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俺ら、いくらで買ってくれますか?
-
1:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ようやく夢に見たNO.1にのしあがった。今、あいつらは二人は今何やってるんだろう?
紫苑、ヒカリ。
たまには俺だって感慨深くなるさ。
会いてぇな、お前らに。2005-11-09 22:42:00 -
250:
名無しさん
?
2005-12-09 17:56:00 -
251:
名無しさん
まだかな?
2005-12-10 00:58:00 -
252:
名無しさん
書かないんσ(^_^;)?
2005-12-10 02:50:00 -
253:
名無しさん
書ぃてくださぃっ(>_
2005-12-10 03:24:00 -
255:
いくらで?
100円。
2005-12-10 04:33:00 -
256:
なこ
アゲます??
2005-12-12 07:35:00 -
257:
さく
あげ
2005-12-13 13:50:00 -
258:
名無しさん
age
2005-12-14 06:32:00 -
259:
名無しさん
続き楽しみにしてます?完結させてくださいね?
2005-12-14 19:05:00 -
260:
?
これぉもろィから
書いてやァ?2005-12-15 11:45:00 -
261:
☆彡
頑張って(´∀`)♪
2005-12-15 12:34:00 -
262:
名無しさん
続き読みたいよ?頑張って?
2005-12-15 13:22:00 -
263:
名無しさん
早くよみたぃよー
2005-12-16 04:00:00 -
264:
☆彡
待ってマァ〜ス(*^▽^)ノ
2005-12-16 04:26:00 -
266:
トウヤ
気づいたら10日も放置していました…。
気長に待っていてくれた皆様、あげてくれた皆様、心から感謝いたします。2005-12-17 10:22:00 -
267:
トウヤ
会計を済ませ紫苑が戻ってきた。
「もう帰れるってさ〜ヒカリは大丈夫?」
「うん、点滴も終わったことやし、なんかお腹すいたかも知れへん。なんか食べて帰ろうや」
まるで二人を安心させるかのような微笑み。2005-12-17 10:25:00 -
268:
トウヤ
それでも少し安心できた。
「もうお昼だし、こんな時間に3人でご飯行くのとか初めてだな。どこ行こうか。でも病み上がりなんだし、あんま重たいのよりは軽いご飯のほうがいいんじゃないか?」
「そうだよね〜。んじゃお鍋でも行こうよ。外寒いしさ。暖まっていこう!」
2005-12-17 10:27:00 -
269:
トウヤ
3人で鍋をつつき、自分の部屋に戻ってきたのは昼の2時を少し過ぎたところだった。
毛布に包まり、目を瞑る。
トウヤは自分が恥かしかった。2005-12-17 10:29:00 -
270:
トウヤ
自分の生い立ちが不幸だと思い、それのせいにして人生をかまけていた自分を恥じた。
あんなに大変な思いをし、今でももがき苦しみながら生きている。
どうしてあんなに笑っていられるのか。
どうしてあんなに安らかなのか。
2005-12-17 10:32:00 -
271:
トウヤ
辛い経験が彼女をわざと優しくしているのなら、そんな皮肉なことはない。
包み込んでくれるのは、ほんとは自分が包み込んで欲しいのからかもしれない。2005-12-17 10:34:00 -
272:
トウヤ
それでも。
それでも彼女は笑う。
ヒカリのことを考えるとなかなか寝付けない。
彼女を守りたい。彼女を救いたい。2005-12-17 10:35:00 -
273:
トウヤ
うっすらと差し込む日の光を浴びながら、トウヤは祈るようにそう思った。
とん、とん。
ためらうようなドアのノックの音。2005-12-17 10:37:00 -
274:
トウヤ
「トウヤ。僕、いい?」
「紫苑?あぁまだ起きてる。大丈夫だ」
白のバスローブの裾には金の刺繍が施してある。
紫苑には少し大きなサイズ。でもそれは紫苑によく似合っていた。2005-12-17 10:39:00 -
275:
トウヤ
「眠れないの?」
自分からたずねてきておいてよく言う。自分のほうが眠れない、というのは紫苑の顔を見たらすぐに分かった。
「どうした?とりあえず座れよ。なんか飲むか?」
「ううん。いい。ちょっと話しておきたいことがあってさ」2005-12-17 10:42:00 -
276:
トウヤ
「ヒカリの事か?」
「分かってるじゃん」
あくまで無表情。
「ヒカリがどうしたんだ?そんな深刻そうな顔して」2005-12-17 10:43:00 -
277:
トウヤ
紫苑の綺麗な目がトウヤの視線を釘付けにする。
「唐突なんだけど。ヒカリの事好き?」
強い視線と視線がぶつかり合った。
とっさに身構えてしまう。2005-12-17 10:45:00 -
278:
トウヤ
「なんだよ急に。普通に大事に思ってるよ。じゃなきゃ一緒に住んだり出来ないだろ?」
「茶化さないで。分かってるだろう?質問の意味を。ちゃんと教えてよ」
いつにも増して深くてにぶい輝きを放つ瞳。
「…答えてどうなる。」2005-12-17 10:47:00 -
279:
トウヤ
図星をつかれ、つい口調が荒くなってしまった。
「答えて」
真っ直ぐにトウヤを睨み付けてくる。蛇ににらまれたかえるのように動けなくなる。
「…守ってやりたい。抱きしめてやりたい。今までのこと忘れさせてやりたい。もう、傷つく事のないようにしてやりたい」2005-12-17 10:50:00 -
280:
トウヤ
「でもヒカリは、強く抱きしめたらガラスみたいに粉々に割れてしまいそうで。怖いとも思う。この感情は本当だ。それは好きだという事なのかもしれない」
言ってしまってから、自分のヒカリに対する感情がこんなにも強いものだと始めて気がつく。
トウヤ自信も驚いていた。2005-12-17 10:53:00 -
281:
名無しさん
続き楽しみにしてたねん!がんばってねぇ。早く続き読みたいです
2005-12-17 21:43:00 -
283:
名無しさん
続き頑張って下さいね☆
2005-12-18 17:48:00 -
284:
☆彡
ホント頑張ってくださぃ!!!(*о*)!!!
