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【魔の召使い】
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1:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
冬も深まり始めた12月の事だった。友人のトモキが自殺した。原因はいじめ…。トモキとは幼い頃からの友人であり、よきライバルだった。だがいじめの事については一言も相談してくれなかった。トモキは俺に心配をかけないように自分一人で抱え込んでいたのだ。 《ちくしょう!!トモキの奴いじめなんかに負けやがって!なんで俺に相談してくれへんかったんや?力になってあげる事もできたかもしらんのに…》 疑問ばかりが頭の中をかけめぐる。考えても考えても答えなどでるはずもない。そうして俺が考えている間に形式だけの葬式は終わりを迎えようとしていた。火葬場に迎う前に最後にトモキの顔を見る事ができた。 マネキンのように無表情で生気のない顔だったが俺にはトモキがとても悔しがっているように見えた。
2006-04-10 22:36:00 -
2:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
火葬場に迎うバスに乗り込む。この後トモキは火葬され骨だけになってしまう。もうトモキには会う事はできないのだ。そんな事を考えていると涙がでてきた。俺は涙がこぼれないようにそっとハンカチで拭いた。その時であった!前の座席の会話が俺の耳に入った。 『トモキ君の自殺の原因ってシンイチ君とヒロ君らしいよ。』「えっ!やっぱりあの2人なの?トモキ君の事気に入らないって言ってたもんね。真面目ぶってるって!」 シンイチとヒロ…確かにあの2人ならやりかねないな!シンイチとヒロはいわゆる不良と呼ばれる存在だった。2人でコンビを組めば誰も逆らえないほどの凶悪な奴ら!一度なにか気に入らない事があると徹底的に暴れる!そんな奴らだ。話はまだ続く…『なんかね、トモキ君お金とかも取られてたみたい!殴られたくなければ金持って来いってな感じで!』「まじで!!でもそれってばれていないの?」『それがね、遺書も何もなかったからばれていないんだって!』 俺はこの会話を聞きしばらく放心状態に陥った…。そしてその後シンイチとヒロに殺意を覚える。
2006-04-10 22:55:00 -
3:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
火葬場に着きバスから降りる。この時俺は悲しみで頭がいっぱいで火葬場に来る道中で聞いた話など忘れていた。会場は悲しみで包まれ周りの人々は思い思いの言葉をトモキに投げ掛けた。しばらくすると棺桶は静かに炎の中に飲み込まれて行き灰と遺骨だけの姿になり目の前に表れた。 《これがトモキ?うそやろ?まったく面影ないやん。》何かトモキに対する全ての物が灰になってしまったような、そんな感じに襲われた。俺は遺骨に目を向ける事ができなかった。
2006-04-10 23:06:00 -
4:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
無事葬式の全てが終わり俺は帰路に着く事になった。12月の冷たい風が俺の周りを吹き抜け体温を奪い去り喪失感だけを残していく。1人淋しく歩いている時バスで聞いた会話がよみがえった!なんとも言えないほどの怒りが込み上げてくる!《シンイチとヒロ、あいつらがトモキを殺したんだ!あいつらがいなければトモキは自殺なんかしなくてよかったはず!!あいつらも死んだらいいねん!殺したろか!》だが俺1人でとても太刀打ちできる相手ではない。まともにやりあえば必ず負ける…。《まともにやりあえば?…まともにやりあう必要なんかないやん!背後から刃物で刺したら…。よし!トモキ仇とったる!》 俺は急いで家に戻り手袋と包丁を手提げ袋に詰め込み家を出た。
2006-04-10 23:21:00 -
5:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
近づいて改めて男を見る。先の尖ったブーツ、レザーの細身のパンツにデニムのような生地のジャケット。とんがりぼうしみたいなのを深くかぶっているために顔はよく見えない。とにかく全身黒づくめだ。肌が異様に青白く少し気味が悪い…。 『なに?急いでるんやけど!』気味が悪かったが勇気をふりしぼり言ってみた。すると男はこう答えた。「小僧。おまえは今から人を殺そうとしているな?俺にはよくわかるぞ!この人込みの中でも際立った殺気が確認できたのだからな!まちがいあるまい!」俺は驚きうなずく事しかできなかった。 「おまえが憎くて憎くてしかたがない人間がいるのならば私が力になろうか?ちょうど良い物を持ち合わせているのでな、これを使えばお前の手を患わす事無く憎き物は始末されるであろう。」と言い男は黒くてボロボロの本を俺に渡した。 「間違った使い方をしなければおまえにとって害になる事はないだろう。せいぜい考えて使え!そいつはお前の忠実なしもべだ!」 男はそれだけ言い残すと人込みの中に消えて行った。あっけにとられた俺は殺気もなくなりとりあえずシンイチとヒロの襲撃を中止し
2006-04-10 23:53:00 -
6:
削除削除されますた
あぼ~ん -
7:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
家に着き俺は自分の部屋に入った。男からもらったボロボロの本をまじまじと見つめてみる。《結局あの人なんやったんやろ?この本が俺のしもべ??まったく意味わからへん!》 俺は本を開いてみた!そこには真っ赤な文字でこう書かれていた。
2006-04-10 23:57:00 -
8:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
私は貴方のしもべでございます。私と契約していただいたならば私は貴方の望みを叶えるでしょう。私をどう使うかは貴方次第です。契約を破らないようにうまく私を使ってください。 契約事項:いかなる事があろうともわたしを捨てない事!契約したからには貴方がお亡くなりになるまではそばに置いてください。 契約を破棄した場合はあなたの命を頂きにまいります。
2006-04-11 00:10:00 -
9:
名無しさん
続きかいて??
2006-04-11 08:01:00 -
10:
名無しさん
面白そう!がんばって!
2006-04-11 14:48:00 -
11:
名無しさん
この話、Y氏の隣人ちゃうん?
2006-04-11 15:19:00 -
12:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
応援ありがとう。頑張ります。後この話は自分で考えています。Y氏の隣人とはまったく関係ありません。かぶっていたならごめんなさい。書いていく内にかぶらんようになると思います。
2006-04-11 17:05:00 -
13:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《しもべ?契約?なんの事やねん?》俺は意味がわからなかった。他に何か書いているかも知れない。そう思い次のページを開いた。
2006-04-11 17:12:00 -
14:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
契約方法:開いているページに貴方の血液で日付と名前を書き込んでください。そうすれば契約完了です。私は貴方に生涯遣えます。
2006-04-11 17:17:00 -
15:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
と書いてあった。俺はこの本に少し興味が湧きパラパラと本をめくってみた。 驚いた!契約した人がけっこう多いのだ!!本の最後の2、3ページまで書き込んである。古い物は1993年11月とある。最初の契約者は女の人だったみたいだ。ここで一つの疑問がよぎる…。《待てよ。この本が今俺の手元にあるって事は………この本に書き込んでいる人は全員死んだのか?まさかな、そんな事あるはずないよな!》俺は自分で自分を言い聞かせその本を本棚にしまい込んだ。なぜだかその本を捨てる気にはならなかった。
2006-04-11 17:32:00 -
16:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
部屋から出てリビングに向かう。リビングではオカンがテレビに夢中になっていた。オカンは俺に気付き『トモキ君の事残念やったねぇ。アンタと仲よかったもんねぇ。自殺なんかする子には見えへんかったけど何かつらいことでもあったのかしら?』そう言いテレビを消し晩ご飯の支度を始めた。 《トモキは自殺なんかじゃない!シンイチとヒロに殺されたんや!!》俺は出かかった言葉を飲み込み《トモキ。今日は無理やったけど明日は仇とったるからな。》心の中でつぶやいた。
2006-04-11 17:53:00 -
17:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
次の日、朝起きて俺は支度を始めた。昨日の手提げ袋から手袋と包丁を取出しおもむろに通学鞄の中にほりこんだ!《学校でもどこでもいい。チャンスがあれば殺ってやる!》 学校に着くなり俺はシンイチとヒロを探した。だがシンイチとヒロは学校を休んでいた。きっと学校をさぼり駅前のゲーセンにでも行っているのだろう。学校が終わったら駅前のゲーセンに探しに行こう。
2006-04-11 18:03:00 -
18:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
学校を終えた俺は急いで駅前に向かった。《昨日は変な奴に邪魔されたけど今日は大丈夫や!》そう思いながら歩いていた。昨日ほどではないが放課後って事もあり駅前は制服姿の学生でにぎわっていた。みんな駅前のゲーセンに向かうのだ!《こんだけ人多かったらやりにくいやろな。でも気付かれへんようにすれば大丈夫やろ!》昨日声をかけられた所を通り過ぎゲーセンの前まで来た時に誰かが俺の肩を叩いた。振り替えると昨日の男が立っていた。
2006-04-11 18:12:00 -
19:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『小僧!俺が昨日渡した本をなぜ使わないのだ?なぜわざわざ自分の手をわずらわせようとする?』 男は優しい口調で俺に問い掛けてきた。2回目という事もあり俺は男に恐怖心を抱いていなかった。 「なぜってあんな本うさん臭いやん!契約とか…。そんなんして何の意味があるん?お呪い?お呪いに頼るんやったら自分でやるよ!そのほうが早いやん!」 男はため息をついた。。。『小僧。よく聞け!あの本は呪いなどではない!昨日も言っただろうが!あの本はお前のしもべだ!』 「それがうさん臭いねん!!信じれる訳ないやろ?」『ならば俺に着いて来い!その本がしもべだと言う事をお前のような低能な物にもわかるようにしてやろう。』俺はその言葉に逆らう事もできず男の後を着いて行った。
2006-04-11 18:29:00 -
20:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
男は細い路地裏に入って行った。どこでもそうだが盛えている場所の少し裏に入ると人の気配などまったくない。男は少しの空き地のような所で立ち止まった。そして信じがたい話を始めたのだ…。 『小僧。よく聞け!俺はこの世の住人ではない!俗に言う魔界と呼ばれる所からきたのだ!この姿も仮の姿であり本当の姿ではない。信じれないか?ならば証拠をみせよう!』 そう言うとどこから出てきたのかわからないが男の体を煙が取り巻いた。俺は驚いたが目をそらす事ができず煙を呆然と見つめていた。
2006-04-11 18:45:00 -
21:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
少しすると煙は消えてなくなり俺の目の前に男が姿を表した。だがその姿はさっきの姿とはすこし違っていた。きれいな白髪、肌は相変わらず青白い。目付きはするどく眼球は灰色、口からは牙がとびでており手にの爪は女のように尖っている。 『これが俺の本当の姿だ。地上では目立ちすぎるのでさきほどのような姿で行動している。だがこれだけでは信じがたいと思うのでこれを見てもらおうか。』 そう言うと男は手のひらを俺に見えるように開き 『俺の手のひらを覗き込め!おもしろいものを見せてやろう。』 と言った。俺は言われるがままに手のひらを覗き込んだ。
2006-04-11 20:10:00 -
22:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
男の手のひらにはどうやっているのか映像が映し出されていた。その映像にはまったく見知らぬ男とあのボロボロの本が写っていた。すると男は本を開きカッターで自分の指を切った!血がポタポタとたれている。《うわっ!痛そうやな。》俺がそんな事を思っていると男は本に自分の血で日付と名前を書いた! すると次の瞬間何か小さな声が聞こえた。その声が小さくて聞き取れない。俺は必死に聞こうとしたがやっぱり聞こえなかった。 『さてこの男だが、この男はしもべと契約したのだ。それがその時の光景だ。人間界では非常に有名だったらしいが小僧!見覚えはないか?』 俺は映像に写る顔をよく眺めてみた! 「あっ!こいつ何年か前に急にめちゃ売れたミュージシャンやん!俺すごい好きやった!確かなんか原因不明の病気で死んだって。」その瞬間俺は寒気が走った。確か契約を破棄したら命を頂きに行くって書いていたような…
2006-04-11 20:30:00 -
23:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
↑しくった。読んでくれている方がいたならばすみません。。。
2006-04-11 20:32:00 -
24:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺は男の顔を見た。男はにっこりほほ笑みながら 『そうだ。この男はしもべと契約をした。そしてしもべを使い自分の望みを叶えたのだ!結果的には契約を破棄してしまったがな。』そう言うと男は手を握りまた手を開いた。するとそこにはボロボロのあの本があった。 『小僧の引き出しから少々拝借した。なぜこのような本があるかと言うならば…ただの俺の暇つぶしのためだ。俺は魔界ではすごく暇でな、ある時ふと思ったのだ!何の力ももたない人間にこのような物をさしだしたならどう使うだろうか?とな。その結果大変に楽しい思いをさしてもらっている。なぜかみなこの本を嫌い破棄しようとするのだ!小僧!お前ならどう使う?』
2006-04-11 20:48:00 -
25:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その時俺は男の世界に引きずり込まれていた。 「俺やったら絶対に本を破棄しようとなんかせーへん!そんなんしたら自分が死んでしまうんやろ?」 男はにやりと笑いそして…『小僧わかっているではないか!ではこの本と契約するがよい!お前の望みをなんでも叶えてくれるであろう。例えばお前が殺そうと思っている奴!そいつですらお前の手をわずらわす事無く始末できるのだぞ?お前はその後他の望みを叶えるなり、なにもせずに普段通りに日常を暮らしていけばいいのだ!』 と言った。《確かにそうやな!トモキの仇を取った後は本棚にこの本直しておけばいいねん。簡単やん!!》『わかった。この本使わしてもらうわ。ありがと。』俺は男にそういいその場を後にした…。
2006-04-11 21:04:00 -
26:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
あの男とどれぐらいの時間話をしていたのだろう?あたりはすっかり暗くなり会社帰りのサラリーマンや遊んでいる若者などで駅前はごったがえしていた。空気は肌寒くなり息を吐くと息は白く染まった。ふとゲーセンの方を見るとそこにはシンイチとヒロが女をナンパしているのが見えた!《くそっ!あいつら楽しそうにナンパなんかしやがって!殺してやろうか!》俺の胸に激しく怒りが込み上げてきた。怒りを必死にこらえ《今ここであいつらを殺す必要はない!帰ったら契約をしてしもべに殺ってもらおう。》俺はそう言い聞かし自宅に向かった。
2006-04-11 21:13:00 -
27:
名無しさん
主さん、元はジャンプのデスノート?ワラワラ
2006-04-11 23:42:00 -
28:
うリ?
