJ71eKlNQ
何枚か見ていく内に、ルイが無理矢理撮ったであろう姉の姿が写っていて。
驚いたその表情が可愛くて…次の写真にはルイも一緒に写っていた。2006-06-28 14:32:00 -
344:
◆5EJ71eKlNQ
最後の写真は…私の家族。
すぐにわかった。
まだ幼稚園くらいの姉がニコッと笑っていて…本当に無垢な子供の頃。2006-06-28 14:33:00 -
345:
◆5EJ71eKlNQ
母は私を抱いていて、姉の手をひいて…これもまた幸せそうに笑っている。
「お母さん…?」
記憶にない母の姿。私はこらえきれず泣き崩れた。2006-06-28 14:35:00 -
346:
◆5EJ71eKlNQ
箱には日記のような物が入っていた。
姉の【想い】がたくさん綴られているそれは…『憎しみ』で一杯だった。2006-06-28 14:36:00 -
347:
◆5EJ71eKlNQ
その『憎しみ』は、ひしひしと私の胸に伝わって…
私は苦しんだ。
姉の気持ちが、痛くて。2006-06-28 14:38:00 -
348:
◆5EJ71eKlNQ
日記を読んで姉の全てが分かった気がした。ダレが憎いのか、ナニがあったのか…何故こんなに憎いのか。
私は泣いた。泣いて泣いて…涙が枯れてもまだ泣いていた。2006-06-28 14:40:00 -
349:
◆5EJ71eKlNQ
2006-06-28 14:40:00 -
350:
◆5EJ71eKlNQ
2006-06-28 14:40:00 -
351:
◆5EJ71eKlNQ
あれからどのくらい経っただろうか――――。
2006-06-28 14:41:00 -
352:
◆5EJ71eKlNQ
あの日から。姉が消えたあの日から―――。
2006-06-28 14:42:00 -
353:
◆5EJ71eKlNQ
私の隣には最愛の娘がいる。
私は今、罪を犯そうとしている。
2006-06-28 14:43:00 -
354:
削除削除されますた
あぼ~ん -
356:
有難うございます。ゴメンなさぃ。実話をだいぶ大げさに書きました?私には姉の気持ちとかよく解らない事が多くて…。流れは実話やけど、台詞・情景・心境は微妙かも。終わってから言ってすみません。
2006-06-28 15:30:00 -
357:
名無しさん
結局お姉さんは死んじゃったの…?
2006-06-28 15:36:00 -
358:
名無しさん
↑同感。最後らへんもっと詳しく書いてほしかった
2006-06-28 17:04:00 -
359:
名無しさん
そのへんの経緯や心情を詳しく書いてほしかったなぁ 完結急いだのか、はしょりすぎやわ。
2006-06-28 17:24:00 -
360:
◆5EJ71eKlNQ
すみません?急いでしまいました?
2006-06-28 17:50:00 -
362:
名無しさん
お⊃かれ様あ?
2006-07-02 17:49:00 -
364:
名無しさん
あげ
2006-10-05 23:59:00 -
365:
名無しさん
よかった?
2006-10-06 01:08:00 -
366:
名無しさん
今一気に全部読んだぁ????〜?時間かかったょ?主サンお疲れ様?お姉サン見つかったぁ???これからも頑張ってね?
2006-10-06 03:49:00 -
367:
名無しさん
良かった???天才???娘さん元気???
2007-01-06 13:49:00 -
368:
名無し
あげ
2007-03-27 21:40:00 -
369:
名無しさん
あ
2011-02-20 02:28:00