2005-12-20 04:09:00 -
285:
?
マィペースに空いた時間にでも続き書いてネ?楽しみにしてマス?
2005-12-21 13:03:00 -
286:
さく
楽しみにしてますよ☆
2005-12-22 12:27:00 -
287:
名無しさん
あげ
2005-12-22 18:12:00 -
288:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
少しですが更新します★
2005-12-23 23:42:00 -
289:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ただ黙って聞いていた紫苑が黙ったままトウヤのタバコを静かに口に運び、白くて濃い煙を吐き出した。
こんな時なのに、こいつタバコ吸えるんじゃないかよ。なんてどうでもいい事を考えてしまった。2005-12-23 23:47:00 -
290:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「安心したよ」
まるで自分に言い聞かせるように、小さな声の呟き。「安心?意味が分からねぇよ。なんでそんな事を聞くのかも、それで安心するのかも」2005-12-23 23:51:00 -
291:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「紫苑がヒカリの事が好きで今のうちに俺を牽制しときたい!とかなら意味も分かるさ。でもなんで安心した…なんだ?ヒカリもそうだったけど、おまえも謎っていうか俺に隠してること多すぎる。そんなに信用ねえのか?俺は」
2005-12-23 23:54:00 -
292:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
感情的になる俺をただ紫苑は茫然と見る。
色のない瞳で。
煙草の灰が落ちかけて、ようやく焦って灰皿に灰を落とし、もう短くなっていた煙草の火を押しつけ消した。2005-12-23 23:58:00 -
293:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「…なんて言うかさ。うれしさ半分、辛さ半分なんだよね」
ゆっくり天を仰ぐ。
何かを悟ったような、諦めたような哀しい表情。2005-12-24 00:00:00 -
294:
さく
あげときますっ☆
2005-12-25 23:37:00 -
295:
さく
あげあげ☆
2005-12-28 14:22:00 -
296:
名無しさん
2005-12-28 16:37:00 -
297:
さく
あげ★
2005-12-31 03:32:00 -
298:
名無しさん
さくってのウザい
2005-12-31 03:48:00 -
299:
さく
はぁ?黙れやブサイクワラ
2005-12-31 03:55:00 -
300:
名無しさん
わかる−うざいで−。ブスとかそんなん見たこともないのによ−ゆ−な自分のこと棚に上げて。
2005-12-31 05:08:00 -
301:
名無しさん
あげ★☆
読みたい??2006-01-04 13:58:00 -
302:
さく
黙れとか入れたんウチちゃうでー。
2006-01-05 01:04:00 -
305:
にゃぁ
あげ??主サン頑張って続き書いてください??この小説おもしろくて好きです?
2006-01-07 02:28:00 -
307:
名無しさん
?
2006-01-10 04:55:00 -
308:
あ
かかへんの?読んでるのに。。更新まってるのに
2006-01-17 15:45:00 -
310:
あゃ
??
2006-01-18 13:47:00 -
311:
☆ぇり☆
書いてくれるの待ってるから書いてねぇ(∋_∈)続き読みたい☆
2006-01-18 19:11:00 -
312:
名無しさん
??