しおリ|о>艸
2006-04-12 02:02:00 -
29:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
確かにデスノートとかぶってます。無能なんで…これぐらいしか契約方法うかばなかった。まぁ内容は違ってくるんでよかったら読んどいてください。
2006-04-12 17:41:00 -
30:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
家に着き俺はすぐ自分の部屋に向かった。さっきの怒りがどうもおさまらない!俺はおもむろに本を取出し開いているページを開いた!!今こうして契約を始めようとすると妙に不安になる…。そりゃそうだ!さっき男に見せられた映像の人は実在していたわけで、このノートで契約し死んでしまったのだ。《こんな本使わんで自分で殺ったら…。捕まるけど命までは取られへんしな…。でも契約してしもべに殺ってもらえば俺ってのもばれへんし…。》二つの考えが頭の中で戦っている!《契約しても本さえこの部屋に閉まっとけば大丈夫やんな?》結局俺は決心をして通学鞄から包丁を取出し、指先を軽く切った。
2006-04-12 17:54:00 -
31:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ズキッ!と少し痛みがしノートに真っ赤な血が滴れる。《ふぅー。》と一息着き俺はノートに日付と名前を書き込んだ。 2005年12月15日 スギタノブユキその直後だった!!『契約完了いたしました。』小さな声で誰かつぶやいた!!俺は驚き辺りを見渡すが誰もいない!いや、いるはずがない!でも確かに今声が聞こえた。《一体なんやねん!今の声は誰の声?》俺がそんな事を考えていると急に本がパラパラとめくれ初めのページに戻った!俺は固唾を飲み本を見つめる!するとうっすらと本が光り、本から煙が吹き出した!部屋一面が煙だらけになる!俺は息苦しくなり窓を開けようと窓の方向に向かった。その時パッと煙は消え俺の机の前にあの男が立っていた!
2006-04-12 18:16:00 -
32:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《えっ!なに?どーゆー事?なんで本からコイツがでてくるん?》茫然としている俺を見つめ男は話しだした。『契約おめでとう。契約したからにはお前に渡さなくてはいけないものがある!受け取れ!』そういいながら男はまた一冊の本を差し出した。もう何もかもがめちゃくちゃすぎて俺は何も言えなかった。黙って本を受け取る。『どうやら人間と言うものは見た目などにこだわるらしいのでな。その本はしもべのサンプルだ!その中から好きな物を選ぶがよい!さて俺は魔界に戻りお前がその本をどう使うか観察する事としよう。使い方を誤るなよ?』男がそう言うとまた本から煙がでてきた。少しして煙が晴れた時にはもう男の姿はなかった…。
2006-04-12 18:27:00 -
33:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
男が去り俺はその場に座り込んだ。どうしていいのかわからない。手には男からもらった本をにぎりしめていた。見た目は一冊目とそんなに変わらない。真っ黒でボロボロだ。とりあえず中をのぞいてみた。
2006-04-12 19:47:00 -
34:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
契約して頂いてありがとうございました。貴方様に遣えるしもべを選んでくださいませ。
2006-04-12 21:31:00 -
35:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ページの一番最初に前回とおなじ赤い文字でこう書いてあった。俺は次のページをめくった。そこには小さなドラキュラみたいなのが書いてあった。次のページをめくると次は魔女。パラパラと見ていくと色んなのがある。おもわず目移りしてしまうようなのばかりだ!このころになると俺は怒りを忘れ《しもべ》探しに夢中になっていた。ふと目が止まった。ガイコツだ!手には自分の体より大きい鎌を持っている。《なんかかっこいいなぁ!よし!これキープ。》その後もパラパラとめくってみたが、あまりピンとくるものもなく最後のページをめくった。
2006-04-12 21:42:00 -
36:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
貴方様に遣えるしもべは見つかりましたか?みつかりましたら貴方様の血液をしもべに垂らしてくださいませ。その者が貴方様に遣える者になります。 注意:貴方様は契約を終えられていますので一週間以内にしもべを決定して頂けない場合は契約破棄とさせて頂きますので御了承くださいませ。
2006-04-12 21:47:00 -
37:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
そう書かれていた。《一週間以内にしもべを決めろって最後に書くなよ。まぁもう決まったからいいけど…。》俺はガイコツのページを開いた。《コイツに血を垂らしたらいいねんな。》さっき包丁で傷付けた指先を見てみる…。血はもう止まっていたが指で傷口の近くを締め付けるとまた血がにじんできた。俺はその血をガイコツに垂らした。ポタ…。 すると急に《ポンッ!!》と小さな爆発?が起こり目の前に小さな手のひらサイズのガイコツが現われた!!
2006-04-12 21:55:00 -
38:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『私と契約頂き真にありがとうございます。』目が点になった。一日の間にこれほど驚く日はきっとないだろう!しもべは俺に向かい『ご主人さま?きょとんとされていますがどうかなされましたか?私をお呼びになったのはご主人さまでしょう?さっそく何か願いなどはありませんでしょうか?私ずっと仕事をしていなかったもので力があり余っております。なんなりとお申し付けくださいませ。』 その言葉を聞いて俺は我に帰った!《そうだ!俺はトモキの仇を取るんだ!!》 『あのさ、お前にしてほしい事があるんだ!俺と同じ学校のシンイチとヒロって奴を殺してほしいんだけど…。』するとガイコツから思いがけない言葉が返ってきた。
2006-04-12 22:09:00 -
39:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『ご主人さま。初めに申し上げておきます。まず人を殺害するためにはひとつ条件があります。その条件は…相手を私に直接見せる事です!それ以外の事、有名になりたい、お金持ちになりたいなど何かを対象にしない場合、つまり目的の相手がいない場合は私に見せるの事ができないので条件などはないのですが…。』《コイツを連れて外にでる?そんなん無理やろ?シンイチとヒロの写真とかじゃ無理なんかな?》 『あのさ、写真とかじゃ無理なん?さすがにお前を外に連れて歩くんは無理やろ?人の目とかあるやん。』当然の答え。だがしもべはその答えは聞き慣れているみたいですぐ答えた。 『真に残念ではございますが写真や映像などでは不可能でございます。なぜ目的の相手がいる場合のみ条件があるのかと申しますと、私がその相手に少しまぁ、魔法のような物を使うからなのです。それは直接相手にしないと効果を発揮しないのでございます。』 《まじかよ…。きついなぁ。》そう思っているとガイコツは言葉を付け足した。『但し私の姿は契約をしたご主人さまにしか見えないので、どこに連れて行くにしろ連れて行きやす
2006-04-12 22:47:00 -
40:
削除削除されますた
あぼ~ん -
41:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『えっ?そうなん?てかそれを先に言えよな!!』 安心した。こんなのといるのを誰かに見られたらいいわけのしようが無い。《だがコイツは本当に俺にしか見えないのかな?》俺は疑問を覚えた。《ちょっと試してみよっかな。》 『おい。俺今からリビングに行くからついてこい!お前が本当に見えないのか確認したいし腹も減った。』「かしこまりました。ご同行させて頂きます。と言うか私ご主人さまと御契約を結ばさせて頂きましたのでこれからはどこに行くにしろご同行させて頂きます。言い方を変えれば取りついたのと一緒でございますからね。」『そっか。まぁ他の人に見えへんねんやったら別にいいんちゃうか?』その時はこの事は軽く考えていた。俺は本を本棚にしまい込みリビングに向かった。
2006-04-12 22:58:00 -
42:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
リビングに着くと夕食ができ上がっていた。オカンは食器洗いをし、オヤジはテレビで野球を見ている。俺はオヤジの横に座った。オヤジは野球観戦に夢中になり、まったく俺を見ようとしない。『オヤジ野球ばっかり見てるなぁ。野球おもろいん?』俺はガイコツが本当に見えないのか確かめるために話かけた。オヤジはチラっとこっちを見て、またテレビに目を戻し 『おもろいぞ!!このおもろさがわからへんのか?』 と野球に夢中だ。《あかん。集中しすぎや。とてもこっちをちゃんと見てくれそうにもないなぁ》 俺はオカンに話かけてみる事にした。
2006-04-13 19:10:00 -
43:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
食器洗いを終えてこっちに来たオカンに話し掛ける。 『オカン。俺なんか付いてない?肩の辺りとか…。』 その時ガイコツは俺の肩で座っていた。おかんは俺の肩を見つめながら 『別になんも付いてないけど?それより早くご飯食べなさい!アンタが食べてくれへんかったらいつまで経っても片付けへんやない!』《ほんまにまったく見えてないんや!!これは使えるぞ!》俺は食事をすませ部屋に戻った。
2006-04-13 19:20:00 -
44:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
部屋に戻るなり俺はガイコツに話かけた。 『お前ほんまに俺以外に見えへんねんなぁ!!これで明日お前連れていけるわ。』「ご主人さま。私嘘は申しませんよ。私は貴方様の忠実なしもべでございますから。それに私が嘘を申すと私はしもべとして生きていけなくなりますからね。」《しもべとして生きて行けない?どーゆー事やろ?》『嘘を付いたらしもべとして生きて行けないってどーゆー事なん?』 俺はその言葉が少し気になりしもべに聞いてみた。 「それは、私たちしもべにも、しもべのルールがあります。人間界の法律と同じような物です。ただ人間界と違うのは、しもべがルールを破ると神に直接裁かれ消滅させられてしまうのでございます。」 『神?お前等の世界にはほんまにそんなんおるん?』「はい。私たちの世界には神は実在します。ご主人さまは何度かお会いになられておりますよ?しもべの本を譲り受けたじゃないですか。あの御方が私たちの神でございますよ。」
2006-04-13 19:37:00 -
45:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《えっ!!アイツが神なん?そおいえば何か偉そうやったなぁ…。》 『しもべのルールってどんなん?いっぱいあるん?』「いえ。沢山はございません。たったの一つでございます。《契約者に隠し事はしてはならない。》たたこれだけでございます。なんでも神が楽しむためだとか…。」 《そぉいえばこの本はアイツの暇つぶしのためにあるんやったな…。》思い出した。《でも俺はアイツの暇つぶしになんかならへんぞ!トモキの仇を取ったら後はしもべなんか使う事ないしな。》そうしてその日は少ししもべと話をし、寝る事にした。寝る前にしもべに『明日はよろしくな。』 と一声かけた。しもべは…『かしこまりました。』 とだけ答えた。
2006-04-13 19:49:00 -
46:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その日はトモキがいなくなってから今までで一番ゆっくり寝ることができた。……ジリリリリリ……ジリリリリリ………目覚ましで目が覚める。重いからだを無理矢理起こした。机の方を見るとしもべが俺の方を見つめていた。「おはようございます。よくお眠りになられたようでなによりでございます。」丁寧な言葉遣いでしもべからの挨拶をうけた。 『おはよ。なんかゆっくり寝れたわ。今から用意するからちょっと待ってな。』俺は服を着替え洗面代へ向かった。しもべはチョコチョコと俺の後ろをついてくる。《なんかペットみたいやな。》顔を洗いリビングに向かう。机の上には朝ご飯の支度がしてありオカンはベランダで洗濯をしていた。俺が起きてきたのに気付き 『遅刻しなや?アンタ遅刻ばっかなんやから!』 と言い洗濯の続きに戻る。『わかってるわ。』 俺はご飯を駆け込み家を出た。
2006-04-13 21:13:00 -
47:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
いつもと変わらない朝だったが今日はいつもとは違う!《今日やっとトモキの仇を取れるんや。》少しウキウキしながら学校に向かった。俺は学校に着くと昨日と同じようにシンイチとヒロを探した。だが今日もシンイチとヒロは学校に来ていなかった。《はぁ。アイツ等またさぼりかぁ。まぁいいや、学校終わったら駅前のゲーセンに行こ。今日も絶対おるはずや。》そして放課後駅前のゲーセンに行くと予想通りにシンイチとヒロはゲーセンにいた!俺は肩に乗せているガイコツに小声で話し掛ける。 『しもべ。あっこに茶髪の二人おるやろ?あいつらを殺してほしいねん!』 「かしこまりました。あの二人組でございますね?」
2006-04-13 21:23:00 -
48:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
するとしもべは俺の肩の上で立ち上がり鎌を両手でしっかり握った。次の瞬間しもべは俺の肩の上から飛び出し一直線にシンイチとヒロに向かって飛んでいく!シンイチとヒロの近くまで来た時しもべは大きく鎌を振りかぶり、シンイチとヒロを切った!!《うわっ!》俺は思わず目を背ける!《アイツこんな人の多い所で堂々と何してんねん!》(きっとこの後駅前は大騒ぎになるだろう。コイツの姿は人には見えない。二人の男が突然血を流し倒れるのだ…。)俺がそんな事を考えていると… 「どうかなされましたかご主人さま?お体の具合でも悪くおなりですか?」 肩の所にガイコツが戻ってきていた。シンイチとヒロの方をみると何もなかったように二人はゲーセンでナンパをしている。おかしい…。
2006-04-13 21:43:00 -
50:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『どういう事?今お前確かにシンイチとヒロを鎌で切り付けたよな?なんでアイツ等なんもなってないん?普通死ぬはずちゃうん?』 俺はテンパりながらガイコツに聞く。 『はい。確かにご主人さまがおっしゃる通り私はあの二人をこの鎌で切り付けました。でもこれは昨日お話しした魔法のような物でございます。私は今ご主人さまの望みどおりにあの二人に魔法をかけました。もう少ししたら効果が現われるでしょう。」 《そう言えば昨日そんな事を言ってたな。》そう思ったその時だった!ナンパをしているシンイチとヒロの方を見ると何かもめている!!どうやらシンイチとヒロがナンパをしていた相手の彼氏が現われたみたいだ。相当な数の仲間を連れていたみたいでシンイチとヒロはあっという間に囲まれ身動きが取れなくなっていた。シンイチとヒロは男達にどこかに連れていかれた。『アイツ等どうなるん?』「もちろんご主人さまのお望み通りの結果になるのでございます。二人は命を落とす事になるでしょう。」寒気が走った。
2006-04-13 22:08:00 -
51:
名無しさん
アゲ??
2006-04-13 23:35:00 -
52:
名無しさん
アゲ
2006-04-14 01:14:00 -
53:
名無しさん
ずもーん
2006-04-14 11:05:00 -
54:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺は早足で家に帰った。怖くなりシンイチとヒロがこの後どうなるかなんて見る気がしなかった…。自分の部屋に戻ってきた時には軽く息切れをしていた。俺はベットに寝転がりガイコツの方を見る。ガイコツは俺の机の上でちょこんと座りながらこっちを見ている。どうやら俺の机の上をえらく気にいったみたいだ。 『なぁ、あの二人ってほんまに死んでしまうんか?』一応ガイコツに聞いてみた「もちろんでございますよ。私の鎌からは逃れられません!なぜですか?」 『なんかあっけないなぁって…。いまいちピンとこえへんやん。あれだけで人間が死んでしまうなんて。』「死なんてそんなものですよ。明日になればもっと実感が湧く事でしょう。」 ガイコツは当たり前のようにこう話した。《コイツもあっけないよなぁ。まぁ人の命の重みなんかわからんよな。》
2006-04-14 20:06:00 -
55:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『あのさ、その鎌って人を切る事ってできひんの?』コイツはさっき俺の目の前でシンイチとヒロを確かに切った!だがシンイチとヒロはまったく気付いていないし怪我もしていなかった。まぁコイツは俺以外には見えないから気付くはずはないけど…。「ご主人さま。この鎌は人間を傷つけたりする事はできません。そもそもこの鎌は私が魔法をかけるための物でございますから…。」《ふーん。そーなんや。》
2006-04-14 20:14:00 -
56:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その日の夜俺は夢を見た。夢の中で俺は真っ白な空間で立っていた。向こうのほうから誰か歩いてくる。じっと見ているとそれはトモキだった。トモキは俺の目の前で立ち止まり、俺ににっこりと笑いかけ『ありがとう。』と言うと反対を向いて歩きだした。「ちょっと待ってくれ!」俺はトモキにそう言ったがトモキには声は聞こえてないみたいで振り返らない。俺がトモキの後を追い掛けようとしたその時………ジリリリリリ……ジリリリリリ…目覚ましの音で目が覚めた。
2006-04-14 20:23:00 -
57:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《不思議な夢やったなぁ。いや、アレは夢じゃない!天国のトモキが俺に礼を言いにきたんだ!》俺は目覚ましを止めそう思った。 『なぁガイコツ!俺すごい夢見た!トモキが夢に出てきて俺に《ありがとう》って言ってくれてん。』 「さようでございますか。きっとご主人さまに一言だけでもお礼をいいたかったのでございましょう。」 《やっぱり契約してよかったなぁ。》そう思いながら服を着替え俺はいつも通りリビングに向かった。
2006-04-14 20:31:00 -
58:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
リビングに着くといつもこの時間は洗濯物に追われているオカンがソファーの上で熱心に新聞を読んでいる。《めずらしい事もあるもんやなぁ。》オカンは普段新聞などまったく読まない。読んだとしてもテレビ欄ぐらいの物だ。俺は朝ご飯を食べるためにイスに座った。その時オカンが俺に気付き 『ちょおアンタこれアンタの学校の子ちゃうの?ミナミシンイチって子とスガワラヒロって子。』俺はその言葉にびくっとし「そぉやけどどうしたん?あの二人なんかしたん?」と聞く。大体は解っていたがあえて俺は知らないふりをした。ここで変に《死んだんやろ?》とか言ってもおかしいと思ったからだ。『すごい事になってるわよ!集団で暴行を受け意識不明の重体って!!ひどい事をするものね。アンタも気つけや?』
2006-04-14 21:31:00 -
59:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《はぁ?なんで死んでないねん!》俺はガイコツに聞きたかったが当然オカンの目の前で話かける訳にはいかない!オカンにはガイコツは見えていないからだ。俺は朝ご飯を急いで食べ、家を出た。家を出てすぐ俺の肩に乗っているガイコツに話掛ける。 『どういう事なん?あの二人死んでないやん!』 ガイコツは余裕たっぷりに答えた。 「問題ございませんよ。私の魔法の力は絶対でございますから。今は死んでいなくても、すぐに死ぬ事でしょう。逃れる事など不可能でございますからね。」 余裕たっぷりで答える。《ほんまかなぁ?まぁもし死なんかっても、もう一回やらしたらいいか。》そう思っている間に学校に着いた。
2006-04-14 21:54:00 -
60:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
学校に着き教室に入るとみんなは騒がしく話をしていた。《シンイチとヒロの事やろーな。》俺は席に付きいつも通りに授業の用意をしていると 『なぁなぁノブユキ今日の新聞見た?なんかシンイチとヒロやばいらしいで!!昨日駅前でしばかれて意識不明の重体やって!みんなその話ばっかしてるで!』 とツヨシが話かけてきた。ツヨシとは普段あまり話をしない俺にとってはどーでもいいような奴だ。だが話相手がほしかったのかめずらしく俺に話かけてくる。 「知ってるで!朝オカンが新聞見て言ってたから。まぁアイツ等ナンパばっかしてたからトラブルに巻き込まれたんちゃう?」 俺は冷たく言った。その時だった。急に放送が入る。『臨時集会を行いますので全校生徒は行動に集まりなさい。』
2006-04-14 22:15:00 -
61:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
全校集会の内容はシンイチとヒロの事だった。《別にあんな奴らのためにこんなんせんでいいやん!めんどくさい。》と思い俺はめんどくさそうにしていた。すると俺が目立っていたのか生活指導の山田が俺に近づいてきた。コイツは熱血バカで凄いうっとおしい!山田は俺の横にくるなり大声で 『こら!お前だけやぞ!そんなにダラダラしてるん!今校長先生が大事な話をしてるのにちゃんと聞け!』 と言い俺の頭をバシッと殴った!みんながこっちを見て笑いを堪えている。 「痛いなぁ!殴らんでもええんちゃうんか!コイツほんまにうっとおしいわ。」おもわず自然と言葉が出てしまった。
2006-04-14 22:31:00 -
62:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《しまった!》そう思った時はすでに遅かった。みるみる内に山田の顔が真っ赤になり血管が浮き上がる。『お前後で呼び出すからな!ちゃんと来いよ?』 そう言うと山田は去っていった。最悪だ。山田を怒らしてしまった。山田は怒ると生活指導と称して体罰を始める。その内容がエグイ!柔道場でひたすら投げ飛ばされたり、グラウンドを延々と走らされたり気を失う奴も出るぐらいに徹底的に生徒をいたぶる。《ついてないなぁ。》と思った時、肩に乗っているガイコツが目に入った。《そーや!山田も殺そう!山田は他の生徒からも色々恨み買ってるやろーし、こんな体罰教師おらん方がいいやん。》
2006-04-14 22:42:00 -
64:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
全校集会が終わると俺はすぐに講堂の裏に行った。念のために周りを確認した。みんな教室に戻ったためもちろん誰もいない! 『ガイコツ!さっき俺を殴った教師おるやろ?あいつも殺してくれへん?』 俺は肩に乗っているガイコツに小声で言った。 「かしこまりました。つい先程ご主人さまに手を挙げた人物でございますね?」そう言うとガイコツはまた俺の肩から飛び出して行った。《行っちゃった。まぁ教室戻ってても大丈夫やろ。》授業が始まるといけないので俺はガイコツの帰りをまたずに教室に戻った。
2006-04-15 06:09:00 -
65:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
教室に戻ると授業が始まる直前だった。急いで席に着く。俺の大嫌いな英語の授業だ。一応ノートを広げ授業を受けているふりをする。何を言ってるかまったくわからないので英語の授業は大嫌い。授業が始まり、しばらくするとガイコツが戻ってきた。 『完了いたしました。』 俺は小さくうなずいた。
2006-04-15 06:31:00 -
66:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《山田どういう風に死ぬんやろ?できれば呼び出しの前に死んでくれたらいいのにな。》英語の授業中俺はそんな事ばかり考えていた。チャイムが鳴り授業が終わる。考え事をしていたせいか授業は早く終わった気がした。英語の教師が教室から出ていった後、トイレに行きたかったので俺は席を離れた。トイレは校舎の端の階段のすぐそばにある。その階段で事件は起こった。
2006-04-15 06:40:00 -
67:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺が用を足しトイレから出てくると階段の周りに人だかりができていた。《何事やろ?》少し気になり覗き込む。すると俺達の学年で一番たちが悪いと言われてるソラと山田がもめていた。ソラはめったに学校にこない。ソラの見た目は今ではめずらしいクールアッシュのロン毛。左耳には三連ピアス。サーフィンをしているらしく、体の色は真っ黒に日焼けしていて細い割りには引き締まっている。《あーぁ。ひさびさに学校来たのに山田にみつかって最悪やな。》『おい!お前久々に学校着たと思ったらなんやその頭髪とピアス!ここは遊びにくる所ちゃうぞ?もっとまともな格好でこれんか?』いつも通り顔を真っ赤にし血管を浮かび上がらせながら山田がどなる。 「うるさい!ほっとけ!」ソラは怖いものしらずだ。一度キレれば例え教師でも平気で殴る。依然ソラを怒らした生活指導は前歯を折られていた。二人の争いは続く。
2006-04-15 07:02:00 -
68:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『なんやその態度!!お前それが教師に取る態度か!』「教師?お前教師やったん?全然知らんかったわ。ただのおっさん思てたわ。」ソラは山田を挑発する。単純バカな山田はその挑発に耐えれなくなった! 『ただのおっさんやと!もっぺん言ってみろ!!』 山田はソラの襟首を掴みどなった。周囲のギャラリーは固唾を飲みそれを見守る。「息くっさいわぁ!頼むからそんなに近寄らんとって!臭くてしんでまうわ。」ソラがそう言った瞬間だった。バキッ!!山田が握りこぶしでソラの顔を殴った!
2006-04-15 07:13:00 -
70:
名無しさん
ハマりました!!!書いて下さい☆
2006-04-15 16:01:00 -
71:
名無しさん
アゲ
2006-04-15 19:14:00 -
72:
名無しさん
http://pr3.cgiboy.com/S/4634318
2006-04-15 19:23:00 -
73:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
応援やアンカーありがとう!非常にうれしいです。一つお願いがあります。【魔の召使】感想、意見のスレってのを立てているので、面倒臭いと思いますが感想などはそちらにお願いします。アンカーはあると便利なのでたまに程度ならいいと思います。個人的な意見で申し訳ないですが、小説を読みやすいと思いますので…
2006-04-15 21:39:00 -
74:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『痛いの!このクソジジイ!』次の瞬間ソラは怒り山田に殴りかかった!!……バキッ…山田はソラのパンチをまともにアゴに食らい、ふらふらとよろけた。けっこう効いたみたいだ!その様子を見たソラは追い打ちをかける!『オラ!死ねやクソジジイ!』 容赦ないソラの攻撃に山田はただ小さくなりガードするしかできなかった。《いけ!ソラ!山田なんかしばいてしまえ!!》周りの奴らはここぞとばかりにソラをあおる!みんな山田に多少なり恨みを持っていたみたいだ。俺もその中の一員だった。「調子に乗るなガキが!」周りの声が聞こえたのか、急に山田はガードを辞めソラに襲い掛かった!! 『甘いねん!とどめや!』だがソラはそれを読んでいた!体を逆に反転させ回しげりを山田のタックルに合わす。バキッ!見事にタイミングが合った。山田はソラの回しげりを見事に食らい吹っ飛ぶ!《危ない!!》俺がそう思った瞬間だった…。 『うわぁぁぁ!!!』 山田は階段を転げ落ちて行った…。
2006-04-15 22:04:00 -
75:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
一瞬にして周りの空気が凍り付いた。ソラは魂が抜けたようにその場に立ち尽くしている。階段から転げ落ちた山田はまったく動かない。頭からは血が流れ、見る見る内に赤い水溜まりができていく。ギャラリー共がヒソヒソと〈ちょお、あれってやばくねぇ?死んだんちゃう?〉などと会話をする。『きゃぁぁぁ!山田先生!大丈夫ですか?』 山田の声を聞き付けたのか英語の女教師が駆け付けてきた!その瞬間ぞろぞろと他の教師も駆け付け 「救急車を呼べ!」「誰がやったんだ!」「お前等、見てないで教室に戻れ。」と大騒ぎになった。ソラを見ると、ソラは座り込みガクガクと震えている。自分がしてしまった事の重大さを噛み締めていたみたいだ。そのまま俺たちは教室に押し戻された。教室に戻る途中に肩に乗っているガイコツが俺に囁いた。 『ご主人さま。これで私の鎌の力を信用して頂けましたか?』
2006-04-15 22:19:00 -
76:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その後学校に警察や救急車が到着し捜査のため俺等は帰宅する事になった。ソラは警察に傷害の罪で現行犯逮捕されたらしい。おそらくこの後殺人に罪が切り替わるのだろう。《ソラに悪い事したなぁ。俺がガイコツに命令せーへんかったら…》帰り道で俺の頭に後悔の念がよぎる。 『なぁ。死に方って俺が選ぶ事ってできひんの?例えば今日のんだって山田が階段から落ちて死ぬとか。』やっぱり知ってる奴とかを巻き込むのが嫌だった俺はガイコツに言った。だが、「ご主人さまそれは不可能でございます。私の力は小さな火種を無理矢理死に繋げるやり方ですので。」 『じゃあそのやり方を変えるんはできひんの?』 「申し訳ございませんが、私のような者ではとてもとてもやり方を変える事などできません。お恥ずかしい限りでございますが、まだまだ未熟者ですので…。」《こんな凄い力を持ってるくせに…。》そう思いながら歩いているといつのまにか家に着いていた。
2006-04-15 22:45:00 -
77:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
家に着くとオカンは出かけていた。俺は部屋に入りいつも通りベットに横になる。《暇やなぁ。》トモキが死んでから俺は仇を取ろうとその事ばかりを考えていたが仇を取ってしまった今、する事が無くなってしまった。《なんかいい事ないかなぁ。彼女でもおったらいいのになぁ…。》 『なぁ、お前って俺の望み叶えてくれるんやんな?彼女って作れるん?』 無理とは思ったが一応聞いてみた。結果は以外にも…「もちろん可能でございますよ!相手を操る事は不可能でございますが、恋愛感情を抱かせる事は可能でございます。」 との事だ!基本的にはなんでもできるらしい。《じゃあ、暇やし彼女探しにでも行こっかな。》俺は急いで私服に着替え、家を出た。
2006-04-15 23:02:00 -
78:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
駅前に到着した。俺はさっそく好みの女を探す。まだ昼過ぎと言うこともあり、人通りもまばらだ。《とりあえずゲーセンにでも行ってみるか。》ゲーセンの中に入ると昼過ぎなのけっこう人が多かった。シンイチとヒロが学校をサボりここに入り浸っていた理由がよくわかる。とりあえずプリクラコーナーを覗いてみたが好みのタイプはいなかった。特にゲームなどに興味がなかった俺は音がうるさかったために外に出た。《まだ時間が早いしもうちょい待つか!》少し時間を潰そうと近くのスターバックスに入った。窓際の席に座り外を眺め好みの女を探していた時にカップルが入ってきた。女を見ると完璧な俺のタイプだった。 『あの男が連れてる女がいい!』 小声でガイコツに囁いた。「かしこまりました。」
2006-04-15 23:16:00 -
80:
名無しさん
ぱくり
2006-04-16 23:26:00 -
81:
名無しさん
ぱくり
2006-04-16 23:26:00 -
82:
名無しさん
ぱくり
2006-04-16 23:26:00 -
83:
名無しさん
↑しつこい。
2006-04-17 01:42:00 -
84:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《人を殺すんと恋愛感情を持たすんって方法違うんかな?》そんな事を考えながら俺はガイコツを目で追っていた。ガイコツが女の後ろに近づく!そして大きく鎌を振りかぶり、女を切った!《まったく一緒やん。》すこしがっかりした。ガイコツは魔法を終え俺の元に戻る。そして耳元で 『完了いたしました。』 とつぶやき俺の肩の上に戻った。《まぁ、いっか。》俺はそう思い、効果が現われるのを待った。…だがしばらく待っても何も起こらない。カップルはケンカもしないし、俺の近くに来る事もない。普通に何もなく帰ってしまった。《バカらしいわ!帰ってしまったし。》俺はイライラし、店を出た。
2006-04-17 23:09:00 -
85:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その後ゲーセンを覗いてみたり駅前をぶらぶらしてみたが、俺好みの女は結局見つからなかった。《日も暮れて少し肌寒くなってきたし帰ろっかな。》真冬なので日が暮れるのが早い。やる気を失くしていた俺は家までの道を歩きだした。人気が無くなってきた所でガイコツに話かける。 『どーなってるん?何もなかったやん!失敗か?』 ガイコツは自信満々に 「失敗など致しておりません。必ずあの女性はご主人さまの物になるでしょう。ご心配には及びません。」と言う。《まぁコイツがこんだけ言うんやから心配ないやろ。》少し安心し家までの道程を歩く。
2006-04-17 23:19:00 -
86:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
もう少しで家に着く時だった。道端に何か四角い物が落ちている。妙に目に付いたので近づいて行くとそれは財布だった。《ラッキー!!財布拾った。》さっそく中を覗いてみると財布の中には二万円と少しの小銭とカード類が入っていた。《これ、免許証ちゃうん?どんな奴が落としたんやろ?》免許証の写真を確認してみると、なんとスターバックスでいたカップルの女だった!《すげー偶然やん!!》一瞬そう思ったがよく考えるとガイコツの魔法のおかげだと言う事はすぐわかった。本来なら中身だけネコババするのだが、俺は財布を警察に届ける事にした。