2006-01-18 23:33:00 -
313:
名無しさん
あげ
2006-01-19 16:33:00 -
314:
トウヤ
ちょっと仕事が落ち着いてきたのでかなり久しぶりになりますが書かせてもらいます。
待っていてくれた方々、遅くなってすいませんでした。
また良かったら覗いてやってください。2006-01-25 12:27:00 -
315:
トウヤ
「僕の家は代々官僚とかそういう家庭で僕も小さいころから英才教育っての?受けて育ってきたんだ。父親は財務省の官僚。母親は旧財閥のお嬢様。昼はお手伝いさんが付き、何から何まで世話を焼き、付属の学校へは専属ドライバーが送り迎え。家に帰ると家庭教師が付き勉強や習い事だ。毎日毎日。友達といえる人はいなかった。同じ学校には選び抜かれた2世、3世のエリートたちが新時代を担うべく勉強に明け暮れていたよ。・・・いつも醒めた目で見ていた」
2006-01-25 12:38:00 -
316:
トウヤ
紫苑の物腰の柔らかさや、どこか品の良さを隠せない立ち振る舞い。
それを聞くと妙に納得できた。2006-01-25 12:40:00 -
317:
トウヤ
「何一つ不自由のない生活。逆らう人はいない、欲しい物は手に入る。でも一つ。僕には自由がなかった。16になるとともに父親に頼みマンションをもらった。自立心を付けたいんだ!!と語るとすぐに了承してくれた。」
2006-01-25 12:44:00 -
318:
トウヤ
「ヒカリに出会ったのはちょうどその頃だ。家を出た僕は自由さにはしゃぐとともにそれでも家という呪縛に断ち切れないでいた。すごい雨の日だった、タクシーに乗り家へと急いでいると、マンションの近くの公園にうずくまっている女の子を見つけた。それがヒカリだった」
2006-01-25 12:48:00 -
320:
トウヤ
=ヒカリ・紫苑16歳=
その子は、公園の片隅のベンチにいた。まるで外の雨なんかその子の周りにだけ降っていないように傘も差さずにただうずくまっていた。
かわいらしい、子だ。2006-01-25 13:59:00 -
321:
トウヤ
興味本位に声をかける。
「雨降ってるよ、風邪引くよ」
反射的にその子がこちらを向いた。
「ええねん、別に…」2006-01-25 14:00:00 -
322:
トウヤ
関西弁。
驚くような事もせず、うつろな眼でこちらを見据えた。
ぐしょぐしょになった髪。体。手荷物はなかった。
2006-01-25 14:01:00 -
323:
トウヤ
その時俺は16歳、うるさい環境から抜け出し、一人暮らしを満喫していた。
外の世界は驚くほど自由で、それなりに仲の良い悪友にも囲まれ、金と美貌に有り余った俺はそこそこオンナも知っていた。
「ねぇ、うちにおいでよ。うち一人暮らしだし、ご飯食べよう?行く所ないんじゃないの?」2006-01-25 14:04:00 -
324:
トウヤ
別に何の意味もない。
時々行く所のないオンナを拾っては、自分の自由にし、飽きたら捨てる。
あえていうなら育成ゲームか。2006-01-25 14:06:00 -
325:
トウヤ
「ね?大丈夫だから」
綺麗な顔の僕に誘われ断る女なんて一人もいない。
「…いいの?」
そのオンナの子も黙って腰をあげた。
2006-01-25 14:07:00 -
326:
トウヤ
新しいおもちゃの誕生だ。
お風呂に入れ、ハウスキーパーが作ってあった温かいご飯を食べさせた。
「おいしい?ねぇ、どこから来たの?家出?」2006-01-25 14:08:00 -
327:
トウヤ
「大阪。帰るとこないねん…」
にこりとも微笑まず、ただ悲しそうに女の子は呟いた。
「大阪かぁ〜僕行ったことないな。そうだよかったらしばらく家にいなよ!君さえ良ければ…え〜っと…」
「ヒカリ」2006-01-25 14:10:00 -
328:
トウヤ
「ヒカリちゃん、ね?」
「…ありがとう」
ここまでくればしめたものだ。
風呂に入れ化粧をさせ、綺麗な服を着せると思っていたより美人だ。2006-01-25 14:12:00 -
329:
トウヤ
さて、仲間にメールを打つ。
『あたらしいオモチャGET☆今夜とりあえず味見してみる。よかったらそっちにもまわすね♪』
恒例になっていた。2006-01-25 14:13:00 -
330:
トウヤ
拾ってきた女はみんなの遊び道具だ。
感慨なんてものはなかった。
オンナも拾ってもらえ、綺麗な服、温かい布団、美味しいものを食べさせてもらえる。
最初は泣くものの、最後はみんな笑顔だ。2006-01-25 14:15:00 -
331:
?ゅ??
L1ま一気に読んだょ?続き読みたぃ??
2006-01-25 15:43:00 -
332:
トウヤ
みんなが冗談めかして、オンナが髪を振り乱しながら僕を鬼だといった。
でもいい子で秀才の僕にとっては小気味良い勲章。2006-01-25 17:17:00 -
333:
トウヤ
ヒカリはリビングのソファにもたげボーっとTVを眺めていた。
どうせ大阪の実家から家出してきただけの少女だ。
何かしたところでどうなるわけでもない。2006-01-25 17:33:00 -
334:
トウヤ
TVを消し、電気を落とし、ヒカリに覆いかぶさった。
声も上げない。
嫌がる様子もない。
なんだ。こいつはこうやって男の家を渡り歩いてきたんだ…。2006-01-25 17:35:00 -
335:
トウヤ
そう思うと無性に腹が立った。
自分の身体を粗末に扱うバカオンナだ。
無意識に手つきが乱暴になる。2006-01-25 17:37:00 -
336:
トウヤ
抵抗もしない。
反応もしない。
人形を抱いているみたいで気味が悪かった。2006-01-25 17:38:00 -
337:
トウヤ
事が終わり電気をつけた瞬間ヒカリの体身体が紫苑の眼に焼きつく。
さっきまで抱いていて体が光に照らされた。
言葉を失う。2006-01-25 17:39:00 -
341:
名無しさん
続き待ってます☆
2006-01-26 18:57:00 -
342:
名無しさん
あげ
2006-01-27 15:13:00 -
343:
りぃ
ガンバってね☆彡
2006-01-31 14:12:00 -
344:
名無しさん
書いてほしぃ☆
2006-02-05 05:57:00 -
345:
名無しさん
これって主!?IPちゃぅくなぃ?
2006-02-05 12:32:00 -
346:
名無しさん
あげ
2006-02-07 14:59:00 -
347:
名無しさん
ipちゃぅしトリップついてなぃから偽やろ★
2006-02-08 16:11:00 -
348:
名無しさん
もし主が違うくてもおもろくなぃ?