2006-04-17 23:32:00 -
87:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺はそのままその足で警察署に向かった。もしかしたら今日に会えるんちゃうかな?と思ったからだ。だが俺の予想は見事にはずれ、結局落とし物のだるい手続きをして帰るはめになった。《そううまくはいかんか。まぁでも、きっかけはできたな。》帰る途中に 『ガイコツ。ありがと。』とガイコツに礼を言った。「お礼など結構でございますよ。これが私の仕事でございますから…。」 少し照れ臭そうにしながらガイコツは言った。
2006-04-17 23:41:00 -
88:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『ただいまぁ〜。』 警察に寄り道をしていたので家に着いた時は夜の8時を回っていた。声を聞きなぜかオカンが玄関まで来た。《どうしてんやろ?》普段まったくそんな事などないので、俺は不思議に思っていた。一瞬の間がありオカンは興奮しながら話しだす。「アンタ遅くまでどこいってたん?今日学校で事件あったんやろ?生徒が教師殴ったって。そんな日にうろつくなんて何考えてるん?」いきなりの猛反撃に少しイラッとした俺は反撃に出る。 『うるさいなぁ!ちょっと遊びに行っただけん!それに俺その事となんも関係ないんやからほっとけや!』
2006-04-17 23:53:00 -
89:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『関係ない事ないやろ!アンタの学校最近事件続きやないの!そういう時ぐらいちゃんとしようと思わん?』「ちゃんとしようと思わん?俺は事件になんも関係ないのになんでそんなん言われなアカンの?」 しばらくそんなやりとりが続いた。アカンも引けへんし、俺も引かない。話のケリがつかないのでオトンがでてきた。『もうええやんけ!お前ら言い合いしても話つけへんやろ?もういいやんけ。』その一言でオカンはリビングへと戻って行った。
2006-04-19 06:36:00 -
90:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《くそっ!うっとおしいわ!何であんなん言われなあかんねん!》部屋に戻ると余計にいらだちが増してくる。《あーぁ。あんなオカンいらんわ。殺してもらおっかな。…でもオカン死んだら色々とめんどくさいやろーしな。てか腹減った。》もう8時すぎ、いつもならばとっくに夕食を食べ終わっている時間なのでいい加減腹も減った。《うっとおしいけどしゃーないか。》リビングに向かった。
2006-04-19 06:46:00 -
91:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
部屋から出ると、なぜかガイコツは俺より先にリビングに飛んで行った。《なんでアイツ先に行くんやろ?》少し気になったがそんなに気にする事もなかった。リビングに着くとオカンはテレビを見ていた。オトンは風呂に入っているみたいだ。俺に気付きこっちを見た。先に口を開いたのはオカンだ。『さっきはきつく言ってごめんな。ご飯テーブルの上にあるから。』 「俺も反抗してごめん。明日からは気つけるから。」いつも言い合いをした後はこんな感じで仲直りをする。仲直りを終え俺はイスに座った。《ガイコツどこいってんやろ?俺より先にリビングに行ったのに…。》部屋を見渡したその時、ガイコツが戻ってきた。(どこ行ってたん?)と小声で聞いた。するとガイコツは『仕返しでございます。』と言った。《仕返し?仕返しって誰にやろ?コイツおかしな事言うなぁ…。》
2006-04-19 07:10:00 -
92:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『ご飯終わるん時間かかるやろ?先お風呂入るね。』俺が夕食を食べているとTVを見ていたオカンが風呂の用意を持って俺に話かけた。「うん。先入りーや。」 そう言うとオカンは風呂に入りにいった。オトンはTVを見ていたが寝てしまったようだ。起こさないように俺は小声でガイコツに聞いた。『《仕返し》ってなんやねん?誰に仕返ししたん?』「焦らなくても今にわかりますよ。もうすぐです。」その時だった。風呂場から『きゃあぁぁぁぁ!!!』と声がした!
2006-04-19 21:43:00 -
93:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺は急いで風呂場に行った。風呂場の中に入る訳にはいかないので風呂場の外で『オカン!どうしてん?』 と声をかける!以外にも返事はすぐに返ってきた。 「急に熱いお湯がでてきただけやから大丈夫やで。心配してくれたん?かわいいとこあるなぁ!」 《心配して損した。》そう思いリビングに戻った。しばらくするとオカンが風呂からでてきた。出てきてすぐ「ヤケドしてもーたわ。ほら!腕真っ赤っ赤やろ?」と腕をみしてきた。それは真っ赤っ赤どころではなかった。腕の一部分は腫れあがり水脹れになっていた。『めちゃくちゃ痛そうやん!病院行かんで大丈夫?』「これぐらいほっといたら治るわ。ヤケドなんかでは病院なんかいけへんよ。」《俺やったら急いで病院行くけどなぁ。》そう思いながら風呂に入った。
2006-04-19 22:00:00 -
94:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
風呂からあがりそのまま部屋まで戻った。《なんか今日は色々あったなぁ。ソラの事に、女の事に、オカンの事かぁ…。疲れたわぁ。》ベットに横になり、今日の出来事を思い浮べているとめずらしくガイコツが近寄ってきて話し掛けてきた。 『ご主人さま。仕返しの方はあれぐらいでよかったのでしょうか?それとも、もう少し懲らしめたほうがよかったでしょうか?』 ガイコツは俺に得意気に言った。《えっ?今こいつ仕返しって言った?もしかして…》 「さっきのお風呂のんもしかしてお前がやったん?」疑いながらも聞いてみた。『左様でございます。ご主人さまに危害を加えたので少し懲らしめてやりました。ご満足頂けましたか?』ガイコツはまったく悪怯れた様子はない。むしろ自信満々だ。その様子に俺は怒りを覚えた。
2006-04-19 22:12:00 -
95:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『お前何勝手な事してんねん!いらん事すんなや!』俺はガイコツに腹が立ち怒鳴り付ける。するとガイコツはきょとんとしながら 「ご主人さま。私何か気にさわるような事を致しましたか?私はご主人さまのために、ご主人さまに危害を加えたの奴を懲らしめただけでございますよ?」 と言う。 『いくら俺に危害を加えたって言っても俺の親やねんぞ?そんぐらいでお前に何かしてほしいって思えへんわ!俺が命令もしてないのに勝手な事すんなや!!』ガイコツは戸惑い何が何か判らないといった顔をして「親?親とはそんなに大事なものでございましょうか?私の世界では神以外には特に大事という考えはございませんので…。申し訳ございませんでした。」 と深々と頭を下げ戻って言った。《そっか…。コイツの世界と俺等の世界って考え方違うねんなぁ。それもしらんのになんか怒鳴って悪い事したなぁ。》それから寝るまで俺とガイコツは一言も言葉を交わさなかった。
2006-04-19 22:27:00 -
96:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
……ジリリリリ……ジリリリリ……朝だ。いつものように目覚ましで起きガイコツを見る。いつも通りガイコツは机の上で俺の方を見ていた。昨日の事もあり、俺はガイコツに一言も話かけずに用意を済ませ家を出る。 学校に迎う途中でめずらしくツヨシに会う。 『おはよ。ノブユキ新聞見たか?昨日の事件新聞載ってたで!あの後山田死んだって!それとヒロとシンイチも結局昨日死んだみたいやな。』今日の朝は新聞を読んでなかったので素直におどろいた。 「まじで!!山田死んだんかぁ。ソラどうなるんやろ?」『多分少年院に行くんちゃう?やっぱ教師に手だして殺してるからけっこう罪重いやろ?すぐには出てこられへんのんちゃうかな?』《少年院かぁ。俺のせいやわ…。どーにかできひんかな。》ブルーになってると『まぁソラはしゃーないやん。山田が階段から落ちたんは事故みたいなもん!ソラがかわいそうって気持ちもあるけど…運が悪かったって思うしかないんちゃう?』《コイツはなんも知らんからでいいよな。》そう思っているといつのまにか学校に着いていた。
2006-04-20 17:21:00 -
97:
名無しさん
あげ
2006-04-21 01:38:00 -
98:
名無しさん
少なすぎ〜
書く気ないならやめたら?2006-04-21 02:14:00 -
99:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
教室に入ると昨日と同じでみんな山田とソラの話やシンイチとヒロの話をしていた。 『ソラ君どーなるんやろ。』『シンイチ君とヒロ君殺した奴捕まったん?』 などそんな会話ばかりだ。普段の日常会話をする奴などまずいない。俺はソラの話は聞きたくなかったので教室から出た。だが廊下も一緒だった。やはりみんな一緒のような話をしている。《ソラの話なんか聞きたくない!》ソラを巻き添えにしてしまった事に罪の意識を覚えていた俺は、みんなの話を聞くのに嫌気がさし、早退するために職員室に向かった。
2006-04-21 06:39:00 -
100:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
職員室のに着きノックをして『失礼しまーす。西浦先生いらっしゃいますか?』 職員室の中に入り声を挙げる。だが職員室の中はあわただしく、誰も俺に気付かない。みんな電話の対応や、教師どうしの話に終われている様だ。少し待った後『すみませーん。西浦先生いらっしゃいますか?』 もう一度今度はさっきより大きめの声で呼んでみた。「おう。ちょっと待ってくれよ。今話してるから。」やっと気付いたみたいだ。俺はドアから入った所で待った。
2006-04-21 06:59:00 -
101:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『おう!待たせたな。少し忙しくてな。どうした?』話を終え、俺の所に来る。「しんどいから帰っていい?体調悪くなってきた。」もちろんしんどくなんかないが、ソラの話を聞きたくないため西浦に言った。 『えっ?お前今学校来たんちゃうん?もうしんどいって…夜遊びしすぎたか?』普通の教師なら体の心配をするが西浦はいつもこんな感じ。 「そぉやねん。寝不足で授業なんか受けられへん。授業中寝てまうわぁ。だから帰らして?」 『帰らしてあげたいけどなぁ…。今日また集会あるからそれ終わってからでいいか?一応集会だけでもちゃんと出とけ!なっ?終わったら帰らしたるからな。』すぐにでも帰りたかったが、西浦が全校集会だけでも出ろと言うので出る事にした。
2006-04-21 07:26:00 -
103:
名無しさん
文句あるなら読むなよ
2006-04-21 14:43:00 -
104:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
職員室を出てすぐに放送がかかる。 『今から全校集会を行いますので体育館に集合してください。くり返します…』俺はそのまま体育館に向かった。集会の内容はみんなが噂している事そのままであった。集会はいつもより長かったが、みんな真剣に話に耳を傾けていた。集会が終わると俺は西浦の所に行った。 『西浦先生!集会終わったしもう帰っていいかな?』「おう。もう帰っていいぞ!!ばれへんように帰れよ?ばれたらうるさいから…」俺は西浦に言われた通りにこっそりとカバンも持ち出し学校を出た。
2006-04-21 18:31:00 -
105:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
朝に学校を早退するのは、なぜか少し気持ちがいい。《早退したんはいいけど暇やなぁ。》一人で早退してもする事がない。《金もないしみんな学校やし帰るか…》家に着いてドアを開ける。………ガチャ。………鍵が閉まっている。《オカン出掛けたんかな?》カバンから鍵を取り出して家の中に入った。家の中はシーンとしていて人の気配はない。一応リビングに行ってみたが、誰もいなかった。ふと机の上を見ると置き手紙があった。
2006-04-21 18:42:00 -
106:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ノブユキへ… 今日はお父さんが残業で遅くなるのでお母さんは友達と遊びに行きます。 遅くなると思うので晩ご飯は自分で食べてください。お金置いときます。
2006-04-21 18:47:00 -
107:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
机の上に夕食代として二千円が置いてあった。オカンはオトンが残業の日は必ずといっていいほど、どこかに出掛ける。そして夜に酔っ払って帰ってくるのだ。オカンなりのストレス発散法なのだろう。俺は冷蔵庫からジュースを取出し自分の部屋に入った。《はぁ。暇やなぁ。》ガイコツの方を見ると、ガイコツはいつも通り机の上で俺を見ている。《今日一言も話掛けてないなぁ。暇やしなんか話でもしよっかな。》
2006-04-21 18:56:00 -
108:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『お前て親とかおるん?』昨日のオカンの仕返しの事で一番気になっていた事を聞いた。するとガイコツは驚いた顔でこっちを見た。 「ご主人さま。話し掛けて下さいましてありがとうございます。昨夜の件でご主人さまにお叱りを受けてから一言も私に対し口を開く事がなかったもので、てっきりもう二度と話掛けて頂けないものかと思っておりました。」 ガイコツは半泣きになりながら口を開いた。《コイツそんなに気にしてたんか。もっと早くに話し掛けてあげたらよかったな…》少し経つと落ち着いたのか話を始めた。 「お見苦しい所をお見せしました。申し訳ございません。私に親はいるのか?と言う質問でございましたね?私には親はいません。私は神がお創りになった物ですので…」
2006-04-21 19:17:00 -
109:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『まじで?じゃあ赤ちゃんの時とか誰が育ててくれたん?親おらんねんやろ?』「そこは私たちしもべと人間の違いがあるのでございます。私たちには幼少期という物はございません。私たちしもべは生を受けた時からすでにこの形なのです。その時には、言葉もしぐさも自分が何をすべきかという事さえもすでに解っております。後はご主人さまができるのを待つだけでございます。」 《ほぉ〜。うまい事できてんねんなぁ!》俺は素直に関心した。 『お前って今まで何人ぐらいのしもべになったん?』「私はですね…」 ガイコツが話しだした瞬間だった。……ピンポーン……話を遮るようにチャイムが鳴った。
2006-04-21 19:32:00 -
110:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《なんやねん!いい所で邪魔しやがって!》話を一時中断し玄関に向かう。玄関のドアを開けると見覚えのある女が一人立っていた。女は俺に礼をして 『はじめまして。スギタノブユキさんですよね?私アベカオリという者です。昨日財布を拾って頂いたみたいで…』と言った。《ガイコツの魔法の成果が表れたみたいやな。ちょっとぐらい強引にいっても大丈夫やろ!》俺はそう思い、話がしたかったので 「うん。財布ひろったん俺やで!引き取りの書類もらいに来てんな?まぁ上がりーや。今家に誰もいてないから気使わんでいいで。」普通ならこんな事を言われても誰も家にはあがらないと思うがガイコツの魔法が効いていたおかげだろう。『じゃあお邪魔します。』と言い女は家に上がった。
2006-04-21 21:27:00 -
112:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺の部屋は玄関を入ってすぐ右側にある。 『そこ俺の部屋やから入って適当にこしかけといて。飲み物持ってくるから。』俺は部屋を指差した。女は素直に俺の部屋に入っていった。鍵を閉めリビングに向かう。《冷蔵庫の中なんかあったかな?》冷蔵庫を開け覗き込む。アイスコーヒーとお茶しかなかったのでアイスコーヒーを持っていく事にした。
2006-04-22 15:37:00 -
113:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『おまたせ。』 部屋のドアを開け中に入る。女はベットに腰掛け携帯をいじっていたが俺が入って来たのでこっちを見た。『アイスコーヒーしかないんやけど…飲める?』 「うん。飲めるよ!ありがとう。コーヒー大好き。」女は俺からアイスコーヒーを受け取り口にした。《やっぱりかわいいよなぁ。この子が俺の彼女になるねんなぁ!》俺は一人でそんな事を考えていた。女と部屋に入ってからしばらく時間が経ったが何を話したらいいのか解らず時間だけが過ぎていく。
2006-04-22 16:01:00 -
114:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《さっきからなんも話してないし、気まずいなぁ。》沈黙が続き、きつくなった俺は何か話をしようと思い『あのさ、いきなりやけど彼氏とうまくいってんの?ケンカとかしてないん?』と話掛けた。女は 「えっ…なんでアタシに彼氏おる事しってんの?」 と驚いている。《しまった!昨日スターバックスで見かけたとかなんかいいにくいしなぁ…。どうしよ…》そんな時俺の目に女の薬指の指輪が写った。これしかない!『いや、ほら薬指に指輪してるやん!彼氏からのプレゼントかなぁって。』 「あぁ。これ?そうやで!彼氏からのプレゼント。」《ふぅ。なんとかごまかせた。》俺が一息ついてると「彼氏とうまくいってるって聞かれてもなんか微妙やねん…。ケンカばっかしてるよ。もう別れよっかなって思ってるねん。なんか性格合えへんねんなぁ…。」
2006-04-22 19:01:00 -
115:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『性格合えへんのはきついよなぁ。ケンカめっちゃ多くなるやろ?別れたら?』《多分今がチャンスやろ!別れさして俺のもんにしたれ!》 「でもなぁ、アタシ女子校やから出会い少ないねん。別れたら淋しくなるしな…」『じゃあ俺が友達なったるやん!別に彼氏でもいいけど(笑)合えへんねんやったら絶対別れたほうがいいで!しんどいやん。』 女は無言になった後 「じゃあ別れよっかなぁ。てかノブユキ君ほんまにアタシと友達なってくれんの?」
2006-04-22 19:12:00 -
116:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺が断る理由はなかった。『もちろん!友達なったるで!アリサ俺のタイプやし断るわけないやん!』 「本間にぃ?じゃあ番号とアド教えて!今度遊びに行こーね。」 そういい携帯を取り出した。俺たちは番号を交換し、しばらく会話した後アリサのバイトの時間と言う事で別れた。
2006-04-22 19:22:00 -
117:
名無しさん
女の名前アベカオリじゃないん?
2006-04-22 19:37:00 -
118:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
またまた部屋には俺とガイコツだけになった。 『さっきの続きやけどな、お前今まで何人ぐらいのしもべになったん?』 「私はですね。少しすくないですよ。ご主人さまを合わせても四人ぐらいでございます。どうも見た目がよくないみたいで、なかなかご指名を頂けないのでございます。」 《まぁ、確かにドラキュラみたいな奴の方がコイツよりかっこいいもんな…。》『じゃあさ、契約破棄した奴ってどうなったかしってるん?本には《命を頂きます》としか書いてなかったやん!お前は知ってる?』一番気になる事を聞いた。
2006-04-22 19:38:00 -
119:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
女の名前はアベカオリです。まちがえた。ごめんな。
2006-04-22 19:41:00 -
120:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「申し訳ございませんが、それは私にはわかりません。契約が破棄されたと同時に私は意識がなくなり、気付いたら本の中に閉じ込められているのでございます。」 《コイツにもわからんのかぁ。なんか気になるよなぁ。》俺が考えこんでいると「ご主人さま。考え込む事などございませんよ。神もおっしゃっていた通り契約さえ破棄しなければいいのですからね!」 『そぉやな…まぁ気にせんとくな!』 《契約破棄せーへんかったらいいんやしな。》俺は無理矢理納得した。
2006-04-22 20:02:00 -
121:
名無しさん
バリえらそー
2006-04-22 20:55:00 -
122:
削除削除されますた
あぼ~ん -
123:
削除削除されますた
あぼ~ん -
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削除削除されますた
あぼ~ん -
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削除削除されますた
あぼ~ん -
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削除削除されますた
あぼ~ん -
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削除削除されますた
あぼ~ん -
128:
削除削除されますた
あぼ~ん -
129:
名無しさん
↑落ち着いて??
とリあレスするトコ間違ってるから?2006-04-22 22:44:00 -
130:
削除削除されますた
あぼ~ん -
131:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《契約破棄したらどーなるんやろ?》無理矢理納得したもののやはり気になる!《コイツは契約破棄したら記憶なくなるからわからんって言うし、やっぱりあの神っていう奴しかわからんのかな?アイツに会われへんかな?》 『なぁ、神に会うんて無理なん?前はもう魔界に帰るって言ってたけど、本間にもう帰ったんかな?』 ガイコツは少し考えながら「本当に魔界に帰ったかどうかは私には解りません。あの御方は気紛れな御方でございますから…。たまにこちらに降りて来ている事もあると、お聞きした事はございますが…」 《まじで!じゃあもし降りてきてたら会えるかも!アイツに会えたら契約破棄の事も聞けるかもしらん。アイツと会ったんは…駅前!もしかしたらおるかも!》わずかな期待を胸に秘め俺は駅前に向かった。
2006-04-23 11:03:00 -
132:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
思えばあの男と駅前で出会ってからまだ四日しか経っていない。だがその四日間で色々とあったので、もっと日にちが経過したような気分だ。ついこの前まで駅前はこれといって何もなかったのだが、クリスマスまで後一週間という事もあり、街路樹などにはイルミテーションがきれいに施されていた。《もう少しでクリスマスかぁ。クリスマスまでにカオリと付き合えたらいいのになぁ。》そんな事を考えている内にいつのまにか駅前のゲーセンに着いていた。キョロキョロと辺りを見回すがやはりあの男の姿はなかった。《はぁ。やっぱり会われへんかったかぁ。》とがっくりしていると誰かが俺の肩をたたいた!《まさか!!》俺は勢い良く振り返った!
2006-04-23 11:25:00 -
133:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「やっぱりノブユキ君だ。」そこにいたのはカオリだった。カオリは赤と黒のゲーセンの服を着ている。 「アタシここのゲーセンでバイトしてるねん。ノブユキ君はよくここに遊びに来るの?」《なんや、カオリかぁ!あの男かと思ったわ。》 『たまーにな。てか全身真っ黒の服着たひよろっとした男みーひんかった?ちょっと探してるんやけど。』「うーん…わかれへん。」『そっか。じゃあ他探してみるわ!バイト頑張りな!』《そんな簡単には会われへんかぁ。とりあえず腹減ったし腹拵えしてから他の所探してみよ。》昼飯を食っていなかったので俺は近くのマクドに入った。
2006-04-23 11:45:00 -
134:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
昼過ぎなのにマクドの中はがらんとしていた。俺はてりやきのセットを頼み二階に上がった。二階に上がると二階には全然人がいない。《あれ?おかしいな。こんにすいてる事なんかないのに…。》そう思い適当に席を選び席に着いた。席につきもう一度まわりを見渡す…。すると窓際の端っこの所に全身黒づくめの男が座っていた!《まさか!》俺はその男を見つめた。一瞬空気が張り詰めた後… 『ははははは。ひさしぶりだなぁ!こっちに来い!少し話をしよう!』 俺はゆっくりと男に近づいた。
2006-04-23 12:56:00 -
135:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
男の前に着く。《もしかして昼過ぎやのに人がおらんのんってコイツのせい?》男の前で立ち尽くしそんな事を考えていると 『何をつっ立っている?まぁ座れ!立ったままでは話をしにくいであろう。そこに座るがよい。』 と自分の前の席を指差した。俺は言われるまま席に着く。やはりこの男を近くで見るとすこし恐い。なにか人間離れした独特の雰囲気を持つのだ。まぁ人間ではないから仕方ないのだが…「この店に人がおらんのんってお前のせいなん?」 『いかにも!だがそんな事を聞きたいのではないのだろう?お前が聞きたい事はそんなくだらない事ではないはずだ!わかっているぞ!契約破棄の事だろう?』
2006-04-23 13:10:00 -
136:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《なんでわかってるねん!確かにコイツに一番聞きたい事やけど…。》 『そんなに驚く事ではないぞ!誰もがそう考えるものだ。俺は今までに何人もの人間を見てきたのだぞ!』確かにそうだ!今まで何人もの人がしもべの契約をしている。そしてコイツはその人達を観察してきたのだ。考えぐらいは予想できてもおかしくはない。 「じゃあ聞くけどさ、契約破棄したらどうなるん?」すると男はニヤリと笑い…『それは本にも書いてあるだろう?それ以外には教えられんなぁ。それに契約破棄は関係ないのではないか?お前も言っただろう?契約破棄さえしなければいいと…。違うか?』
2006-04-23 13:33:00 -
137:
名無しさん
気に入らないから削除します?
2006-04-23 14:45:00 -
138:
モモ?
↑そンなンゆわンとL1て??ウチ、めちゃくちゃ気になってるンやカラ?ε????ンま、おもろL1?頑張ッてなあ?´∀`?
2006-04-23 15:45:00 -
139:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《確かにそうやけど…。》俺がそう思っていると男は急に話題を変えた。 『ところでお前はしもべの力に不満を覚えていないか?殺す人間がなかなか死なないとか、好みの人間がなかなか好意を抱かないとか。できればすぐにでも効果が表れてほしいと思う事はないか?』 確かにそうは思っていた。現にシンイチとヒロは死ぬまでに何日もかかった訳だし、アリサの事だってどうなるか解らない!すぐに効果が表れるならばそのほうがいい。「そんなんできるん?」 見事に俺は男の話術にはまった。
2006-04-23 17:28:00 -
140:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『あぁ。できるとも!方法は簡単だ!しもべの本があるだろう?お前のしもべのページを開きそこにもう一度血を垂らすのだ!少々しもべの見た目が変わってしまうのが難点だが、それだけでうんと違うぞ!』 《コイツの見た目が少し変わっても他の人に見えへんし、まぁいいか。》俺はさっそく試してみたくなったが帰る前に一つ聞いておくべき事があった。 「あのさ、こっちにはたまに来てるん?来てるんやったら、どこで会えるん?」すると男は外に目をやって『いや、俺はもうこないだろう!その事を伝えたかっただけなのでな。後はのんびり魔界で見物する事にする。面倒な事は嫌いだ!』男はそう言い残すと席を立ち店を出ていった。取り残された俺はなぜか食欲もおさまり店を後にした。
2006-04-23 19:53:00 -
141:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
店の外に出た時、男の姿を探してみたがやはり男はどこかに行ってしまっていた。俺はさっき男から聞いた事を試してみたくなり帰り道を急いだ。駅前の交差点で信号待ちをしていた時だった。《んっ?あれオカンちゃう?》向かい側の道路をオカンが歩いていた。よく見ると見たこともない男と腕を組みながら歩いている。《あれ誰やねん!》どう見てもオカンといるのはオトンではない!俺はこっそりと二人の後をつけた。ばれないように距離を保ちながら慎重につけていく。二人は後ろなど振り替える事もなく仲良く歩いていく。少し歩いた後気が付くとホテル街に着いていた。《まさかな、それはないやろ。》俺がそう願っていたその時、二人はホテルの中に消えていった…。
2006-04-23 20:18:00 -
142:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺は今見た事がとても信じられなかった。《うそやろ?オカン今まで俺とオトンだましてたん?》俺はショックで震えがとまらなかった。しばらくその場に立ち尽くした後、ここにいても何も変わらないと思い俺は家に向かって歩きだした。
2006-04-23 20:26:00 -
143:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
家に着きベットに倒れこむ。しばらく経つとぐちゃぐちゃになっていた頭の中が少しづつ整理されてきた。それと共にオカンの不倫に対して怒りが込み上げてくる。《不倫なんかしやがって!オトンが知ったらどんだけ悲しむか。でもオトンにこの事言うんは辛いし…。少し懲らしめてやろう!》俺はしもべの本を取り出した。しもべは何も言わずにじっとこっちを見ている。《ちょうどいい。ガイコツをパワーアップさしたら一番初めに試してみよう。》そう思いガイコツのページを開いた。
2006-04-23 20:38:00 -
144:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ガイコツのページを開くとなぜかこの前に垂らした血は消えていた。《あれ?おかしいな?こいつやんな?何で血の跡がないん?確かに垂らしたはずやのに…》俺はガイコツに聞いた。 『これってお前やんな?』ページの絵を指差しガイコツをじっと見つめる。 「はい。いかにもこれは私でございますが…何か?」『いや、俺が契約の時に垂らした血の跡が消えてるからさ、なんでやろって…』「血の件でございますか。ご主人さまの血液は私が頂きました。なのでここには残っておりません。ご主人さまの血液を元に私は作られるのでございますから。心配なさらずにどうぞそのページに、血液を垂らしてくださいませ。」 ガイコツはなぜか少しあせっている様に見えたが、別に気になるほどでもなかった。
2006-04-23 20:57:00 -
146:
名無しさん
あけ
2006-04-24 13:19:00 -
147:
名無しさん
もー書かんの?