2006-02-08 17:07:00 -
349:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
お待たせしてます。
混乱させて申し訳ありませんが、携帯とPCで書いていますので両方主です。
ほんとうに不定期な書きこみですがよければお付き合いください。2006-02-08 17:27:00 -
350:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
傷…疵…キズ…。
切り傷?火傷?あざ?
ヒカリの身体の華奢なラインには無数の傷跡が残っていた。
明らかに故意に誰かにつけられたものだ。2006-02-08 17:30:00 -
351:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
びっくりして声も出せない紫苑に気を使ったのか、ヒカリがシーツで自分の身体を隠す。
「ゴメンな、気持ち悪いやろ??これでもだいぶマシになったんやけどな」
2006-02-08 17:33:00 -
352:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「な…なんでそんな傷…事故とかじゃないよね?誰がそんなこと…女の子なのに」
動揺していた。
聞くべき事なのかそうじゃないかという判断さえ冷静に下せないくらいに。2006-02-08 17:36:00 -
353:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
その晩ゆっくりとヒカリの口からこぼれ落ちる凄惨な言葉と事実に紫苑は自分の耳を疑う。
そんな親がいることに、そんな境遇の人間がいることに、そんな人々がいるということを想像すら出来なかった自分の甘さと無知を疑った。2006-02-08 17:42:00 -
354:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
終始うっすらと微笑みを崩さず、まるで眠れぬ子供にお伽話を聞かせる母親のようなヒカリ。
でもそれはお伽話でなく自分の痛々しい真実。2006-02-08 17:45:00 -
355:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「…人にこんな話が出来るとは思わへんかったわ。やさしい人なんやね、聞いてくれてほんまありがとう」
そんな事…。
不意に涙が伝う。2006-02-08 17:48:00 -
356:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
あふれる涙は止まらない。嗚咽を堪えられない。
自分がなぜ泣いているのか、なぜこんなに悲しいのか。
紫苑にはよく分からなかった。2006-02-08 17:50:00 -
357:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
気が付くとヒカリの腕に包まれていた。
優しく暖かい体温。
ヒカリの中でぐちゃぐちゃになるまで。
涙がシーツに大きなしみを作っていた。2006-02-08 17:53:00 -
358:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
翌月、二人は家を出る。
幸いなことに綺麗な容姿の紫苑にはいくらでもめんどうを見てくれる人がいた。自分の身体を売ること、それでヒカリをもう誰にも傷つかせないように守りたい。2006-02-08 18:04:00 -
359:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
どんな事をしても。
ヒカリを守っていかないと。
あれから二人に身体の関係はない。
彼女でもない。2006-02-08 18:06:00 -
360:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
愛情、敬愛、保護。
紫苑にとってヒカリは聖母のような存在だった。
マリアさまを守る騎士になりたい。2006-02-08 18:08:00 -
361:
名無しさん
また待ちぃ?
2006-02-09 19:19:00 -
362:
名無しさん
http://vl-o-l.jp/gaogaojgmjgp/
2006-02-09 22:51:00 -
363:
名無しさん
あげ
2006-02-12 00:54:00 -
365:
名無しさん
待ってます
2006-02-20 13:14:00 -
366:
?ヒメ?
これホンマぉも∪ろぃ??一気に読みま∪た??
続き楽∪みに待ちます?2006-02-24 09:58:00 -
368:
名無しさん
あげ
2006-02-25 22:47:00 -
369:
名無しさん
おもしろい!
2006-02-28 11:13:00 -
370:
名無しさん
気になる!
2006-02-28 22:31:00 -
371:
名無しさん
あげ
2006-03-01 10:58:00 -
372:
名無しさん
?????しおり????
2006-03-02 05:33:00 -
373:
トウヤ
毎度毎度お待たせしています。
それでもこんな風にみて下さってありがとうございます★2006-03-02 06:22:00 -
374:
トウヤ
>369の続き
二人で住むのには狭くて汚い1DKの部屋。
戸惑いながら。手探りながら。2006-03-02 06:24:00 -
375:
トウヤ
「ヒカリ〜帰ったよ!」
「お帰り〜今日なスーパーで豚肉安かってん。紫苑生姜焼き食べれるやんな??」
「好きすき!!おいしそうじゃん、いただきま〜す…」2006-03-02 06:26:00 -
376:
トウヤ
「……なにこれ」
「いや生姜焼きや言うてたやん、むしろそれ以外何に見えるん?」
「違うよ!なんかタレが!!関東の生姜焼きは甘辛いタレじゃなくてシンプルに塩コショウと生姜のみで味付けるんだよ〜」
「そんなん邪道やん。この甘辛いタレがあってこその生姜焼きやろ!」2006-03-02 06:29:00 -
377:
トウヤ
たわいない会話の幸せ。
家に帰ると普通の同棲カップルみたいな平凡な毎日。
贅沢なわけでも華美なわけでもない。
2006-03-02 06:31:00 -
378:
トウヤ
ただ違っていたのは、彼の職業が「若いツバメ」でそして彼らは恋人同士でない、という事。
それでも騎士は忠実に聖母を守るべく歯を食いしばって耐える。
2006-03-02 06:33:00 -
379:
トウヤ
男色のヤクザ。
3Pじゃないと満足出来ない風俗嬢。
小水を飲む奥様。2006-03-02 06:35:00 -
380:
トウヤ
紫苑の客はひと筋縄ではいかない客ばかりであった。
1時間2万円。
それがその時の紫苑の「値段」
2006-03-02 06:37:00 -
381:
トウヤ
2万円をくれる人ならすべての人がお客様。
嫌もクソもない。
それでも家に帰ると安穏とした空間がある。
親元にいた時と比べると忙しく嫌な仕事をしているのに関わらず、心はひどく穏やかだった。
2006-03-02 06:40:00 -
383:
名無しさん
トリップなし、偽物だ?