2006-04-25 00:33:00 -
148:
おれ
あげ
2006-04-25 05:39:00 -
149:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《さて、やるか!》机の引き出しを開けカッターを取り出し、指にあてた。《ふぅーっ。》と息をつきカッターを一気に手前に引いた。……ズキッ。《痛い!》指を真っ赤な血が伝い本にポタポタと落ちる。その瞬間『ぐわぁぁぁ。』 急にガイコツが苦しみだした!《えっ!何?なんで?》急な出来事に俺は少しパニックになった。ガイコツは机の上でのたうち回っている!とても苦しそうだ。『おい!大丈夫か?』 俺はガイコツが心配になり声を掛けた。するとガイコツの動きがぴたっと止まった。
2006-04-25 20:19:00 -
150:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《死んでないよな?》俺は確認のため近くにあったペンを取りガイコツを突こうとした。すると急に本がパタンと閉じガイコツの体が光だした!その光はどんどん強くなり部屋を包み込む!眩しすぎて目も開けてられない。俺は目をつぶり光が治まるのを待った。2、3分ぐらい経った時、目を閉じていても光が治まっていくのがわかった。俺はゆっくりと目を開けた。
2006-04-25 20:27:00 -
151:
名無しさん
めっちゃ少ないやん
2006-04-25 21:53:00 -
152:
名無しさん
ほんまそれ
2006-04-26 00:39:00 -
153:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
目を開けた俺は机の上を見た。しかし、そこにはガイコツの姿はなかった。《あれ?さっきここで倒れてたよな?》その時俺の背後から声がした。 『ご主人さま。私はこちらでございます。』
2006-04-26 13:01:00 -
154:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
声のした方を振り返った俺は腰を抜かしそうになった。《ちょお待って!!これ本間にアイツなん?》そこにはまったく変わり果てたガイコツの姿があった。手のひらサイズだった背丈は俺と変わらないぐらいに大きくなり、眼光は獣のようにするどい。口には上下に二本ずつ牙のような歯が生えており鎌はより大きく、するどく尖っていた!《すこし見た目が変わる所じゃないやん!変わりすぎやろ!》言葉がでなかった。
2006-04-26 19:56:00 -
155:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『驚かれましたか?これが、本来の私の姿でございますよ。』 ガイコツは手を握ったり、開いたりしながら俺に話掛ける。体の感触を確かめているみたいだ。 「めっちゃ変わったなぁ!やっぱ力も変わったん?」ガイコツはうれしそうに 『はい。以前とは比べものにならないほどでございます。凄く力が満ち溢れているのがわかります。さっそく試してみますか?』 その言葉に釣られるように「そぉやな!ちょっとしてほしい事あるねん!外行こっか?」 俺はガイコツを連れさっきのホテルへと向かった。
2006-04-26 20:07:00 -
156:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
外に出て思ったのだがガイコツがでかくなってしまったおかげで、連れて歩いているとなんかつけられている感じに襲われる。さっきまでは小さかったので外に出る時は肩に乗せればよかったのだが、さすがにそういう訳にはいかない。 少ししてホテルの所に着いた。さっきオカン達が中に入って行ってからまだ一時間ぐらいしか経っていなかった。《さすがにまだ二人とも出てきてないやろ。》俺は二人が出てくるまで待つ事にした。
2006-04-26 20:14:00 -
157:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
冬の寒い時期に外で待つのはけっこう辛い。冷たい風が吹く度に鳥肌がたつ。どこかに入りたかったがホテル街なので、まわりには何もない。さすがに一人でホテルに入るわけにもいかないしそんな事をしていて二人を見失ってはいけないので、俺は寒さに耐えながらじっと待つ事にした。 待ち始めて二時間ぐらい経っただろうか…。二人がホテルから出てきた。
2006-04-26 20:21:00 -
158:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《やっと出てきたか。》その頃になると俺の体は冷えきり震えが止まらなくなっていた。そんな事を知るはずもない二人は仲良く体を密着させながらホテル街を立ち去ろうとしていた。 『あの二人おるやろ?ちょっと懲らしめてくれへん?女の方はあんまり懲らしめんでいいから、男の方を懲らしめたってくれ。』 俺は周りに聞こえないように、小声で俺は命令した。「かしこまりました。男の方をきつく懲らしめればよいのですね?」
2006-04-26 20:27:00 -
159:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
そう言い残すとガイコツは物凄い速さで二人の所まで飛んでいった。二人の近くまで行くと背後で止まり、大きく体を仰け反り鎌を振りかぶる!斧で薪を割るみたいにガイコツは二人に鎌を振り下ろした! その瞬間だった。すごい突風が吹きドーンという音と共に『ぎゃぁぁぁぁ!』という悲鳴が大きくホテル街に響き渡った。
2006-04-26 20:35:00 -
160:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
急な突風のせいで俺は目を閉じてしまっていたが、ドーンという音と男の叫び声は確かに聞こえた。おそるおそる目を開けたその時凄い光景が目の前にあった。なんとさっきの突風でラブホテルの看板が落ちてきて男の足に直撃したみたいだ。百キロほどもある看板が男の足を直撃したおかげで男の片足はちぎれ、地面にはいつくばり悶え苦しんでいる。そこら辺に血が飛び散り男の周りには血の湖ができあがっていた。オカンは真っ青になり男を眺めている。あまりの光景に何もできないみたいだ。 『完了致しました。ご満足頂けましたでしょうか?』いつのまに戻ってきていたのか俺の耳元でガイコツがそっと囁いた。あまりにえぐい光景だったが、なぜか俺は落ち着いていた。 「あぁ。こんなもんで充分やろ。行こっか?」 もう一度二人の方を見た後俺とガイコツはホテル街を後にした。
2006-04-26 20:48:00 -
161:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ゲーセンの中に入った時はすでに夕方になっていたので中は人でごったがえしていた。新しいゲームに夢中になる奴ら、学校帰りプリクラを取りに来てる奴ら、カップルでUFOキャッチャーに夢中になっている奴らなどで溢れている。《カオリどこやろ?まだ帰ってないやんな?》店内を歩き回りカオリを探す。しばらく探した時にカオリを見つけた。UFOキャッチャーの景品を並べ直している。『あの子を俺の物にしたいからもう一回だけ魔法かけてくれへん?』 「あの女でございますね?かしこまりました。」 勢い良くガイコツはカオリの方へ飛んでいった。魔法をかけるのを楽しんでいるみたいだ。人込みのせいで見えにくかったが、少ししてガイコツは魔法を掛け終えたみたいで俺の元へ戻ってきた。
2006-04-26 22:14:00 -
162:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《よし!終わったみたいやな。》俺はカオリの元へ近づいた。カオリの肩を叩き 『おつかれさま。大変やなぁ。めっちゃ人多いしな。疲れるやろ?』 と声を掛ける。少しカオリの顔が赤くなったのが、とても印象的だった。 『バイトって何時に終わるん?終わったら飯でも食いに行けへん?今日俺ん家誰もおらんから飯ないねん。』「うん。いいよ!バイトはもう少しで終わるから待っててもらってもいいかな?」『わかったぁ。じゃあ終わったら携帯に電話して。適当に時間潰しとくから。』そう言って俺はゲーセンを後にした。
2006-04-26 22:28:00 -
163:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ゲーセンを出て近くのコンビニに入る。カオリはもう少しでバイト終わるって行ってたので立ち読みでもして時間を潰すことにした。 立ち読みを始めて少しした時、駅前を救急車やパトカーが慌ただしく通りすぎていった。きっとホテル街に向かうのだろう。その様子をチラッとだけ見て雑誌に目を戻した。それから少しして携帯に着信が入る。 『おつかれさま。もうバイト終わったん?』 「終わったよ。疲れた〜。ノブユキ君どこにおるん?」『コンビニにおるで!暇やし立ち読みして時間潰しててん。今から外でるわ。』電話を切りコンビニの外に出た。
2006-04-27 19:27:00 -
164:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
コンビニの外に出てゲーセンの方を見ると、ちょうどカオリがこっちに向かって歩いて来ている所だった。カオリは俺の元に着くと救急車の事が気になっていたのか『なんかあったんかな?』と救急車が走り去って行った方向を指差して言った。「なんやろな?別に気にする事もないんちゃう?」 俺は知らないふりをして 「それより何食べる?」 するとカオリは少し考えた後 『ファミレスいこっか?』と言ったので俺たちはファミレスに向かった。
2006-04-27 19:44:00 -
165:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ファミレスに入り席に着くとカオリはなぜか落ち着きもなく辺りを見回している。『どうしたん?さっきからキョロキョロして落ち着きないけど…なんか気になるん?』「うん。ちょっとね…。」そう言うとカオリはまたキョロキョロと店内を見渡す。その時カオリの目の動きが治まり一点を見つめだした。俺はカオリの視線の先が気になりカオリの見ている方向を見てみた。その先にはみた事があるような男の店員がいた。《んっ?あの男どっかで見た事あるような…。あっ!カオリの彼氏や!!》俺が思い出したと同時に男はカオリに気付いたみたいでこっちに向かって歩いてきた。
2006-04-27 20:03:00 -
166:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『カオリ誰こいつ?』 俺たちの所に来た男は、カオリを見つめながら言った。カオリは男の目を見つめながら「アンタとはもう終わったんやし関係なくない?それより仕事に戻ったら?」 と機嫌が悪そうに言った。《今、確かにアンタとは終わったって言ったよな?》俺はどうしたらいいのか解らず二人を見ていた。 『終わったって…。俺はあんなん納得いけへん。もう一回考え直してくれや。』男の方はとても未練があるみたいだ。どうにか引き止めたいらしい。だがその言葉にしびれをきらしたのか「もう無理やって。てかこの人アタシの彼氏やで?そういう事やからバイバイ。」カオリは冷たく言い放った。
2006-04-27 21:59:00 -
167:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
カオリの言葉はそうとうなダメージを与えたようだ。男はきつく俺をにらみつける。『てか、話聞いたやろ?さっさと仕事に戻ってくれへん?雰囲気ぶち壊しや。』にらまれたせいか自然と言葉が出ていた。《なんかあったらガイコツがおるしな。》内心緊張はしていたがガイコツのおかげで強気な態度がとれる。男はチッと舌打ちをした後、店の奥の方へ戻っていった。 「巻き込んでごめんね。」男が去った後カオリは申し訳なさそうに俺に言った。 『別に気にしてないで!でもどうしたん?相手は結構未練あったみたいやん。』「んー。もともとアイツとは性格合わなかったからしんどかってん。それに少し気になる人できたしね。」《おっ!もしかして俺の事ちゃうん?》そう思いながらもそこには触れないで…『そうなん。変な事聞くけどどんな別れ方したん?』するとカオリは笑いながら 「バイト終わってからメールでふっちゃった。」 と簡単に言った。どうやら未練は全くないようだ。
2006-04-27 22:17:00 -
168:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その後他愛もない話をしながら夕食を済ませて俺たちはファミレスを出た。周りはすっかり暗くなり、クリスマスのイルミテーションがとても綺麗だ。気のせいかとてもカップルが多いように見える。《周りから見たら俺達もカップルに見えるんやろーな。》と少しうぬぼれながら歩いていると駅前の大きなツリーの前に着いていた。「わぁ。めっちゃキレイ!ノブユキ君一緒に写真撮ろぉ。」カオリはツリーに感動したのか目を輝かせながらデジカメを取り出した。俺がデジカメを持ち二人で記念撮影をした。体が密着したので緊張し心臓の音が聞こえないか心配だった。 『これからどうする?もう暗いし帰る?』 写真を撮り終え聞いた。 「そうやな。帰ろっか?」『一人で帰るん危ないし俺家まで送ったろか?家はこっから遠いん?』 「えっ、本間に?じゃあ送ってほしいなぁ。多分帰り道ノブユキ君と同じ方向だと思うよ。家は昨日財布落とした所の近くやからね。」俺たちは暗くなった夜道を歩きだした。
2006-04-27 22:36:00 -
169:
☆
。
2006-04-28 11:44:00 -
170:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
いつのまにか俺たちは昨日財布が落ちていた所に着いていた。帰り道にカオリはなぜか一言も話をしなかった。俺も何を話したらいいのかわからずに黙っていた。『ノブユキ君ありがとう。アタシの家こっちやから。もうここでいいよ。今日はありがとうね。楽しかったよ。』「俺も楽しかった。またどつか遊びにいこな。」 そして、俺がその場から立ち去ろうとした時 『ちょっと待って!ノブユキ君に話あるんやけど…』 急にカオリが引き止めた。
2006-04-28 12:48:00 -
172:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『どうしたん?』 俺はじっとカオリの目を見つめた。カオリは恥ずかしそうにしながら下をむいている。もうすでに外は真っ暗なのに、耳まで真っ赤になっているのがよく解った。少しの間があった後、すごく緊張しているのかカオリは声を震わしながら言った。 「あんな…今日会ったばっかやのにノブユキ君の事好きになってしまったみたい。一目惚れとかした事なかってんやけどずっとノブユキ君の事が頭から離れへん。」《やっとこの時が来たか。》俺はそう思った。
2006-04-28 18:58:00 -
173:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
カオリはじっと俺の目をみつめている。おかげで俺も緊張してきた。《思い切って言ってみるか。多分大丈夫やろ。ガイコツの魔法がかかってるんやし。》 『じゃあさ、俺と付き合ってみーひん?カオリ俺のタイプやし俺も今フリーやし。』「えっ!いいの?」 カオリは少し驚いたようだ。まさか付き合えるとは思っていなかったのだろう。俺はにっこりと笑顔を向けて『もちろん!よろしく。』と手を差し出した。すると「こちらこそよろしく。」とカオリは俺の手を握った。
2006-04-28 19:05:00 -
174:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その後カオリと別れ俺は自宅までの道を一人で歩いた。『ご満足頂けましたか?ご主人さま。』 俺は浮かれていてガイコツがいた事などすっかり忘れていた。《うわっ。さっきのん見られててんな。なんか恥ずかしいわ。》告白の場面を見られていた事に少し恥ずかしさを覚えながら「おう。大満足やわ。」 とだけ答えた。ガイコツは『ご満足頂けてとても光栄でございます。これからも何かあれば私に申し付け下さいませ。』 と自信満々に言った。《多分もう頼むことはないやろーな。》と俺は思ったが 『何かあったら頼むな。』とだけ言った。
2006-04-28 19:15:00 -
175:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
家の前に着き玄関に鍵を差し込んだ。《あれ?開いてる。》鍵はかかっていなかった。《おかしいな。俺ちゃんと鍵閉めたよな?》そう思いながら家の中に入った。家の中は普通に電気も付いている。俺はリビングに向かった。
2006-04-28 19:20:00 -
176:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
リビングにはオトンとオカンがいた。二人共ソファーに腰掛けている。オカンはひどく疲れているようだ。《あれ。オカンもう帰って来てるやん。あんな事あったのに早かったなぁ。》と思いながら俺はあえてオトンに話し掛けた。『オトンめっちゃ早いやん。オカンが今日残業って言ってたから帰ってくるんもっと遅いと思ってたわ。』 「そうやってんけどな、お母さんが事故に巻き込まれたって聞いたから、お父さんめっちゃ心配になって急いで帰ってきたんや。お母さんは無事でよかった。」オカンを気遣うオトンを俺はとても可哀相に思った。俺は全く知らないふりをしながら『そん時って誰も一緒におらんかったん?』 と聞いてみた。
2006-04-28 19:31:00 -
177:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『あぁ、お母さんは買い物に行く途中で一人で歩いてたらしい。その時に突風が吹いてな、近くにおった知らん男の人に看板が落ちてきてんて!それでお母さんは目撃者やから警察に呼ばれてな、お父さんは警察まで迎えに行ってきたんや。いやーお母さんに当たらんで本間によかったわぁ。』とオトンはオカンから聞いた話しを俺に説明した。《はぁ?なにそれ?オトンめっちゃ騙されてるやん!知らん男の人?それ思いっきり不倫相手やん!》俺は怒りで気が狂いそうになりオカンを睨み付けた!オカンは事故のショックで真っ青になりうつむいていた。俺の様子を見たオトンは俺に向かって 『お前お母さんになんて目してるねん!お母さんは今大変やねんぞ!』 と大声を出した。その声で俺の押さえていた感情が一気に吹き出した!