2006-03-04 02:01:00 -
384:
↑
PCと携帯使ってる言ぅてたし偽か分からんゃん☆
2006-03-04 06:23:00 -
388:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
見てくださってありがとうございます。↑のかたがおっしゃってくれたように、PCと携帯で書いているのでトリップ付いてないときもありますが、御了承ください。
2006-03-04 18:10:00 -
389:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「きゃぁぁぁぁ…ッ!!」
狭い部屋にヒカリの悲痛な叫びが響く。
「大丈夫、大丈夫だから!ヒカリ!僕が横にいるから!!」2006-03-04 18:10:00 -
390:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ヒカリは真っ青な顔でガタガタ震え、額には汗がにじみ出ていた。
何度目だろうか。
突然フラッシュバックのように悪夢にうなされる。2006-03-04 18:12:00 -
391:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
それでも今日はマシなほうだ。
何日か前など気付くのが少し遅れ、ヒカリは包丁で自分の太ももに何ヶ所も痛々しい傷を作っていた。
2006-03-04 18:15:00 -
392:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
こんな遠い場所にいてなおヒカリを傷つけるのか。
ヒカリをここまで追い詰めた奴らに、そしてこれ以上救うすべのない自分自身がやるせなくてしかたなかった。2006-03-04 18:18:00 -
393:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「なぁ、紫苑話しあるねんけどちょっといい?」
もうすぐ日の落ちそうな午後。窓からはこの街で一番大きなタワーが夕日を浴びてより一層赤く染まる。2006-03-04 18:21:00 -
394:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「改まってどうしたの?」
そう言いつつも嫌な予感がする。
「仕事の事なんやけど…あたし紫苑がどういう事してあたしを養ってくれてるか知ってるねやん」2006-03-04 18:23:00 -
395:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
思わずうつむく。
ヒカリには仕事の事を一切告げていなかった。
それはもちろん、ヒカリに罪悪感を与えたくなかったからだ。
賢しいヒカリの事。事実を知れば身を退くだろう。2006-03-04 18:25:00 -
396:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
何としてでもそれだけは避けたかった。
ヒカリのためでもあるし、紫苑自身のため。
せっかく生きる糧を意味をもらったのだ。
2006-03-04 18:27:00 -
397:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ヒカリを護りたい。
何かをしたいなんて気持ちになれた事が紫苑にとっと奇跡。
それがなくなればまた元通りだ。2006-03-04 18:29:00 -
398:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「僕自身が僕の意志で、ヒカリを護りたいと思ってるんだ。そのために手段を選ぶつもりはない」
「……なんであたしのためにそこまでしてくれるんか、よく分からへんねん」2006-03-04 18:31:00 -
399:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「でもな、一つ覚えてて欲しいんが、紫苑があたしの事をそう思ってくれてるようにあたしも紫苑のこと思ってる」
「……ヒカリ」2006-03-04 18:33:00 -
400:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「それにな、ずっと考えててん。あたしもこんな体治したいんやんか。この先ずっと自分自身に傷つけられて、生きたくない………だから…あたしも働く。ショック療法や」
2006-03-04 18:37:00 -
401:
まゆみ
しおりん?
2006-03-04 20:54:00 -
406:
名無しさん
更新待ってます?続き読みたいです??
2006-03-08 14:40:00 -
407:
名無しさん
あげ★
2006-03-12 23:15:00 -
408:
名無しさん
書いて
2006-03-16 17:08:00 -
410:
名無しさん
…
2006-03-17 14:08:00 -
411:
名無しさん
……
2006-03-18 01:32:00 -
412:
名無しさん
村上 隆のトパーズ知ってるんだ!
2006-03-18 13:07:00 -
413:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
トパーズですか?昔読んだことはありますよ↑↑過激というかよく世間の表としての出版物でよく認められたなぁ感はありましたね。SM的要素を絡ませたのは主が元SM関係だからです★
2006-03-20 06:50:00 -
414:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「ショック療法って…どういう事か自分で言ってること分かってる?」
「あたしは短絡的にものを話す人間じゃないことくらい、紫苑が一番よく分かってるやろ??」
「………………………」
うつむいたまま、声がでなかった。2006-03-20 06:54:00 -
415:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「紫苑の気持ちはよくわかるで、ありがたいと思ってる…………けどあたし多分そうやって生きていかなあかん人間やねん。世の中には知らんでいいことがたくさんある。でもほんの一握りしか知らん世界を知ってしまってん。これは変えようのない運命やと思ってる」
2006-03-20 06:58:00 -
416:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「それを避けられへん以上…抗う気もない」
「僕は…僕は無力な男だよ。お金と外見に生かされてきた。僕もきっとこの先変わることはないと思うんだ。誰が何と言おうとそれが僕の《価値》で生きる意味だから。僕は何も出来ない。ヒカリのために何をしてあげたらいいのか分からない……だから、飽きられるまでずっと傍にいるよ」2006-03-20 07:04:00 -
417:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
――――――――――
「ねぇ、聞いてるの!?トウヤってば!せっかくシャンパンがきたのに、あなたが空けないで誰が空けるのよぉ〜」
少し肉付きのよいほっぺたを膨らませて彼女が抗議する。2006-03-20 07:08:00 -
418:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「…ゴメン、あんまりかわいいほっぺたで、どうやって食べちゃおうか作戦練ってたんだよ」
やだぁ〜と言いつつも万更ではない下品なほほ笑み。2006-03-20 07:10:00 -
419:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ヒカリの微笑みとは雲泥の差。まぁ比べる相手が違い過ぎるか。相手は聖母だ。「じゃぁマロンちゃんのNO.1就任を祝って……カンパ〜イ!!」
ポンッという音と炭酸が抜ける濁ったガスがトウヤを包む。2006-03-20 07:14:00 -
420:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
マロンなんてあからさまな源氏名を名乗って、架空のお城で嘘のスーツをまとった王子様と一夜の宴。
「ねぇ〜トウヤはマロンのどこが好き??」2006-03-20 07:20:00 -
421:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「なんでそんな事が知りたいの?」
「女の子は誰でも知りたいもんだよ、好きなヒトにどこを愛されてるかって」
全部だよ、とか好きに理由なんてないさなんて当たり前の事をお金を出した女が望むはずがない。2006-03-20 07:23:00 -
422:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
望むのは…彼氏や普通の男じゃとうてい言ってくれない、まるで蜂蜜のような言葉。
甘い匂いととろける口当たり、そしてクセになる言葉。2006-03-20 07:26:00 -
423:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「深さと、匂い…かな」
「どういう事?」
「会うたびに、言葉を交わすたびにマロンの事を知っていく…でもそのたび俺のなかで謎が増えていくんだ。もっと知りたい、謎を解きたい…そう思った瞬間にマロンは俺を擦り抜けて階段を下りて帰ってしまうんだ」2006-03-20 07:30:00 -
424:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「でもマロンは悪い女だから、ガラスの靴さえ残していってくれない。帰った後かすかに鼻孔に残るのは、マロンのいつも付けてる香水の残り香だけだ。………そんな女、誰が嫌いになれる?いるとしたら教えてほしいね」
2006-03-20 07:34:00 -
425:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
さすがにクサ過ぎたかと、自分自身がおかしくなる。外でこんなセリフ恥ずかしげもなく言えるやつがいるとしたら、そいつは間違いなくパリジェンヌだ。
2006-03-20 07:37:00 -
426:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
しかしあんなセリフでも城の内装のようなこった作りのセットで、蝋燭の炎に照らされた中では効果も絶大だったに違いない。
それの証拠に、マロンの頬は上気して紅く染まっている。
もちろんシャンパンのアルコールとは違った意味で。2006-03-20 07:40:00 -
427:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ヒカリの過去、紫苑の過去、そして二人の過去。
二人で暮らしていたのに、《男と女の関係》でなかった意味。
怒濤のような数か月。2006-03-20 07:45:00 -
428:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
受けとめることも、受けとめなきゃいけないこともトウヤには多すぎて軽く飽和状態だ。
ホスト業もだんだん板に付いてきた。
一人も指名客がいなかったのに今ではすでにランキングに名を連ねるようになってきた。2006-03-20 07:47:00 -
429:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
紫苑もヒカリも相変わらずでいつが仕事なのかオフなのか分からない。
たまたま三人の時間があえば広いダイニングで食事をともにする。
2006-03-20 07:49:00 -
430:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
あの話から紫苑も何一つ変わらない。
一つ変わったことといえば、トウヤの中のヒカリへの想いくらいか。
2006-03-20 07:50:00 -
431:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
何が変わったなんてトウヤにもよく分からなかった。護っていかないと、という義務にも似た守護感。
それ以上どうこうしたいかと言われても困惑するばかりだ。2006-03-20 07:52:00 -
432:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
他の女に思うような肉欲だとか征服してやりたいなんて気持ちは微塵もない。
そうたとえば、ヒカリの胸に抱かれながら、優しく眠りにつきたい。2006-03-20 07:54:00 -
433:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
これが恋ってやつなのか?一方的な、そしてこの純粋な想い。
ホストやってる俺が笑ってしまう。
少なからず俺に体を掻き回されて突かれたいがために、札を投げる女は数多い。2006-03-20 07:56:00 -
434:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
そんな俺が忠誠にも似た片思いをしているなんてな。紫苑もいる事だし?