2006-04-28 19:46:00 -
178:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「てか事故にあった男って、本間に知らん奴なん?」俺はオカンを睨め付けながら冷たい口調で言い放った。オカンは何も言わずにずっとうつむいたままだ。 「なぁ!どうなん?」 俺はうつむいたままのオカンを問い詰める!だがオカンは全く俺に言い返さない。 『お前何言ってるねんしらん奴に決まってるやろ!それ以外に何があるねん!』痺れを切らしたオトンが答える。
2006-04-28 20:01:00 -
179:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「うるさいな!俺はオカンに聞いてるねん!なぁどうやねん?黙ってないで答えろや!俺知ってるねんぞ!」《しまった…。》俺は熱くなりつい口をすべらしてしまった。その言葉をオトンが聞き逃すはずもない。 『なんや?お前何を知ってるんや?』 オトンは冷静に聞いてきた。オカンはまさかと言う顔をして俺をじっと見つめる。《もうこうなったらヤケクソや!浮気したオカンが悪いんやし。》俺は腹をくくった。「今日オカンが事故にあった時に近くにおった男ってな、しらん奴ちゃうで?その男はオカンの浮気相手や!!」 俺のその言葉で一瞬にして部屋は静まり返った。
2006-04-28 20:54:00 -
180:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
思い空気が部屋を包む…。『お、お前何言ってんの?お母さんがそんな事する訳やん…。』 静寂を破ったのはもちろんオトンだった。オトンは少し声を震わしながら俺に言った。《可哀相に…。認めたくないんやな。》だが俺はすでに全てを話す事に決めていたので話を続けた。 「俺な、今日駅前で見てんやん。オカンが知らん男と歩いてるん。んで悪いけど後付けさせてもらってんやん。じゃあどこいったと思う?オカンその男とラブホテル入って行ってんで?これが浮気じゃなかったら何なん?」それだけ言うと俺はその場にいづらくなり部屋へと逃げ込んだ。
2006-04-28 21:13:00 -
181:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
部屋の中に入り俺は鍵を閉めた。《やっぱり言わんかったほうがよかったかな?》すこし後悔した。しばらく経つとオトンの怒鳴り声が部屋まで聞こえてきた。きっとオカンも観念して浮気を認めたのだろう。俺はその声を聞きたくなかったので布団の中にもぐりこんだ。《早く話ついて夫婦喧嘩終わってくれ。》そう思いながら俺は目を閉じた。
2006-04-28 21:25:00 -
182:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
……ジリリリリ……ジリリリリ……いつのまにか寝てしまっていたみたいだ。目覚ましを止め俺は体を起こした。《結局昨日あの後どうなったんやろ?オトンとオカンは仲直りしたんかな?》目覚めてすぐにその事が気になった。もともとの火種は俺がオカンの浮気を暴露したためだったので、やはり気になった。机の方を見るとガイコツは俺の椅子に腰掛けていた。俺が起きたのに気付き 『おはようございます。』と俺に声を掛ける。《コイツ昨日あの後どうなったか知ってるんちゃうかな?》「なぁ、昨日あの後ってどうなったか知ってる?」 と聞いてみた。すると 『ご主人さまがお眠りになった後の事でございますか?あの後は、夜遅くまでもめていたみたいですが、夜中になり急に静かになりましたよ。』 と答えた。《よかったぁ。きっとなんとか仲直りしたんやな。》俺は安心してリビングに向かった。
2006-04-28 21:42:00 -
183:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
リビングのドアを開けた瞬間俺は凍り付いた。リビングはめちゃくちゃに荒れ果てていた。そこらじゅうに粉々になった食器が散乱し、壁には穴が開いている場所があった。あの後もの凄い夫婦喧嘩があった事は簡単に予想できた。ソファーに目をやるとソファーには大量の血らしきものが付いている!《まさか…。嘘やろ…。》俺は食器の破片を踏まないように注意してソファーに向かった。ソファーに近づくに連れてソファーの前のテーブルが段々と見えてきた。テーブルの上には置き手紙らしき物が見える。そこにも大量の血らしき物が見えた。ソファーの目の前まで来た時に、ソファーとテーブルの間にオカンが横たわっているのが見えた。《嘘やろ?》俺は目を疑った! オカンは首をばっさりと刃物で切られ目を開けたまま死んでいた。そうとう苦しんだのだろう…。辺りには血が飛び散っていた。《そんな訳はない!これは夢や!俺は悪い夢を見てるんや!》必死に自分に言い聞かせていた時、置き手紙が目に入る。
2006-04-28 21:57:00 -
184:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
のぶゆきへ お父さんはあの後お母さんと大喧嘩になり、怒りに我を忘れ気付いた時にはお母さんを殺してしまっていました。お父さんは罪を償います。お前ももう子供ではないので一人の力で頑張って生きて行ってください。
2006-04-28 22:01:00 -
185:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
信じられないぐらい勝手な内容に俺は唖然とした。《罪を償うって…。警察にでも行ったんか?》俺はどうしたらいいかもわからずにとりあえずオヤジの携帯を鳴らしてみた。すると… ……ピリリリリ……ピリリリリ……しずかなリビングに携帯の着信音が響き渡った。リビングの隣にはオヤジとオカンの部屋がある。そこから着信音が聞こえてきたのだ!俺はまたまた食器の破片を踏まないように気を付けながら、オヤジとオカンの部屋に向かった。
2006-04-28 22:07:00 -
186:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ガチャ。オヤジとオカンの部屋のドアを開け中を覗き込む。電気がついてなく薄暗くて中の様子は見えづらい。俺はゆっくりと部屋の中に入った。《これじゃあなんも見えへんわ…。確かここら辺に電気のスイッチがあったよな…。》手探りでスイッチを探す。…パチッ。割りと早く見つかり電気が付いた。その時、俺の頭に何かの雫が落ちてきた。《うわっ!びっくりした!何やねんこれ!》いきなりだったのでかなりびっくりした。気を取り直し部屋の中を眺めようと視線を部屋に向けた時、俺の目の前に何かがぶら下がっているのに気付いた。俺は目線を上にする…。《えっ…もしかして…うわっ!》俺は腰を抜かした。そう、俺の目の前にあったのは首を吊ったオヤジの死体だったのだ!!
2006-04-28 22:20:00 -
187:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《何がどうなってるねん!何で?何でこんな事になってしまったん?》俺は一人パニックに陥った。 『なぁ、これってどういう事なん?なんで二人とも死んでるん?』 俺はそんな事など知るはずもないガイコツに聞いた。「さぁ…。私にはわかりかねません。お互い感情的になりすぎたのでしょう。人間という物はすぐに感情的になるみたいですしね。」と冷静にガイコツは俺に説明した。 『これから俺にどうしろって言うねん!最悪やわ。』俺が一人で嘆いていると、「言い方は悪いですが口うるさい者がいなくなってよかったのではないでしょうか?これでご主人さまは誰かにうるさく言われる事もなくなったので自由でございますよ?」 そう言った後、ガイコツは少しにやついた様に見えた。
2006-04-28 22:28:00 -
188:
名無しさん
しおり
2006-04-29 14:42:00 -
189:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺はガイコツかにやついたのを見逃さなかった! 『何がおもろいねん!』 ガイコツに怒鳴り付ける。「いえ、何もおかしい事などございませんよ。どうななさいましたか?」 少しあせったようにガイコツは答えた。《絶対おかしい!もしかしてコイツ…》『お前のしわざやろ?お前がオトンとオカンになんかしたやろ!じゃないとこんなんなるはずない!どうやねん!正直に言ってみろや!』 気が動転していた俺は顔を真っ赤にしてガイコツに詰め寄った。するとガイコツはますますあせったように「めっそうもございません!私がご主人さまの命令もなしに何かすると思いますか?とんだいいがかりでございます。ご主人さま気を確かに持ってください。」と少し後ろに下がりながら言った。
2006-04-29 20:32:00 -
190:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《びびりすぎや!あきらかに怪しい!絶対コイツがなんかしたんや。脅したら吐くかな?》ガイコツの態度を見てそう思った俺は 『正直に言えや!お前この前も俺の許可なしに勝手にオカンに魔法かけたやんけ!昨日俺が寝てる間オトンとオカンにかけたんやろ!』 と怒鳴り付ける。するとガイコツはため息をついて 「いい加減にしてください。それをした所で私になんの利益があるのですか?」とあきれはてた態度を取った。その態度は俺の怒りを余計に大きな物にした。 『この嘘つきが!お前俺に嘘ついたらあかんのんちゃうんか?認めろや!決まりを破ったらあかんねんやろ?お前が決まりを破るんやったら俺も破ったるわ!お前みたいなしもべなんかいらんわ!魔界に帰れや!』
2006-04-29 21:54:00 -
191:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺は言ってはいけない言葉を言ってしまった。ガイコツはその言葉を聞き慌てて「ご主人さま。今のお言葉をお取り消しください!今のお言葉は契約破棄にあたります。早くお取り消し頂かないと大変な事になります。お願いです。私の意識があるうちに!」 と俺に言った。なんだかものすごく焦っていたみたいだが俺は取り消す気はなかった。《コイツが決まりを破ったんやし、契約破棄しても俺は悪くないやん!》『じゃあ認めろや!んで俺に謝った後、魔法でオトンとオカンを元に戻せ!じゃあ取り消したるわ。』 俺は勘違いをしていた。この時の俺はガイコツが契約破棄を取り消せと言ってるのは、本に戻りたくないからだと思っていたのだ。 「信じてください。私は何もしておりません。嘘などついておりません。早くお取り消しください。」 そう言った直後だった。急にガイコツは力なくその場に倒れこみ動かなくなった。
2006-04-29 22:08:00 -
192:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《えっ…死んだ?》ガイコツはぴくりとも動かない。《でもコイツが悪いねん!嘘付くからや。》そう思いながらじっとガイコツを見つめていた時だった。…バン!と急にリビングのドアが開けられた。そこには全身黒づくめのあの男が立っていた。
2006-04-29 22:14:00 -
193:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「ははははは。小僧!よくぞやってくれたな!お前は何をしたかちゃんと理解しているか?お前は今契約を破棄したのだぞ?」 男は嬉しそうに笑いながら俺の元に近づいてきた。だが俺はひるまなかった。 『破棄したんはコイツが俺に嘘ついたからやん!コイツも決まり破ったんやからお互い様やん!』 強気な態度を取る。男は俺の目の前まで来ると 「お前はしもべが嘘をついたと本当に思っているのか?そう思っているなら大きな間違いだぞ!しもべも嘘をついてないと言っていただろう?なぜ信じれぬ?」と俺の顔を覗き込みながら言った。俺は男が怖かったので男とは目を合わさずに『信じれる訳ないやん!俺が寝てる間にやったかもしらんやん!二人とも死ぬんなんかありえへんもん。』と俺なりの理由を男に言った。
2006-04-29 22:29:00 -
194:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「なるほどな…。ならばこれを見れば信じるしかあるまい!」 男はそう言うと自分の手の平を俺の前に差し出した。そこには昨日の俺の部屋の光景が映し出されていた。俺が部屋に入ってきた。そして、布団にくるまり眠りに着いた。ガイコツは俺のイスにじっと座っている。しばらくすると朝になったようで俺が起きた。ガイコツは俺が起きるまでずっとイスに座っていた…。俺の額を汗が流れる…。 「契約破棄をした時の事を覚えているな?命を頂くと書いてあっただろう?」 男は俺を見つめニヤリと笑った。《やばい。殺される…。》
2006-04-29 22:38:00 -
195:
名無しさん
しおり
2006-04-30 00:50:00 -
196:
名無しさん
うわめちゃめちゃ気になるやん
2006-04-30 16:51:00 -
197:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺はその場から急いで逃げ出したかった。だが殺されるという恐怖心のおかげで体がすくみ、動く事ができない。俺は目を閉じた。《もう終わりや。どうせなら痛みもなく殺してくれ。》だが、目を閉じてしばらくすると男は思いがけない話を始めた。 「小僧、まぁそう死に急ぐな。お前が契約破棄をする事など俺は解っていたぞ。人間という物は遅かれ早かれ必ず破棄をするのだ。」その言葉を聞き俺はうっすらと目を開けた。 「ここで一つ俺から提案があるのだが…楽しいゲームをしないか?小僧が勝てば契約破棄の事はなかった事にしてやろう。だが俺が勝てば今度はこそは小僧の命をもらおう。どうだ?」
2006-04-30 20:58:00 -
198:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺は死にたくなかった。必死になり男に詰め寄る。 『それってどんなゲームなん?勝ったら本間に死なんでいいん?』 すると男はまたニヤリと笑い俺の顔を覗き込みながら「なに、簡単なゲームだ。今から五時間の間小僧はしもべから逃げ回ればいい。俺は今からしもべに小僧を殺すように魔法をかけるのでな。しもべが人間を殺す時はどうするか知っているだろう?周りの人間には充分気をつける事だな。」 とおもしろそうに言った。「どうする?ゲームをするかしないかは小僧次第だぞ。さぁ決めてくれ。」 『わかった。ゲームする。やっぱ死にたくないし…』《五時間だけ逃げたらいいんやな。》俺は覚悟を決め答えた。
2006-04-30 21:10:00 -
199:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「覚悟はできたようだな。ならばさっそく始めようか。小僧!これを持っていろ。この時計で五時間経てばゲームは終わりだ。」 男はそう言うと古い懐中時計を俺に差し出した。俺は黙ったまま懐中時計を受け取った。懐中時計を見るとすでに十分経っていた。 『えっ…これおかしいんやん。もう始まってるん?』まだスタートとも言っていないのに時計の針は進んでいた。すると男は 「こちらと魔界とでは少し時差があるのでな…。今から開始だ。その時計で今から五時間後に終了する。さぁ逃げろ!」 と言いガイコツに手をかざした。するとガイコツは起き上がり男の方を向いた。『あの小僧を殺すのだ。』男がガイコツにそう言うと『かしこまりました神様。あの小僧でございますね。私にお任せ下さいませ。』といい俺を見た。俺は急いで家を飛び出した。
2006-04-30 21:52:00 -
200:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
外は少し曇っていて寒かった。俺はどこにいけばいいのかもわからずに駅の方向へと走っていた。すると前に見覚えのある女が歩いていた。《もしかしてあれってカオリちゃうん?》俺は女を追い抜かして顔を見た。『やっぱりカオリやん!おはよ。今から学校行くん?』カオリの前で立ち止まり話かける。全力で走っていたので息はきれ、汗が流れる。「おはよ。てかノブユキ君どうしたん?そんなに急いで。学校遅刻しそうなん?」カオリは俺の様子をみて少し驚きながらそう言った。 『ちゃうねん!あんな…』俺が話始めたその時… 「あぶないっ!」 上から声がする。俺が上を見ると俺めがけて植木鉢が落ちてくる所だった!俺はとっさに横に逃げると、さっき立っていた場所にガチャンと植木鉢が落ちた。
2006-04-30 22:10:00 -
201:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「すいませーん。大丈夫ですか?怪我してません?」落とした人が上から謝っている。 『当たってないから大丈夫やで。気付けてな。』 そう言いながら上を見ると男の人の横にガイコツがいた。こっちをみながら笑っている…。俺は無意識にカオリの手を引きその場から逃げた。《やばい。殺される所やった。どっか安全な所ないかな?外はやばい!》「ちょおノブユキ君!手痛い!いったいどうしたん?」パニックになっている俺にカオリが声をかける。《そーや!カオリの家に非難さしてもらおう!家の中やったら安全やろ!》そう思い… 『訳は後で話すからカオリの家に非難さしてくれへん?俺今命狙われてんねん!』と必死になって頼みこんだ。
2006-04-30 22:30:00 -
202:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『おじゃましまーす。』 カオリはまったく訳が解らないといった顔をしていたがなんとか家に非難さしてくれた。カオリは一人暮らしをしているらしく、部屋は狭いワンルームだった。 「さぁ、命を狙われている訳を話してちょーだい。」部屋に入り鍵を閉めた後カオリは俺に言った。俺はガイコツの契約の話をカオリに話した。カオリを惚れさした事はいわなかったが…。
2006-04-30 22:38:00 -
203:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
カオリは俺が話終わるまで一言もしゃべらず俺の話を聞いていた。そして全て話終わった後カオリは口を開いた。「じゃあ五時間経てばノブユキ君は死なないでいいんだよね。後どれぐらい?」 俺は懐中時計をポケットから取り出した。すると、すでに一時間が経っていた。『後四時間やなぁ。』 「四時間かぁ。長いね。」カオリがそう言った時、カオリの家伝が鳴った。 「はい、アベです。はい。居ますよ。代わります?」俺をチラチラ見ながら電話をしている。少ししてカオリは受話器を手で押さえながら…「なんかノブユキ君の学校の西浦先生だって。」 と俺に受話器を手渡してきた。《なんで西浦がここにおるんわかるねん!おかしいやろ!》俺は受話器を手に取ると急いで電話を切った。
2006-04-30 23:01:00 -
204:
名無しさん
しおり
2006-05-01 00:06:00 -
205:
名無しさん
あ
2006-05-01 17:13:00 -
206:
名無しさん
カオリに殺されて死にました。 ‐‐‐END‐‐‐
2006-05-01 17:49:00 -
208:
名無しさん
本間におわり??