言い訳にすぎないけど。
あいつみたいな騎士がいるかぎり俺のでる幕はない…か。2006-03-20 07:59:00 -
435:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
merry-go-round
メリーゴーランド。
幸せは…回る。
永遠の片思いもメリーゴーランドみたいに回るのか。2006-03-20 08:01:00 -
436:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
日曜の晩。
異変は突然起きた。2006-03-20 08:02:00 -
437:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「トウヤ…あのな…紫苑と連絡つかへんねん…」
紫苑?確か客と一週間ほど旅行に行くと言っていた。一週間で七百万。
それをヒカリに告げたかどうかは分からないが、意気揚揚と俺にその値段をつげ、たくさんお土産を買ってきてあげる!と出ていった。2006-03-20 08:06:00 -
438:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
それが確か10日前。
マメな性格の紫苑は基本連絡をかかさない。
俺にはともかく、ヒカリには毎日帰宅時間をメールなり電話しているはずだ。2006-03-20 08:08:00 -
439:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「海外だろ?確か…」
「ニース」
ニースはフランスの南部にある世界有数の保養地だ。世界のありとあらゆる金持ちの集まるバカンス。2006-03-20 08:10:00 -
440:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「そこ!携帯使えないんじゃないのか?」
「例え携帯がつながらなくても、紫苑PC持っていってるねん。ニースやで?世界のトップビジネスマンが集まってるんやで?PCが使えへんはずないやん…」2006-03-20 08:12:00 -
441:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
めずらしく顔を歪め、動揺が瞳に浮き出ている。
そんな姿も痛々しくて可愛いな…なんて思っている場合でもなさそうだ。2006-03-20 08:14:00 -
442:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「出発して10日、連絡が途切れてからは?」
「4日目までは毎日メールが届いててん」
言うなりリビングのPCを開き、メールを見せてくれた。2006-03-20 08:17:00 -
443:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
《件名:ニース着いたよ!本文:こっちは、日差しが強くて暑いけど日本と違って湿気がないから気持ちいいよ!!ちょっと間離れるけど、ちゃんと連絡入れるからね★ 紫苑》
2006-03-20 08:20:00 -
444:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
カチカチと画面をスクロールしていく。確かに四日目を境に受信メールがなくなっていた。
胸の奥にざわつきを感じる。2006-03-20 08:22:00 -
445:
名無しさん
読んでます?頑張って下さい?
2006-03-20 08:25:00 -
447:
名無しさん
更新されてる!頑張って下さい☆彡
2006-03-20 18:18:00 -
448:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
いつもいつも遅いのにみてくれている方ありがとうございます。
少しですが、更新させてもらいます。2006-03-21 08:34:00 -
449:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「…あれだろ、一応仕事なんだし忙しいんじゃないか?」
不安な眼を隠そうとしないヒカリに苦し紛れに言い放つ。
言っている俺自身のほうが動揺してるな。2006-03-21 08:37:00 -
450:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「ほんま…一体どうしたんやろぉ?こんなん初めてやわ。だって帰国の予定日からもう三日もたってるねんで?忙しいって言っても遅れるなら遅れるでなんかアクションあるやん…」
2006-03-21 08:39:00 -
451:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
確かにそのとおりだった。帰国予定が延滞するなら連絡の一つないはずがない。やばいな。
何を言ってやったらいいか全然分からない。
口から出そうになるのは大丈夫だって!そんな不確実で安っぽい言葉ばかりだ。2006-03-21 08:42:00 -
452:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「なぁ!行かへん??」
「え…ニースに…か!?」
「だってこんなとこで待っててもどうしようもないやん!?ホテルだって聞いてるんやし、行ってみようや…」2006-03-21 08:45:00 -
453:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「…行きたい気持ちは分かるけど、ヒカリフランス語喋れるのか?リゾート地だから英語とかも通じるかもしれないけど、向こうで捜索となったら言葉も困るんだぞ?」
2006-03-21 08:47:00 -
454:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「それはッ…そうやけど…」「冷静に考えて、入れ違いとかもあるかも知れないしここにいて連絡待ってたほうが賢いよ」
「でも…でもッ」
プルルルル…プルルルル…ヒカリの声を遮るように家の電話が鳴る。2006-03-21 08:59:00 -
455:
名無しさん
続き読みたい〜ッ(〃∇〃)
2006-03-21 09:53:00 -
456:
名無しさん
続き読みたいのでァゲます?
2006-03-22 17:03:00 -
457:
名無しさん
続きめちゃ気になリます!!!
頑張って書いてください(´∀`@)2006-03-24 11:03:00 -
459:
名無しさん
頑張って☆
2006-03-24 14:05:00 -
460:
名無しさん
楽しみにしてます???
2006-03-26 06:45:00 -
461:
名無しさん
まだかな
2006-03-26 09:23:00 -
463:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
いいところで引っ張ってしまいましてすいませんでした…。改めて続き書きます!
2006-03-28 09:29:00 -
464:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
二人の間を冷たい機械音が走る。
プルルルル…プルルルル…たまりかねてトウヤが受話器をあげた。
「はい…はい、そうです…」2006-03-28 09:31:00 -
465:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ヒカリはいてもたってもいられなかった。
どう考えても嫌な予感が胸をチリチリと焦がす。
それにこの電話。
この電話ははっきりいってパソコンを引いたのと同時に名目上付けただけでめったになることはない。2006-03-28 09:34:00 -
466:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
それなのにどうしてこんな時に限って…。
「えっ!?そうですけど…はい…それは間違いないんですか?」
神妙に喋っていたトウヤの声が一瞬大きくなり、そして少し震えている事に嫌でも気付いてしまう。2006-03-28 09:37:00 -
467:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ガチャ…。
「トウヤ…何の電話?」
聞きたくはない。でも聞かずにはいられない。
「………警察。」2006-03-28 09:39:00 -
468:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
胸を焦がすチリチリは次第に大きくなっていく。