2006-05-02 13:05:00 -
209:
名無しさん
209あほやん
2006-05-02 13:17:00 -
210:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「勝手に電話切ってもいいの?学校の先生やろ?休むんやったら休むってちゃんと連絡しなきゃ。」 電話を切ると同時にカオリは俺に言った。どうやら西浦からの電話がおかしい事に気付いていないらしい…。『いや、今の電話おかしいやろ?なんで西浦が今俺とカオリが一緒におる事わかるん?俺達が出会ったんって昨日の朝やで?』 そこまで言うとカオリもおかしい事に気付いたようで…「どうしよ…。ここにおるんばれたんちゃうん?やばいかなぁ。ごめん…。」 と気まずそうに俺に謝る。『謝らんでいいよ。しゃーないやん。それよりこれからの事を考えなあかんなぁ…。ここはもう無理やし、後四時間もの間どこに逃げるか…。』 俺がそう言った時だった。カチャ…。と音がして玄関のドアの鍵が開いた。
2006-05-02 14:05:00 -
211:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
もちろん俺もカオリも玄関の鍵が開けられる事など予想していなかった。ゆっくりと玄関の扉が開かれる。するとそこにはカオリの元彼が立っていた。男はカオリに 「なんでコイツがここにおるん?俺はまだお前と別れるん認めてないぞ!」 と大声でどなった。だがカオリは冷たく… 「アタシはアンタとはもう終わったつもりやから。それと合鍵も返して!もうここにこんとってな?迷惑やし。」と言い放った。元彼はその言葉でかなりの怒りを覚えたようで、顔がみるみる真っ赤になっていった。俺はどうする事もできずに、二人のやりとりを聞いてた。
2006-05-02 14:26:00 -
212:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『早く合鍵置いてでてってよ!迷惑なんだってば!』カオリは男にとどめの言葉をあびせた。すると男は 「俺をふっといてお前だけ幸せになるんなんか許さん!お前の幸せ奪ったる。」と言いポケットから折り畳みナイフを取り出した。男の目は完全に座っている。《これってやばいんちゃうん…。》俺が一人焦っていると男は俺に向かい 「人の女奪いやがって!殺したるわ!」 と叫ぶと靴のまま部屋にあがりこみ俺に近づいてきた。
2006-05-02 14:36:00 -
213:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「ノブユキ君大丈夫?怪我してない?アタシ必死で…。」 灰皿を持つカオリの手は震えていた。元彼は頭から大量の血を流し痙攣している。『俺は大丈夫やで。怪我もしてないし…。それよりこの場所やばくない?多分コイツもガイコツに魔法かけられたと思うで。必死に俺殺そうとしてたもん…。』俺がそう言うとカオリも 「うん。多分そうやと思う。この人普段怒ってもこんな風にならへんかったもん。それに人を殺す勇気もないと思うし…。」 どうやら同じ事を考えていたらしい。とりあえずここは危ないので俺たちは部屋を後にした。
2006-05-02 19:41:00 -
214:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《外に出たものの、いったいどこに隠れたらいいんやろ?俺の家はオトンとオカンが死んでるし、もしかしたらあの男おるかもしらんし…。》頭の中はその事でいっぱいだ。懐中時計を見るとあれから三十分が経っていた。《残りは後三時間半かぁ。長いなぁ…。》カオリの手を引き駅前の方へと歩いていた。すると後ろから 「おーい。そこの君たち少し待ちなさい。」 と声がした。振り返ると自転車に乗った警察官が近づいて来ていた。
2006-05-02 19:55:00 -
215:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺たちはその場に立ち止まった。警察官は俺たちの前に自転車を止め 「君たち学生だよね?今日は学校はどうしたの?」 と聞いてきた。見たところ警察官に成りたての若い交番勤務の警官だ。きっと何か手柄がほしいのだろう。『ちょっと訳あって今日は行ってないねん。』 と俺は言った。本当の理由を話した所で相手にされないのは解っていたからだ。「んー。学校にはちゃんと連絡したのかな?念のため二人の名前と住所を聞かしてくれないかな。」 と言い警察官は手帳とペンを取り出した。
2006-05-02 20:17:00 -
216:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「じゃあまずは君から。」警察官はカオリにむかい言った。カオリは聞かれると同時に住所と名前を言った。早くこの場を去りたいという俺の気持ちをわかってくれたのだろう。 「次は君の番。同じように名前と住所を言って。」 『スギタノブユキ。住所は…』 「ちょっと待って!もう一度名前を言ってくれる?」俺が名前を言った瞬間に警察官はペンを止め、じっと俺の顔を見つめている。《なんやろ?》俺はそう思いもう一度名前を言った。 「少し待っていなさい。」そう言うと警察官は俺たちから少し離れ、無線を使い何か話している。少しすると警察官はすこし顔を強ばらせ俺たちの所に戻ってきた。
2006-05-02 20:31:00 -
217:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
「スギタノブユキ君だね?君に両親殺害の疑いがかかっている。今応援を呼んだからおとなしくその場で待つんだよ!君を逮捕する。」 戻ってくるなり警察官は俺に向かってそう言った。《嘘やろ?俺が殺した事になってるん?なんで?オトンの遺書とかあったやん!》 『いやいや、俺殺してないで!あの二人俺が寝てる間に勝手に喧嘩して、その結果オトンがオカン殺してんやん。遺書にも書いてたやろ?』訳がわからない!俺は必死になり否定した。警察官は「嘘を付くな!報告では君の両親は刃物で全身をメッタ刺しされていたらしいじゃないか!部屋に落ちていた刃物から君の指紋も検出されているんだぞ!」 と怒鳴った。
2006-05-02 20:47:00 -
218:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
全身をメッタ刺し?刃物から俺の指紋?訳が解らない!俺が見た光景とはまったく違うのだ!《もしかしてコイツ等にも魔法が…。》それしか考えられなかった。《そうやったらコイツ等に捕まったら殺される。》俺はカオリの手を強く握った。カオリは俺の目を見つめ小さく頷いた。その瞬間俺は警察官の自転車を蹴倒し、警察官に背を向け逃げた。「こら!お前逃げても無駄だぞ!今すぐ止まれ!止まらないと撃つぞ!」 警察官は大声で叫んだ。だが俺はそんな言葉など聞こえていないふりをしてカオリの手を引き必死に走った。…パーン………ビシッ!!警察官は俺たちの足元めがけ発砲してきた。弾丸は俺の足元の少し横に当った。《もし当ったら…。》そんな事を考えると冷や汗が流れたがとにかく俺は必死に逃げた。ふと見ると小さな曲がり角がある。そのまま走るといつかは弾丸が当りそうなので俺はその曲がり角をまがった。 パンパンパンパン!曲がった瞬間に四発の発砲音が聞こえたが俺たちは振り返る事無く走り続けた。
2006-05-02 21:02:00 -
219:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺たちはしばらく走り続け、息苦しくなってきたので歩く事にした。警察官に発砲された事と全力で長時間走った事で、心臓の鼓動が激しくなっているのがよく解った。ふと周りを見ると駅の近くのホテル街まで来ていた。朝方という事で辺りには全く人気がない。 「さっきの警察官にはびっくりしたね!まさか撃つとは思わなかった。それにしても疲れたね。こんなに走ったの久しぶりやわ。」 カオリは息を切らしながら俺に話し掛けた。 『俺も撃ってくるとは思わんかったわ。びっくりした。当らんでよかったな。』と辺りを見回しながら行った。こういう所に来るとどうもキョロキョロしてしまう。《カオリとこんなとこ入れたらなぁ…。》そう思ってると「ホテルに入る?今の時間帯やったらサービスタイムとかあるから安いしね。」とカオリが言う。俺はびっくりしてカオリを見た。するとカオリは顔を真っ赤にしながら「変な意味ちゃうで?非難するのにちょうどいいかなって思ったからやで…。」と恥ずかしそうに言った。『そうやな。部屋に絶対入ってこられへんもんな。』俺達はホテルに非難する事にした。
2006-05-02 21:59:00 -
220:
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あぼ~ん -
221:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
いざホテルの中に入るとなぜか変な気持ちになる。非難のためとわかっているのだが、頭のどこかでは少し期待しているような…。パネルで適当に部屋を選び俺たちは部屋の中へと入った。部屋のなかは大きなベットと大きな薄型テレビがあった。テレビの下にはゲームのコントローラーとマイクがついてあり、カラオケやゲームができるようになっていた。 『なんかいっぱいあるなぁ!こんだけあったら時間けっこう潰れるなぁ!』 俺は少し楽しくなりカオリに話し掛けた。 「うん。テレビ見たりゲームしたりしていたらあっという間だろうね!残り時間って後どれぐらいなの?」俺は懐中時計をポケットの中から取り出した。時計の針は二時半を指していた。『今で後半分やで!早く時間なったらいいのにな。』俺がそう言うとカオリは 「後半分かぁ…。時間になったらお祝いしよっか!ケーキ持ってきてもらっといて誕生日みたいに、ロウソク消してお祝いしよう。」と言いフロントに電話を掛けた。
2006-05-02 22:18:00 -
222:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
それからしばらくするとチャイムがなりケーキが到着した。ドアの横の受け取り口を開きケーキを受け取った。ケーキは苺の乗った少し大きな丸いバースデーケーキ。俺はそれを持って部屋の中に入っていった。 「わぁ、すごい大きい!」ケーキを見たカオリは目を輝かしながら俺に言った。 「時間まで後どれぐらいなの?時間が来たら二人でウェディングケーキみたいに切り分けようね。」 とても楽しそうだ。 『うん!時間が来たら一緒に切り分けような。』 それから時間がくるまで俺たちはテレビを見たりゲームをしたりして時間を潰した。終了時間の五分前に急にカオリの携帯が鳴った。
2006-05-02 22:29:00 -
223:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『誰から?』 俺は少し気になり聞いた。「着信ちゃうで。アラームやで。遊んでて時間過ぎたらアカンからセットしててん。」といいカオリはアラームを切った。俺はポケットから懐中時計を取出しテーブルの上に置いた。時計の針は四時五十五分を指していた。二人で針をじっと見つめる。会話もなく五分が過ぎようとした時 「十秒前…九…八…七…」とカオリがカウントを始めた。俺も一緒になりカウントをした。「五…四…三…二…一…」…グサッ!時計の針が五時を指した瞬間だった。俺の腹にナイフが刺さった。《えっ…。》刺したのはカオリだった。俺は口から血を吐き床に転がった…。
2006-05-02 22:42:00 -
224:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
体に力が入らない。息もしにくい。《なんでカオリが俺を刺すん?もう五時間経ってゲーム終わったやん!》そんな事を考えている内に出血はどんどんひどくなり意識ももうろうとしてきた。カオリは手にナイフをにぎりしめ俺を見ていた。…バン!と音がして部屋のドアが開いた。入ってきたのは男とガイコツだった。男は俺の姿を見ると笑いながら『ははははは。小僧残念だったな!よく思い出してみろ!時間は後十分残っていたのだぞ!ゲームは小僧の負けだな。』 と楽しそうに言った。俺は男に何か言い返したかったが、血が流れ過ぎてて話す気力も残っていなかった。男は俺の近くまで来るとしゃがみ込み俺の耳元で… 『冥土の土産に教えてやろう。あの女は、お前が朝会った時にはすでに魔法がかかっていたのだぞ!油断したな。それとお前の両親だが俺が始末させてもらったのだ。この楽しいゲームを始めるためにな。もちろんこの事はしもべも知っている。最初に話したな。暇つぶしのために人間にノートを渡すと…それは全てこのゲームを始めるためだ!人間がどう使おうとそんな事には興味はない!この五時間が楽しめれば俺は満
2006-05-02 23:04:00 -
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あぼ~ん -
226:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
━━━━━完━━━━━━
2006-05-02 23:11:00 -
227:
名無しさん
お疲れ〜?なんとなく結末分かってたけど面白かったで!また書いてな
2006-05-03 00:10:00 -
228:
名無しさん
しもべも知ってたから焦ってたりしてたんゃな(*゚Д゚)?なんか繋がって安心したゎ??ょかった??
完結おめで??・?・?){ポッ2006-05-03 01:28:00 -
229:
名無しさん
アゲ
2006-05-07 01:13:00 -
237:
名無しさん
?
2006-06-15 11:51:00 -
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あぼ~ん -
240:
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あぼ~ん -
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あぼ~ん