「警察…?何の用…なん?」「………………紫苑の乗ったセスナが墜落して生死の安否が分からないらしい」
瞬間胸の焦げは爆発した。「つまり…行方不明だ」2006-03-28 09:47:00 -
469:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
警察に事情を聞きに行き、現地でガイドをしたという人の話を聞いた。
紫苑の乗ったセスナは、パリへと戻る道中で雷雨に巻き込まれ、川へと墜落した。乗っていたのは紫苑の他四名。だが濁流に流されて遺体があがったのは一名だけだった。2006-03-28 09:53:00 -
470:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
遺体がない葬式なんてのに初めて参列した。
まだ少し幼い頃の位牌の紫苑が少し生意気そうな顔でこちらをにらむ。
2006-03-28 09:54:00 -
471:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
財務省勤務というのにふさわしい貫禄のある父。
有閑マダムという言葉のぴったりハマる母。
参列者が思いの外少ないのは、事情を考えれば当然のことだ。2006-03-28 10:10:00 -
472:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
いかにも美しかったであろう母は見る影もなく、ただただ肩を落として泣いているばかりだった。
喪主の父は忙しそうに参列者に頭を下げている。2006-03-28 10:13:00 -
473:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「紫苑の荷物は結構です。そちらで処分しておいてください。……それと…この件の真相についてはどうか内密にお願いできませんか、あまり口外できることではありませんので」
2006-03-28 10:16:00 -
474:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
申し訳なさそうに。
しかし、キッパリとした口調でトウヤにそれだけを伝えにきた。 「僕らも一切口外するつもりはありませんので」
その答えに安堵する様子が伝わってくる。
きっと財務省ではやり手なのだろう。2006-03-28 10:20:00 -
475:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「では、これを…」
茶色の、分厚く膨れ上がった封筒を外から見えないようにトウヤに握らす。
「なんのつもりですか」
怒りを押し殺すのに精一杯だった。
「なに、ほんの迷惑をおかけしたお詫びということで…」2006-03-28 10:24:00 -
476:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
言い終わるより先に、トウヤの拳が欲にまみれた顔にめり込んでいた。
封筒からいくつもの束になった札が散らばっていた。2006-03-28 10:26:00 -
477:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ガチャ…。
いつものようになれた手つきでマンションの扉を開く。いつもの玄関。いつもの観葉植物。いつものリビング。
ただ一つ違うのは、そこには二人しかいないという事実だ。2006-03-28 10:29:00 -
478:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「ヒカリ…帰ったよ」
あの日からヒカリは涙を流すわけでもなく、叫ぶわけでもなく、一人自室に閉じこもるわけでもない。
リビングの真ん中でひたすらパズルをやっていた。2006-03-28 10:32:00 -
479:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
どこからか買ってきたパズルはトウヤが今まで見た中で一大きく、そして難しそうだった。
ゆうに一万ピースはあるだろうか、リビングのカーペットの半分を占めている。2006-03-28 10:35:00 -
480:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
そしてそれは――――──────真っ白だった。
柄も文字もないパズル、それを無表情にパチ、パチとはめていくヒカリ。2006-03-28 10:37:00 -
481:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
その音がなんとも言えず、トウヤの胸に響く。
泣き叫んでくれたらどれだけ楽だっただろう。
毎晩枕を濡らしてくれるならどれだけ救われただろう。2006-03-28 10:40:00 -
482:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ご飯も食べず、睡眠も取らずただひたすらパズルに向き合い、穴を埋める。
やはり難しいらしく、なかなか空白は埋まっていかない。2006-03-28 10:42:00 -
483:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
白い小さなピースしか写さないヒカリの瞳。
なんていう言葉を掛けたらいいのか、なんて慰めたらいいのか分からない。
ヒカリにも、そして自分自身にも。2006-03-28 10:44:00 -
484:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
出来ることは、ただ黙って一段と小さくなったように感じるヒカリの背中を椅子に座って見つめることだけだった。
2006-03-28 10:45:00 -
485:
初カキコ
リアルタイムぢゃーん?おもれいっ
2006-03-28 11:25:00 -
486:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「あっ……」
声なのか吐息なのか区別がつかないくらいの小さな声が、ヒカリの乾いた唇から漏れる。
ふと、視線を落とすと、トウヤの足元に病的なほど白いピースが転がってきていた。2006-03-28 22:41:00 -
487:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
黙ってそれを拾い、ヒカリに手渡す。
カタッ。
小さな塊は、手と手の間を擦り抜け床に落ちた。
ヒカリの手は震えていた。2006-03-28 22:44:00 -
488:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「ねぇ、信じられるん?」
拳をぎゅっとにぎる。
「紫苑が死んだなんて、トウヤは信じてるん?!あたしは信じられへん。遺体も上がってないんやで!!」2006-03-28 22:59:00 -
489:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
「約束したやん…お土産買ってきてくれるって言ってた。あの子は約束やぶるような子じゃない。紫苑は…絶対に生きてる…」
2006-03-28 23:05:00 -
490:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
いつもより一段と低いその声は、我が子イエスのこの先の困難を宣告する聖母マリアを彷彿させる。
…またか。
自分でも嫌になる。どうしてもっと普通にヒカリが好きだと男として思えないんだろう?
これじゃ紫苑と一緒じゃないか。2006-03-28 23:19:00 -
491:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
…紫苑。
そこまで考えて、ハッと気付く。
ここにはいない。
なんでだ?2006-03-28 23:35:00 -
492:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
通夜、葬式。
そんなものは何も意味をもたない。
だって目の前に紫苑の「死」なんてどこにもない。
2006-03-28 23:40:00 -
493:
トウヤ ◆fnkquv7jY2
ここしばらく調査隊だとか、紫苑の両親だとか、警察だとか、まわりに振り回されて何も見えてなかった。「そうだよ、誰が死んだって決めたんだ?」
2006-03-28 23:42:00 -
494:
名無しさん
あげます?
2006-03-28 23:45:00 -
495:
サィナ
本間おもろ!!かれ感動しますな!!
2006-03-29 08:39:00